カナダ移民・永住権

カナダの永住権取得と仕事・職業の関係を徹底解説!

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カナダに移民を考えていらっしゃる方の中から、「私は看護師だけど移民が有利なの?」や「私は保育士をしているけど移民はできるかな?」と言った質問や、もっとストレートに「カナダで永住権を取得するのに有利な職業はありますか?」と言ったご相談をお受けすることがあります。

そこでここでは、そんなカナダ移民を考えていらっしゃる方のために、カナダで永住権取得と職業についての関係性について詳しくご案内させて頂きたいと思います。

カナダでの職業と学歴の関係について

まず、カナダで就労許可証もしくは永住権を経済カテゴリーで申請したい場合、そのほとんどのケースにおいて、まずはカナダで雇用主を見つけることが必要になります。

その際、「日本での資格・学歴と類似する職務経験」が非常に重要になってくるのですが、そこで以下に、就職別にカナダでの職業継続(キャリア継続)の条件を一覧にしてみましたのでご覧ください。

カナダでの職業継続条件一覧

介護士
高校以上の学歴、介護士のコース卒業・応急処置の資格が必要な場合があります。
会計士
大学卒業と訓練、国際またはカナダでの資格が必要です。
エンジニア(整備士)
整備士の分野での学歴、3~4年以上の訓練と資格試験の登録が必要です。
看護師
看護師用のプログラム卒または短大・大学卒業。カナダでの登録が必要です。
美容師
美容師の資格が必要な州があります。
保育士
短大以上の保育の学歴と、州の登録が必要です。
医師
大卒とカナダでの医師免許登録が必要です。
無職
フルタイムで働いていていた、もしくはカナダにてフルタイムの仕事があれば永住権申請の可能性が出てきます(※ 1年以上、同じ仕事継続が必要)。
アルバイト
フルタイムで働いていていた、もしくはカナダにてフルタイムの仕事があれば永住権申請の可能性が出てきます(※ 1年以上、同じ仕事継続が必要)。

上記のように職業登録等が必要な職業は、日本で資格と経験があってもカナダで登録をしなおすことが必要です。

永住権を取得する模索するには、コンサルタントから職業・地域別の最新の情報を得ながらカナダにて雇用主からの職業オファーを受け、申請することが非常に効率的です。

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職業・資格と永住権申請地域の関係性?

続いて職業と資格と永住権の関係性についてですが、実は、「今までの仕事経験や資格がカナダでも認められるか?」もしくは「新たに資格を取得しなければいけないか?」それとも「全く必要無いか?」は、仕事とカナダで申請する州によって大きく違ってきます。

そこで、以下にそれぞれの州の資格・仕事関係のウェブサイトのリンクを作成しておきましたので、必要に応じて仕事に必要な資格や資格の取得方法を調べてみてください(英語サイトです)。

※ 上記、各州名を押して頂けますと関連したカナダ州の行政ページが開きます

また、上記のウェブページで探すことは一般の方々には少し難しいですので、本格的に永住権取得を意識される際は、やはり移民コンサルタント等の専門家に資格の有効性や必要性について、または永住権申請地域など詳細を相談することを推奨致します。

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NOC(国家職業分類)って何?

カナダの草原

National Occupational Classification[NOC](国家職業分類)

カナダ政府の職業を分類するのに使われている「National Occupational Classification(NOC)」と言うシステムについてご紹介致します。

National Occupational Classificationは略称「NOC」と言って、カナダ移民プログラムの多くがNOCを使い職業や職務経験がそれぞれのプログラムの基準に見合ったものであるか?を見極めるために使われています。

もう少しかみ砕いてご説明すると、NOCは永住権申請時に職業・階級・キャリアを振り分け判定するシステムで、職業やキャリアによって移民に対するハードルに変化を加えようというものです。

例えば、Federal Skilled Worker Programにて永住権を申請したい時には、NOCの管理職(Managerial work)または技術職(Skilled Work)であることが移民申請可能ポイントを得るためには必須となります。

Federal Skilled Worker Programとは?

