社会人留学におすすめしたいキャリアアップできる留学とは?
ここ最近、社会人の留学相談者が急増していることについて、皆様ご存知だったりしますでしょうか?
しかし、社会人の皆様が計画されていらっしゃる留学の中には、ご自身のキャリアや帰国後について全く意識されていらっしゃらないものが非常に多かったりいたします。
そこでここでは『留学やワーキングホリデーを考えていらっしゃる社会人の皆様のためにおすすめさせて頂きたい留学』について、留学のプロの目線から詳しくご紹介させていただきたいと思います。
留学・ワーホリはキャリアダウン?
さて、社会人留学について詳しいお話をさせていただく前に、「社会人留学やワーキングホリデーに出られる方のほとんどが、実は、キャリアアップではなくキャリアダウンになってしまっている!」と言う現実について皆様はご存知でしょうか?
そこでまずは社会人留学のリアルについて、皆様にご紹介させていただきたいと思います。
海外のキャリア育成は難しい
留学を考えていらっしゃる社会人のほとんどが、「海外留学を経験することでキャリアアップになる!」と言うことを信じていらっしゃいます。
それは「海外留学を経験したことで◯◯に転職することができました!」や「ワーホリ経験を活かして××で就職が出来ました!」という留学関係の宣伝広告をよく目にするためですが、実際は、帰国後に正社員として理想の職場に就職される方はほとんどいないというのが現実です。
と言うのも、実は、社会人の皆様にとって海外でキャリアを育成する事はとても難しいという現実があるためです。
ただ、海外でのキャリア育成やキャリアアップが難しいと聞いても、実際は、どれほど難しいのでしょう?気になりますよね?
- 社会人留学のほとんどがキャリアダウンになる!?
- 海外でのキャリアアップは難しい!
海外でのキャリアアップの難易度は?
そこで、海外でのキャリア育成の難しさに関して紹介できればと思うのですが、海外では、例えば日本人が海外のコンビニでアルバイトとして採用されると、周りの留学生からは「凄い!本当にコンビニで働けることになったの!?」とリアルに驚かれます。
それもそのはず、お客さんからの様々な注文や要望に応える機会の多い職業である、コンビニや日常雑貨店・家電などのショップ店員としてのアルバイトに就けている日本人はほとんどいないためです。
社会人留学の現実は、日本では社会人として営業・マーケティングやITや事務員などとしてバリバリと働いていた方々が、いわゆるホスピタリティ系やブルーカラー系のアルバイトである日本食レストランや清掃員として働いていることがほとんどだと覚えておいてください。
●キャリアが違う方向へ・・
更に問題なのは、そうした社会人留学をされていらっしゃる方々のほとんどが、将来、ホスピタリティ系へとキャリアチェンジすることは考えておらず、スキル・英語力不足や留学への準備不足が原因で「他の選択肢がないため仕方なく働いている・・」という現実です。
当然のことながら、将来の方向性とやっていることがマッチしないため、将来に繋がるキャリア育成はできず、『働き盛り』とされる時期に必要なキャリアが積めないことが原因で、生涯に渡りキャリアに悩まれることになるケースも少なくありません。
- 海外では狙ったキャリア育成ができないことが多い!
- 社会人留学でのキャリアアップのミスは生涯に渡り影響することもある
社会人ワーホリで重要なのは帰国後の就職
また、最近では、ワーキングホリデーなどで自身の留学に関してブログやSNSなどで投稿されていらっしゃるのを目にすることができますが、もし確認できるのであれば、その方の帰国後の様子についても注目してご覧になることをオススメさせていただきます。
留学中はキラキラした様子をバンバン投稿されていたのに、帰国後は打って変わって投稿がパタリと無くなったり、再就職の厳しい現実について投稿されていらっしゃる状況を目にされることになるはずです。
●転職3回でジョブホッパー?
それもそのはず、日本では20代で3回以上の転職経験者はジョブホッパー(転職を繰り返す人)と呼ばれ、就職希望者の多い人気の企業などでは『書類選考落ちの対象』としているところも少なくないためです。
帰国後の就職活動で、ワーホリ期間中のアルバイト歴を職歴として記載すればジョブホッパー扱いになりますし、記載しなければキャリアブランク(無職期間)と見られ、『長期のキャリアブランク=精神病の可能性あり』として敬遠している企業はかなり多いです。
そのため、ワーホリ経験が原因で希望する就職先での面接を受けるチャンスすら失ってしまうこともあるので、ワーキングホリデーを視野に入れている社会人の皆様は特に注意が必要です。
- 20代で3回以上の転職をすると『書類選考落ちの対象』になることも!
