社会人のカナダCo-op留学ってぶっちゃけどうなの?
ここ数年で聞かれるようになったカナダのCo-op留学ですが、最近ではインターンシップが出来るプログラムや社会人のキャリアアップに繋がるプログラムなど様々な形で紹介されており、社会人の方々の注目を集めるようになりました。
Co-opプログラムとは、座学+実習の構成で、学んだ内容を実践することで身に付けることを目的としたとしたプログラムですが、本日は「そんなCo-op留学って、実際どうなのよ?」という疑問にお答えするため、社会人留学×Co-op留学の『本音』について紹介させて頂きたいと思います。
キャリアアップ×Co-opプログラム
社会人の多くが「帰国後のキャリアや将来に繋げたい!」という希望のもと、一般的なワーキングホリデーや学生ビザでは困難とされている海外でアルバイトを超えた就労経験(インターンシップ経験)を積むことができるとされている、カナダのCo-opプログラムを検討されています。
そんなCo-opプログラムの特徴として、ビジネス、観光、IT、医療など様々な分野において用意されており、その全ての分野において企業インターンシップをすることが卒業単位に含まれている点にあります。
つまり、スクールのカリキュラムの中に就労経験が組み込まれており、就労経験が積めなかった方は卒業証明や学位を授与することができないようになっています。
Co-opでキャリアアップは難しい?
ただし、ここで気を付けておいて頂きたいのは、Co-opプログラムによりキャリアアップのチャンスは広がるものの、キャリアアップに繋げられる方はほんの一握りであるという現実についてです。
実は、Co-opプログラムと呼んでも期間は様々なものが用意されているのですが、短いもので半年、長いもので2年程度となっており、就労・実習期間(インターンシップ期間)となるのは、『スクールの座学期間と同じ時間』という風に法律で定められています。
つまり、留学生には1年の座学期間を要するプログラムであれば1年の就労・実習期間(インターンシップ期間)が与えられることになります。
しかしながら、ほとんどのCo-opプログラムでは座学期間6~9ヵ月、就労期間は6~9ヵ月となってしまっているため、正直、半年程度のインターンシップ経験でキャリアアップや帰国後の就職活動に繋げることは難しいというのが本音です。
- Co-opプログラムは期間が短いためキャリアに繋げるのが難しい
Co-opのインターン先は自力で探す?
また、この実習期間の就労先については、『学校から紹介が受けられるもの』と『自力で探してくるもの』とがありますが、海外で就労先が見つけるのは非常に困難なため、学校からの紹介をご希望される方がほとんどだったりいたします。
しかしながら、『学校からの紹介=内定』のように思われている方がいらっしゃいますが、実際に、Co-opプログラムでインターンシップを受ける企業には最低賃金以上での給与支払い義務(有給の場合)は発生するため、採用が決まるかどうかはあなたの能力次第となっています。
また、学校からの紹介にも限りがありますので、『Co-opプログラムでインターンシップ』と言えば響きが良く聞こえますが、実際には英語力や能力不足により飲食店でウェイターとして勤務することになってしまっているケースも多数あるので注意が必要です。
- Co-opプログラムでインターンシップ先が見つからない人も多くいる
- 飲食店でウェイターをしているケースも少なくない
Co-opでキャリアアップするには?
もちろん、Co-opプログラムを経て、しっかりとキャリアアップをされた方もいらっしゃいますが、やはり留学でキャリアアップされる方々は留学に対する準備や留学中の過ごし方が一般的な留学生とは全く異なります。
例えば、帰国時の就職活動や人材として得意分野を伸ばすことを視野に入れたCo-opプログラムの選択になっていたり、留学先では、寝る間を惜しんでの勉強や積極的な就職活動はもちろんのこと、『ローカル企業+英語環境での就労経験』など真似できないレベルの行動力を発揮されていたりします。
先にも少しお話いたしましたが、正直、6~9ヵ月の短い就労期間だけではハッキリ言ってしまえば『経験』では無く『体験』レベルを抜けることは非常に難しいです。
そのため、「今の自分には何ができて何ができないか?」といった自己分析はもちろんのこと、「将来20~30年に渡ってどのようにしてキャリアをどのように伸ばしていくか?」まで考えぬいたCo-opプログラムにして頂ければと思います。
- 経験で無く体験レベルのCo-opではキャリアアップできない
- 「20~30年先までキャリアをどのように伸ばしていくか?」まで考えてCo-opプログラムを選ぶ
Co-opに行きさえすればキャリアアップできると思ってました・・。
残念ながら海外生活は本当に残酷です。
計画的に留学された人はバンバン伸びていきますが、そうでない方のキャリアダウンは本当に大きいです。
キャリアチェンジ×Co-opプログラム
先程はキャリア“アップ”に焦点を当てましたが、これまで学んできた学位や職業とは全く違う方向に進むキャリア“チェンジ”の場合はどうでしょうか?
