大学卒業後の留学を守れ!コロナ後の留学でキャリア崩壊?
大学卒業後に留学に行こうとする方のほとんどが、「私の留学目標は海外で働くことです!」や「海外永住権の取得を目指します!」と言うものだったりします。
しかしながら、そのほとんどのケースにおいて、留学によって生涯賃金や社会的評価が下がる切っ掛けになっています。
そこで今回は、コロナ禍後の大学卒業後の留学について、大学生にとってちょっと怖いかもしれませんが、キャリアに特化している留学エージェントだからこそ知っている『リアルな大卒後の留学の危険性』について紹介させて頂きます。
ガチで困る卒業後の留学!?
皆様は『有効求人倍率』という言葉について、聞いたことがある方はいらっしゃいますでしょうか?
「なんとなく、それって就職関連の言葉でしょ?」と言うことをご存知の方は、きっと多いはずです。
ただ、「有効求人倍率が一体どういう風な状況であれば就職にとって有利」で、逆に「どのような数字であれば就職に不利な状況なのか?」と言う事について詳しく知っていらっしゃる方は少ないはずです。
そこで早速ですが、2023年8月1日時点で厚生労働省により発表されている有効求人倍率について以下のデータをご覧ください。
厚生労働省発表の有効求人倍率
都道府県 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 |
---|---|---|---|---|---|
全国 | 1.35 | 1.34 | 1.32 | 1.32 | 1.31 |
北海道 | 1.19 | 1.15 | 1.10 | 1.07 | 1.04 |
青森県 | 1.22 | 1.18 | 1.19 | 1.21 | 1.21 |
岩手県 | 1.32 | 1.30 | 1.25 | 1.23 | 1.25 |
宮城県 | 1.42 | 1.45 | 1.41 | 1.41 | 1.38 |
秋田県 | 1.49 | 1.42 | 1.33 | 1.37 | 1.34 |
山形県 | 1.61 | 1.52 | 1.46 | 1.49 | 1.45 |
福島県 | 1.49 | 1.43 | 1.37 | 1.39 | 1.40 |
茨城県 | 1.50 | 1.52 | 1.46 | 1.41 | 1.39 |
栃木県 | 1.19 | 1.19 | 1.20 | 1.21 | 1.21 |
群馬県 | 1.47 | 1.45 | 1.40 | 1.40 | 1.43 |
埼玉県 | 1.07 | 1.06 | 1.04 | 1.05 | 1.08 |
千葉県 | 1.02 | 1.06 | 1.06 | 1.06 | 1.03 |
東京都 | 1.72 | 1.76 | 1.77 | 1.79 | 1.76 |
神奈川県 | 0.92 | 0.91 | 0.90 | 0.90 | 0.92 |
新潟県 | 1.61 | 1.57 | 1.56 | 1.58 | 1.55 |
富山県 | 1.59 | 1.55 | 1.50 | 1.49 | 1.50 |
石川県 | 1.69 | 1.63 | 1.62 | 1.65 | 1.62 |
福井県 | 1.90 | 1.81 | 1.78 | 1.84 | 1.84 |
山梨県 | 1.45 | 1.45 | 1.34 | 1.38 | 1.35 |
長野県 | 1.57 | 1.51 | 1.51 | 1.48 | 1.47 |
岐阜県 | 1.67 | 1.64 | 1.61 | 1.56 | 1.58 |
静岡県 | 1.29 | 1.27 | 1.23 | 1.24 | 1.26 |
愛知県 | 1.42 | 1.40 | 1.34 | 1.32 | 1.32 |
三重県 | 1.41 | 1.41 | 1.34 | 1.33 | 1.31 |
滋賀県 | 1.20 | 1.17 | 1.11 | 1.13 | 1.12 |
京都府 | 1.25 | 1.24 | 1.21 | 1.21 | 1.23 |
大阪府 | 1.29 | 1.30 | 1.31 | 1.33 | 1.32 |
兵庫県 | 1.06 | 1.02 | 1.01 | 1.03 | 1.01 |
奈良県 | 1.22 | 1.22 | 1.20 | 1.11 | 1.14 |
和歌山県 | 1.16 | 1.20 | 1.19 | 1.17 | 1.16 |
