コロナで留学の価値が大きく変化している?
コロナ以降、留学の価値は、世界中で大幅な変化を遂げていることについて皆様はご存じでしょうか?
正直、「コロナ前とは全く違う!」といって良いほど状況は変化しているので、ここではそんな最新の留学の価値について詳しく紹介させていただきたいと思います。
遊びの留学希望者が激減?
コロナの影響により留学の価値が変わったことといえば、当時、主流だった1週間~2ヵ月程度のバカンス目的のお試し留学が事実上できなくなってしまったことから、遊びの留学を希望される方が極端に少なくなったという点が挙げられます。
これは、皆様が思っていらっしゃる以上に大きな変化で、コロナ以前は海外からやってきた留学生から「日本人のほとんどは遊びの留学ばかりやっている・・」といわれてしまうほど、バカンス目的の留学が多かったところから、一気に本格的な留学を希望されるかたが増えました。
コロナによる良い影響もある?
コロナは留学や学生に対して悪い面ばかりが強調された時がありましたが、こうした留学に対する考えた方や価値の変化は、長年、教育現場に携わっている者として「確実に良い方向に動いている!」と思わされます。
また、留学希望者のSNSの利用も増えたことから、留学に関しての明るい部分や華やかな一面だけでなく、裏側にある留学のリアルや厳しさを知っていただける機会も増え、人生についても良く考えていらっしゃる方が増えてきた印象もあります。
他にも、「海外でしっかりと勉強して来なければいけない!」や「意味の無い留学にはしたくない!」と考えていらっしゃる方が増え、既に高い英語力を身に付けていらっしゃる方々からの海外進学の相談もコロナ前とは比較にならないほど増えました。
- コロナにより遊びの留学を希望される方はいなくなった!
- 海外進学などを真剣に考える人が増えた!
短期留学とか意味ないしコスパも悪いと聞きました!
SNSなどの情報は成功者ばかりが目立ちますが、良くも悪くも留学に失敗した人たちの情報も一定数出てくるようになり、本当に大切なところが見直されるようになってきました!
高校・大学生留学がキャリア志向へ!
次に、高校生や大学生の間でも留学に対する価値観が大幅に変化していることを感じています。
まず、高校生や大学生はコロナにより留学を全面的に禁止とされてしまったり、授業のすべてがオンラインになってしまったりということもあったため、「日本の学校に期待するのはやめた・・」というお話をされる方は一気に増えました。
日本人高校生はハイスペ?
OECD(経済協力開発機構)が抵抗しているPISAという学習到達度調査の結果によると、日本の高校生は世界で超が付くほどのハイレベルの成績を収めており、間違いなく世界トップレベルのハイスペック人材の宝庫となっています。
コロナ前となる2018年の調査結果になりますが、OECD加盟国(37ヵ国)で数学的リテラシー1位、科学的リテラシー2位、読解リテラシーは11位となっています。
そうした中で、世界大学ランキングはというと、TOP100位に入る大学は東京大学と東北大学の2校くらいしかないのが実情で、ハイレベルな教育の機会を海外に求める高校生も増えてきています。
読解リテラシー | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー | ||||||
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順位 | 国 | 平均得点 | 順位 | 国 | 平均得点 | 順位 | 国 | 平均得点 |
1 | エストニア | 523 | 1 | 日 本 | 527 | 1 | エストニア | 530 |
2 | カナダ | 520 | 2 | 韓 国 | 526 | 2 | 日 本 | 529 |
3 | フィンランド | 520 | 3 | エストニア | 523 | 3 | フィンランド | 522 |
4 | アイルランド | 518 | 4 | オランダ | 519 | 4 | 韓 国 | 519 |
5 | 韓 国 | 514 | 5 | ポーランド | 516 | 5 | カナダ | 518 |
6 | ポーランド | 512 | 6 | スイス | 515 | 6 | ポーランド | 511 |
7 | スウェーデン | 506 | 7 | カナダ | 512 | 7 | ニュージーランド | 508 |
8 | ニュージーランド | 506 | 8 | デンマーク | 509 | 8 | スロベニア | 507 |
9 | アメリカ | 505 | 9 | スロベニア | 509 | 9 | イギリス | 505 |
10 | イギリス | 504 | 10 | ベルギー | 508 | 10 | オランダ | 503 |
