社会人の留学カウンセリングで注意!?失敗すると貧乏になる!
留学会社によって様々な留学カウンセリングが行われていますが、皆様は社会人の留学カウンセリングは学生のカウンセリングとは大きく違うことについてご存知でしょうか?
もし学校等に悩まれていらっしゃる社会人の方がいらっしゃいましたら、ポイントはその先にあることを意識して頂ける良い機会になるかと思いますので、よかったら最後までお付き合いいただければと思います。
大人の留学カウンセリングは違う?
社会人の皆様が留学を考えていく中で、「留学カウンセリングを受けてみたけど、高校生や大学生のカウンセリングと何が違うのだろう?」とお考えになった事はありませんでしょうか?
実は、現在日本国内や世界中で日本人を対象にして行われている留学カウンセリングと言うものは、「どこの国の学校に進学するのか?」の案内業務となっており、小学生だろうと高校生だろうと、社会人だろうとシニア層だろうと、どんなバックグラウンドを持っているかたでも話される内容は全く同じです。
「それってマズイのでは?」と思われた社会人の皆様も多いと思いますが、正直、かなりマズイと思って頂ければと思います。
- 大人の留学は学校の紹介だけではマズイ?
カウンセリングやコンサルティングってなに?
実は、『留学カウンセリング』や『留学コンサルティング』と呼ばれるものは、実は、その名前からイメージされるものとは程遠いものとなっています。
そこでまずは、「カウンセリングやコンサルティングというものはいったいどのようなものなのか?」その定義からご覧ください。
カウンセリングとは?
主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすること。
つまり留学カウンセリングとは、留学カウンセラーが相談者の希望する留学を理解していく中で、留学生が主体となって海外留学やワーキングホリデーができるサポートをすることを意味します。
コンサルティングとは?
専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。
一方で留学コンサルティングというのは、留学コンサルタントが相談者の話を聞いていく中で相談にのったり、留学に関する提案や将来設計を行っていくことを意味します。
両者の大きな違いとしては、コンサルティングが将来の有益な方向性や明るい未来の方向を指し示す『指導』や『教え』のようなものが入るのに対して、カウンセリングは相談者と同じ立場で考えて『支える』という差があります。
- 留学カウンセリングは留学生が進みたい道を支えるもの
- 留学コンサルティングは留学生が進むべき道を指し示すもの
現実の留学カウンセリングとは?
それでは「現実の留学カウンセリングやコンサルティングは一体どのようなものになっているのでしょう?」一般的な留学カウンセリングとは次のようなものになっています。
●一般的な留学カウンセリング例
オーストラリア留学したいんですがどうすれば良いですか?
オーストラリア留学なら『A校』『B校』『C校』がありますが、どの学校が良いですか?
●一般的な留学コンサルティング例
カナダ留学したいんですが・・・。
よし!カナダのCOOPが安いのでCOOP留学にしましょう!
つまり、カウンセリングやコンサルティングといっても、A・B・Cという3つの学校の説明をしていたり、取り扱っているプログラムの営業を行っているだけというケースがほとんどです。
そのため、求人情報をみてもほとんどの募集要項には『営業職です』や『営業経験がある方尚可』という記載があるのが現実です。
- 留学カウンセリングやコンサルティングは営業職!?
カウンセリングを受けましたが、営業と言われたら営業のような気がしてきました・・。
中高生の留学なら楽しいだけで良いのですが、社会人や大人の留学では注意が必要になります!
社会人の留学は何を考えておく?
続いては、「社会人の留学は何を考えるべきなのか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。
社会人の多くの方がキャリアアップを考えた留学を模索していく上で忘れてしまうことが多いポイントとして、『海外で就職難易度と企業スタイル』というものがあるので紹介させて頂きます。
転職を希望する留学は難易度が高い?