Co-opでキャリアチェンジはできる?
最近は、社会人の皆様から「保険の営業職から将来を見据えてプログラマーになるため留学をしたいです!」や「教師を辞めて別の職業に就くための経験を積みたい!」というような希望から、Co-op留学を視野にいれていらっしゃる方が増えてきました。
そこで皆様に考えて頂きたいのは、「あなたの考えるキャリアチェンジは海外に行ってやるべきことなのか?」という点です。
例えば、プログラマー未経験の方が海外でのキャリアチェンジまで意識してCo-op留学に出られた場合、一見すると、「パソコンやIT技術も身に付くし英語も一緒に覚えられてしまう!」と海外でプログラミングを学んだ方が効率的と考えられる方も沢山いらっしゃいます。
しかし現実は真逆で、母国語である日本語でも全く知らない知識を不得意な言語である英語で学び、更に仕事ができる実務レベルまでに引き上げようというのですから、正直言って、一般的なCo-opプログラムの期間である1~2年では不可能と言っても過言ではありません。
●逃げ道としての留学ではないか?
そこで、もしこちらに「効率的だから・・」や「会社を辞めたいから・・」という理由でCo-opプログラムでの留学をお考えの方がいらっしゃいましたら、是非1度、皆様の進学先や選択したプログラム内容を見直しておいて頂ければと思います。
正直、仕事からの逃げ道として選択できるほどCo-op留学は甘いものでは無いので、皆様が想像していらっしゃる何十倍、何百倍も厳しい道のりになっている可能性があるので注意が必要です。
- Co-opでキャリアチェンジは未経験だと難しい
- 会社を辞めるための留学だと厳しい結果となる可能性が高い
美容師や通訳のキャリアチェンジは?
他にも、美容師や通訳への転職を見据えた留学のご相談も増えていますが、実は、これらの仕事も注意が必要です。
美容師の求人募集は日本同様に海外でも数多くありますが、これは日本の美容師が国家資格を取得していたり高い技術力を身に付けているからであって、日本で美容師未経験の方の就職先というのは本当に見つからないレベルで数が少ないです。
他にも通訳・翻訳職へのキャリアチェンジを考えて留学を考えていらっしゃる方にも注意なのは、海外で通訳・翻訳家を目指す場合、アジア圏でいえば経済状況やKポップなどの影響で中国・韓国語の翻訳コースは数多くありますが、英語⇔日本語の翻訳コースを持ったスクールは数えるほどしかありません。
そのため、学習効率や職探しにスクールのクオリティを考えた場合、美容師や通訳への転職のためには、そもそも日本のスクールで学んだ方が近道となるケースも珍しくありません。
●キャリアチェンジは留学を視野にいれない
このように留学に一石二鳥を意識しすぎると、帰国後のキャリアチェンジどころか海外での就労経験やスキルアップさえも出来ずに帰国しなければいけなくなってしまうケースも珍しくありません。
Co-opプログラムで進まれるコースの中にも、実は、「日本でスキルを身に付けたほうが効率が良い!」というものも沢山あることを覚えておいて頂ければと思います。
また、留学生によっては「ただ単に海外旅行に行きたかっただけなのにCo-opを選んでしまった!」というお話や、「将来は英語教師になりたいのにCo-opでコピーばかり取っていた!」というケースも少なくないので、留学の必要性を1度見直しておいても良いかも知れません。
- 日本で学習や就労経験を積んだほうが近道となる場合も多い!
Co-opプログラムだと海外に住みながら英語も学べる上に職業経験も積めて、一石二鳥や一石三鳥だと思ってしまってました!
『二兎を追う者は一兎をも得ず』ではありませんが、そもそも英語力TOEIC800点以下の方の場合、1~2年でキャリアチェンジを目指すと本当に『一兎をも得ず』となる可能性が高いので注意してください!
永住権×Co-opプログラム
最後にカナダの永住権取得を目指す留学に関してですが、一般的にPGWP(Post Graduation Work Permit:大学やカレッジ終了後に取得できる就労許可書)取得を狙う公立カレッジ進学ルートが多いのですが、もし永住権をCo-opプログラムで目指すとどうなのでしょう?
カナダの永住権をCo-opで?
