帰国後の就職で英語を使う仕事を見つける方法とは?
留学・ワーキングホリデーからの帰国後、大多数の方々は日本で就職することになりますが、残念ながら、日本での仕事探しは留学生やワーホリ参加者にとって簡単なことではありません。
しかしながら、「日本は人材不足なので仕事は沢山ありますよ!」や「いや、でも本当に仕事探しが難しい・・完全にキャリアダウンになるんですが・・」など様々なご意見があるかと思います。
そこでここでは、帰国後の就職について様々なお悩みをお持ちの皆様のために『帰国後の就職で英語を使う仕事を見つける方法とは?』と題しまして、「留学生やワーキングホリデー参加者が、帰国後に英語を使った仕事を探し就職する方法」を軸に帰国後の就職について詳しく紹介してみたいと思います。
帰国後の就職活動の現実を知る!
はじめに、これから留学に出られるかたと、現在、留学中のかたのために、簡単に帰国後の就職活動に関する現実と、キャリアを育てていくための基礎知識について紹介させて頂きたいと思います。
特に、日本はキャリアデザインに関する教育が大きく遅れているため、どのようにしてキャリアを伸ばしていけば良いのか分からない人も多いと思いますので、是非、参考にして頂ければと思います。
それでは以下をご覧になってみてください。
年齢・産業別の月収推移(厚生労働省調べ)
※ グラフをクリックすると変更が可能です
~19歳 | 20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60~64歳 | 65~69歳 | 70歳~ | |
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鉱業・採石業・砂利採取業 | 18.37 | 21.53 | 26.11 | 29.61 | 30.75 | 32.85 | 34.96 | 36.84 | 40.38 | 28.14 | 26.28 | 23.73 |
製造業 | 18.2 | 19.9 | 22.99 | 26.03 | 28.94 | 31.13 | 33.24 | 35.98 | 36.19 | 26.57 | 22.69 | 22.11 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 18.03 | 21.36 | 26.29 | 33.34 | 39.11 | 43.41 | 46.88 | 53.65 | 53.14 | 29.06 | 23.52 | 26.37 |
情報通信業 | 18.07 | 23.2 | 26.75 | 31.85 | 36.41 | 41.85 | 43.65 | 49.29 | 50.26 | 34.37 | 33.78 | 24.67 |
運輸業・郵便業 | 18.28 | 20.9 | 23.92 | 26.44 | 28.54 | 29.51 | 30.51 | 30.42 | 29.78 | 25.04 | 21.72 | 20.4 |
卸売業・小売業 | 18.11 | 21.13 | 24.82 | 27.43 | 30.43 | 32.74 | 34.84 | 37.73 | 36.97 | 28.13 | 23.46 | 22.89 |
金融業・保険業 | 17.06 | 22.35 | 26.84 | 33.16 | 39.56 | 43.11 | 46.05 | 48.43 | 45.37 | 33.12 | 32.33 | 32.84 |
不動産業・物品・賃貸業 | 17.62 | 22.24 | 25.28 | 28.65 | 33.65 | 35.48 | 38.06 | 40.21 | 41.89 | 30.4 | 25.0 | 22.2 |
学術研究・専門・技術サービス業 | 17.81 | 22.3 | 26.95 | 32.81 | 37.07 | 42.02 | 43.74 | 48.08 | 50.07 | 40.01 | 34.27 | 32.49 |
宿泊業・飲食サービス業 | 17.24 | 19.58 | 22.61 | 24.46 | 26.63 | 28.88 | 29.23 | 29.29 | 28.77 | 24.66 | 20.77 | 18.79 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 18.13 | 20.76 | 23.12 | 25.57 | 28.52 | 30.58 | 30.38 | 31.5 | 29.44 | 24.08 | 19.99 | 18.34 |
教育・学習支援業 | 17.23 | 21.52 | 25.26 | 30.19 | 34.77 | 38.39 | 41.45 | 44.75 | 49.26 | 45.16 | 44.49 | 34.49 |
医療・福祉 | 18.15 | 22.54 | 25.09 | 27.12 | 29.11 | 30.34 | 31.24 | 31.89 | 32.88 | 30.64 | 31.62 | 34.66 |
複合サービス・事業 | 17.45 | 19.67 | 22.41 | 25.23 | 27.89 | 31.53 | 34.59 | 35.97 | 36.22 | 23.35 | 19.95 | 19.22 |
サービス業(その他) | 18.94 | 21.13 | 23.25 | 25.13 | 26.91 | 28.44 | 29.34 | 29.84 | 29.2 | 25.13 | 22.01 | 20.0 |
※ 各世代の上位3業種の月収(青)、下位3業種の月収(赤)
(厚生労働省(賃金構造基本統計調査): 2022年度調べ)
上記は、厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査をココア留学にてグラフと表にまとめたものになりますが、業種によって年収がピークになる年齢が違ったり、期待できる収入に大きな差があることが分かるかと思います。
特に、サービス業系は体力勝負の仕事になるため、20代ごろまでは他業種と比較して大きな給料差はありませんが、30代以降になってくると段々と差が広がっていき、業種によっては2倍以上の給料差になるなど、キャリアを重ねれば重ねるだけ収入差が大きくなってくることが分かります。
- サービス業は体力依存の仕事になるためキャリアを重ねると他業種との給料格差が広がる!
