社会人の留学目的がこの3つならリアルにヤバいです!
ここ数年、社会人の海外留学が人気を集め始めていることを皆様はご存知でしょうか?
その引き金となっているのは、海外企業の給料の高さや労働環境への魅力、それに日本企業の人材不足で「仕事を辞めても再就職は難しくない!」という思いで、「留学やワーキングホリデーのハードルが低くなってきた!」と感じる人が増えたためです。
しかしながら、現実は、そんなに甘いものとはなっておらず、留学から帰国した後に困ってしまうケースが後を絶ちません。
そこでここでは、留学を考えていらっしゃる社会人の皆様のために「社会人の留学目的がこれだったらリアルにやばい!」という、3つの留学目的について紹介させていただきたいと思います。
社会人の人が留学目的も無いままに留学?
社会人の皆様に「あなたの留学目標・目的はなんですか?」とお伺いすると、「すいません。全く考えていませんでした!」とお答えになられるケースも少なくありません。
実は、こうして留学目標や目的のない人に対してコンサルティングしていると、根底に『仕事を辞めるための口実』や『仕事から逃げ出すための理由』として海外留学を希望しているケースが多いことに気づかされます。
留学の目標・目的設定は必須なの?
しかしながら、現実はさらに厳しく、現在の仕事でさえ「苦しい・・」と思っていらっしゃる皆様にとって、「留学の目標や目的もないままに海外へと足を踏み入れることがどれほど危険なことなのか?」は、いうまでもありませんよね?
そうした社会人留学生の帰国後に待ち受けている現実は、今の何倍も風当たりの強い日本社会からの厳しい目線だったりいたします。
『留学=学生の続き』と考えていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますが、23歳以上の海外留学は『留学=マイノリティ(少数者)』となりますので、是非、しっかりとした目標・目的や留学計画を立てることを心がけていただければと思います。
- 社会人の留学は目標・目的設定が大切!
- 23歳以上の留学は日本ではマイノリティ扱いを受ける!
私・・もしかしたら何も考えていなかったかも知れません・・。
こういうことって誰も教えてくれないので、良かったら一緒に留学の目標や目的について考えていきましょう!
留学の目的が英語力はヤバすぎる!
さて、次に社会人の皆様に留学の目的について、再度、質問すると「私の目的は海外留学に出て英語力をアップさせることです!」とお答えになられる方が、社会人留学を希望される方の90%以上にもなっています(弊社コンサルティング調べ)。
しかしながら、「この回答がいかにヤバいのか?」ということの本質について、聞いたことも、注意されたことも無い方が多いと思いますので、続いては、社会人の語学留学に関する問題について紹介させて頂きます。
留学に出る社会人の英語環境とは?
そもそも社会人が留学に出る場合、その多くの方々が既に学生から離れて時間が経ってしまっているため、勉強する準備すらできていないと言うケースがほとんどとなっていたりします。
というのも、留学を希望する社会人に対して「日常から英語を使っていますか?」や「英語の勉強をされていらっしゃいますか?」という質問をすると、そのほとんどが「全く勉強していません!」や「英語の音楽はときどき聞いていますが・・」という歯切れの悪い回答をされるためです。
こうした学習準備さえできていない状態では、たとえ心を決めて留学に出たとしても、「英語力が伸びるまでにはかなりの時間がかかってしまう!」というのが現実ですので、注意が必要です。
- 留学に行こうとしているのに学ぶ準備ができていない!
社会人が留学して英語関係の職に就く?
次に、社会人が英語を目的とした留学に出られるケースは、その大多数が「留学経験を仕事に活かそう!」と考えているのですが、正直、「1~2年程度の語学留学でビジネスレベルの英語力を身に付けるのは非常に難しい・・」というのが現実です。
というのも、ビジネスレベルの英語力というのは、『セミナーやイベントなど不特定多数に対しても意思を伝えられる』『交渉や説得ができる』『言葉のニュアンスで裏側の意味まで理解できる』など、ただ英語を理解して話せれば良いというレベルでは無くなってきてしまうためです。
そのため、社会人になってから英語の習得をゴールとした留学をすると、目標や目的に全く届かないまま帰国することになるケースがほとんどになるので注意が必要です。
- 1~2年程度の英語留学でビジネスレベルの英語力を身に付けるのは難しい!
英語は学生のうちに学ぶもの!