まず、多くの社会人が希望する転職を視野に入れた留学についてですが、こちらを留学に組み込むことは皆様が想像される以上に難易度が高いので注意が必要です。
例えば、新卒から入社後3年が経過して25歳になられた方が、営業職から転職して海外でITエンジニアとして活躍することを目指して留学を希望しているとします。
こうした方の多くは、数ヵ月程度の短期のプログラミングスクールに通われるような留学プランや求人情報の『IT未経験者歓迎』といったものに応募して働きながらスキルを身につける希望されますが、これは日本国内だけの特別な状況で海外では全く通用しません。
特に、ほとんどの企業がIT系の学位や職歴を求めているので、大学や専門学校でIT系の学位を取得されていなかったり職歴が営業のみでIT未経験の場合ですと、ちょっとやそっとITを勉強した程度で採用を得られることは至難の業になるとお考え下さい。
- 学位や職歴がないキャリアチェンジは難易度が非常に高い!
海外の企業は従業員を育てない?
次に、「海外の企業は日本の企業のように社員を育成する」という考えを全く持っていないという点についても、再度、認識しておいて頂ければと思います。
海外企業の多くは「社員教育は会社が行うものではなく学校が行うもの」という考えが強く、日本の企業のように無償で社員教育を提供してスキルアップできる機会を作ったり、最近話題となっているリスキリングといった社会人の学びなおしの機会を提供するということはありません。
また「会社は社員と同じ立場である」という考えも根強く残っていて、会社と社員の関係がWINWIN(ウィンウィン:両者にとって有益)とならないようであれば、雇用契約はお互いから解除することが可能で、職場が理想的な環境でなければ自由に辞めることもできますが、会社からは利益を生み出さない社員を問答無用に解雇することも珍しくありません。
そのため、会社にとって即戦力となる人材でなければ就職先を見つけることは困難な状況となっており、求職者のほうが会社よりもキャリア育成や学位について強く意識している傾向があります。
- 海外企業は「社員を育てる!」という考えがない
- スキル不足で利益を出せない人材は解雇されてしまう
海外就職は日本の就職より難しい?
日本国内でコンビニやスーパーのレジ係りなどのアルバイトを始めようと考えた場合、ウェブサイト等で求人に応募さえすれば面接や採用まで漕ぎ着けることができるかと思います。
しかしながら、日本人留学生が海外のコンビニやスーパーのレジなどの採用を得ることができたとしたら、周りの友人たちからは「すごい!」と驚きや称賛の声が出るほど高い評価を受けることになります。
というのも、日本人留学生の大部分がアルバイトとして働いているのは、日本食レストランや清掃スタッフそれにファーム(農場)や工場の流れ作業のスタッフで、コミュニケーション能力や特別なスキル能力などを必要としない職業ばかりだからです。
また、飲食店といっても日本食レストラン以外の現地企業が経営しているレストランやカフェなどで採用されている日本人も珍しいため、採用を勝ち取ったときには「おめでとう!」と「羨ましい!」という反応を多数貰えることになります。
それほど日本人にとって海外で就職し働くことは難易度が高いものになっているので注意が必要です。
- 日本人にとって海外で就職し働くことは難易度が高い
海外就職はキャリアアップも盲点?
海外就職を考えていらっしゃる方の中は、将来的に飲食店やホテルスタッフなどのホスピタリティ系(サービス業)などでの勤務を希望される方もいらっしゃると思いますが、もし将来的にホスピタリティ系の職業での勤務を考えていないかたは注意が必要です。
というのも、ホスピタリティ系で培ったキャリアやスキルというものは、どうしても他の職業で利用することが難しいため、1度、ホスピタリティ系でキャリアを作ってしまったかたというのは、それ以外の業界へと転職することが難しくなってしまいます。
特に、25歳以降でホスピタリティ系のキャリアとなってしまうと、その後の違った業界でのキャリア形成や育成が難しくなってくるため、留学時の年齢やアルバイトにも気を配っておく必要があります。
また、海外では就職難易度がかなり高いコンビニの店員としての勤務経験も、日本に帰国したときの評価は『コンビニのアルバイト経験』となるだけで、キャリアとして活用することはできないということも忘れないようにしてください。
ワーキングホリデーを希望している社会人留学生の多くは、こうしたキャリアデザインやキャリア育成に関しての教育を受けておらず、軽く考えてしまっている人が多いですが、渡航計画をしっかりと作りあげることを強く推奨いたします。
- 飲食店やホテルスタッフなどのホスピタリティ系からのキャリアチェンジは難しい!