- 長期の無職期間は精神病を疑う企業も少なくない
ホスピタリティ系からの転職は難しいと聞きました・・。
日本では宿泊業・飲食サービス業の離職率は長年ワースト1位となっています。
募集が多いためキャリアのスタートは簡単なのですが、そこから「他業界や他業種へのキャリアチェンジは難しい」というのが本音です。
おすすめ留学はキャリアを活かす!?
「社会人留学でのキャリアアップが難しい」ということについて知って頂けたところで、それでは社会人にはどういった留学スタイルがおすすめなのでしょうか?
そこで皆様にチェックしておいて頂きたいのは『自身の今までのキャリアを活かした留学』についてです!
留学カウンセリングで無視されるキャリア
一般的な留学カウンセリングを受けていただけるとすぐ分かるのですが、留学カウンセリングのほとんどは『学校選びのためのカウンセリング』となっていて、留学相談者のキャリアを考えたカウンセリングを行っている留学会社はほとんどありません。
正直、宣伝に聞こえてしまうかも知れませんが、本気で「ココア留学以外には聞いたことがない・・」というのが本音です。
●学校紹介が主軸となるカウンセリング
そのため、どうしても社会人留学をされるかたの多くは、これまで積み上げてこられたキャリアやバックグラウンドに関して無視されたまま、気づけば希望する国にある相性の良さそうな語学学校への進学だけが決まってしまい、何となく留学の準備をして何となく渡航されてしまっているのが現実です。
しかし、先ほど紹介させていただいた通り、さすがにこれでは留学先でキャリアアップする事は至難の業となってしまうことは言うまでもありません。
そこでこちらにいらっしゃる皆様には、ぜひ、キャリアアップのために『現在、自身が持っていらっしゃるキャリアを活かした留学に出ること』を意識していただければと思います。
- 過去のキャリアを無視した留学になっていないか?
- 社会人の何となく語学留学には注意!
個人の希望より過去のキャリアから考える?
次に、留学先の国についてですが「寒いところが苦手だから南国へ・・」や「暑いところは嫌なので涼しい国へ・・」という考え方については、アレルギーや体調に関する問題を抱えていらっしゃらないような場合は忘れてください。
進学先の決定時には、必ず過去の経験がある業種や大学などで専攻した分野などから将来の方向性と積み上げるキャリアを決定し、「○○が世界でTOPレベルの国は××だから留学先を決定した!」や「××なら留学後の職業キャリアも期待できる!」などキャリアをベースにして考えてください。
そうすることで、少なくとも自身のキャリアから大きく離れた留学をしてしまい、キャリアダウンへと直結することだけは避けられます。
●キャリアが将来へと繋がっていくか?
また、その際に注意して頂きたい点としては、コロナ以降は以前に増してAIやロボット開発などが一気に進んでいるため、将来的に需要が落ちたり、なくなってしまうことが予想されている職業への留学は避けることです。
世界は1分1秒単位で変化しているため、経済やキャリアについての深い知識がある方でなければ判断が難しい事柄にはなりますが、SF映画やドキュメンタリーなどを参考にしながら、少なくとも簡単にロボットに置き換えられてしまうことがイメージができるルートは避けておいたほうが良いです。
- 過去のキャリアから留学先を考える!
- 将来的に「職業が無くならないか?」需要も考えた留学ルートにする!
海外でのキャリアチェンジは難しい?
加えて、社会人留学を希望される方の多くが希望される『海外でのキャリアチェンジ(転職)』に関してですが、海外でのキャリアチェンジは日本とは違い、キャリアチェンジを希望する職業での職歴や学位が無ければ非常に難しいです。
また、求人も基本的に、日本のITエンジニアの募集要項のように「未経験でも歓迎!」といったものは無く、『実務経験3年以上』や『ディプロマ(専門士)以上の学位』が求められていることがほとんどなので注意が必要です。
そのため日本でキャリアチェンジができないような場合には、「留学先でいくら英語学習を行っても専門的な学位が無ければキャリアチェンジへと繋がることはない!」と思っておいた方が無難です。
中には、偶然が偶然を呼んで成功されるケースもありますが、残念ながら確率はかなり低く、社会人がそのルートに乗るにはリスクが大きすぎることを覚えておいて頂ければと思います。
- 海外でのキャリアチェンジは難しい!