また、社会人が留学されて1番最初にショックを受けるのは、自分より何ヵ月も後に留学をしてきた高校生や大学生があっさりと自分の英語力を抜いてしまうことです。
社会人のほとんどが、ボストン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学などが研究発表した、『英語の学習を終えておくと良い年齢』とされる18歳を既に過ぎているため、残念ながら語学を学ぶ時期のピークは過ぎてしまっています。
そのため、どうしても現役で学校に通っている学生にドンドン追い抜かれていくことになってしまうため、変なプレッシャーが掛かってしまい焦ってしまうケースも珍しくありません。
- 社会人は小中高生や大学生と比較して英語力アップが遅くなるため精神的にきつくなることも・・。
語学留学は学歴にならない?
他にも社会人の皆様に注意して頂きたいポイントとして、語学留学は学歴・キャリアにはならないという点が挙げられます。
語学留学は、正確には『語学研修』という扱いになるため、帰国後の就職活動において履歴書の学歴・職歴欄に、『〇〇年 ××語学学校を卒業』という風に記載することはできません。
そのため、語学留学は資格欄に記載することになるため、大学卒業後に大手商社や企業などで勤務していて安定したキャリアを手にしているかたにとって、職歴欄にブランク期間ができてしまうことから、大きなキャリアダウンとして扱われるケースもあるので注意が必要です。
- 語学留学はキャリアダウンに繋がることも多い!
挑戦する意欲は続く?
※ グラフをクリックするとデータも閲覧可能です
●グラフの操作方法
上のグラフは余談ですが、女性(ピンク)をクリックしてみると、男女の世代別の『やる気』に関する意欲の推移を比べることができます。
怖いのは、30代を過ぎると新しいことを始めるためのチャレンジ精神(やる気)が徐々に失われていくので、遅くとも20代のうちに始めないておかないと「留学を経験したまでは良かったけど・・」と、次に続かない原因となる可能性が上がります。
20代後半ですが留学するなんて遅いですよね?
正直、早くはないので、普通の語学留学やワーホリだけで終わらないようにしなくてはいけませんね!
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10代 | 72% | 72% |
20代 | 73% | 70% |
30代 | 67% | 65% |
40代 | 64% | 62% |
50代 | 60% | 56% |
60代 | 50% | 46% |
70代 | 48% | 35% |
※ 60代になると半数は意欲を失う。
(Nomura Research Institute:2018年度調べ)
- 年齢を重ねると挑戦心が落ちてくる
私の親も「英語学習を始めた!」って言ってました!
『学ぶことが目的』というのであれば年齢を重ねてからでも良いのですが、学んだものを利用することを考えると、状況が大きく変わってくることを覚えておいてください!
異文化交流がしてみたいはNG!!
次に、社会人の中には留学目的として「異文化交流をしようと考えています!」という方が稀にいらっしゃいますが、こちらもまた大きなNGだとお考え下さい。
異文化交流を目標や目的とする留学は、学生の間、特に高校生までが理想的で、最近では大学生の留学であったとしても異文化交流を目的で掲げるケースは減ってきています。
と言うのも、コロナ以降、外国人労働者や外国人旅行客が増えてきている日本では、わざわざ海外にまで出ていって異文化交流をする必要がなくなってきているためです。
異文化交流が簡単になってハードルは上がった?
日本でも「異文化交流をしよう!」と思ったら、外国人が集まるようなバーやレストランに行けば、いくらでも日本人との異文化交流を希望する外国人と出会うこともできますし、カルチャーイベントに参加すれば外国の方々から直接的に外国の文化も学ぶこともできてしまうようになりました。
そのため、異文化交流を留学の目的として掲げると「高い留学費用をかけてまでする意味はあるの?」や「どうして学生の頃に留学しなかったの?」または「安定した仕事を辞めてまですること?」という厳しい意見を言う人も多くなってきました。
当然ですが、帰国後の就職面接では、こうした冷たい質問が投げかけられる可能性が高くなること(採用担当官は質問をしなくても確実に心の中で思っています)を、社会人の皆様は忘れてはいけません。
- 異文化交流は日本でも可能になってきている!
- 安定した仕事を辞めていく留学は求められる成果も大きくなってしまう!
新卒からずっと働いていた会社を辞めてまで留学するのに、「異文化交流をしてきました!」は、ちょっと危ない気がしてきました!
社会人の留学では「世界中の国々にビジネスができる人脈を作ってきました!」レベルの異文化交流まで期待されてしまうので、本当に難しいですよね・・。
留学で視野を広げるには遅すぎる!?
