2ヵ国留学はフィリピンでスタートするとマズイ!?

ここ最近「フィリピンで英語を学んでから他の国に留学したいんです!これって2ヵ国留学ですよね?」というご相談が相次いでいます。
実はこの2ヵ国留学というのは、日本で最初に始めたのがココア留学だったりするのですが・・「1ヵ国目にフィリピン留学」は、留学プランニングをする上で難易度が高い留学になるのではないか?と考えています。
そこでここでは『2ヵ国留学の基本』に関して、そして「なぜ1ヵ国目がフィリピンだと難しいのか?」と言うポイントについてご紹介させていただきます。
あなたはなぜ留学に行くの?

海外留学やワーキングホリデーを目指している方から多くのご相談を頂いていますが、カウンセリングの中で「なぜ海外に行きたいの?」と尋ねてみると、次のような回答が返ってきます。
- 外国人とお話するのが好きなので、もっと英語でコミュニケーションをとってみたいです!
- 自分の視野を広げるために異文化に触れてみたいです!
- 帰国後の進学・就職に活かせるように英語力を上げたいんです!
さらにそこから2ヵ国留学を考えている方に「その2ヵ国留学でどうやって目標を達成するの?」と聞くと、皆さん揃って「まずは安く英語を勉強して、そこからワーキングホリデーとかで海外に滞在して・・」とおっしゃることがほとんどです。
そこで皆さんには、いまイメージしていらっしゃる留学の先に「どのような結果が待っているのか?」を真剣に考えてみていただきたいと思います。
実は、フィリピン留学を挟んでからオーストラリアなどのワーキングホリデーに行かれると、基本的には『ジャパニーズレストラン職員を養成するルート』になってしまうのですが、これは留学生の間ではあまり知られていません。
「海外のレストランで接客業をするのが夢なんです!」「海外ならアルバイト生活でも全然構いません!」という方もいらっしゃるかと思いますが・・。
皆さんの盲点になっているのが、「ワーキングホリデーでジャパレス職員として数ヵ国から1年間ほど生活してしまうと、ほとんどの方が日本に帰国してからも同じような仕事をすることになる」という事実です。
そして「海外ではジャパレスのアルバイトでも良いけど、日本に帰ってからはもっと良い仕事に就きたい!」というのが多くの留学生の本音なので、いま皆さんがイメージされている留学と、その留学で実際に得られる結果が一致していないことにお気付きいただけたのではないでしょうか?
少々厳しいお話になってしまうのですが、そのまま海外に出てしまうと「あれ?このままだとちょっと将来が不安かも?」と心のどこかで感じていても、ジャパレスで一緒に働いている同僚を見て「まぁこの人も同じような留学をしているし、なんとかなるだろう・・」と流されてしまう方がほとんどになってしまっているのが現状です。
一般的な留学会社などでは、こういった話をお出しすることはめったにないと思いますので、各自で頭の片隅に留めておいていただけたらと思います。
基本的にジャパレス職員養成ルートに入ってしまってから、あとで「これじゃダメだ!」と気付くことができても、そこからあなたの英語力・仕事のレベル・生活水準を上げることはものすごくハイレベルな戦いとなってしまいますので・・。
フィリピンは最初の留学先としてNG?