- キャリアチェンジを目指した留学は慎重にする!
「とりあえず海外に長く住んでみたい!」それだけが私の留学目標でした。
「海外に長く住んでみたい→留学する?→でもお金がない→仕事をしなきゃ→ワーホリする?」という流れで考えていらっしゃったら、是非、キャリアの大切さを思い出してみてくださいね!
そもそも「あなたにとってワーホリが本来の目標ではない」ので、留学後に後悔される可能性が高くなってしまいます。
留学先でキャリアの活かす方法
続いては、「留学先でこれまで自分自身が積み上げてきたキャリアをどのようにすれば活かすことができるのか?」という具体的な方法についてご紹介させていただきたいと思います。
現在の自分の立ち位置を知る
はじめに、皆様が持っていらっしゃるスキルや学歴を考え、現在の自分自身の社会的な評価(人材的な価値)を知っておいてください。
例えば、英語力に関して、海外で正社員としてキャリアアップするためには最低でもTOEIC 850点以上の英語力が必要になりますが、TOEIC 850点というのはボーダーラインギリギリで「かろうじてキャリアが積み上げられる可能性が残る・・」という程度の英語力だとお考え下さい。
日本で英語力を武器に就職活動をされてきたかたは、『英語が話せることが当たり前の環境になること』も視野にいれておいてください。
●国際的なキャリアや資格はあるか?
次に、キャリアや資格に関してですが、学校の先生や英語教師など『日本で英語を教えている先生』と言うキャリアや資格、それに宅建免許に看護師免許、それに日本政府が独自に認定している資格やキャリアは海外では全く通用しないので注意が必要です。
これは例えば、東南アジアで弁護士として活躍していた先生が、日本では免許が無いため弁護士として扱われることがないことを考えると簡単に想像できると思います。
特に、カナダやオーストラリアといった移民を数多く受け入れている国に留学すると、移民(留学)前は元医師や元弁護士といった肩書きで働いていた人が、移民先ではタクシー運転手として勤務しているという話を聞くことも珍しくありません。
そのため、日本ではなく『海外での人材的な価値や評価』を明確にしておくようにしてください。
- 日本ではなく海外での人材的な価値や評価を明確にする!
海外でライバルは世界の人だと知る
続いて、海外における自分自身の人材的な価値を知ることができたら、続いてはキャリアアップを目指す際に立ちはだかるであろう『就職のライバル』について知る必要があります。
●海外就職のライバルは誰?
留学生に「留学先で就職するためにライバルとなるのは誰だと思いますか?」と質問をすると、ほとんどの方は「留学先、現地出身の就職希望者です!」とお答えになられます。
一見すると「正解!」と思えるような回答ですが、残念ながら答えは不正解です。
残念ながら留学生が就職活動を行う際のライバルは、その多くの場合、世界各国から集まっている他の留学生たちとなります(もし就職のライバルが現地の人々となっているとしたら、その方は、日本に帰国されると『超』がつくほどの優秀な人材となります)。
●海外で太刀打ちできない日本人
ただし、留学生がライバルになるといっても『ITリテラシーの高いインド人』や『大学院卒以上、博士号も当たり前となりつつある中国人』たちとは競い合って職業を奪い合う状況は皆無で、実際は、教育水準の低かった国からの留学生や難民となっているケースが多いです。
世界的に日本国(日本経済)や日本人に対する期待や需要が下がってきているため、『日本国籍』や『日本語ネイティブ』という生まれながらのアドバンテージ(優位性)も就職活動の武器として使える機会が減ってきています。
- 留学生の海外就職のライバルは留学生!
徹底的に出来ることを追求する!
己を知り敵を知ることができたら、いよいよ海外でのキャリアアップ準備スタートラインに着くことができます。
あとは、「そうしたライバルに対してどのようにすれば就職活動戦線を勝ち抜くことができ、その後の仕事でもキャリアを伸ばすことができるのか?」をお考えください。
●日本との違いも最大限に利用する!