鳥取県 | 1.54 | 1.51 | 1.51 | 1.49 | 1.44 |
島根県 | 1.72 | 1.71 | 1.61 | 1.59 | 1.55 |
岡山県 | 1.58 | 1.57 | 1.57 | 1.51 | 1.55 |
広島県 | 1.64 | 1.56 | 1.55 | 1.55 | 1.53 |
山口県 | 1.59 | 1.52 | 1.48 | 1.46 | 1.48 |
徳島県 | 1.22 | 1.21 | 1.20 | 1.25 | 1.22 |
香川県 | 1.52 | 1.48 | 1.49 | 1.43 | 1.44 |
愛媛県 | 1.47 | 1.44 | 1.41 | 1.38 | 1.39 |
高知県 | 1.26 | 1.27 | 1.21 | 1.19 | 1.15 |
福岡県 | 1.26 | 1.31 | 1.30 | 1.30 | 1.26 |
佐賀県 | 1.39 | 1.42 | 1.36 | 1.36 | 1.36 |
長崎県 | 1.25 | 1.23 | 1.23 | 1.23 | 1.24 |
熊本県 | 1.44 | 1.45 | 1.41 | 1.37 | 1.33 |
大分県 | 1.46 | 1.46 | 1.47 | 1.43 | 1.42 |
宮崎県 | 1.44 | 1.46 | 1.46 | 1.45 | 1.44 |
鹿児島県 | 1.36 | 1.30 | 1.26 | 1.21 | 1.21 |
沖縄県 | 1.02 | 1.00 | 1.02 | 1.06 | 1.08 |
※ (厚生労働省:2023年度7月30日現在)
ご覧になっていただければわかるかと思いますが有効求人倍率は基準値である1.00倍より数字が上か下かが重要なポイントになり、例えば100人の就職希望者に対して企業から100人分の採用募集がある場合、その有効求人倍率は1.00倍となります。
つまり、『仕事を探している人』と『仕事を募集している人』の数が全く同じと言う状況を意味します。
そして、有効求人倍率は基準値を1.00倍として、数字が大きければ大きいほど就職希望者にとって仕事がたくさんある状況を示し、反対に、数字が小さければ小さいほど仕事の募集が足りていない状況を示します。
有効求人倍率を具体的に見ておく!
上の表を見ていただけると、日本全体の仕事は有効求人倍率1.31倍と1.00以上の数字となっていますが、例えば、神奈川県0.92倍となっていることにお気づきになられるかと思います。
こうして、有効求人倍率が1.00倍を下回るということは、例えば、就職先として誰もが避けたいと思っている『ブラック企業』でさえ就職することが難しい状況ということを意味しています。
コロナ後は、ChatGPTを代表とするAIの登場やロボット、それにメタバースなどの広まりによって日本の就職状況は大きく変化してきているので、留学生は「帰国後の就職をどうすれば有利に進めることができるのか?」視野にいれておく必要がありそうです。
- コロナ後の働き方は大きく変わってきている!
1人に対して1つの仕事しか募集されていない状況なのですね・・。
そうなんです!
だから、ほとんどの留学生は帰国後の就職活動で苦労することになります!
日本社会に戻らない覚悟も必要?
次に、大学生が大学卒業後にアルバイトをしてから海外留学に出る際に注意していただきたいことについてお話しさせて頂きます。
大学生の多くは、将来のことを考えて事務職での勤務を目指すケースが圧倒的に多いですが、実は、事務職というのは非常に人気な職業となっており、有効求人倍率は0.30~0.40倍程度、つまり3~4人で1つの就職枠を戦う激戦状況となっています。
英語を活かす事務職の倍率は?
そうした中で、留学エージェントなど、留学で培った語学力や経験を生かせる事務職の場合、どれほどの競争率になっているか皆様はご存知でしょうか?
実は、一般的に世に出ている留学コンサルタントや留学カウンセラーの求人を例に挙げると、採用1人に対して約300~400人もの方々からご応募が集まっている状況となっております。
しかも、求職者の多くは、日本の大学や大学院だけでなく海外のカレッジや大学を卒業しているような、一般的に『ハイステータス人材』と言われる方々ばかりとなっているので、競争率の高さを感じてしまいます。
- 英語を使う正社員事務職の競争率はかなり高い!
アルバイト後の留学はジョブホッパー?
