大学生が海外ボランティア応募前に知っておきたい3つの話
大学生の皆様の中には、夏休みや冬休みの長期休暇を利用して海外ボランティアを考えていらっしゃる方も少なくないかと思います。
しかし、海外ボランティアは世界の人たちと触れ合うなど、魅力的な面もある一方で、目的を間違うと、時間やお金を無駄にしてしまうケースも珍しくありません。
そこでここでは、大学生の皆様のために海外ボランティアについて、『ボランティアを応募する前に知っておきたいこと!』と題しまして詳しく紹介いたします。
海外ボランティアに応募する前に!
大学生の中には海外ボランティアに興味を持っていらっしゃる方も少なくなく、実際、留学相談者の10人に1人は、「海外ボランティアを視野に入れた留学を作って欲しい!」とおっしゃいます。
ただ、海外ボランティアの世界と言うのは、皆様が思っていらっしゃる以上に様々な問題があり、中には『ボランティア=人助け』という考え方を、再度考え直していただかなければいけないケースもあります。
そこでここでは、海外ボランティアを考えていらっしゃる大学生の皆様のために、事前に知っておいて頂きたい3つの重要なポイントについて紹介いたします。
特に、ボランティアと言っても、一旦申し込んでしまうと労働契約書にサインをさせられることになってしまいますので、是非、その前にご覧になっていただければと思います。
- ボランティア留学を申し込む前に知って欲しいこと!
明日、ボランティア留学に申し込むつもりでした!
セーフですね!
お申し込みは以下をご覧になってからにしてくださいね!
1.海外ボランティアって意味ある?
それでは、早速、本題へと入っていきたいのですが、皆様は、そもそも「なぜ海外ボランティアに参加しようとしているのか?」と考えたことはありますでしょうか?
ボランティアに参加することに対して様々な目的意識があると思うのですが、海外ボランティアは皆様の目的や将来のビジョンと大幅にずれることがあるので注意が必要です。
留学と海外ボランティアは同じ?
そこで、最初に知っておいていただきたいのは、『海外ボランティアと海外留学の大きな違い』についてです。
海外ボランティアの本質は、参加者は海外で何かしらの労働を提供し、その見返りとして報酬ではなくお金には変えることができない経験を得ることにあります。
その一方で、海外留学の本質は、進学先の学校に学費等を納付してレッスンを受けることで、語学力向上(スキルアップ)や資格または学位取得ができることにあります。
●ボランティアの見返りは?
それにもかかわらず、多くの大学生は「海外ボランティアに参加することで英語力を向上させたい!」や「ボランティアを通して自らのスキルアップを目指したい!」という、そもそもの海外ボランティアの趣旨から逸れた見返りを期待するケースが多いです。
しかしながら、ボランティアを募集する側が期待しているのは『無償の労働力』であって、ボランティア参加者の能力アップであったり、資格取得だったりではありません。
そのため、多くの大学生が期待しているものと、ボランティアで提供されるものに大きな違い(乖離)があるので、注意して頂く必要があります。
- ボランティアは参加する側の期待と提供する側の内容が一致していないことがある!
就職活動には意味がない!
次に、ガクチカ(学生時代に力を入れてきた事)に記載することができるので、『海外ボランティアを経験していれば就職活動に有利』と考える学生も中にはいらっしゃいます。
しかしながら、ここで注意していただきたいのは、企業の採用担当は学生の海外ボランティア活動を正当に評価することはないという現実です。
というのも、企業の採用担当が目的とするのは、自社にとって有益な人材を採用することであって、海外ボランティア活動に従事したことがある学生ではないためです。
そのため、企業は『ボランティア経験のある・なし』ではなく、日本国内でのクラブ活動やボランティア、それにアルバイト経験や資格保有の有無など何でも良いのですが、会社にとって有益だと判断できる材料があれば何でも良いというのが本音です。
●NPO・NGOだと効果的?
一方、NPO法人やNGOなど人道支援を目的としている非営利組織の場合には、ボランティア経験が、そのまま企業理念と繋がってくる部分があるため、面接時に有利に働くケースが多いです。
ただし、NPOは組織の設立目的からも分かるように、他の人より頑張って成果を出したからといっても給料が大きく上がる訳でもないですし、早い出世に結び付く世界でもないので、「海外ボランティアに参加しよう!」と考えるような、意識レベルが高い人とマッチするかは微妙なところではあります。
- 海外ボランティア経験が直接的に就職活動に有利に働くことはない!
- NPOやNGOなどの場合には評価されることが多い!
たしかに私が求めている結果とは違うような気がします・・。
事前にボランティア活動の目的と望む結果をマッチさせることを忘れないでくださいね!
2.インターンのほうが有益になる?
次に、海外ボランティアとインターンシップについてお話をさせていただきたいと思います。
大学生の留学相談者の中には、海外ボランティアに参加するかインターンシップに参加するかで悩まれる方々も少なくないのですが、悩まれる前に次のことを知っておいていただければと思います。
就活・採用ではインターン優先?
「海外ボランティアを経験しよう!」と考えていらっしゃる方のほとんどは、日程の関係で夏休みや冬休みの長期休暇を利用することになるのですが、その期間は企業のインターンシップ期間と完全に被っています。
そうした中で、大学生の皆様は「海外ボランティアか企業インターンシップのどちらに参加するか?」を選択しなくてはいけない訳ですが、どちらが就職活動に有利に働くと思いますか?