海外は日本とは違い日本でのアルバイトの職歴も正社員時の職歴と同様に有効な職歴としてカウントして貰えることが多いので、自身の培ったキャリアとして面接時にアピールすることをおすすめします。
また、留学期間中のアルバイトに関しても、可能であれば自身のキャリアや将来のビジョンに沿った仕事となっているように渡航計画を立て、過去のキャリアから希望するキャリアまでが一本の道として繋がるように心がけます。
他にも、自身のスキルやキャリアが弱いと考えた場合には、例えば、カナダなどの企業インターンシップに特化したプログラムが有る国への進学(Co-op留学プログラム)への参加や、自身のキャリアビジョンに合わせた学位の取得を目指すのも良いです。
渡航計画を上手に作っておけば、人によっては留学後に就労ビザや海外永住権の取得まで視野にいれることが可能になるため、キャリアアップへのルートが大幅に広がります。
- 海外での就職は日本との違いも最大限に利用する!
- インターンシップなども視野にいれる!
ここまで考えることができるんですね!
社会人留学は『最低』でもこれくらいは考えておいてください!
実際には、もっと様々な状況や将来性を考えて留学計画を作る必要があります!
理想的な社会人留学の作り方とは?
それでは最後に、海外で戦う覚悟を決めていただけた皆様には「どのようにすれば社会人留学を計画的に進めることができるか?」以下に簡単なフローチャートを作ってみたので、よかったらご覧ください。
社会人の留学を計画する手順
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- Step.1 自分のスキルを見つめ直す
- 海外では「何ができるのか?」が全てです。「これからITを勉強したい」だとカレッジに入っても入学時点で落ちこぼれスタートが確定します
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- Step.2 英語力はビジネスレベルか?
- TOEIC 850点レベルが最低ラインでギリギリだと考え、英語力を伸ばす必要があるか?計画を練る
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- Step.3 キャリアのために学位や資格はどうする?
- 日本の学位資格が海外で使えないこと同様、海外の学位や資格が日本で使えないこともあるので注意する
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- Step.4 何をして将来生きるか?
- 社会人の皆様に学校で学び直せる残されたチャンスはほとんどないとお考えください
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- Step.5 モデル計画を立てる
- 転職した後でさらに転職が必要な計画は作らないようにする
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- Step.6 将来性を考えておく
- 会計士を希望される方もいらっしゃいますが将来なくなる仕事とされているので注意
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- Step.7 駄目だった場合のプランBも作る
- 学生の留学ではないので駄目だった場合の計画も視野に入れておきます
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- Step.8 費用対効果を考える
- 学費に1000万円掛かって就職時の給料が400万円ならば、返済には何年掛かるでしょう?
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- Step.9 同期は日本でキャリアアップしていく
- 学生時代の友人や社会人時代の同期は、日本でどんどんキャリアアップしていくことを忘れないようにします
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- Step.10 覚悟を決める
- そして最後にやり切る覚悟を決めたらプランニングの完成です
- 社会人留学でキャリアアップは難しいが不可能ではない!
真剣に将来のキャリアを考えた留学にすることにしました!
ココア留学では社会人の皆さんには「やりたいこと!」ではなく「すべきこと!」で留学されることをおすすめしています!
「今、あなたは何をすべきか?」、是非、考えてみてくださいね!
社会人留学におすすめしたいキャリアアップできる留学とは?まとめ
社会人の皆様に、様々な角度からお勧めの社会人留学についてお話しさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
日本で生活していると、どうしても周りにいる人たちが日本人のため、『自分自身がゆるい生活をしてきたこと』に、なかなか気づきにくい環境となっていますが、海外に出ると留学生の勉強量に驚かされることも少なくありません。
彼らは昼夜を問わずに書籍とにらめっこをしたり、図書館にこもって何かを考えたり、レポートを作成しています。
また、さらに深夜には忙しい勉強の合間を縫って、飲食店や清掃員としてのアルバイトをしている学生も少なくありません。
社会人留学を志される皆様は、そんな優秀であり努力家でもある他国からきた留学生をライバルにしながら、自分自身のキャリアアップを目指していくことになることだけは覚えておいてください。
そして、こちらにいらっしゃる皆様に、少しでも留学計画と留学コンサルティングの大切さが伝わっていれば嬉しいです。