ソーシャルワーカー(社会福祉士)を海外で目指す方法!
日本ではソーシャルワーカー(社会福祉士)と言う言葉があまり知られていませんが、海外では既に幅広く認知された職業になっています。
しかしながら、日本ではソーシャルワーカーとして勤務することについて免許などは必要とされておらず、先進国の中でもかなり遅れている国となってしまっています。
そうした中、日本ではうつ病やパニック障害などの精神的疾患を抱えていらっしゃる方々や生活保護に学校のいじめや不登校の生徒などが激増しており、ソーシャルワーカーの仕事は今後も右肩上がりで増えていくことが考えられております。
そこでここではソーシャルワーカーの皆さんと、海外でソーシャルワーカーを目指す皆さんのために、『海外でソーシャルワーカーとして働く方法』と『英語が使えるソーシャルワーカーの必要性』についてご紹介させていただきたいと思います。
ソーシャルワーカーは何をしている?
まず初めに「そもそもソーシャルワーカーの人たちが一体どのようなお仕事をしている人が多いのか?」ソーシャルワーカー(社会福祉士)では無い皆様のために案内させていただきたいと思います。
ソーシャルワーカーといっても、携わっている仕事の分野は様々で、例えば高齢者福祉施設での勤務をされている方や障害者福祉、または医療関係でも勤務されていらっしゃいます。
そうしたソーシャルワーカーの仕事が多様化する中、公立の福祉事務所では『ケースワーカー』、社会福祉施設では『生活相談員』、児童養護施設では『児童相談員』、医療機関では『医療ソーシャルワーカー(MSW)』といった名称で呼ばれており、こうした職業の皆様は全てソーシャルワーカーの中に入っていると思っておいてください。
- 公立の福祉事務所: ケースワーカー
- 社会福祉施設: 生活相談員
- 児童養護施設: 児童相談員
- 医療機関: 医療ソーシャルワーカー(MSW: Medical Social Worker)
- 学士ソーシャルワーカー(BSW: Baccalaureate Social Worler)
- 修士ソーシャルワーカー(MSW: Master Social Worker)
- 学校: スクールソーシャルワーカー(SSW: スクールカウンセラー)
※ 医療ソーシャルワーカーと修士ソーシャルワーカーが海外では同じように略語になることがあるので注意が必要です。
ソーシャルワーカーの免許とは?
あまり知られていませんが、実は、日本のソーシャルワーカーとして働くために必要な免許は無く、ニュース等でよく見る『社会福祉士』や『精神保健福祉士(PSW)』と呼ばれる資格は、ソーシャルワーカーとして働くための資格では無くて、面接・採用時に有利に使えるプラスアルファとしての資格となります。
そのため、例えば学校で勤務しているスクールソーシャルワーカー(スクールカウンセラー)ですと、厚生労働省の発表したデータによると約半数の50%しか社会福祉士の資格を保有していません。
子供の不登校や引きこもり、または学校のいじめなどにも対応するスクールソーシャルワーカーでさえ、『勤務している方々は無資格』といった状況ですので、日本のソーシャルワーカーがどれほどしっかりと整備されていないかもわかります。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
分野 | 割合 |
---|---|
高齢者福祉関係 | 43.7 |
障害者福祉関係 | 17.3 |
医療関係 | 14.7 |
地域福祉関係 | 7.4 |
児童・母子福祉関係 | 4.8 |
行政相談所関係 | 3.4 |
生活保護関係 | 0.8 |
その他 | 7.5 |
無回答 | 0.3 |
※ ソーシャルワーカーが働いている内容は本当にバラバラです。
(厚生労働省:2019年度調べ)
日本のソーシャルワーカーの平均年収は?