永住権を考えている方が、絶対に押さえておかなくてはいけないこととして、Coopの実習期間(座学後の就労期間)はカナダでは職歴として加算されないというポイントが挙げられます。
こうしてCo-op期間の職業経験についてお話しすると「職歴として履歴書に書けると聞きました!」とおっしゃる方が多いのですが、Co-op期間の職業経験について日本の履歴書には職歴として記入いただくことが可能だとお考え頂ければと思います。
海外で学んだことを活かして就労した経歴は、帰国後の就職活動にも活かせるスキルや面接官に印象を残すことができる武器として使えます。
しかし、永住権取得を視野にいれた場合、PGWPとは違いCoopの実習期間は永住権申請に重要なカナダでの職業期間としてカウントされないため、たとえ実習生としてカナダでの長期間の勤務経験があったとしても取得には届かないことも考えられます。
- Co-op期間の実習期間は日本の履歴書に記載すると効果抜群
- Co-op期間の実習期間は永住権申請のための職業期間としてカウントされない
ワーキングホリデービザが必要?
Co-opプログラムで永住権を目指す方の多くは永住権申請要件を満たすため、Co-opプログラム終了後に企業からワークビザという就労が許可されたビザを発行してもらうか(人気のある職業では難易度が非常に高いです)、ワーキングホリデービザが使えるかたはワーホリの就労許可を使って就労期間を積み上げることになります。
もちろん、幸運にも企業からワークビザが発行してもらえたりワーホリビザが残っている方の場合は良いですが、もしどちらのビザの取得も難しい場合には泣く泣く帰国することも考えられます。
また、ワーキングホリデービザが残っている場合の注意点としては、就労が許可される期間は1年しかありませんので、その間に永住権申請に必要な職歴を積み上げようと思うとギリギリになってしまうケースも考えられます。
そのため、Co-opプログラムを使って永住権を目指す場合には、何のプログラムを受講するかだけでなく、将来のカナダにおける職業の需要と供給のバランスに、経済や政治による移民法の変更リスクまで考えないといけないため注意が必要です。
- Co-opプログラムで永住権を目指す場合は計画的に動く必要がある
Co-opプログラムって就労もできるし永住権も目指せる完璧なプログラムだと思ってたので事前に知れて良かったです!
コロナ以降は大学生の多くが利用するプログラムになっているので、社会人の皆様は「本当にCo-opプログラムで良いのか?」というところまで考えるようにしてください!
Co-opプログラムを活かす社会人留学
さて、これまでCo-opプログラム×社会人留学について様々な角度からの『本音』をご紹介させて頂きましたが、Co-opでの留学を考えていくうえで、どのような流れで進んでいけば良いのでしょう?
Co-opプログラム×社会人の理想の留学ステップ!
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- Step.1 将来のビジョンを明確にする
- 「何のための留学をしようとしているのか?」将来のビジョンをできるだけ明確に設定してください。
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- Step.2 自分の立ち位置を明確にする
- 「あなたは今どのような状況ですか?」現在の語学力や職歴が海外で通用するかどうかなども明確にしておく。
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- Step.3 留学をプランニングにする
- 「あなたの進学コースはどんなルートですか?」Co-opプログラム、語学学習、大学進学など様々なルートを考え、自分の目的にあったプランを作っていきます。
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- Step.4 計画が成功する確率は?
- 「本当にあなたのプランは可能ですか?」SNSなどでは可能性が低いものが数多く掲載されているので注意。
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- Step.Last 手配は可能か?
- 「実際に手配は可能?」実際に計画したプランで本当に留学の手配が可能か行ってみる。人数制限やコースの募集終了なども珍しくないので注意。
- 留学はたった1%の成功ルートではなく90%の成功ルートを作ることが大切!
- カナダの経済状況や政治状況もプランニング時には考慮する
社会人の留学!本当に奥が深いと感じました!
こちらでご案内したのは知識量でいうと本当に一粒程度のものになります。
実際はロボットやAIの進化速度や物価や将来性に政治経済状況など、考慮しなければいけないことは山ほどあるので、可能であればプロのアドバイスを参考にされると良いと思います!
社会人のカナダCo-op留学ってぶっちゃけどうなの?まとめ
「Co-op留学って実際のところどうなのだろう?」と、このページを開いてくださった皆様、ここまでご覧頂き、ありがとうございます。
Co-opプログラムはカナダにしかない制度で、海外で就労してみたいと考える皆さまにとっては、他の国にはない取り組みやすい制度になっているかと思います。
ただ、『留学生を選ぶ』と申しますか、どうしても人によっては良くも悪くもなるプログラムとなっておりますので、必ず「どういった状況で、何を目標に、なぜ目指す必要がのか?」といった詳細までプランニングして頂ければと思います。
そうした中で、もし将来進む方向に迷ってしまうことがあったり、考える材料や方法が分からなくなってしまった場合には、良かったらココア留学へとご相談頂ければと思います。
ココア留学は、本気の留学生に対しては、いつも本気になって向かっておりますので!