- 社会人は必ず渡航計画をしっかりと作る
「ジャパニーズレストランのバイトで良いじゃない?」とオススメされていました・・。
「なぜジャパニーズレストランなのか?」「将来は何をして生計を立てるつもりなのか?」まで、留学コンサルティングでは考えるようにしてください!
留学カウンセリングで将来貧乏になる?
続いては社会人の皆様に、留学カウンセリングの質の差が「どれほど人生に大きな影響を与えることになるのか?」という点について実体験していただきたいと思います。
そこでまず皆さんには、以下のクイズに対してのご回答をご用意いただければと思います。
知らなきゃマズイ世界の経済情勢!
●問①:2020年から世界各国では、コロナによって企業がITエンジニアを募集する傾向が強く採用枠はコロナ前と比較して約20~30倍にまで伸びましたが、一方で需要が落ちた職種はどんな職種でしょう?
ちょっとこのままでは難しいと思いますので、以下に3つの選択肢を用意してみましたのでご覧ください。
- デザイナー職(2D/3Dデザイン職)
- ホスピタリティ職(飲食・ホテルサービス職)
- マーケティング職(ビジネス・営業職)
●問②:2022年後半から現在(2023年2月)に至るまでアメリカでは「ある業種の方々が大量に解雇されてしまう」という状況になりましたが、解雇されているのはどういった業界で働いていた人でしょう?
こちらも以下に3つの選択肢を用意してみましたので選んでみてください。
- IT・テクノロジー業界
- 教育業界
- 介護業界
皆様は答えがお分かりになったでしょうか?
そうです。答えは、問①が2番目の『ホスピタリティ職』で、問②が1番目の『IT・テクノロジー業界』になります。
- 留学カウンセリングの質と上記2つのクイズの関係性とは!?
留学カウンセラーなのに経済オンチ?
実は、今回、紹介した2つのクイズは日ごろから世界の経済情勢について気にしながら行動している方にとっては本当に簡単な問題となっており、特に、海外を志す留学生のサポートに当たっているような人であれば『知っていて当然』といえるようなクイズになっていました。
ただ、留学生の中には上記のクイズの回答に悩まれたかたはきっと多かったのではないでしょうか?
というのも、問①では大幅に需要が伸びたと記載されているITエンジニア職に関してですが、わずか2年後の問②では大量解雇の対象になっているためです。
そこで皆様にイメージして頂きたいのですが、「もし留学カウンセラーが上記のような知識を持っていなかったとしたら、あなたの留学はどうなってしまうと思いますか?」という点についてです。
●世界情勢に詳しくないカウンセラーが多い?
留学と世界の経済や政治情勢というものというのは、皆様が想像していらっしゃる以上に深い結びつきがあり、例えば、コロナ以降は、農業や飲食店、そしてホテルスタッフや教育スタッフたちなどの仕事は世界的な人手不足に陥り、国によってはビザの緩和や労働環境の改善に多大な予算を投資している状況です。
そのため、そうした最新情報を持っている留学カウンセラーに相談してさえいれば、留学先でのアルバイト探しに関しても困るケースは少なかったはずです。
一方で、世界情勢に詳しくないカウンセラーに相談してしまうと、何も考えずに『アメリカのIT企業系の就職を目指した留学』をおすすめされてしまい、そのまま夢は叶わずに帰国することになるというのは言うまでもありません。
それもそのはず、以前と比べてIT系での就職に対する競争率が大幅にアップしてしまっているためです。
そして、皆様に注意しておいて頂きたいのは、皆様の留学に関与している『世界情勢に詳しくない人』というのは、カウンセラーや留学関係者、それに海外スクールでの勤務しているかたなどを含めて、正直、かなり多いという点についてです。
- 世界情勢に詳しくない留学カウンセラーはたくさんいる!?
●経済オンチなカウンセラーはヤバい?
