調理師が英語で海外シェフ?日本で転職?【料理留学】
数年前に、ホリエモンさんの「寿司職人は何年も修行するのは馬鹿」という発言がメディアで何度も取り上げられましたが、最近では『調理師の修行』という言葉を本当に聞かなくなりました。
そうした中で、現在の調理師や料理人の皆様が海外を目指すケースがかなり増えてきており、特に誰もが知っているような大手ホテルレストランやミシュランの星付きコックさんからの留学相談が来るようになりました。
そこでここでは『調理師の料理留学』についてと『キャリア留学を経ての転職』または『調理師として海外永住を目指す話』についてご紹介させていただきたいと思います。
動画で見たい人はこちらから!
調理師の留学について簡単に動画で紹介してみました!良かったらこちらも併せてご覧ください!
調理師の離職率がヤバい!
はじめに日本の調理師業界のお話について、日本政府が発表している職業別のデータなどを用いておさらいをしてみたいと思います。
リアルな調理師の離職率
2024年度の政府発表となるデータを見てみますと、日本全体の離職率が15.4%となっていることに対して、飲食業の離職率はなんと26.6%と全ての業種の中でトップレベルになっています。
新しいレストランがオープンしたと思ったら、数ヵ月後には潰れてしまっていることもよく見かけますが、現実的には毎年4人に1人が仕事を辞めるという高い数字になっています。
ちなみに国家公務員の離職率が2~4%ほどであることを考えると、飲食業者の離職率は約5~10倍になりますので、どれほど離職率が高い職業か想像しやすいと思います(一般職の国家公務員の任用状況調査)。
- 調理師の離職率は高い!
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
入職率 | 離職率 | |
---|---|---|
鉱業・採石業・砂利採取業 | 9.3 | 9.2 |
建設業 | 10.0 | 10.1 |
製造業 | 10.0 | 9.7 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 8.3 | 10.4 |
情報通信業 | 11.7 | 12.8 |
運輸業・郵便業 | 10.1 | 10.3 |
卸売業・小売業 | 14.9 | 14.1 |
金融業・保険業 | 8.4 | 10.5 |
不動産業・物品賃貸業 | 15.0 | 16.3 |
学術研究・専門技術サービス業 | 11.0 | 11.5 |
宿泊業・飲食サービス業 | 32.6 | 26.6 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 32.8 | 28.1 |
教育・学習支援授業 | 16.0 | 14.8 |
医療・福祉 | 16.0 | 14.6 |
複合サービス事業 | 6.2 | 7.8 |
サービス業(他) | 22.5 | 23.1 |
総合 | 16.4 | 15.4 |
※ 数字が大きいと入れ替わりが激しい業界
(厚生労働省:2024年度調べ)
調理師はこんなに仕事を辞める人が多い職業なんですね!
ホスピタリティ系(サービス業)の仕事は、『採用されやすい』という利点がある一方で、『辞めやすい』という特徴もあるんです!
英語を身に付けた海外のシェフがヤバい!
そうした中で「なぜ調理師の皆さんの多くが海外を志しているか?」なんとなく知っていらっしゃる方も多いと思いますが、紹介させていただきたいと思います。
調理師が海外を志す最大の理由は、ご存知の通り『お金(給料)』が全く違うからです。
海外と日本の給料差とは?
例えば、日本で調理師補助としてアルバイトをすると、日本の平均時給は1,084円となっており、パチンコやテレアポの時給が2,000円を超える中、驚くほど安く設定されていることが分かります。
その一方で、業務内容は厳しい環境となっているケースが多く、特に田舎の店などでは『料理の修行は丁稚奉公(でっちぼうこう)のようなもの』という意識が残っており、衣食住は与えられる代わりに給料は出ないという店舗もあります。
- 日本の調理師は給料が安い!
海外と日本の調理師の時給の差
しかしながら、調理師が少し海外に目を向けてみると、その好待遇の良さに驚かれる人が後をたちません。
それもそのはずで、例えば、オーストラリアの調理師の時給は日本の約2.5倍ですし、アメリカやカナダのようなチップ制度が導入された国では、店によっては時給に加えてチップも受け取ることが可能です。
そのため、例えば日本で調理補助(修行の身)として働いている人が、アメリカやカナダで同じような労働待遇で働くと、月給で50~100万円以上も期待できるため、海外で調理師を目指す人が増えています。
- 海外には月給50~100万円を超える調理師が沢山いる!