社会人の皆様の中には留学の目的として「私は世界を見て自分の視野を広げようと考えています。そして、自分探しもしてみたいと考えています!」という風にお答えになるかたもいらっしゃいますが、残念ながらこの目標・目的も「かなりヤバい!」とお考え頂きたいです。
社会人が留学で視野を広げる?
「そもそも何のために視野を広げる必要があるのか?」そんな冷たい言葉を、企業の面接担当官は頭に思い浮かべています。
それもそのはず、先にも説明させて頂いた通り、企業の面接官たちは、社会人の皆様が留学やワーキングホリデーで海外に出た時点で『日本社会に適合ができなかったマイノリティな人間』という認識でいるためです。
●半年以上の留学はブランク?
また、最近では、躁鬱(そううつ)病やパニック障害等を抱える人たちが非常に多いため、半年以上の留学期間がある人に対して書類選考落ちとしている企業も珍しくありません。
特に、視野を広げることを目的としている場合、履歴書に記載する内容もスカスカになってしまうため、どうしてもメンタルヘルス問題や精神的に弱いケースを疑われやすくなるので注意が必要です。
メンタル系の問題を抱えた人の採用について、企業はかなり神経質になっていますので、もし自分の視野を広げることが留学目的だった方は、できるだけ『プランB(視野を広げる以外の留学目的)』を用意しておくことを強くオススメいたします。
- 視野を広げることが留学目的だと精神的に弱い人だと思われることも
- 視野を広げる以外の留学目的も必ず用意しておく
社会人の留学目的の見つけ方は?
「自分は何を目的に留学へと出ればいいのか?」と悩んでいる皆様のために、社会人のための魅力的な留学目的の見つけ方について案内させていただきたいと思います。
その見つけ方は単純で、以下のフローチャートについてご覧いただければ何かしらの目的が見つかるかと思いますので、その目的を自分なりにアレンジしていただければと思います。
留学目的を決める3ステップ!
-
- Step.1 あなたの将来に必要なものは何ですか?
- あなたが将来に求めるものを3つイメージしてください
(※ 例えば、お金や地位や権力とかでも良いですができるだけ具体的に)
-
- Step.2 先ほどの理想と現地のギャップの大きさは?
- 先ほどイメージして頂いた将来の姿と今の自分はどれほど違いますか?
(※ 例えば、現在の年収が300万円で将来の希望年収が500万円場合にはそのギャップが200万円になります)
-
- Step.3 3つのギャップを埋めるのには?
- 先ほどイメージして頂いた3つのギャップを埋めるには何をすれば良いか考えます
(※ 例えば、年収差200万円のギャップを埋めるために何をすれば良いのか?)
-
- Result 3つのギャップを埋める留学目標・目的に!
- この3つのギャップを埋めることが留学の目標・目的になります!
(※ 年収アップのために外資系企業を目指して最低TOEIC900点以上・海外勤務経験を持ち帰る)
- 理想の将来と現実のギャップを埋める形で留学目標・目的を設定する
留学って「ただ学校を決めて行くだけだ!」と考えてしまっていました!
留学に行くことを目的としているのであれば、それで良いのですが、ほとんどの方は留学の先にある『人生の豊かさや将来を安定させることを留学の目的』としているので、難易度が跳ね上がるわけです!
社会人の留学目的がこの3つならリアルにヤバいです!まとめ
ここでは社会人の留学目標・目的について、『絶対に選んではいけない3つのヤバい留学目的』として紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
どうしても社会人は留学やワーキングホリデーを『日本社会からの逃げる方法』として利用される方が多いため、たとえ自分が該当していなかったとしても、他の方の影響で、悪い部分だけが直撃してしまうケースも珍しくありません。
そのため、留学に出ているだけでも、日本に帰国したり再就職を考えたりしたときには、キャリア的に厳しくなったり、社会からの風当たりは冷たいものになってしまったりします。
しかしながら、かく言う私も、海外留学でキャリアを崩壊させてしまい、そこからのリカバリー生活を体験した者の1人です。
そこで、社会人の皆様には、私のようにならないためにも、是非、2~4年先までの人生設計を立て「留学後の自分はどのようになっているのか?」までしっかり考えて、留学前の準備段階から計画的に行動することを強く推奨させて頂ければと思います。
そして最後に、ここにいらっしゃる社会人の皆様全員が素敵な留学経験を送っていただき、1人でも多くの方に、将来、安定した生活を手にして頂けること、縁の下から、年中無休で応援させて頂きたいと思います。