サービス業からの転職は難しい!
サービス業系の職業は、20代の頃は給料が割高になっていて、キャリアや年齢などもほぼ不問で採用や求人募集が行われているため、手軽に始めやすい業種となっています。
一方、社会は「サービス業系の職業で伸ばすことができるスキルは他業種で活かすことは難しい!」と考えられていることから、サービス業から他業種への転職は、世界的に見ても難しくなるケースが散見されます。
日本においても、サービス業系かたの多くは、将来的な体力の衰えを考えたり、40代以降は給料アップも期待できなくなったりするため、20代後半~30代になると他業種へと転職しようとするのですが、多くの場合において理想的な職業に就くことは難しくなるというのが現状です。
●サービス業から離れる年齢は?
また、「現在はサービス業で働いているけど将来は転職を考えているよ!」というかたは、キャリアを考えたら早め転職がオススメなのですが、1つの目安として『25歳までに転職すること』を覚えておいて頂ければと思います。
それは、25歳までは『ポテンシャル採用』といって、経験やキャリアがなかったとしても採用後に伸びることを期待して採用してくれる企業が一定数あるのですが、26歳以降になるとポテンシャル採用をしてくれる企業が大幅に減ってしまうためです。
そのため、将来のサービス業(ホスピタリティ系)の転職を考えていらっしゃらないかたは、日本だけじゃなく留学中のアルバイトなどを含めて、25歳以降はサービス業系のキャリアにならないようにキャリアデザインしておくと良いです。
- サービス業から他業種への転職は難しいケースが多い!
- サービス業から転職を考える人は25歳までにキャリアチェンジ!
仕事を選ばなければ正社員になれる?
ただし、日本はコロナによる影響が収まってきた影響で、宿泊・飲食・サービス業系を中心とした深刻な人手不足となってきています。
そのため、仕事さえ選ばなければ正社員としての雇用は比較的簡単に見つかるので安心して頂ければと思います。
- 正社員になること自体は難しくない!
留学にいくとアルバイト生活になるのでキャリアがサービス業になりやすいですよね・・。
その通りです!
特に社会人の留学はキャリアが壊れてしまう可能性が高いので注意が必要です!
留学はキャリアブランクに繋がる?
次に、留学やワーホリからの帰国後に就職を考える場合、絶対に頭に入れておいて頂きたい「First come, first served.」の精神、つまり「帰国後の就職は早い者勝ちだ!」という考えについて紹介させていただきます。
留学やワーキングホリデー経験者は、どうしても他の就職希望者と比べると職歴に『半年~1年と言った“キャリアブランクの期間(職歴が途切れている期間)”』を持つことになるため、帰国後の就職活動はどうしても苦戦することになります。
キャリアブランクは就職にマイナス?
高校生や大学生の場合には、そもそものキャリアが無いので留学によるキャリアブランクについて深く考えておく必要はないのですが、社会人で退職して留学に出る場合はキャリアブランクについて、必ず意識しておいて頂ければと思います。
というのも「企業の10社に1社にメンタルヘルスの不調で1ヵ月以上休業・退職者した労働者がいる(厚生労働省が所管の独立行政法人労働政策研究・研修機構)」という中、企業はメンタルヘルスに問題に対して非常に敏感になっているためです。
そのため、半年以上の離職期間や履歴書にブランクがある人に関して書類選考落ちの対象としている企業も数多くあるのでブランク期間には注意を払う必要があります。
- 多くの企業はメンタルヘルス問題のある人の採用を避けたいと考えている
- 離職期間が半年以上ある人は「メンタルヘルスに問題がある」と疑われる可能性がある!