11 | 日 本 | 504 | 11 | フィンランド | 507 | 11 | ドイツ | 503 |
12 | オーストラリア | 503 | 12 | スウェーデン | 502 | 12 | オーストラリア | 503 |
13 | デンマーク | 501 | 13 | イギリス | 502 | 13 | アメリカ | 502 |
14 | ノルウェー | 499 | 14 | ノルウェー | 501 | 14 | スウェーデン | 499 |
15 | ドイツ | 498 | 15 | ドイツ | 500 | 15 | ベルギー | 499 |
16 | スロベニア | 495 | 16 | アイルランド | 500 | 16 | チェコ | 497 |
17 | ベルギー | 493 | 17 | チェコ | 499 | 17 | アイルランド | 496 |
18 | フランス | 493 | 18 | オーストリア | 499 | 18 | スイス | 495 |
19 | ポルトガル | 492 | 19 | ラトビア | 496 | 19 | フランス | 493 |
20 | チェコ | 490 | 20 | フランス | 495 | 20 | デンマーク | 493 |
21 | オランダ | 485 | 21 | アイスランド | 495 | 21 | ポルトガル | 492 |
22 | オーストリア | 484 | 22 | ニュージーランド | 494 | 22 | ノルウェー | 490 |
23 | スイス | 484 | 23 | ポルトガル | 492 | 23 | オーストリア | 490 |
24 | ラトビア | 479 | 24 | オーストラリア | 491 | 24 | ラトビア | 487 |
25 | イタリア | 476 | 25 | イタリア | 487 | 25 | リトアニア | 482 |
26 | ハンガリー | 476 | 26 | スロバキア | 486 | 26 | ハンガリー | 481 |
27 | リトアニア | 476 | 27 | ルクセンブルク | 483 | 27 | ルクセンブルク | 477 |
28 | アイスランド | 474 | 28 | スペイン | 481 | 28 | アイスランド | 475 |
29 | イスラエル | 470 | 29 | リトアニア | 481 | 29 | トルコ | 468 |
30 | ルクセンブルク | 470 | 30 | ハンガリー | 481 | 30 | イスラエル | 462 |
31 | トルコ | 466 | 31 | アメリカ | 478 | 31 | イタリア | 468 |
32 | スロバキア | 458 | 32 | イスラエル | 463 | 32 | スロバキア | 464 |
33 | ギリシャ | 457 | 33 | トルコ | 454 | 33 | イスラエル | 462 |
34 | チリ | 452 | 34 | ギリシャ | 451 | 34 | ギリシャ | 452 |
35 | メキシコ | 420 | 35 | チリ | 417 | 35 | チリ | 444 |
36 | コロンビア | 412 | 36 | メキシコ | 409 | 36 | メキシコ | 419 |
※ 日本の高校生がハイスペであることが分かる。
(国立教育政策研究所: 2018年度調べ)
- 日本の高校生は世界トップレベルだが大学になると一気に落ちる!
海外で職歴を積む!
また、大学生からは海外でインターンシップなど職歴を積むことを希望される学生も増えており、コロナ以前のように『英語を学習するための海外留学』ではなく、『英語を使い海外で働く経験を積む留学』へと留学の価値は変化し始めています。
他にも、これまでの高校生は口を揃えて「英語学習のための留学!」と言っていたのが嘘のように、コロナ以降はボランティアを目標に掲げる高校生が増え始めています。
ただ、大学生は休学して海外留学を希望されるケースがありますが、高校生は休学を親から大反対されるケースが多く、海外志向の強い高校生にとっては、コロナが終わった今でも海外へのルートは狭くなっている印象があります。
- 海外でインターシップを希望する大学生が増えた!
- 海外でボランティア体験などを希望する高校生が増えた!
日本の企業に就職して先があるのか・・心配になっています。
大学生の初任給は引き上げ傾向にありますが、それでも欧米諸国のバイト代と比較して半分にもならない現状を心配する気持ちはよく分かります・・。
社会人のキャリア育成相談が急増?
社会人の留学としては完全に2極化の様相となっており、1つ目はコロナにより心が疲れてしまった方のバカンス留学相談、そして2つめ目は、自身のキャリアを海外で育成することを目指した留学です。
2極化したコロナ後の社会人留学!