おそらく、ほとんどの方が「インターンシップ!」と答えたと思うのですが、皆様の予想通り、企業はボランティア経験者ではなく自社提供のインターンシップ経験者を優先して採用することになります。
そのため、直接的にではなくても、海外ボランティアが就職活動に対してマイナス影響となってしまうケースも珍しくないので覚えておいて頂ければと思います。
- 長期休暇を利用してのボランティア活動は企業インターンシップと被る!
- ボランティア活動がタイミング的な問題で就職活動に不利な影響となることも!
企業ボランティアでスキルを磨く!
また、日本人留学生の希望者はかなり少ないのですが、海外企業でのボランティア勤務を目指される方もいらっしゃいます。
こちらは、海外インターンシップに似たような形になるわけですが、海外の企業ボランティアもインターンシップも日本での就職活動を視野にいれた場合に注意する必要があります。
●中身のない職場体験?
最近の大学生の傾向として、『海外インターンシップ』が1つの就職活動の武器としてトレンドになる中で、「ただ単純に海外インターンシップを経験すれば良い!」と考えてしまっている方がとても多いです。
しかし、残念なことに、海外で皆様は仕事を教えても帰国してしまう一時滞在の外国人として扱われてしまうため、日本の企業のように「将来、自社採用するかも知れない学生!」という扱いとは大きな差があります。
そのため、企業ボランティアといってもコピーばかり取っていたり、日系企業で雑務ばかりをやらされてしまったりするケースも珍しくないため、果たしてその体験が日本企業のインターンと比較して有益なものとなるかは疑問が残る部分となります。
そこで、海外企業でのボランティアを希望される方は、必ず、将来に目指している自分の姿を関連性があったり、繋がっていくような職場にて有給無給に関係なく意味のある体験を積むことを意識しておいて頂ければと思います。
- 将来に繋がっていくような海外ボランティア体験をする!
たしかに帰国しちゃう人をわざわざ企業は育てようとはしませんよね?
企業にとって人材教育はお金と時間が凄い必要になるので、特別な理由が無い限りは「入れ替わりが激しい外国人を本気で育成しよう!」とは思わないですよね・・。
3.ボランティアなのに参加費?
最後に、3つ目の海外ボランティアに応募される前に知っておいていただきたい事ですが、それは『ボランティアなのに費用が必要なものがある』という点です。
『有料のボランティア』と聞くと、「ボランティアなのにお金が貰えるの?」と考える人もきっと多いと思いますが、ここで取り上げているのは、ボランティア参加者が参加料を支払い、更に、無償労働を提供するというものについてです。
ボランティアなのに有料?
先にお伝えいたしました通り、ボランティア参加者は『無償で労働を提供する代わりに経験値を得る』ことが大きな目的で、ボランティア主催者は『無償で労働を提供して貰える代わりに経験を提供する』というギブ&テイクが成立しています。
しかし、最近では海外ボランティア活動に参加するために何十万円の参加費用が必要になるものも増えてきています。
そうした海外ボランティアの多くは、欲しいのはボランティアによる無償の労働力ではなく、『参加費用』となっていることもあるため、応募前には十分注意していただく必要があります。
そして、「参加費を支払って参加したボランティア体験を社会がどう評価してくれるのか?」または「海外研修や海外体験ツアーと何が違うのか?」についても、是非一度、考えておいていただければと思います。
当然のことながら、海外ボランティアといっても体験できる内容が海外研修旅行に近いものであるならば、家族や友人、それに就職活動で評価される機会は少ないはずです。
- ボランティアなのに参加料を支払うケースもある!
- 「何のためのボランティア活動なのか?」を明確にしておくと良い!
海外ボランティアは参加料を支払うのが普通だと思ってました・・。
主催者側は参加料を取るからには『体験の質を担保する責任』が生まれてくるため、たとえ海外でも、現地に行けば募集されているボランティアのほとんどは参加費が無料になっています!
大学生が海外ボランティア応募前に知っておきたい3つの話まとめ
今回、海外ボランティアについて、お申込み前に知っておいて頂きたい内容についてお話をたくさんさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
ただ、皆様に勘違いしていただきたくないのは、有料・無料にかかわらず海外ボランティアだからといって、「全ての海外ボランティアが海外研修旅行のようなものになってしまっている訳ではない!」ということについてです。
実は、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、またはアメリカのハーバード大学といった超名門校の学生の中には、旅費を自分で支払ってでも日本にボランティアとしてやってきてくれる学生がいます。
そうした自費で来た大学生と交流すれば一発でわかるのですが、海外ボランティアに対する意識が非常に高く、『参加する』というよりも、「何かを残してやる!」や「必ず何かを得てやる!」という意識がバリバリにあります。
もし、こちらにいらっしゃる皆様の中に海外ボランティアを考えていらっしゃいましたら、そうした海外から日本へとボランティアでやってきている学生たちの考え方を参考にしていただければと思います。
そして、もし皆様の中に、将来、海外での就職を目指したり、日本と海外を結ぶような仕事を視野にいれたりして、「海外インターンやボランティアに参加したい!」という方がいらっしゃいましたら、是非、ココア留学へとご相談頂ければと思います。
限りある学生という短い時間で、「どのようにすれば最高のコストパフォーマンスを発揮する留学にできるか?」を一緒に考えさせて頂きたいと思います。