続いては、「日本のソーシャルワーカーが社会的にどれほど評価されているか?」という点について『社会的な評価の基準として分かりやすい平均年収』を使って解説させて頂きます。
日本のソーシャルワーカーの平均年収は、携わる仕事の分野によって変わってきますが平均すると約410万円ほどになります。
2019年度の日本人の平均年収は441万円と言われているので、例えばケースワーカーとしての生活保護者への対応など『神経をかなりすり減らす現場でのストレスのかかる仕事』であることを考えると、非常に低く設定されていることがわかります。
また、世界的なソーシャルワーカーの平均年収を見てみると、高く設定されているイギリスの平均年収813万円と比較すると、日本のソーシャルワーカーたちが、どれほど軽視されているかわかります。
ソーシャルワーカーの離職理由
そうした中でソーシャルワーカーのみなさんが離職する理由と言えば、『低賃金』と『職場でのストレス』です。
職場でのやりがいについては、人のためになる仕事ですので『かなり高い』と言う印象を持って働いていらっしゃる方が多いのですが、どうしても上記の2つの理由から離職される方々がいらっしゃいます。
そのため、日本のソーシャルワーカーとしての職業的な課題としては、お仕事に関する認知度を上げることと、『どれほど重要な仕事であるか?』という仕事に対する理解をもっと広げていかなければいけないといえます。
それにしても、以下の『世界のソーシャルワーカーの平均年収(単位: 円)』を見て頂けますと、日本でのソーシャルワーカーの評価はかなり低いものであることが分かります。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
国名 | 給与(時給) |
---|---|
日本 | 410万円 |
アメリカ | 650万円($58,443/year) |
カナダ | 583万円(C$67,164/year) |
イギリス | 813万円(£53,698/year) |
オーストラリア | 683万円(A$80,781/year) |
ニュージーランド | 495万円(NZ$63,000/year) |
※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。
(indeed:2019年度調べ)
世界のソーシャルワーカーと目指す人たち!
実際ソーシャルワーカーとして勤務していらっしゃる皆様のお話を聞くと、そのほとんどの場合において「仕事中に英語は必要ありません」と言うふうにお答えになられます。
しかしながら、「英語を使うような場面は過去にありましたか?」と言う質問をすると、「はい!そういえば〇〇の時に1度だけありました!」と言うふうに回答されるソーシャルワーカーの皆様がほとんどとなります。
近年では、260万人を超える外国人の方々が日本に在住しており、この人数は、日本にいる大学生の人数とほぼ同じになっています。
そのためスクールカウンセリングの現場においても、簡単ではありますが英語が必要な場面が登場したり、生活保護関連の問題で各家庭を回っている中で外国人家庭があったりして、「英語ができたら便利なのにな・・」と考えられる方も少なくないようです。
海外でソーシャルワーカーになるには?
海外でソーシャルワーカーを目指す場合、その目指す先によって様々なハードルが用意されているのですが、基本的にそのハードルは決して低いものではありません。
例えばオーストラリアの場合、ソーシャルワーカーの資格取得のためには大学進学が必須になるわけですが、その大学進学のためには『IELTSスコア6.5~7.0(TOEIC満点クラス)』という、かなりのハイスコアが必要になります。
そのため、ほとんどの方の場合、大学進学のために1年半~2年間の語学学校や英語学習期間が必要になるので、現実的に目指される方はほとんどいらっしゃいません。
また、カナダの場合も同様ですが、最近では看護師さんたちが『海外での看護師免許取得よりも簡単だ!』と言うことで、一時的にソーシャルワーカーとして転職されることを目指すケースも増えてきています。
カナダでは、看護師としてのナーススクールに通おうと思うと『IELTSスコアが6.5以上』必要になるのですが、IELTS6.5を取るまでには数年の時間が必要になるため、先ずは『IELTS5.5(TOEIC600点クラス)』から進学可能なケースワーカーとしてのカレッジを目指します。
そして実際に、ソーシャルワーカーの卵として勤務して働き、生活を支えながら、将来的な看護師としての道を目指されます。
もちろんこうしたルートは、看護師資格を持っていなくても目指せますので、日本でスクールソーシャルワーカーなどを目指される方にとっても『世界の社会的弱者のサポートに携わり、学んだ経験』は、将来子供たちに話す話題にもできますし、帰国後の面接時にも当然大きなインパクトとなります。
是非、日本でソーシャルワーカーを目指される皆様には、こうした海外留学ルートも参考にしていただければと思います。
ソーシャルワーカーのための理想の留学とは?
