2ヵ国留学はフィリピンでスタートするとマズイ!?
ここ最近「フィリピンで英語を学んでから他の国に留学したいんです!これって2ヵ国留学ですよね?」というご相談が相次いでいます。
この2ヵ国留学というのは、日本で最初に始めたのがココア留学だったりするのですが・・、『1ヵ国目にフィリピン留学』は、実は、留学プランニングをする上で「難易度が高い留学になるのではないか?」と考えています。
そこでここでは『2ヵ国留学の基本』に関して、そして「なぜ1ヵ国目がフィリピンだと難しいのか?」と言うポイントについて紹介させていただきます。
あなたはなぜ留学に行くの?
海外留学やワーキングホリデーを目指している方から多くのご相談を頂いていますが、カウンセリングの中で「なぜ海外に行きたいの?」と尋ねてみると、次のような回答が返ってきます。
あなたが留学に出たい理由は?
- 外国人とお話するのが好きなので、もっと英語でコミュニケーションをとってみたいです!
- 自分の視野を広げるために異文化に触れてみたいです!
- 帰国後の進学・就職に活かせるように英語力を上げたいんです!
さらにそこから2ヵ国留学を考えている方に「その2ヵ国留学でどうやって目標を達成するの?」と聞くと、皆さん揃って「まずは安く英語を勉強して、そこからワーキングホリデーとかで海外に滞在して・・」とおっしゃることがほとんどです。
そこで皆さんには、いまイメージしていらっしゃる留学の先に「どのような結果が待っているのか?」を真剣に考えてみていただきたいと思います。
- 2ヵ国留学でどうやって目標を達成するのか?
なんのために英語を伸ばすのか?
フィリピン留学を挟んでからオーストラリアなどのワーキングホリデーに行かれると、実は、『ジャパニーズレストラン・スタッフの養成ルート』になってしまうことについて皆様はご存じでしょうか?
「海外のレストランで接客業をするのが夢なんです!」「海外ならアルバイト生活でも、全然、良いです!」というケースであれば問題ありません。
しかし、実際にはホスピタリティ(サービス業)での勤務を希望していないにもかかわらず、気づいたらホスピタリティ系のキャリアになってしまっている人がほとんどです。
ただ、こちらにいらっしゃる皆様には、是非、「そのキャリアいつまで続けるつもりなの?」と、自身に問いかけて頂ければと思います。
●20代後半でホスピタリティ系?
ホスピタリティ(サービス業)の給料は他業種とは違って、20~30代にピークを付けると40代で横ばいになり、後は体力に応じて下がっていくことが日本政府による発表により分かっています。
そのため、他業種への転職を希望する30~40代の方々は沢山いらっしゃいます。
ただ、実は、ホスピタリティ(サービス業)などの接客業と呼ばれる職種は、一般的にホスピタリティ業では大きな力を発揮することがあれど、他の業種では活かしにくい『潰しが効きにくいスキル』とされており、ホスピタリティ系のキャリアの人が他業種へと転職することは難しいです。
ワーキングホリデーでジャパレススタッフとして数ヵ月~1年間ほど生活した方々が、帰国後、アルバイトや派遣社員、またはホスピタリティ業界や農業などで勤務している姿を目にする機会が多いのも、そうしたキャリア・スキルと転職状況による影響が大きいです。
- ホスピタリティ系の仕事は給料と体力的な問題から転職を他業種へと希望する30~40代が沢山いる!
年齢・産業別の月収推移(単位: 万円)
※ グラフをクリックして表示項目ができます
理想とは違った方向へ・・
「海外ではジャパレスのアルバイトでも良いけど、日本に帰ってからはもっと良い仕事に就きたい!」という人は、実は、留学生の大部分を占めています。
しかしながら、ほとんどの場合において、海外で経験してくる職業の内容というものは、日本では『絶対にやらない仕事』だったり、「海外で働いた!」ということ以外には、一般的なフリーターや日雇い労働者というケースになります。
大学生や24歳までの方々であれば、ギリギリこうしたルートからのキャリアチェンジには残された道があるのですが、25歳以降に留学やワーホリなどでホスピタリティ系へとキャリアがシフトしてしまうと、その後のキャリアチェンジやキャリアデザインは一気に難易度が高くなるので注意が必要です。
- 25歳以降のホスピタリティ系へのキャリアチェンジは注意!
- ホスピタリティ系の仕事は体力が落ちると給料が下がる!