※ グラフをクリックすると詳細が表示されます。
国名 | 給与(時給) |
---|---|
日本 | 1,084円 |
アメリカ | 2,436円(16.13/hour) |
カナダ | 2,192円(C$20.39/hour) |
イギリス | 2,251円(£11.72/hour) |
オーストラリア | 2,488円(A$25.42/hour) |
ニュージーランド | 2,511円(NZ$28.29/hour) |
※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2024年11月1日為替レート採用
(求人ボックス、indeed: 2024年度調べ)
海外で調理師として働くとそんなに給料が良いんですか!
調理師は技術職でもありますので、腕の良い調理師となれば更に収入は上がります!
海外で高給の調理師?それとも転職を目指す?
次に、海外を目指す調理師は、大きく分けて2種類の方がいらっしゃいます。
1つ目は、海外留学を経て海外で調理師として稼ぐことを目指される方で、2つ目は、調理師を辞めてキャリアチェンジを目指す方です。
海外で調理師を目指す料理留学
海外で調理師を目指される方の大部分は、日本で既に調理師として勤務されていらっしゃる方で、こちらはココア留学への相談ベースによるものですが、全体の約10~20%が調理師未経験という方になります。
実は、海外の調理師の世界では料理の技術力はあればあるほど良いですが、未経験でも働くことが可能なビザさえあれば働き先はあるので、調理師未経験の方でも料理留学が可能です。
●語学力は必要?
加えて、英語などのコミュニケーション言語はほとんど必要ないというのが本音で、特に、日本食レストランで働いてしまえば日本語だけでも十分に仕事ができてしまいます。
しかしながら、例えば、将来的に日本や海外で自分のお店をオープンさせることまでを考えた場合、英語力だけではなく、ビジネススキル等まで身につける必要があるため、成功のために、しっかりとした留学計画を立てることをオススメさせて頂きます。
また、ワーキングホリデーなどの就労ビザを安易に使ってしまいますと、その後、就労ビザや永住権取得費用が高くなるケースが多いので、留学前から注意して準備することも覚えておいてください。
- 英語力がなくても海外で調理師として働ける!
- 将来のことを考えた留学計画が成功と失敗を分ける!
転職を目指す調理師の海外留学
続いて、調理師が転職を目指して海外留学に出るケースですが、体力的や精神的な疲れから、30歳前後で調理師を辞めることを考える方が多いです。
特に、冒頭でお話しさせていただいたように、著名人による「調理師の修行が無駄だ!」や「海外で調理師をやる方が儲かるから日本でやる意味がない!」という話などに触発されているケースも少なくありません。
●調理師が転職を意識すると難しい?
そうした中で、調理師が転職やキャリアアップまでを視野に入れた留学は、実は、簡単なものではありません。
というのも、調理師などのサービス業界からの転職は一般的に難しいとされており、それが『海外』という世界中から集まった人たちと競争しながら仕事を探す必要がある舞台では、さらに輪をかけて難しくなるためです。
そのため、留学先で英語力はもちろんのこと、さらに「どのようにして調理師以外での職歴を作るのか?」という点がポイントになり、海外企業でのインターンシップやボランティアなどの下積み期間を作ったり、工夫する必要があります。
ただし、こうしたキャリアチェンジまでを考えた留学は、海外のビザや就職状況はもちろんのこと、経済や政治状況に加えて将来の展望までを見極める必要があるので、一般的な留学エージェントでは対応できないので、必ず、社会人留学のサポートに特化しているような会社へと相談することを覚えておいてください。
- 調理の転職を視野にいれた留学は相談先に注意すること!
転職を視野に入れた場合、留学会社に相談して良いのかどうか迷うレベルですもんね!
転職を考えたら特徴や才能まで考えてルート設計をする必要があるので、留学コンサルティングは本当に難しくなります!
