社会人留学

薬剤師が英語?留学・ワーホリで海外を目指す理由とは?

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あまり知られていないことですが、実は、薬剤師さんの海外留学について、ここ数年で大きく伸びてきていることを皆様ご存知でしょうか?

医療系の資格は、取得した国でのみ有効な場合がほとんどで、日本の薬剤師免許も看護師免許や介護福祉士の免許同様に海外では使用することができません

なのにどうして、薬剤師の皆様が海外留学に出る機会が増えていると言うのでしょう?

そこでここでは薬剤師の海外留学事情について『留学のプロの目線』から切り込んでみたいと思いますので、少し長いお話になっているかと思いますが最後までお付き合い頂けましたら幸いです。

そもそも薬剤師免許が海外で使えない理由とは?

海外のおしゃれな薬局

薬剤師の皆様からは、なんとなく『薬剤師免許が海外では使えない』と知りつつも、「やっぱり海外では薬剤師免許って使えないですよね?」と言う確認のご相談をしばしばお受けいたします。

そのたびに「はい、残念ながら海外で薬剤師免許を使う事はできません・・」と言う風にお答えいたします。

しかしながら、薬剤師の皆様に「どうしてそのような質問をされるんですか?」と質問の動機について聞き返してみると、皆さん決まって以下のように返事をされます。

これまで薬剤師免許に頼った生き方をしてきたので、正直言うと薬剤師免許なしでは、自分は武器も取り柄もない人になってしまいます。

「そうした免許も何もない状況になるのが、本当に不安です」

実は、こうした薬剤師の皆様と全く同じような形で留学に関する悩みを打ち明けられる職業の方々がいらっしゃいますが、その職業が何かわかりますでしょうか?

正解は、『学校の先生たち』です。

近年、学校の先生たちは、小学校からの早期英語教育のあおりを受け、子供たちの英語力が年々高くなってきている状況について行くことができず、自分の英語力と指導力を伸ばそうと海外留学を志す方が増えています。

そんな先生たちも薬剤師の皆様同様に、日本国内でのみ有効となる国家資格保有者で、日々の生活が資格によって守られている職業の方々だといえます。

では、どうして学校の先生や薬剤師の資格は海外で利用することができないのでしょうか?

その理由は非常にシンプルです。

そのどちらの場合においても、子供たちから大人までの身体もしくは精神に大きな影響を及ぼす可能性がある職業だからです。

逆に言うと、非常に重要な責任を持った『名誉あるお仕事だから』だとお考えいただければと思います。

また薬剤師の皆様の場合は、知っていらっしゃるお薬の名前だけでも、数百数千とあるかと思いますが、そちらが全て『英語になって名前が全く変わってしまう』と考えてみてください。

そのため、ほとんどの薬品の名前をほぼ最初から覚え直す必要があるだけでなく、他の国では『薬の規格』や『効果の判定や判断』に『薬品の認可状況』なども違ってくるため、たとえ日本で薬剤師の免許を持っていたとしても海外では使えないわけです。

薬剤師が海外留学をする理由とは?

外国の薬のビン

薬剤師と言う職業は、皆さんもご存知の通り非常に安定した仕事で、その離職率も約10%程度となっており、日本の職業全てにおける離職率が約14.9%(2018年度データ)ですので、仕事を辞められる事はかなり少ない職業であるといえます。

それなのにどうしてこのタイミングで、海外留学をしようとする薬剤師の方々が増えているのでしょうか?

それにはいくつかの理由があるのですが、その主要な要因となっているのが『給料の安さ』です。

海外の薬剤師の給料は?