周りに流されない自信はある?
また、少々厳しいお話になってしまうのですが、ジャパレスで一緒に働いている同僚を見て「まぁ、この人も同じような留学をしているし、なんとかなるだろう・・」と、留学前の思いを忘れて周りの環境に流されてしまう方も沢山いらっしゃいます。
基本的に、人間は負のスパイラルに入ってしまうと自分を保つことは本当に大変で、周りから引っ張り上げて貰えるような環境に無ければ成長に繋げることは非常に難しいです。
そのため、「これじゃダメだ!」と気付くことができても、そこから抜け出すことは至難の業となりますので、こちらにいらっしゃる皆様には留学前に将来と将来のキャリアについて少しだけでも良いので考えて頂ければと思います。
- 環境によって成長は大きく異なる!
- 自分の未来に対してマイナスな環境に入ると精神的にキツイ!
オーストラリアで飲食店のアルバイトをするためにフィリピン留学をしようと考えていました!
レストランでバイトをすることがゴールならば問題ありません!
ただ、もしゴールが他にあるならば、その選択は「正しいのか?」「逃げでは無いのか?」考えておいても良いかも知れません!
フィリピンは最初の留学先としてNG?
皆様に、2ヵ国留学のマイナス面について知って頂けたところで、続いては『1ヵ国目にフィリピン留学』が、実は、プラン的に難しい留学になる理由についてお話していきたいと思います。
留学中の生活スタイル
2ヵ国留学を考えている方の中には、フィリピン留学に対して誤解されている方も多くいらっしゃるのですが、まずフィリピン留学は「留学費用が驚くほど安くは無い!」と言う大きなポイントからお話させて頂きたいと思います。
実際に、幾つかの留学会社を周って学費や滞在費を比較してみると一目瞭然なのですが、他の国と比べて「学費がものすごく安い!!!」という留学ではないことが分かります。
留学のプロの立場から申し上げますと、「フィリピン留学の良さは何ですか?」と言われると「費用の安さです!」という風に答えるように先輩方からは指導されるのですが、実際にはそこまで安いとは言えません。
ではなぜ世の中で「フィリピン留学は安い!というイメージになっているのか?」と言いますと、そのベースになっているのは滞在方法、つまり『寮生活が基本的に相部屋』だったりするためです。
●安さの理由は滞在先の人数?
日本人のほとんどは、日本では1つの部屋を何人かでシェアする生活を経験したことがないのですが、海外留学では当たり前のようにシェアルーム体験をすることになります。
そのため、やはり余りにも他者との距離の近さからカルチャーショックを受ける留学生もゼロではありません。
しかしながら、文化的に1つ1つの部屋が広めに作られている欧米圏でのルームシェア環境と、そもそも1人暮らしを想定した狭い部屋が基本となっているアジア圏の国々でのルームシェアは訳が違います。
つまり、フィリピン留学はいわゆる六畳一間に2段ベッドを2台おいて4人が寝泊まりしている環境や8人滞在となっているケースでは格安と言えるような状況ではありますが、2人部屋等になると状況が変わってくるので注意が必要です。
高校生や大学生であれば順応するのが早かったり、寮の部屋でのパーティー環境を楽しむ方もいらっしゃいますが、「夜は静かに過ごしたい・・」という少し神経質な方の場合には、寮費が倍々になって掛かってくるので注意が必要です。
- 何人部屋で滞在するかで費用が大きく変わってくる!
- 「慣れない海外生活でいきなり4人部屋で良いのか?」と考えておく!
フィリピンは英語圏ではない!?
次に、フィリピン留学を希望される方の多くが「スピーキング力を伸ばしたいんです!」とおっしゃいます。
しかしながら、実は、フィリピンの母国語はタガログ語になるため、多くの方々が想像しているような英語を生まれながらに話している、イギリスやアメリカなどのネイティブ・スピーカーとは発音や表現が大きく異なります。
そのため、一般的にフィリピン留学で伸ばすべきはグラマーやライティングが良いとされており、スピーキングやリスニングを伸ばすことには不向きとされています。
特に、英語をスポンジのように吸収できる高校生以下や、これから英語を本格的に身に付けようと考えていらっしゃる初学者のかたの場合、「耳からどのような英語が入ってくるのか?」は、その後の人生に大きく影響する可能性があるので注意したいポイントになります。
- フィリピン留学ではグラマーやライティングを伸ばしやすい!