NOCの主なグループ分け

Skilled Work

スキルレベル 0 – 管理職(マネジャー)
例: レストランマネジャー・鉱山マネジャー・船長
スキルレベル A – 専門家(大学卒業を要すことが多い)
例: 医者、建築家
スキルレベル B – 技術職・ 熟練を要する職業(カレッジ卒業・見習いとして訓練されることが多い)
例: シェフ・配管工・電気技師

Semi Skilled Work

スキルレベル C – 中級レベルの仕事(高校卒業・特殊な職業訓練を要すことが多い)
例: 長距離トラック運転手・肉屋・ウェイター
スキルレベル D – 労働作業を伴う仕事(実地訓練が必要とされることが多い)
例: 清掃業・油田労働者・果物採集

NOCの調べ方

あなたのNOCの番号とスキルレベルはこちらのリンクから検索と、NOC番号からMatrixの表に照らし合わすことで確認することができます。また該当の仕事を探すのにどんな学歴、訓練、資格が必要なのかもチェックすることができます。

NOCの職業リスト
http://noc.esdc.gc.ca/English/NOC/QuickSearch.aspx
NOCの職業検索ページ
http://noc.esdc.gc.ca/English/noc/welcome.aspx?ver=16

自身の職業を見つけ『NOC code(職業別に振り分けられた4桁の数字コード)』を確認したら、その仕事がスキルレベルのどれにあたるか(0, A, B, C, D)を確認します。また、仕事のスキルレベルが申請するビザプログラムの要件に見合ったものであるかも併せて確認します。

例えば、先に紹介した技術者のための永住権申請プログラムであるスキルドワーカープログラム(Federal Skilled Trade Program)を通して永住権を申請する場合には、「スキルレベルが0・A・B」のいずれかでなければなりません。

NOCのスキルレベルを確認できる表
http://noc.esdc.gc.ca/English/NOC/Matrix2016.aspx?ver=16

NOCのスキルレベルのチェック例(看護師編)

例えば、正看護師の場合、上記の『NOC職業リスト』でのNOCコードは「3012」だと確認でき、『NOCの職業検索ページ』にてNOCコードを打ち込むと、更に職業の詳細一覧などを確認することができますので、自身の職業が本当に合っているかを確認します(もちろん検索ページにて職業を検索窓に入力してもNOCコードを調べても良いです)。

次に、『NOCのスキルレベルを確認できる表』のページにて、NOCコードの冒頭が「3」ですので、右へと数字が大きくなるところから『Health occupations』の列だと分かり、そしてNOCコードの次の数字が「0」ですので、『Health occupations』の列を下に下がり「30」の位置を見ると『Skill level A』と、看護師のスキルレベルが『A』であることが確認できます。

NOCの探し方のポイント

  1. ポジション名、職務内容(Main Duties)、学歴・経験・資格を確認する要件(Employment requirements)から自分がその職種に合っているかを確かめる
  2. ポジション名でなく職務経験をもとにNOCを決める(50%の職務経験がNOCと合っていると問題無い)

移民申請時に職業と給料って関係あるの?

落葉が広がるカナダの公園

移民申請の職業と給料について

「カナダで仕事が決まりそう!」または「永住権を取得したい!!」でもその前に、実は、カナダの永住権の申請には職業に応じて会社からの給料規定が設けられています。

やはり、良い職業についていても生活ができないようなケースで移民許可を出す訳にはいきませんので、職業だけ斡旋するような不正に使われないためにも申請には職業の最低賃金が設定されています。

そこで、あなたの職業の場合、会社からいくらのお給料をもらっていれば永住権が申請できるのか?実際に調べてみる方法を解説致します。

  1. step 1 NOCコードを選ぶ
    カナダでの仕事に合わせてNational Occupational Classification code(NOCコード)を探します
    http://noc.esdc.gc.ca/English/home.aspx
  2. step 2 Wage Reportで平均賃金を確認する
    役職名もしくはNOCコードを入力し、就業地域の「median wage」を確認する
    http://www.jobbank.gc.ca/wage-outlook_search-eng.do?reportOption=wage
  3. step 3 給与の交渉・調整をする
    給料額が必要額に満たない場合には、ビザ申請をする前に雇用主と給料額の交渉を行います。

※ 最低でもPrevailing wage(平均賃金ではなく、その職業で働く同等の経験・資格有する労働者に支払われている一般的な賃金)が雇用主からオファーされることによって、多くのビザプログラムへの申請が可能になります。