語学留学は履歴書に書けない?
また、知らないかたも多いですが、カレッジや大学進学のように学位取得を目的としていない語学留学は、正確には留学ではなく『語学研修』という扱いになるため、履歴書の学歴欄への記載は不可となります(資格・免許欄に記載しないといけない)。
そのため、履歴書の『学歴・職歴』の欄がスカスカになってしまうケースも珍しくないため、社会人は語学留学についても注意して行う必要があります。
特に、海外関連の仕事やオフィス事務などの人気の職業の採用担当者は、数百人分の履歴書・職務経歴書を見比べながら不採用にするポイントを探しているので、スカスカな履歴書が不採用の要因となってしまうことも珍しくありません。
- 語学留学は履歴書の『学歴・職歴』の欄に記載できない!
スピーディーな就職活動を!
帰国後の再就職が難しくなる人の傾向として「留学が大変だったから日本では1ヵ月ほどゆっくりしてから仕事を探そう!」と考えてしまって、つい就職活動開始までダラダラと過ごされてしまうというケースが挙げられます。
しかしながら、先に紹介したように学生であれば良いのですが、社会人の再就職の場合には離職期間の長さは致命的です。
特に、ワーキングホリデービザは法律上も『休暇』というふうに定められているため、経営者や人事担当者によっては『1年以上のバカンスを楽しんできた人』と判断される可能性も少なくありません。
精力的に就職活動を行っていることをアピールするためにも、帰国後は、できるだけ早い段階で就職活動を開始することも覚えておいて頂ければと思います。
- 帰国後はできるだけ早く就職活動を開始する!
履歴書の『学歴・職歴』の欄に語学留学って書けないんですね・・。
キャリアブランクを考えると『語学留学』という選択が本当に良いのか注意する必要があります!
日本・留学先のアルバイトに注意!?
最近では、留学について『海外への出稼ぎ』のように考えられる方も増えてきており、テレビやニュースなどでも報道されたため人気となりましたが、そうした『海外でのアルバイト(カジュアルワーク)』を経験された方には注意して頂きたいことがあります。
それは、日本で正社員として雇用を目指す場合、「海外でのアルバイト経験が就職活動にマイナス影響となってしまうこともある」という点についてです。
職務経験3社でジョブ・ホッパー?
留学経験者の多くは、先に紹介したように、どうしても履歴書がスカスカになりやすいため、「なんとも見栄えの良い履歴書を作成しよう!」と、自分の職務経験欄に過去の職業経験やアルバイト体験などをできるだけ多く記載しようと考えてしまう傾向があります。
これは海外でのアルバイト探しには有効となることがあっても、日本の就職においては完全に逆効果となるので注意が必要です。
●就職が難しいジョブホッパー
日本では、20代で3社以上の職を経験した人を『ジョブ・ホッパー』と呼び、就職しても長続きせずに直ぐに辞めてしまう人として扱われてしまうケースが多いです。
海外企業であれば沢山の職務経験があることを評価して貰えることも多いのですが、日本企業の正社員採用では『長期間働ける人』を募集していることがほとんどになるため、ジョブ・ホッパーの評価は最悪です。
そのため、万が一、沢山の職業経験があったとしても、アルバイト経験は記載せずに正社員のみを記載するなど工夫して、企業からジョブ・ホッパーと判断されないようにして頂ければと思います。
- 正社員採用ではジョブ・ホッパーの企業評価は最悪!
ジョブ・ホッパーが表にでないのはなぜ?
ただ、企業の求人広告などを見ても「ジョブ・ホッパーはお断り!」などと書いているものが無いので、不思議に思った人も少なくないはずです。
それもそのはず、ジョブ・ホッパーは企業にとって書類選考落ちにする1つの基準として、求職者に知らせることなく、各社の採用条件として裏で『転職回数2回以下制限付き』や『転職回数1回のみ』などと設定しているためです。
特に、優良企業や人気の職種であればあるほど求職者が多く集まるため、企業の正社員採用において『ジョブ・ホッパーNG』という規定が盛り込まれやすく、帰国後に「理想の職だと派遣社員でしか内定が取れない・・」と悩む留学生が多くなる要因となっています。
社会人の場合には、留学から帰ってくると意図せずともジョブ・ホッパーになってしまう可能性が高いため、計画的に留学に出ることが大切です。
- ジョブ・ホッパーは企業の正社員採用時の選考基準に『裏』で入っている!