こちらもご存知の方も多いと思いますが、日本の薬剤師の平均年収は男性薬剤師が約550万円ほどで、女性薬剤師は約520万円ほどになります。

日本の平均年収が約450万円ほどであることを考えますと、一般サラリーマンよりはかなり高待遇での給与と言えますが、一度でも海外に目を向けてしまうと、日本の薬剤師の給料の安さにビックリされるかと思います。

2018年度の世界生活費ランキングによると、日本の東京はなんと第1位の香港に次ぐ、第2位の物価の高さとなっておりますので、物価が高いことで有名なシンガポールやアメリカよりも更に高いです。

しかしながら、薬剤師の皆様のお給料を考えてみますと、なんとアメリカの薬剤師を例に挙げるのであれば、日本の薬剤師の軽く2倍の年収となる約800万円~1,300万円が相場になっているため驚きを隠しきれません。

また、ヨーロッパ諸国においても約700万円~800万円程度が年収の目安となっておりますので、日本の薬剤師さんたちへの過小評価は著しいといえます。

外国人の患者さんの増加と英語力

そうした中、最近では海外からの観光客や日本で働くことを目指した技能実習生の方々の増加により、現在では日本に約250万人もの外国人が滞在しています。

約250万人といえば、日本の大学生の総数とほぼ同じになりますので、身の周りに大学生の親族やご近所に大学生がいるとするのであれば、それと同じ割合で外国人が日本に滞在しているということになります。

つまりは、大学生が薬局を利用する頻度と同じくらいの頻度で、外国人も薬局を利用することになっているため、薬剤師のみなさんが英語で応対する機会がかなり増えてきています。

そうした中、英語を身に付けようとする薬剤師の方々が年々増えてきているのですが、実は、英語ができる薬剤師は『外国人に対して応対ができる薬剤師』として、日本政府により集計されていたりもします。

それは、政府が『日本にいる外国人に対して英語で薬に対しての説明を受けることができる』という情報を伝える必要があるためで、逆に言うと薬局からすると、外国人用の薬局としてリストアップされると、物凄い宣伝効果が得られるため、各薬局は『英語ができる薬剤師を1人でも多く育成しよう』と動いており、海外留学が加速してきているわけです。

※ グラフをクリックすると詳細が表示されます。

世界の薬剤師の時給(単位: 円)
国名 給与(時給)
日本 東京都 2,372円
大阪府 2,078円
福岡県 2,164円
アメリカ 5,834円($52.09/hour)
カナダ 3,765円(C$45.30/hour)
イギリス 2,763円(£19.13/hour)
オーストラリア 3,427円(A$42.75/hour)
ニュージーランド 2,558円(NZ$33.45/hour)

※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。
(indeed:2019年度調べ)

薬剤師が英語ができると待遇がここまで変わる!

外国で働く約妻子

続いて、薬剤師の皆様が英語力を持っていたとすると、『待遇がどれほど変わってくるのか?』と言うお話をさせて頂きたいと思います。

薬剤師の皆様が英語力を持ち合わせていた場合、たとえば『空港での薬局での勤務』や『大都市圏を中心とした外国人観光客や滞在者が多い薬局』でのお仕事が可能になってきます。

そうした場所で薬剤師として勤務することができるようになると、一般的な薬剤師の時給と比較して約500円~800円アップと言う好条件での勤務が可能になってきます。

当然のことながら時給としては約3,000円が目安になってきますので、『1日の日当が2万4,000円~』と言うところまで好待遇になってくることを考えますと、年収レベルで考えても約600万円以上まで視野に入ってきますので、『英語が使える薬剤師さんがどれほど待遇が良いか?』と言うことが伝わって頂けるかと思います。

しかしながら、年収が600万円ほどになったとしても、海外での薬剤師の評価と比較すると『まだまだ低く見られている』というのが実質のところになるのですが、今後は日本企業の人材不足により、外国人労働者を毎年数万人規模で日本に招致することがきまっております。

つまりは、英語ができる薬剤師の需要もますます増えてきますので、英語ができるか・できないか?によって給与はもっともっと大きく変わってくるとお考え頂けたらと思います。

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薬剤師さんにおすすめな留学プラン!