Prevailing wageとビザにについて

永住権プログラムのほとんどはprevailing wageを必要ですが、ビザによってPrevailing wageが必要にならないものもあります。

Prevailing wageを必要とする就労許可証の種類の例
転勤用就労許可証 – Labour Market Impact Assessment ベースの就労許可証
Prevailing wageを必要としない就労許可証の種類の例
配偶者オープン就労許可証 – 学生用就労許可証 – ワーキングホリデー

カナダで就労許可証もしくは永住権を経済カテゴリーで申請したい場合、結局はカナダで雇用主を見つけることが必須になってきます。

カナダでは日本同様にウェブサイト(Monster.ca、Job Bank、Craigslist)により仕事を探すことが多いですが、職業を斡旋してくれる人材派遣会社(Recruitment Agency)を通して仕事を見つける方法もあります。

また、カナダ政府は以下のような職業斡旋を促すサイトを運営しているので、こちらを参考に仕事を探してみても良いです。

カナダで仕事を見つける(カナダ移民局ウェブサイトより)
https://www.jobbank.gc.ca/findajob

カナダ滞在中に仕事を探す方法

カナダではネットワーキング(人脈)を通して仕事を見つける割合がもっとも高いと言われており、既にカナダにいる方は、自分からどんどん進んで仕事につながる繋がりを増やすことが就職への近道となります。

単身でカナダに渡る人でも最初は仕事を見つけるのに苦労しますがが、過去このネットワーキングのやり方のみで就職先を見けることができた例も多数あります。

また、仕事の話はどこから舞い込んでくるか分かりません。周りの人とは家族、友人、髪を切ってくれる美容師・タクシーの運転手・学校の先生などネットワーキングイベントやセミナーへ出かけて、自分を売りこむこと(名刺を渡す等)も忘れないでください。

ネットワークを作る方法の例

  1. 周りの人に仕事を探していると伝える
  2. 図書館などで行われている無料の会社リサーチセミナーへ出かける
  3. 行きたい会社トップ10を書きだす
  4. 興味のある会社へ直接出向いて履歴書を渡す
  5. 興味のある会社へ電話やメールをして採用権を持つ人とのアポを取る ※
  6. 次に会ったらいい人を紹介してもらう
  7. お礼のメールやフォローアップは忘れずに!

Informational Interviewとは!?

カナダでは、万が一就職希望時に採用枠が会社になくとも、採用権のある人とアポイントメントを取り会いにいき、「この分野で働くにはどんな経験を積んだら良いか?」等、直接質問を得ることも珍しくありません。あくまで仕事やその分野に関するアドバイスをもらうことを念頭におきますが、採用情報を深めるのと交友関係を広げるのには大きな力を発揮します。

カナダで仕事を探す必要がないケース

カナダでの仕事がなくても就労許可証や永住権の申請ができるのは次のような例があります。

  • ワーホリなどのオープンワークパーミットを申請する場合(18歳から30歳まで)
  • 家族が呼び寄せて永住権を申請する場合
  • Express Entryの点数が高く、雇用主のサポートなしに申請が可能な場合
  • 文化的もしくはスポーツで世界的レベルがある
  • 自分でカナダでビジネスを始め 起業家として申請する場合

Express Entryとは?

カナダで需要の高い職業

最後にカナダで需要度の高い職業についてですが、もちろん需要度が高いということは就職枠も多く、永住権や就労ビザ申請にかなり有利に働くことが多い職業になります。仕事の一覧を引用してきましたので以下をご覧ください。

需要の高い職業の海外特集ページへ(Canada Business・Canada Livingより引用)

その他の需要の高い職業

  • 鉱業または林業の管理職クラス
  • 都市計画
  • パイロット
  • モバイル開発者オイル・ガスウェルオペレーター
  • 不動産・ファイナンシャルマネジャー
  • エンジニア
  • テレコミュニケーションマネジャー
  • 石油・化学技術者
  • 弁護士
  • 精神分析医
  • 臨床衛生検査師
  • スピーチセラピスト
  • 営業部長
  • 人事職
  • 手に職のある各技術職

カナダで需要の高い職業は上記のようなものがありますが、この仕事に就かないと永住権を申請しにくいということはなく、管理職と技術職であれば非技術職(Semi-Skilled Work)よりも永住権申請のチャンスは増えます。また、州により特定の職業についているとポイントが高くなることがありますので、もし詳細が必要な場合には以下よりお問い合わせください。