次に、冒頭でお話した『1ヵ国目にフィリピン留学』が、実は、プラン的に難しい留学になる理由についてお話していきたいと思います。
留学中の生活スタイル
2カ国留学を考えている方の中には、フィリピン留学に対して誤解されている方も多くいらっしゃるのですが、まずフィリピン留学は『費用が安い留学では無い』と言う大きなポイントからお話させて頂きたいと思います。
実際に、幾つかの留学会社を周って学費や滞在費を比較してみると一目瞭然なのですが、他の国と比べて「学費がものすごく安い!!!」という留学ではないことが分かります。
留学のプロの立場から申し上げますと、「フィリピン留学の良さは何ですか?」と言われると「費用の安さです!」と言う風に答えなくてはいけないのですが、実際はそこまで安いとは言えません。
ではなぜ世の中で「フィリピン留学は安い!というイメージになっているのか?」と言いますと、そのベースになっているのは滞在方法。つまり「寮生活が基本的に相部屋」だったりするためです。
日本人のほとんどは、1つの部屋を何人かでシェアする生活を経験したことがないにもかかわらず、海外留学で初めてのシェアルーム体験をすることになります。そうすると、やはり余りにも他者との距離の近さからカルチャーショックを受ける留学生もゼロではありません。
海外生活に慣れていない中で「24時間集団生活をすることができるかどうか?」これがフィリピン留学を1ヵ国目にできるかどうかの1つの分岐点になります。
これが大学生ならば、雑多な街並みにも順応するのが早かったり、寮の部屋でパーティーを開いたりなど集団での滞在を楽しむ方もいらっしゃいますが・・。
一方で社会人ですと、久しぶりの学校生活に長時間の英語レッスンでへとへとに疲れて「夜は静かに過ごしたい・・」という気持ちが生まれたりするので、逆にその賑やかな環境に耐えきれなくなってしまう方もいらっしゃるかと思います。
英語圏ではない
フィリピン留学を目指す方は「スピーキング力を伸ばしたいんです!」とおっしゃる方が90%以上になります。
しかし、よくよくお話を伺うと「将来的には英語圏に行きたいけど、もうちょっと英語力を上げてから挑戦したいんです」「フィリピンだとマンツーマンで勉強できるんですよね?」というお話が出てきます。
たしかにフィリピン留学はマンツーマンの授業でよく知られていますが、海外生活のなかで外国人と話すことは基本的に『グループ中心での会話』になり、1対1でじっくり自分だけのペースに合わせて話してくれることはまずありません。
これは英語圏に留学したことのある人なら誰もが経験から学ぶことです。
その一方でフィリピンにしか留学したことのない方ですと、母国語がタガログ語のため学校外で英語のネイティブスピーカーと話すことは全く無いため、「どういった状況で会話が行われるのか?」さえ気付くことが難しかったりします。
そのため先生とのマンツーマンの英会話に慣れてしまってから英語圏に行くと、グループでの会話の仕方や英語のスピードが全然違うので、残念ながら「今まで勉強してきたことが役立っていない・・」という衝撃を受けることになります。
英語の会話力を上げるには、学校の授業で先生とじっくり話すだけでなく「実生活の中での実践をどれだけ詰めるか?」が大事になってくるということがご想像頂けたかと思います。
スピーキングを伸ばしたいのであれば、ぜひ勇気を出していただいて、最初から英語圏の本場で留学することを強くおすすめいたします。
英語学習のモチベーションを保つのが難しい
そしてフィリピン留学の期間についても触れたいと思いますが、短期留学で1ヵ月~3ヵ国ほどの滞在になる方が圧倒的に多くなります。
なぜかというと、日本からの距離が近い・物価も安そうというイメージで、フィリピン留学が「大学生の春休み・夏休みの短期留学先の代表格」になっているためです。
そして、やはり他国への留学やワーキングホリデーを目指す『2ヵ国留学者』が多いからです。
そのため本気の留学というよりもホリデー的な感覚で滞在されている方がよく見られ、「ここで絶対に成果を出すぞ!」という強いモチベーションを持っている人が少ない傾向があることは否めません。
すると、自分自身のモチベーションも保ちにくい環境になりますので、英語力が伸びていない状態のままオーストラリアやカナダなどの留学・ワーキングホリデーに臨むことになり・・
「どのような結果になるか?」と言いますと、もう皆さんもご存知の通り「英語を使わなくても働くことができるジャパレス職員養成ルート」になります。
人は必ずといっていいほど環境に染まりますので、英語にかぎらず何かを学んでスキルを身に付けるときには、周りにいる人に「頑張ろうという意志があるかどうか」という環境がものすごく重要になります。
ここまでで、「フィリピンから始まる2ヵ国留学」が非常に難易度の高いものであることをお分かりいただけたのではないでしょうか?
企業が採用選考に重視するのは?
※ グラフをクリックするとデータも見れます
グラフの操作方法
上のグラフで企業が求める能力TOP3(ピンク)をクリックしてみてください。そうすると企業が求めている能力のTOP3がグラフ上に表示されます。
そして企業が欲している人材というのは、ピンク色でグラフに浮かびあがる3つの能力なのですが、皆様の予想と同じだったでしょうか?

留学中にコミュニケーション能力は上がりますよね?😊

留学中には英語力だけで無くて「人との関係を作る!」という本当の意味でのコミュニケーション能力も凄い成長するんですよ💪
能力 | 割合 | |
---|---|---|
1位 | コミュニケーション能力 | 82.4% |
2位 | 主体性 | 64.3% |
3位 | チャレンジ精神 | 48.9% |
4位 | 協調性 | 47.0% |
5位 | 誠実性 | 43.4% |
6位 | ストレス耐性 | 35.2% |
7位 | 論理性 | 23.6% |
8位 | 責任感 | 22.1% |
9位 | 課題解決能力 | 19.8% |
10位 | リーダーシップ | 17.1% |
※ 企業の複数の回答をOKとした結果。
(日本経団連:2018年度調べ)
そもそもフィリピン留学のメリットって?