ソーシャルワーカーの皆様が留学を考えられる場合に重要なポイントとして、「帰国後に転職をするかどうか?」もしくは「海外でソーシャルワーカーとして働くかどうか?」を留学に出る前にはっきりとさせておくことです。
特に、この目標設定がぶれてしまうと、留学期間は当然のことながら、到達目標になる英語力も全く変わってきてしまうためです。
また、ソーシャルワーカーからの転職を希望される方の場合、必ず現地でのインターンシップ経験やボランティア経験を積み、キャリアとして持ち帰ることを推奨させていただきます。
それだけでも帰国後の選択肢が大幅に増える事になるので、少し大変ですがしっかりと留学カウンセラーさんと相談をしながら、自分の将来への見通しを作り上げていくようにしてください。
ソーシャルワーカーの理想の留学!
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
(※ キャリアアップ・転職・海外永住希望など、英語をどのレベルまで引き上げるのか?もポイントになります)
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- Step.2 留学計画を立てる【留学3~5ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ 海外でBSWを目指すと最低でも4年は掛かってしまうため、カレッジなど短期2年のものを選ぶルートも参考にする)
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 調整と航空券や保険の手配
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
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- Step.9 留学生活スタート!
- 英語力が足りない方は語学学校での学習からスタートします!
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- Step.10 インターンシップorボランティア【就労体験期間】
- 転職希望の場合には必ずこのステップを行います
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- Step.11 滞在延長or帰国!【帰国予定3ヵ月前】
- 就労資格を使って更に滞在期間を延長させて英語力やスキルに磨きをかける!
(※ ここで帰国ルートに入る場合にはStep.12をスキップしてください)
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- Step.12 海外での就労経験+収入!【就労期間】
- 国によっては研修生やインターンシップとしての窓口があるので留学カウンセラーにご相談ください
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- Step.13 帰国前に就職カウンセリングを受ける!【帰国予定2ヵ月前】
- 帰国をしてしまう前に必ず就職カウンセリングを受け、帰国と同時に面接を手配する
(※ 転職の場合には先にキャリアコンサルを入れることで自分に足りないスキルを確認。場合によってはStep.11で留学期間の延長へ)
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- Step.14 帰国!
- 帰国前に留学先での銀行や賃貸契約などを全て切ってから帰ります
(※ 帰国後には面倒ですが役所の手続きなども済ませます)
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- Step.15 企業面接!【帰国2週間以内】
- 帰国前に手配しておいた企業や学校との面接を受けます
(※ 転職の場合も現地就労経験+英語力になるので、面接も順調に手配できます)
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- Step.16 就職していよいよ日本での新生活スタート!【帰国1ヵ月以内】
- 滞在先の相談もココアで合わせて手配しているので新生活がスムーズにスタートします!
ソーシャルワーカー(社会福祉士)を海外で目指す方法!まとめ
ここではソーシャルワーカーと言う日本ではあまりなじみのないお仕事について、日本や海外での事情についてご紹介させていただきました。
しかしながら最近では、『海外で心理学を専攻したい』といった留学相談も多いことから、ケースワーカーとしてカレッジ進学を志される方々も増えてきています。
それも、高校卒業したばかりの女の子たちや、20代前半の社会人女性からのご相談が多いです。
当然のことながら海外でソーシャルワーカーとして勤務した経験を持っていらっしゃる日本人はかなり少ないですが、今後、日本で増え続ける外国人のためにそうした人材は必須になってきます。
そして、もしこうした新しい留学ルートに興味のある方がこちらにいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければと思います。
道のりは決して平坦なものではございませんが、『確実に日本の将来に必要なスキル』であることは間違いないので、自信を持ってオススメさせていただける留学の1つとなっております。
少しでもご興味がございましたらココア留学のカウンセラーまでお問い合わせください。