学習のモチベーションを維持するのは難しい?
最後に、フィリピン留学を最初の留学先としてセットしないほうが良い最大の理由として、『モチベーションを維持するのは難しい』という点が挙げられます。
少し考えて頂ければ直ぐに分かると思うのですが、フィリピン留学は参加者のほとんどは短期留学の希望者で、その期間も1週間~1ヵ月以内という方ばかりとなっています。
それは、フィリピン留学が「大学生の春休み・夏休みの短期留学先の代表格となっているから」ということも背景にあるのですが、多くの方は、学習よりもバカンスやホリデーを目的にした留学として渡航されていらっしゃいます。
そのため、もし、将来を真剣に考えていらっしゃる方がフィリピン留学に出られた場合、周りの環境に飲まれてしまい、せっかくの学びの機会が“良からぬこと”を覚えてしまう機会にもなりかねません。
●「安いから・・」で集まった人
どうしても「安いから・・」という理由だけで留学先を決定してしまうケースが多くなっているフィリピンでは、将来を本気で考えて「スキルアップやキャリアアップしたい!」という強い意志を持った人たちが集まりにくい環境となっています。
そのため、高い目標や希望を持っていらっしゃる人になればなるほど、周りから足を引っ張られやすい環境になっているので注意しておく必要があります。
特に、はじめての留学先としてフィリピンを選んでしまうと、どうしてもそれが基準となりやすいので、結果的に、理想の留学とするには難易度が高くなってしまう傾向があります。
- 留学先に来ている人たちの層も考えておく!
- はじめての留学はどうしても周りに流されてしまう・・。
企業が採用選考に重視するのは?
※ グラフをクリックするとデータも見られます
●グラフの操作方法
上のグラフで企業が求める能力TOP3(ピンク)をクリックしてみてください。そうすると企業が求めている能力のTOP3がグラフ上に表示されます。
そして企業が欲している人材というのは、ピンク色でグラフに浮かびあがる3つの能力なのですが、皆様の予想と同じだったでしょうか?
留学中にコミュニケーション能力は上がりますか?
留学では英語力だけで無くて「人との関係を作る!」という本当の意味でのコミュニケーション能力も凄い成長します!
能力 | 割合 | |
---|---|---|
1位 | コミュニケーション能力 | 82.4% |
2位 | 主体性 | 64.3% |
3位 | チャレンジ精神 | 48.9% |
4位 | 協調性 | 47.0% |
5位 | 誠実性 | 43.4% |
6位 | ストレス耐性 | 35.2% |
7位 | 論理性 | 23.6% |
8位 | 責任感 | 22.1% |
9位 | 課題解決能力 | 19.8% |
10位 | リーダーシップ | 17.1% |
※ 企業の複数の回答をOKとした結果。
(日本経団連:2018年度調べ)
そもそもフィリピン留学のメリットって?
さて、これまで『フィリピン留学の難しさ』や『モチベーション維持の大変さ』についてお話してきましたが、ここからは打って変わって『フィリピン留学のメリット』についてお話してみたいと思います。
勉強だけに集中できる?
フィリピン留学の良い点は、何と言っても『閉鎖された空間の中で英語だけに集中できる環境』にあります。
フィリピン留学は、欧米圏の留学のようにホームステイや現地のシェアハウスを探して住むというものではなく、『学校が提供している敷地内の寮に滞在する』というスタイルになり、衣食住すべてが学校施設内で揃っています。
また、スクールによってはホテル形式のような建物になっていて、1階がレセプションエリア、2階がレッスンエリアで、3階以上は滞在先エリアになっているなど、通学は下の階に降りるだけで済むことになるなど通学に掛かる時間もありません。
ルームメイトや通学中の学生のほとんどは日本人になってしまいますが、そこさえ目をつむれば、まさしく『英語漬け』と呼ばれる環境がそこにあります。
- フィリピン留学では『英語漬け』と呼ばれる環境がある!
マンツーマン・レッスンの強みとは?
欧米圏のスクールでは講師の給料が大幅に高騰しており、スクールが提供している1時間のマンツーマン・レッスンの費用は最低でも5,000円以上となってくるため、1ヵ月フルタイムで受講したら安く見積もっても40万円/月以上になります。
一方でフィリピンでは、コロナのパンデミック以降は学費が高騰しているとはいえ、授業料は15~25万円/月におさまっており、マンツーマン・レッスンの学費はかなり安く抑えられています。
そのため、英語で英語を覚えることに抵抗がないかたは、先生との相性さえ良ければ自分のスキルレベルに合わせたレッスンによってメキメキ英語力がアップしていくのでオススメです。
- フィリピン留学は安価なマンツーマン・レッスンで英語力がメキメキ上昇する!