さて、今まで「フィリピン留学の難しさ」についてお話してきましたが、ここから少し「フィリピン留学のメリット」についても併せてお話していきたいと思います。
勉強だけに集中できる
フィリピン留学の良い点は、何と言っても「限られた空間の中で、英語だけに集中して長時間勉強できること」になります。
実のところ、フィリピン留学は語学学校による差があるものの、基本的にレッスンのクオリティが高いものになっています。
またホームステイ等はなく、学校と寮が同じ建物内になっている生活になりますので、1日の中での移動時間もほとんどなく食事も3食用意されているという、勉強に全力を注げる環境になっています。
それにもかかわらず「英語力が伸びませんでした。。」という悲しみの涙とともにご相談が寄せられている理由として、「勉強に全力を注げるモードになっていないまま」留学してしまうことが挙げられます。
留学される方というのは、ほんの数週間前まで学校や会社で忙しく生活してきた方ばかりです。
フィリピンに到着してから急に「勉強だけしていたらいいんだよ!」と言われても、体と気持ちが勉強モードに切り替わりにくい状態にあります。
そのため缶詰状態で勉強することに抵抗があり、しっかり勉強できるプログラムが用意されているにもかかわらず、比較的ゆったりとしたペースで学んでいくプログラムを選択してしまいがちだったりします。
英語圏ではないフィリピンを選んで集中して勉強できる環境があるのに、ゆったりとしたプログラムのレッスンを受けていたら、なかなか英語力が伸びにくいのは簡単に想像できてしまいますよね。
ですので、とにかく缶詰のように集中して勉強したい!という強い気持ちのある方には、フィリピン留学はお薦めだったりいたします。
テストの点数や文法力を伸ばせる
フィリピンでは文法コースやTOEIC対策などのプログラムが充実しているのも特徴です。
ここでポイントになるのが、「英語力を上げたい!」と思った時に、それが英会話力なのか、それともTOEICスコア等の英語力なのか?という違いです。
もし「英語でのコミュニケーションスキルを上げたい!」ということでしたら、まずは英語圏に行き、本場でスピーキングやリスニングを伸ばしながら英語力や海外経験を積み上げることをお薦めします。
そして最後にフィリピン留学などで集中してTOEICやIELTSのコースなどを受講しますと、日本に帰国するときに何らかのテストのスコアを持ち帰ってくることもできます。
反対に「進学や就職に向けて、急いでTOEICスコアをとりたい!」という方でしたら、フィリピン留学では短期間で集中して勉強することができます。
すでに1カ国目のフィリピン留学が決まってる?

1ヵ国目の留学を終えた方からの「フィリピン留学しましたが英語力が伸びませんでした。どうしたら良いですか?」というご相談が本当に多くなってきています。
それに対して「最初の留学からご相談してくれていたら他の道もあったのですが・・」とお答えするのがお決まりのパターンになりつつあるのが、留学カウンセラーとして心苦しいところだったりいたします。
そもそも留学というのは、「英語力を上げたい」「進学したい」「就職したい」といった皆さんの目標に向かって、中長期的にプランを立てて実行していくものです。
上記のようなご相談の場合ですと、また他の国に留学へ行くことになったとしても、それは本来の『2ヵ国留学』ではなく「1ヵ国目で上手くいかなかったので再チャレンジ」という留学になってしまいます。
先に1ヵ国目だけ実行してしまって、それで英語力が伸びていなかったりすると、最初の留学を無かったことにしてゼロからプランニングをするしかありません。
こちらをお読みいただいている方で、もしすでに1ヵ国目にフィリピンへ行くことが決まっている方がいらっしゃいましたら、少なくとも「フィリピンにいる間にどんな成果を出したいのか?」という目標を持てるように考えてみていただけたらと思います。
その際は少なくとも、「まずは英語に慣れる!」というようなぼんやりとした曖昧な目標ではなく、「フィリピンにいる間にTOEICやIELTSで〇〇点を取る!」「クラス分けのレベルを〇〇まで上げてから卒業する!」というような数字で表すことのできる具体的な目標を持つことを心がけてみてください。
その心がけをすることで、フィリピン留学を終えた後に「わたしはTOEICで〇〇点を持っています」というところからご相談を始めることができるので、『2ヵ国目のプランニング』をするときに役立ちます。
2ヵ国留学の準備ステップ
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~10ヵ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
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- Step.2 留学計画を立てる【留学4~6ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ 社会人の方は2ヵ国留学に自分が耐えられるか?についても考慮していきます)
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
(※ 当然、このタイミングで2国目のスクールについても手配します)
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ どの国を2ヵ国として選択するか?によりますが、留学のプロの腕の見せどころですね!)
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 会社の退職時期の調整・学校の調整そして航空券や保険の手配をします
留学・ワーキングホリデーで得する安い航空券の活用術
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 会社の退職・留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2023年(コロナ対応版)】【印刷可】
2ヵ国留学はフィリピンでスタートするとマズイ!?まとめ

今回は「なぜ1カ国目のフィリピン留学が難しいのか?」というお話をさせていただきました。
時々「初めての留学がフィリピンで良かったです!」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、その場合は『スパルタコース』と呼ばれるような、寝る時間以外はずっと勉強して勉強して、建物から一切出ずに毎日英語を詰め込んでTOEICなどのテストスコアを上げる・・と言うタイプの留学をされているケースがほとんどです。
こういう留学をされる方は、2ヵ国留学をしないので「他国へ行く」という逃げ道がなく、純粋に「テストスコアを上げたい!」などという目標に向かって勉強を積み上げていきますので、満足のいく結果が得られやすいのは言うまでもありません。
ここにいらっしゃる皆さまの中で、2ヵ国留学を検討されている場合には、是非「なぜ2カ国留学なのか?」「なぜ1カ国目がフィリピンなのか?」について、留学プランニングの最初の時点から考えてみていただけたらと思います。