コロナで留学が必要な人たちが増える未来とは?
「コロナになってから留学は大きく変わりましたか?」または「今後の留学はどのように変わっていきますか?」という質問をお受けすることが沢山あります。
そこで今回は、コロナによって変わってしまった留学と、これからの留学について詳しく紹介させていただきたいと思います。
コロナで変わったオンラインの壁
コロナのパンデミック以前の留学といえば、旅行の延長線上のような留学が主軸で、留学生の90%以上は3ヵ月以下の短期留学となっていました(大学生の留学経験者の割合3%!大学生がヤバイ本当の理由!)。
しかし、コロナの影響により短期留学や海外旅行が一切禁止になったことに加え、オンラインでの学習に抵抗がなくなった学生が増えた事から、コロナ禍ではオンライン留学と言う形が、日本だけでなく世界中で一気に普及することになりました。
こうした変化は、世界中の学校にも影響与え、今では、日本にいながらして世界各国の有名大学の講義をLiveで受講することが可能になるなど、正直、世界中の教育専門家もここまでの変化が起こるとは誰も予想していませんでした。
特に、日本にいながら語学学校期間をオンラインで済ませてカレッジや海外大学進学を目指す『ハイブリッドタイプの留学スタイル』が登場し、留学生にとって選択肢の1つになっているのも、コロナによって変わったポイントになります。
- コロナによりオンラインによる教育が一気に進んだ!
私はコロナで高校にほとんど通学せずに卒業することになりました・・。
コロナによって、本当にたくさんの人生が狂わされることになりました・・。
拡大したのは意識と教育格差
コロナによって急激なオンラインが進んだ中で、大きな問題になったのはオンラインレッスンにおける学力差の拡大です。
日本で大きな問題になりましたが、オンラインレッスンではやる気のある学生の学力はどんどん上昇していった一方で、やる気のない生徒に関しては、さらに成績が落ちていくと言うことが確認されました。
勉強がどんなに嫌いでも学校に通ってさえいれば少なくとも授業が耳に入ってきますが、オンラインレッスンに関して言えば、部屋には漫画やゲームに音楽などの誘惑がある中で授業が行われるわけです。
もともとやる気のない学生にとっては、授業が耳に届くはずはありませんよね?
●大学生のオンラインレッスンの評価は?
また、オンライン教育について、東洋大学現代社会総合研究所からも以下のように良い点と悪い点があることが指摘されています。
問題点 | 割合 |
---|---|
自宅だと他の誘惑に負けそうで授業に集中できない | 43% |
(ネットワークやデバイスの不具合等で)音声や動画が途切れて聞き逃すことがある | 39% |
開始・終了のメリハリがない | 36% |
教員ごとに使用するシステム(ZoomやWebex等)が異なるため、混乱しやすい | 36% |
対面時よりも単調に感じてしまう | 35% |
他の受講生とのディスカッションや交流が少ない | 34% |
(東洋大学現代社会総合研究所ICT教育研究プロジェクト: 2020年10月調べ)
- オンラインレッスンでは教育格差が広がるといわれている!
たしかに英語ができる人は海外大学のレッスンなんかにもバンバン出席して、ドンドン伸びていったように感じました・・。
完全に英語力のあるなしで差ができてしまっていることを感じますよね・・。
英語で給料が決まる時代へ
そうした中で、コロナ禍で大幅に変わったのは、英語をビジネスレベルで使える人材の給料だということについてご存じない方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
英語力と給料の関係については様々な企業によって市場調査が行われているのですが、人材会社Dai Jobのデータによると、英語が使えるか使えないかにより、コロナ前と比較して50代女性の平均年収が1.7倍にも増えた(50代男性1.4倍)になったことがわかりました。
これはオンラインにより世界中で英語を利用される機会が増えたことや、英語でのビジネスチャンスが増えたことを意味していますが、50代女性の平均年収に換算して約271万円(50代男性の平均年収に換算して183万円)もの差となっています。
また、英語が使える人と英語が使えない人とで比較した場合では、50代女性の年収は2.2倍もの開きがあることがわかりました。(50代女性の平均年収は約310万円、ビジネスレベルの英語力を持つ50代女性の平均年収は約679万円)
『英語ができる・できない』で給料や待遇が大幅に左右される時代になってきていることを意識しておいて頂ければと思います。
- 『英語ができる・できない』で給料や待遇が大幅に左右される時代になってきている!
なぜ50代女性の年収が上がる?
しかしながら、ここで例として挙げさせていただいたものは50代女性の年収だったわけですが、なぜ50代になってくると英語力が給料に差を生み出すことになるのでしょう?
それは、英語力が企業経営者や役員レベルに必須の時代がやってきていることが考えられます。
実際、男性全体の平均データをとってみても、女性ほど大きな開きがないとは言え、ビジネスレベルの英語ができる人とできない人とでは平均年収が70万円~80万円ほど違っています。
- 英語ができるできないで出世街道に乗れるかどうかが決まる!
コロナ後の年収格差は更に拡大する?
ただ、この程度の年収差で驚いている場合ではありません。
コロナ後は、人材不足の日本に世界各国からの労働者が移民として一気に押し寄せてきます(政府が移民を増やそうとしています)。
そうした中で、海外からやってくる移民者の多くは優秀な人材が多く、今後、日本企業においても重要なポジションに就くことになることは避けられない状況となっています。
移民大国のカナダやオーストラリアでは既にそうした動きが始まっており、カナダ政府が発表したデータによると、カナダ人よりも移民者の平均年収の方が高くなってしまうという逆転現象までおきています。
そうした中で、今後はさらに英語ができるできないによって、給料格差が大きくなるのは間違いなさそうです。
- 将来的に英語ができるできないによって給料格差は広がっていく!