TOEICのスコアアップや文法力を伸ばせる!
また、先ほども少しお伝えしたようにフィリピンは母国語がタガログ語となるため、講師のほとんどは皆様が想像していらっしゃるような純粋な英語のネイティブスピーカーではありません。
そのため、どうしても英語には独特の訛(なまり)や特徴があるため、スピーキングやリスニング力を鍛えるという意味では不向きな国となるのですが、文法コースやTOEIC対策などのプログラムは世界を代表するレベルで充実しています。
特に、ある程度のリスニングができて単語も知ってる英検2級以上(TOEIC500~700点)の方々の場合、その先の英検準1級やTOEIC800点以上という壁は非常に大きなものになるのですが、比較的に短期間でハイレベルなテスト対策を行うことも可能です。
そのため、オーストラリアやカナダ留学後の2国目として資格取得の留学を行うと、特に大学生や社会人のかたの場合は、帰国後の就職活動を有利に進めることができるようになります。
- フィリピン留学は2国目にセットすることで最大の効果を発揮する!
たしかに帰国後の就職活動のことを考えたら、絶対に2国目に行くべきですよね!?
コスパや最近話題のタイパ(タイムパフォーマンス)も圧倒的によくなるので参考にしてください!
夢や目標が遠くなる2ヵ国留学?
最後に、1ヵ国目の留学を終えた方からの「フィリピン留学しましたが英語力が伸びませんでした。どうしたら良いですか?」という相談が多くなってきていることについて紹介いたします。
将来の生活やキャリアを考えて!
「ほとんどの留学希望者が留学費用に悩んでいる・・」という状況で、現在、多くの留学エージェントでは『フィリピン留学の後にオーストラリアのワーキングホリデー』という形の2ヵ国留学というものを推奨しています。
しかし、残念ながらフィリピン留学後のオーストラリア留学という2ヵ国留学では、望んでいない方向に職歴を積み上げてしまうことになってしまったり、キャリア崩壊に繋がってしまったりするケースがあとを絶ちません。
そのため、「もし英語力やスキルが上がらなかったりキャリアが変な方向へと進んでしまった・・」というのであれば、再度、ワーキングホリデーの終わりにフィリピン留学を行うことを推奨させていただきます。
基本的に、学位取得を伴わない語学留学は日本の履歴書への記載はNGとなりますので、資格など就職時に有利に進むものを取得しておくことをオススメいたします。
2ヵ国留学の準備ステップ
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~10ヵ月前】
- 留学相談をスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
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- Step.2 留学計画を立てる【留学4~6ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ 社会人の方は2ヵ国留学に自分が耐えられるか?についても考慮していきます)
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
(※ 当然、このタイミングで2国目のスクールについても手配します)
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ どの国を2ヵ国として選択するか?によりますが、留学のプロの腕の見せどころですね!)
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 会社の退職時期の調整・学校の調整そして航空券や保険の手配をします
留学・ワーキングホリデーで得する安い航空券の活用術
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 会社の退職・留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
- 語学留学は履歴書への記載がNGなので資格取得を考える!
フィリピン留学は2国目で検討することにします!
現在は、オーストラリアのアルバイトも飽和状態になっているなど、最新情報を積極的に取得し、そこから予想して、将来やキャリアのことを考えた行動をとって頂けると嬉しいです!
2ヵ国留学はフィリピンでスタートするとマズイ!?まとめ
今回は「なぜ1国目のフィリピン留学が難しいのか?」というお話をさせていただきました。
時々「初めての留学がフィリピンで良かったです!」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、そのほとんどの方は『外出不可』となっているスクールに留学されたかたとなっています。
こちらにいらっしゃる皆様には、是非「なぜ2ヵ国留学なのか?」や「なぜ1国目をフィリピンにする必要があるのか?」など、留学プランニングの段階から本格的に考えておいて頂ければと思います。
そして、将来の収入やキャリアが崩壊することが怖い方は、海外教育を通じたキャリアデザインを最も得意としているココア留学のコンサルティングを受けて頂くことを強く推奨させて頂きます。