留学や英語に関係する事務職などに留学生からの人気が集中する中で、「大学卒業後、日本国内でアルバイトをしたあとで海外留学を経験するとどうなるか?」という点について考えたことはありますでしょうか?
実は、「皆様が想像していらっしゃる以上に帰国後の就職活動は難しくなる!」ので注意が必要です。
●転職回数とジョブホッパーの関係性とは?
日本国内では、20代で3回以上の転職回数がある人を『ジョブホッパー』と呼び、日本企業の多くは『採用しても直ぐに辞めてしまう人』として採用を敬遠する傾向が強いです。
と言うのも、日本企業の多くは終身雇用や長期間の雇用を考えた採用活動を行っているのですが、ジョブホッパーのように職を転々としてしまっている人は、企業の採用対象から外れてしまうためです。
特に、大学卒業後に正社員としての職歴が無い人は、社会人教育期間として、採用後、2~3年は育成期間が必須になることが想定される中で、直ぐに辞めてしまう可能性が高いジョブホッパーを採用することは企業にとってリスクでしかありません。
そのため、大学卒業後に語学留学やワーキングホリデーに行くだけでも、帰国後の就職活動は厳しいものになるのですが、さらにアルバイトなどを挟んで職歴がバラバラになってしまっていると、状況は更に悪化することになることを覚えておいて頂ければと思います。
- ジョブホッパーになると正社員としての採用は厳しくなる!
●履歴書に留学を書けない?
また、「アルバイトの職歴を履歴書に書かなかったら良いのでは?」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、アルバイト歴が無ければ、今度は大学卒業後の履歴がスカスカになってしまい『ニート期間』となってしまいます。
加えて、語学留学のように学位を修めない留学は、本来であれば留学ではなく語学研修といった扱いとなっているため、厳密に言うと学歴として記載することもできません(記載は自由ですが『社会経験不足』と判断される可能性があります)。
そのため、「大学卒業後にアルバイトをしてお金を貯めてから留学します!」という方は、日本で社会人教育や正社員採用を諦めることにも繋がり兼ねませんので、慎重に留学計画を立てることだけは忘れないでください。
- 履歴書がスカスカになるかジョブホッパーになるかの選択に!
大学卒業後のアルバイトは本当に注意なのですね・・。
留学経験を活かして事務系の職を探すことを考えたら、正直、『いばらの道』となる可能性は高いです。
キャリアは積み上げていく?
しかしながら、大学生の卒業後に留学したからといって、全てのケースで悪い方向に進むわけではありません。
実は、計画的に留学を設計することによって、大学卒業後そのまま新卒採用で就職するよりも、海外でキャリアを積み上げた『ハイステータス人材』として、いきなり高給での採用を勝ち取ることも不可能ではありません。
ただし、一般的な留学やワーキングホリデーでは、先に案内しているように、どうしても留学によってキャリアを壊してしまうケースが圧倒的に多いので注意が必要です。
キャリアを積み上げて行くには?
そうした中で「海外でキャリアを積み上げていくには一体どのようにすれば良いのか?」少しだけ案内させていただきたいと思います。
海外でキャリアを積み上げるには、留学前から「どのような分野を学び」、そして「どのような学位を修め」「どのような職種につき」「留学後の人生で何を達成していくのか?」を計画し、社会的に信頼の得られる留学を行う必要があります。
つまり、留学生から帰国や将来についてのビジョンまでを明確にしていき、現在の自分・留学・将来のルートが綺麗に一直線上に並ぶように作り上げていく訳です。
●キャリア育成例
例えば、IT企業のマーケティング・マネジャーを目指した留学であれば、『分野はITマーケティング』→『学位は学士』→『アルバイトはIT関連のセールス』→『職業はIT系のセール&マーケティング部門』、そして『留学後の人生としてIT企業の代表者として地方の活性化に取り組む』という風に組み立てていきます。
間違っても「海外に何かを見つけに行く!」や「何をしに行くのか分からないけど行く!」という、目標や目的意識のないものにして、周りから心配されるようなことが無いようにすることを忘れないでください。
逆に、周りの人たちを安心させることができるくらいに準備して、応援して貰えるような留学計画になっているようであれば、少なくとも社会的に見てキャリアが大きく傷つくことは避けられるルートになっているはずです。
- 周りが留学を応援してくれないときは注意する必要!