調理師のための理想の留学とは?
最後に、調理師の皆様にとっての理想の留学プランについての単純な流れを作ってみましたので、是非、参考にしていただければと思います。
特に、ここでは帰国を題材にした留学プラン設計を行っていましたが、もし海外でレストランをオープンさせるようなところまでお考えであれば、『英語と技術のスキルアップ』『資金調達』『永住権取得』なども考慮しなければいけませんのでご注意ください。
調理師の理想の留学準備ステップ
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
(※ キャリアアップ・転職・海外永住希望など、調理師を続けるかどうかでカウンセリング内容が全く変わります)
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- Step.2 留学計画を立てる【留学3~5ヵ月前】
- 『語学学習の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ 調理師の多くは将来お店を開くことを考えているので、留学に『ビジネス・マーケティング』を組み込むのも良い)
社会人が留学すると不安になってしまう3つの重大要因!
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ 海外でレストランオーナーを目指す時はビザの選択には必ず注意する)
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 調整と航空券や保険の手配
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
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- Step.9 留学生活スタート!
- 調理師は給与がかなり良いので就労ビザ期間は学校では無くフルに働けるようにする
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- Step.10 インターンシップorボランティア【就労体験期間】
- 転職希望の場合には必ずこのステップを行います
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- Step.11 滞在延長or帰国!【帰国予定3ヵ月前】
- 就労資格を使って更に滞在期間を延長させて英語力やスキルに磨きをかける!
(※ ここで帰国ルートに入る場合にはStep.12をスキップしてください)
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- Step.12 海外での就労経験+収入!【就労期間】
- 調理師or転職予定の職業で海外勤務
(※ ステップを踏んでいるので転職or調理師継続のどちらの場合も給与は日本よりもかなり良いです)
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- Step.13 帰国前に就職カウンセリングを受ける!【帰国予定2ヵ月前】
- 帰国をしてしまう前に必ず就職カウンセリングを受け、帰国と同時に面接を手配する
(※ 転職の場合には先にキャリアコンサルを入れることで自分に足りないスキルを確認。場合によってはStep.11で留学期間の延長へ)
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- Step.14 帰国!
- 帰国前に留学先での銀行や賃貸契約などを全て切ってから帰ります
(※ 帰国後には面倒ですが役所の手続きなども済ませます)
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- Step.15 企業面接!【帰国2週間以内】
- 帰国前に手配しておいた企業との面接を受けます
(※ 転職の場合も現地就労経験+英語力になるので、面接も順調に手配できます)
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- Step.16 就職していよいよ日本での新生活スタート!【帰国1ヵ月以内】
- 滞在先の相談もココアで合わせて手配しているので新生活がスムーズにスタートします!
- 将来の方向性やビジョンまでしっかり作り込むことも忘れない!
私はデザイナー関係に転職したいのですが可能ですか?
デザイナーと言っても、職業範囲の幅はかなり広いので、まずは「具体的に何をデザインするデザイナーなのか?」から作り上げていきましょうね!
調理師が英語で海外シェフ?日本で転職?【料理留学】まとめ
ここでは調理師のために、『海外で高給で働ける調理師を目指す方法』と「永住権取得におけるプランニングの大切さ』、そして『転職などのキャリアアップ留学』についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
調理師として料理留学をされた生徒さんの中には、日本で花板(調理長)に憧れて、16歳から懐石料理店で追い回し(坊主)として本気で修行をしていた方もいらっしゃいますが、その方は「給料は本当に安かったですが、やっぱり日本で修行していてよかった!」とおっしゃっておりました。
日本でも海外でも、調理師としての門戸は広く開いていますが、突き詰めれば突き詰めるほど、非常に奥が深い世界になっています。
そうした中で、キャリアはかなり多様化してきておりますので、もし海外で料理人としてのキャリアアップを目指したり、全く違う仕事へと転職を考えていらっしゃるような人がいらっしゃいましたら、是非、ココア留学へとご相談いただけたらと思います。
また、長いお話に最後までお付き合いいただきましたこと、日本料理・技術を世界に広めていただけることに心より感謝もうしあげます。