先に少しお話させて頂きましたとおり、残念ではありますが留学カウンセリングというものは既に商品説明や学校案内といったものを意味するようになってしまっているため、実際に、留学カウンセラーといっても世界の経済状況について勉強しているような人はほとんどいません。
そのため、あと2~3年もすればロボットやAIに置き換えられてしまうと考えられているような学位や将来の職業について、留学生に対してオススメしているケースというのも非常に多いです。
例えば、ホスピタリティ系の学位について、「世界的に人材不足だから永住権に繋がりますよ!?」と安易な説明を受けているとするならば、今後、2~3年で起きるロボット革命によって大幅な人材不足の解消がおきるということも視野にいれておくことをオススメいたします。
これから願書を提出し皆様が学校を卒業される頃には、多くの人材不足は既に解消してしまっていて永住権に関しての募集要項に変更が加えられることになるのは間違いありません。
- 卒業するのは何年後か?今と同じ状況だと考えていたらヤバいです!
卒業は4年も先なのに、今の状況ばかり考えていました・・。
4年もあると皆様が想像している以上になくなってしまっているものって沢山あります。
例えば、国によっては銀行など既に窓口が無人化されており、有人対応は有料になっているケースもあるんですよ!
ペダゴジーとアンドラゴジーの違い
それでは最後に社会人の皆様に、子供の学習と大人の学習の違いについて知っていただきたいと思います。
こうした大人と子供の学びについての違いの研究は、19世紀前半からドイツで行われていたりするのですが、実は、留学カウンセラーの中には、こうした専門的な知識を持ちながら留学カウンセリングに臨んでいるかたもいらっしゃいます。
そこで大人の教育『アンドラゴジー』と子供の教育『ペダゴジー』の差についてまとめてみましたので以下の表をご覧になっていただければと思います。
項目 | アンドラゴジー | ペダゴジー |
---|---|---|
自己概念 | 自己管理型 (自主的) |
依存型 (強制的) |
学習での経験 | 即活用・即戦力となる | 将来的に役立つ |
レディネス (心身の準備) |
生活や仕事における問題意識 | 年齢やカリキュラムで統一 |
学習方向とゴール | 課題や問題対応 解決型 |
教材の理解 テストスコア型 |
学習動機 | 自主的な動機 (好奇心・必要性) |
外部からの影響 (賞罰) |
※ ココア留学で使っている子供と大人の教育の分類
- 大人の教育『アンドラゴジー』
- 子供の教育『ペダゴジー』
大人が教育を受ける場合は即戦力?
驚かれるかたもいらっしゃると思いますが、留学カウンセラーの中には30代の留学相談者に対して、「これからの時代はITですよ!」と平気でIT系のキャリアをオススメする人が沢山いらっしゃいます。
しかしながら、社会人の教育について重要なのは『即活用・即戦力になる』という点であり、子供の教育のように『将来的に役立つ』、つまり「いつか役に立つ!」という遠いボヤっとした将来をイメージしたものになっていてはいけません。
「30代後半にIT系スクールへを卒業した人材に対して社会的な需要がどれほどあるのか?」是非、1度、考えておいて頂ければと思います。
- 社会人の教育は子供の教育とは大きく違う!
留学カウンセリングの奥深さを感じました・・。本当に大変なお仕事なんですね・・。
ありがとうございます!
今だけを考えて留学に出ることは本当に簡単なことなんですが、重要なのは将来です!
是非、留学カウンセリングを受ける際の参考にして頂ければと思います!
社会人の留学カウンセリングで注意!?失敗すると貧乏になる!まとめ
さて最後に皆様には、大人と子供の教育の違いまで知っていただきましたがいかがでしたでしょうか?
今回は、限られた範囲でしか皆様に留学カウンセリングの奥深さについてお話できなかったのですが、本来はもっと深いところまで考えて留学生にアドバイスや助言を送っています。
正直、留学カウンセリングのことを『ただの学校紹介だ』と思ってカウンセリングを受けられる方があまりにも多いのが現状で、できるだけ多くの方に、本当の留学カウンセリングの質の高さについて知っていただきたいと思い、お話しさせていただくことに致しました。
留学は投資と似ていて、「今の状況がどう?」ではなく「将来どのようになっていくのか?」を考えて、そこに時間とお金をかけることが本当に重要です。
そして、当然のことですが「投資に失敗すると時間とお金を失うことになる」ということも併せて覚えておいて頂ければと思います。