コロナ前までは、キャリアに関して気にする留学生がほとんどいなかったことを考えると、コロナにより社会人の留学に対する考え方は大きく変化したように感じます。
と言いますのも、たとえ海外留学期間中とはいえ、海外に出て日本食レストランや清掃員としての仕事をしてしまうと、これまで積み上げてきたキャリアが崩壊する危険性があることを多くの人たちが気づき始めているためです。
転職が難しいサービス業のキャリア
サービス業(ホスピタリティ系)で必要となるスキルは、他の業界で必要になるスキルとは大きく異なることが多いため、一般的にサービス業でキャリアを積まれた方の転職は難しいとされています。
日本企業は、採用後の成長に期待するポテンシャル採用は25歳までと設定しているケースが多いため、たとえ海外生活のためのアルバイトとはいえ注意が必要になります。
特に、20代中盤から後半にかけての大事な時期をサービス業(ホスピタリティ系)でキャリアを積んでしまうと、留学後はポテンシャル採用に期待することができなくなるため、転職や再就職の難易度が跳ね上がることになります。
日本政府によるリスキリングやリカレント教育の推進により、徐々にキャリアデザインについて見直す人たちが増えていることもあり、これまでる『楽しいバカンス留学』を希望されることが多かった、看護師や介護士など専門職のかたがたからも本格的な海外キャリアに関する相談が増えてきました。
- キャリアを重要視する人が増えた!
- キャリアデザインを希望する社会人が増えた!
私もキャリアを大切にしないと・・って思いました・・。
留学前にこちらをご覧になって頂けて良かったです!
コロナ前とコロナ後の変化と予想
さてそ、れでは最後にコロナ前とコロナ後の留学の価値がどのように変わってきているのか?
留学の流れと変化についてフローチャートにまとめてみましたのでご覧ください。
コロナ前とコロナ後の変化
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- Step.1 【コロナ前】遊びの留学が主軸
- フィリピン短期留学や2カ国留学が人気
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- Step.2 【コロナ発生】遊びの留学は全て不可に
- フィリピンなどの発展途上国では軍隊が出て帰国するなどパニックなった
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- Step.3 【コロナ直後】留学の諦め発生
- 学生のうちに留学が絶望的になった生徒からの相談が増える
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- Step.4 【2020年後半~】オンライン授業などが人気
- 英語学習はオンラインで行いカレッジは留学で行うハイブリッド型の留学が人気に
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- Step.5 【2021年~】留学再開が本格化
- 留学に出ることだけでも難しい中、オンラインではなく実際の海外留学が再評価
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- Step.6 【2022年~】留学は貴重な経験に
- 遊びの留学が無くなり、クオリティの高い留学経験をされる方が増えたため、留学の価値が一気に上がる
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- Step.7 【2022年後半~】出稼ぎ留学殺到
- 留学ではなく『出稼ぎ』を考える人が増加
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- Step.8 【2022年年末~】アルバイトが無くなる
- ワーホリなど出稼ぎ労働者が殺到して飲食業やファームでも仕事が見つからない状況が始まる
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- Step.9 【今後の留学予想】留学格差が発生!
- キャリア育成目的とリラクゼーション目的の人との間で大きな格差が生まれる
- 同じ留学生でも積んでくる経験に大きな差が生まれることが予想される!
私も海外で最高のキャリアを積んでみたいと思います!
留学はキャリアデザインをしっかりすれば「1億円以上も世帯収入を引き上げることができる!」といわれる世界です!
本当に夢がありますよね!
コロナで留学の価値が大きく変化している?まとめ
大企業など安定した将来の見通しができる方は、AIやロボットなどにより大きく変化する社会に不安を感じた再教育を期待されるケースが増え、派遣やアルバイトなど将来の収入が不安定なかたになればなるほど、留学に対して一発逆転を期待するケースが増えました。
また、高校生からは海外進学を目指した留学、大学生からは失われた青春を取り戻す留学についての相談が本当に多いです。
正直、留学は人によって全く違った思いや希望があり、向かっていく方向も1人1人に全く違うものになります。
サポートする側は勉強量が膨大にあり、本当に大変な仕事ではあるのですが、1人でも多くの人のお役に立てればと思い、今日も明日も皆様の留学サポートに明け暮れます。