これって留学経験者が有利になるってことなんですね!
世界を舞台で戦える人材に対して有利な時代がやってきています!
コロナ後の留学の考え方
さて、「将来を意識するのであれば英語力がどれほど大切なものになるか?」ということについて少しご理解いただけたのではないでしょうか?
既にアンテナの高い学生や社会人の皆様は、こうした日本の将来像について敏感に反応し、実は、コロナ真っ只中においても長期留学に出られました。
パイオニアはコロナ禍で留学済み!
コロナ禍において留学の重要性にいち早く気づき留学に出た人たちは、正直、2023年現在と比較して『学費半額・仕事は探したい放題・給料は歴史的にみても高水準・永住権ビザ取得』など、コロナにより行動制限などがあったものの、超がつくほどの好待遇の留学を経験することになりました。
いわゆる『勝ち組』といわれる人たちになります。
彼らの中には1年という信じられない短期間で永住権を取得してしまったり、中にはスーパーのレジ打ちなどでも永住権が付与されてしまったりしたこともありました。
また、コロナ禍は人材不足の影響で留学生のアルバイト代が急騰し、中には皿洗いや農場などのバイトでも月収60~80万円を超えるなどしたことにより、留学期間中になんと500万円以上も貯金されたかたもいらっしゃいます。
- コロナ禍で留学に出た人たちは勝ち組となった!
開国直後に留学に出た人は第二陣!
次に、コロナ禍で留学された方々をパイオニアとするのであれば、開国直後に留学に出られたかたは第二陣と言う位置づけになるとお考え下さい。
第二陣の方々は、それまで2年間以上も留学を我慢されていた方々がコロナ期間中に留学を準備して、開国と同時に一気に海外へと飛び出していったのですが、2020年末~2022年にかけて世界中の国々に留学生が殺到して、留学先の国々では過去最高の入学者数を記録する国が続出しました。
留学第二陣の方々は、コロナによる行動制限が緩和される一方で、留学生が増えていくことになり、渡航時期が後半になればなるほど円安や物価高騰による影響を受けたり、アルバイト先の争奪戦に巻き込まれたり、留学費用や生活費が跳ね上がる中で厳しい状況に晒されることになりました。
●留学第二陣は受け入れ拒否も起きた
2022年半ばごろになると、留学生は完全に学校の受け入れ可能人数を大幅に超えてくるようになり、クラスの満席や教師不足、さらに滞在先不足などにより入学拒否される人も出ました。
また、滞在先不足による影響で、国によっては留学生がレンタカーにて車中泊を行うことになってしまったり、滞在費用として1年間前払いを強いられてしまったりするなどし、犯罪に巻き込まれてしまった留学生も出てしまいました。
- 留学第二陣はコロナが落ち着いてくるに連れて厳しい状況へ
2023年これからの留学は?
2023年の留学は『留学第三陣』となる中で、コロナ禍のように安価な学費やアルバイトによる高額報酬などに期待できなくなってしまったため、正直、コスパは第一陣、第二陣と比較して最も悪くなることが予想されます。
さらに、留学生や海外労働者が歴史的規模で押し寄せていることから、留学生同士のアルバイトやインターンシップ先の争奪戦は過熱を極めており、留学期間中に質の高い経験を積むことが難しくなってきています。
そのため、留学第三陣となる皆様のキーワードは「どのようにして留学のクオリティを上げるか?」になってくると覚えておいて頂ければと思います。
●コスパをどう上げるか?
学校もアルバイト先も人が飽和状態となっている中で、正直、留学第三陣の方々にとって留学のコストパフォーマンスをアップさせることは世界的に難しくなってしまっています。
そのため、コロナ禍では「どのようにすれば安全な入国・滞在ができるか?」というリスクがあった第一陣、「どうすればコロナ終焉の変化に対応できるか?」ということを考える必要があった第二陣とは状況が大きく変わってきてしまっています。
少なくとも日本での学位やキャリアを高く評価して貰えるような状況ではなくなってきているので、1人1人に合わせた計画的な留学を作り込む必要性が生まれてきているのが留学第三陣の特徴といえます。
- 留学第三陣は計画性がないとクオリティが大きく下がる可能性がある!
留学第三陣となるので留学相談に乗って頂きたいです!
もちろんです!
最悪でも帰国後のことを考えたものにいたしましょう!
コロナで留学が必要な人たちが増える未来とは?まとめ
コロナについて話される時代は終わり、最近の教育現場では毎日のようにAIやロボットなどについて議論されるようになりました。
そうした目まぐるしい変化が起きている教育現場では、日本政府が推し進めるリスキリングやリカレント教育の影響もあり、将来について不安を感じる大学生留学や社会人留学を希望されるかたからのご相談が急増しています。
留学エージェントが言うのも変な話ですが、留学は普通にやってしまえば効果がなかったりキャリアブランクになってしまったりと、マイナスな影響が出てしまうことも珍しくないものだったりいたします。
最低でも「帰国後はどのようになるのか?」や「将来、どのように暮らすつもりなのか?」だけでも考えて留学に出て頂ければと思います。