外国の病院

薬剤師の皆様は仕事のプレッシャーが非常に大きなお仕事になりますので、「お仕事を続けながら留学まで考えるのは難しい!」と言う風におっしゃる方が非常に多いです。

また、定時で終われることは非常に稀な職種でもありますし、お休みも取りにくいこともあるため、薬剤師の皆様にとってもっとも大切なのは『留学についてゆっくりと考えて頂く時間を作ること』が最優先でのポイントになります。

しかしながら、社会人の皆様が留学に出る際に最も注意して頂きたいポイントとして『留学の1ヵ月前までは仕事を辞めないこと』という成功する留学の準備の鉄則があります。

その鉄則を破って、先にお仕事を辞めてしまってから留学計画を立てようとすると、例えば『渡航日程と入学日が合わなかった』や『英語力が足りなくて入学できなかった』など、ボロボロになってしまう方もいらっしゃるので注意が必要になります。

薬剤師の留学におすすめは医療英語プラン!

薬剤師の皆様には必ず受けて頂きたいのは『医療英語』を留学の学習プランに盛り込んだもので、基本的には医療英語プランをベースにして、留学の目標とするのは『医療カウンセリング』や『海外ケースワーカー』と言った専門的な知識を学ぶコースです。

医療英語コースについては『英語力は中級以上が必要』になりますが、日本国内での海外のカレッジと繋いだオンラインレッスンなどを事前に受講して頂き、現地では専門コースへと入っていくことを目指すのも有りです。

また、カレッジ関連で勉強しながら職業訓練生として有給で勤務するなどすることによって、英語力は軒並み向上しますので『TOEICでしたら満点までを留学期間中に取得される薬剤師さんも珍しく無い』です。

しかしながら、留学のプランニングはかなり複雑になりますので、簡単に薬剤師さんの留学準備についてのモデルプランを作ってみたので以下をご覧ください。

薬剤師の留学準備ステップ

  1. Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
    留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
  2. Step.2 留学計画を立てる【留学3~5ヵ月前】
    『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
    社会人留学やワーホリの90%以上が苦しむ理由とは?
  3. Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
    学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
    (※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
  4. Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
    学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
  5. Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
    カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
  6. Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
    会社の退職時期の調整と航空券や保険の手配
  7. Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
    会社の退職・留学によって役所での手続きが幾つか発生します
  8. Step.8 荷物をパッキングして出発!
    荷物の最終チェックをして留学に出発します!
    留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】

上記のような流れで留学をプランニングして行くことで、留学の質は当然ですが身に付くレベルも変わってきますし、良い留学カウンセラーさんに出会った時には『本当に大きな一生の宝物』になることは間違い無いです。

しかしながら、薬剤師の皆様の留学作成は一般的な留学のように『語学だけ簡単に学んでアルバイト』とするのでは無くて、専門的なものまでを学習するプランまで盛り込んでおく方法で、英語の伸びは当然ですが、将来的にもし留学先が気に入ったならば『永住権のチャンスを残すこと』ができるようになるところまでを意識した留学をお作りできます。

『そんな留学ができるなんて知らなかった・・』と言っても後戻りができませんので、是非、留学計画の部分はプロの力をお使い頂くことを強くおすすめさせて頂きます。

薬剤師が英語?留学・ワーホリで海外を目指す理由とは?まとめ

発展途上国の薬局

薬剤師の皆様のための留学情報をここではご紹介させて頂きましたが、実際に薬剤師の方がココア留学を使って留学に出ていらっしゃる場合、お作りさせて頂く留学としては大きく分けて2タイプになります。

それは『医療英語をベースにして薬局でのインターン経験まで積む留学』と『本格的な医療関係分野(精神関連の分野)まで学び知見を広げる留学』です。

どちらの場合においても、なかなか一般的な留学に関する知識だけではお作りするのが難しい留学なのですが、上手くプランニングさえできれば、後はレールに乗って学習して行くだけで成果や目標達成までが約束できますので、薬剤師の皆様には、是非、行って頂きたい留学プランになります。

また、ココア留学ではこうした薬剤師の皆様のための留学前のサポートは当然ですが、留学中のサポートに加えて、留学後の細かなサポートまでも無料で行っている唯一の留学エージェントになりますので、もしご相談が必要な場合には以下よりココア留学の公式ラインを追加の上でご相談ください。