海外の職歴は弱くなりやすい?
次に、留学中の海外のアルバイト経験についての注意についてもお話させていただきます。
留学中は「ローカルのカフェでのアルバイトが決まったの!!スゴイ!!」と周りの留学生から賞賛されることが多い、ローカルカフェやレストランでのアルバイト経験ですが、これもまた、帰国後、想像以上に評価されることはないので注意が必要です。
というのも、ローカルであっても日系であったとしても『レストランでのアルバイト』という状況は変わらず、雇用主の国籍の違いを評価してくれる日本企業はほとんどないためです。
●英語を使う職業を目指すときも注意!
また、英語を使う職業へ応募する際にも、雇用主の国籍の違いについて評価して貰える企業は少ないため、「ローカルでのアルバイトは英語ができる人材として評価して貰える!」という感覚は持たないことをオススメいたします。
それよりも、大切なことは留学中に経験してきたアルバイト内容が、採用を希望している職業と関係していることが重要になります。
例えば、帰国後、ITエンジニアとしての採用を希望しているならば、留学中はローカルカフェのバリスタではなく、日系企業のプログラマーのほうが圧倒的に評価されることを忘れないでください。
- 雇用主の国籍の違いを評価してくれる日本企業はほとんどない!
- 帰国後に目指す職業に合わせてアルバイト探しをする!
ローカルのレストランでアルバイト経験ができたら十分だと思っていました・・。
帰国後、レストランで働くなら最高のキャリアデザインになりますが、それ以外ならキャリアチェンジには苦労することになります。
どうすれば英語を使う仕事が見つかるの?
それでは最後に、実際に留学やワーキングホリデーから帰国後に、「どのようにすれば英語を使う仕事に就くことができるのか?」というお話をさせて頂ければと思います。
英語を使う職業を見つけるステップ
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- Step.1 留学前にキャリアを絞りこむ!
- 必ず留学前に帰国後の職業についてイメージしておき、留学によりキャリアがバラバラにならないようにします
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- Step.2 留学中は学位や資格を取得する
- 語学留学で終わらずに可能であれば学位や英語資格などの取得を目指します
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- Step.3 ジョブ・ホッパーは避ける
- 留学中のアルバイトも転々とするのではなく、できるだけ長期で働くようにします
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- Step.4 留学中のアルバイトも慎重に選ぶ
- 生活のためとはいえ、必ず将来の職業を考えたアルバイトに就くことを考えます
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- Step.5 25歳前半までに帰国する
- ポテンシャル採用を目指すため可能であれば25歳前半までに帰国します
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- Step.6 履歴書・職務経歴書は完璧に作り込む!
- 応募する履歴書と職務経歴書は何度も読み返し完璧に仕上げます
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- Step.7 帰国後は直ぐに就職活動を行う!
- キャリアブランクが生まれないよう帰国後は即時行動をとる
→留学中のキャリアサポートが必要な場合は、ココアの無料コンサルティングよりお問い合わせください
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- Step.8 ターゲットを絞って応募する
- 「英語を使う仕事だから・・」といって適当に応募せずに、ターゲットを絞って応募して企業の傾向を掴み採用を目指します
- 留学中のキャリアについて困ったらココア留学へご相談ください!
留学中のキャリアに関しても相談を受けて頂けるのですね!
ココア留学生には、留学前だけでなく留学中・帰国後もキャリア相談を行っております!
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帰国後の就職で英語を使う仕事を見つける方法とは?まとめ
業務に英語が必要な職業で内定をとるためには『TOEIC850点以上』や『ビジネスレベルの英語力』などに加えて、『キャリアが真っすぐになっていること』や『年齢にあった職歴やスキルがあること』など、正直、難易度はかなり高いです。
そのため、普通に語学留学してしまっては、帰国後に英語を使った仕事や国際関係の仕事に就くことは本当に難しいです。
そこで、留学が日本の就職活動や将来にマイナスな影響とならないよう、是非、1人でも多くのかたにキャリアデザインの大切さが伝わったら嬉しいです。
そして、もし本気で就職や将来の仕事に迷うようなことがあったときには、1人で悩んでしまって八方ふさがりとなってしまう前に、ココア留学へとご相談頂ければと思います。