留学全般

マズローの欲求5段階と留学は深い関係がある?

マズローの欲求5段階と留学は深い関係がある?のイメージ

皆様はマズローが提唱した『欲求の5段階』についてご存知でしょうか?

ここでは人間の欲求と留学の関係について詳しくご紹介させていただきたいと思います。

特に短期留学と長期留学の選択に悩む皆様にとってもわかりやすい解説となるかと思いますので、もしよろしければ最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

そもそもマズローの欲求5段階とは?

雪山を見上げる男性

まず初めに、「そもそもマズローの欲求5段階がどのようなものか?」というお話をさせていただきたいと思います。

マズローの欲求5段階とは、マズローの法則とも呼ばれるもので、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが考案した法則です。

その法則によると、人間の欲求には『生理的欲求』『安全の欲求』『社会的欲求』『承認欲求』『自己実現の欲求』の5段階があり、低次元の欲求が満たされると1つ上の欲求が生まれてくるようになるとするものです。

例えば、マズローの法則で最下位の欲求となる『生理的欲求』ですが、これは最低限生命を維持したいという欲求になります。

これは『生理的欲求』が満たされていない、お腹が減って死にそうな状況では、安全に対する欲求が生まれないことを示します。

また、『安全の欲求』が満たされないような危険な紛争地帯では、誰かに賞賛してもらったり、表彰してもらうような『承認欲求』は生まれて来ません。

そして実は、このマズローの法則と留学は切っても切れない関係にあります。

続いては、その関係性について詳しくご紹介していきます。

短期留学は欲求の下位を満たすもの

頬杖をついて悩む留学生

まず皆様に知っておいていただきたいのは、留学というものは海外に1人出ていくことになるため、生活基盤や交友関係等を1からつくりだしていく必要があります。

そのため、留学に出ること自体が、マズローの法則からしてすべての欲求が満たされていない状況からスタートすることになります。

短期留学はマズローの下位2の欲求

マズローの法則において下位2つの欲求である『生理的欲求』『安全の欲求』は、『物質的欲求』と言われるものになります。

物質的な欲求と言うのは心を満たすための欲求ではなく、生命を維持するなどの身体的な欲求となります。

例えば、留学先に到着して、留学生が最も初めに行うことは、自分が食べるものを準備したり、十分な睡眠をとる時間や場所を確保することになります。

そして、生理的欲求が満たされると、次は、「どのようにして安全に登下校するか?」または「住む場所の安全性の確保やや当面の生活費用を現地通貨を準備する」という『安全欲求』が生まれてきます。

短期留学では海外生活に慣れる期間

「3ヵ月以下の海外留学では英語を伸ばすことが難しい」と言う専門家がたくさんいらっしゃいますが、マズローの法則を見ていただければ、その理由がわかるかと思います。

短期留学では、物質的な要求を満たすための行動に時間を取られやすく、もう1つ上の段階である「学校のクラスメイトと仲良くなりたい」や「グループ活動を通じて絆を深めたい」と言った『社会的欲求(精神的欲求)』が生まれ始めた頃には帰国となってしまうためです。

留学生
留学生

それじゃあ、夏休みを利用して語学留学とかって意味がないんですか?

COCOA
COCOA

意味がないわけではありませんよ!例えば、語学力の向上などは長期留学の目標にして、その前の下見として数週間の短期留学に行かれる方もいらっしゃいます。

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長期留学で満たされる上位の欲求

浜辺を歩く留学生

短期留学におけるマズローの法則について知っていただけたところで、続いては長期留学ではどのような欲求の変化があるのかお話をさせていただきたいと思います。

留学期間が4~6ヵ月位になってくると、留学生の多くは社会的欲求や承認欲求を求めるようになってきます。

例えば、「学校のクラスメイトとの関係がうまくいっていない」という方からは転校や帰国の相談が入り始め、「英語力が伸び悩んでいる」という方からは、将来に対する不安に関する悩みをお伺いすることが多くなります。

社会的欲求は留学生の内面からの欲求

マズローの法則の3段階目以上の欲求は、物質的なもので解決されることではなく、欲求を持っている留学生本人の心、つまり精神の問題になってきます。

この時、留学カウンセラーのような「相談できる人の存在」が非常に重要になってくる一方で、問題の本質や要因は留学生本人の心の中にしかないため、留学カウンセラーでは根本解決ができないのも事実です。

しかしながら、社会的欲求が生まれる段階からは、下位の物質的な欲求は既に満たされているため、勉学に励むことができる段階に入ったことを意味しています。

そのため、例えば、留学中にTOEICのスコアが上がらないと悩み始めたのであれば、実際には、「TOEICが上がり始めている段階に入ってきている」というように考えられます。

そもそも社会的な欲求が生まれない段階では、物質的な欲求を満たすだけで精一杯ですので。

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マズローの欲求と留学

passion led us hereと書かれた道

さて、ここまでお話しさせていただいたマズローの法則と留学の関係についてですが、以下にその段階(ステージ)をまとめてみました。

「皆様の留学と欲求がどのように変化していくのか?」が明確になってくるかと思います。

マズローの法則と留学

  1. Step.1 生理的欲求(留学期間:1~2ヵ月)
    留学先での食事や睡眠時間を確保する段階です。
    ホームステイなので最初から満たされているケースもありますが、日本人の生理的欲求は幅が広いので欲求を満たすために時間がかかります
  2. Step.2 安全の欲求(留学期間:1~3ヵ月)
    滞在先や登下校に関する安全など、留学先での安全を確保する段階です。
    留学生は最初から満たされている可能性が高いですが、通学や課外活動など行動範囲が広がるにつれ、安全の欲求が再び生まれてきます。
  3. Step.3 社会的欲求(留学期間:3~8ヵ月)
    学校に馴染んだりクラスメイトと仲良くすることを望む段階です。
    この段階まで来るとようやく学ぶことに対して欲求が生まれます。
    いよいよ留学が始まったと言える段階だとお考え下さい。
  4. Step.4 承認欲求(留学期間:6~12ヵ月)
    自分自身の伸び悩みに関して感じたり、留学成果について誰かに認めて欲しいと思う段階です。
    海外で生活をする事に関しては十分に可能ですが、他人の目から見て評価されたいと思い始めます。
    例えば、TOEICで満点を取ることで社会的な評価を得たり、海外インターンシップなどでは就業先のボスからの評価も意識し始めます。
  5. Step.5 自己実現の欲求(留学期間:12ヵ月~)
    留学先で何か新しいことを始めたり、将来のために動き始める段階です。
    例えば「このまま帰国しても英語を仕事で使うのは無理だな」と感じ始めるのがこの段階です。

マズローの欲求5段階と留学は深い関係がある?まとめ

こちらに背を向けてたたずむ留学生

今回は、マズローの法則と留学の関係性について詳しくお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

皆様の中には「私完璧に当てはまってる!」という方から、「僕はちょっと違ってるな!」という方など感想は様々かと思います。

こうした感想になるのは、どうしても欲求というものは個人によって大きさが違うためで、例えば安全の欲求というものは、人によって幅が大きく違ってくるのは言うまでもありません。

ただし、共通して言えるのは「安全の欲求を満たされた上で、初めて留学の醍醐味を得られることになる」という点です。

安全の欲求は人はもちろんですが、留学先の環境によっても全く異なってきますので、そうしたことも考慮した上で、留学先を選んでいただくことも留学成功のための秘訣になるとお考えいただければと思います。

今回も最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。