留学計画を立てるのに必要な知識は?
こうした留学計画を立てることは、一見すると簡単そうに見えますが、実は、膨大な知識量が必要とされるものになっています。
そこで、以下に留学計画を立てる際に必要な情報についてまとめてみましたのでご覧ください。
●キャリア育成に必要な知識
- 留学先の経済状況について
- 教育に関する情報(世界の最新トレンド)
- 学校と進学に関する知識
- 雇用状況
- 国による得意分野の違い
- 世界経済の見通し
- 予想される将来の収入の見通し
- AI・ロボットなどの広がりによるスキルの需要
- 職種・業界などのキャリア育成の違いに関しての知識
正直、上記で挙げさせて頂いたのは、将来、成功しやすい留学計画を立てるために必要になる知識の一部に過ぎませんが、どれ1つが欠けても将来の失敗率が上がってしまうことに繋がります。
そのため、もし留学の先に、将来の生活を安定させることを考えていらっしゃるのであれば、少なくともキャリアに関する最低限の知識を身に付けるために、啓発系ではないキャリア関連の著書を最低1冊は読まれることを強く推奨させていただきます。
- 海外でキャリア育成が可能な留学計画を立てることは難しい!
周りが心配してるっているのは、私の将来のことを考えてくれているからですもんね・・。
「社会的に評価されない可能性がある道に進む!」ということは、流れる川に逆らって進むことと同じで、決して楽な選択ではなかったりします!
大学生のための留学ルート設計
さて、それでは最後に大学生卒業後にアルバイトをすることを前提にしたキャリア設計の例として、1つプランをお作りしてみたのでご覧になっていただければと思います。
留学をお作りしてみたモデルは、大学を卒業した後、半年間のアルバイト期間を経て海外留学に行こうと考えていらっしゃる23歳の女性の留学ルートとなります。
キャリア留学モデル
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- Step.1 大学を卒業する前に留学計画を立てる【大学4年生:6~9月】
- 卒業前に留学の計画をしっかりと作り上げます
→留学相談に行くことを目標にするのでは無く、何かを達成することを目指します
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- Step.2 アルバイトを開始【大学4年生:6~9月】
- 自分の留学先を決定した後、直ぐにアルバイトに集中します
→アルバイト先は出来るだけ将来のキャリアに繋がるものを選択します
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- Step.3 大学を卒業する【留学年:3月】
- 英語の勉強とアルバイト生活が始まります →この時点の努力が人生を左右します
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- Step.4 いざ留学へ【留学年:9月】
- 半年間のアルバイトを経て海外留学へ
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- Step.5 語学学校やカレッジで学ぶ【留学年:9~12月?】
- 少なくとも仕事が可能な英語力を目指します
→TOEIC目安としては最低850点
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- Step.6 カレッジ等で専門分野を追求する【留学:6~24ヵ月】
- 留学前から計画していた学校で専門分野を学ぶ
→海外でキャリア育成に海外の学位は非常に有利です
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- Step.7 帰国前のキャリアコンサルティング【留学:18~24ヵ月】
- 留学前に帰国後の就職先やルートを作り上げます
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- Step.8 帰国!
- ここまでのルートを歩めばハイステータス人材として帰国が約束されます
- 安定した将来を考えるならば留学計画は必須!
是非、留学相談に乗って頂きたいです!
少しでも将来を有利に進めることができるような留学をお作りいたしますね!
大学卒業後の留学を守れ!コロナ後の留学でキャリア崩壊?まとめ
さて今回は大学卒業後に留学を考えていらっしゃる皆様のために、少し厳しいお話となってしまいましたが、リアルな現実のお話をさせていただきました。
日本では職歴が多いことがジョブホッパーとみなされ就職難となる原因の1つとされますが、実は、海外では評価される場合もあります。
それは、海外では『1つの職業を長年やっている人間と言うのは、経験値が浅く、他の企業からのヘッドハンティングも受けていない人材』という目で人材を評価することもあるためです。
ただ、最近は、オーストラリアやカナダなどでも転職を繰り返すのではなく長期雇用が主軸となってきているので、安定して評価されるキャリアを目指されることをオススメさせていただきます。