留学は就活に有利は本当!でも実は100%不利!?
「AIが世界的に広がった現在の留学が就職活動にどのように影響するようになったのか?」多くの方々が心配になっていらっしゃるところを、ズバッと本音でお話させて頂きます!
動画で見たい人はこちらから!
大学生にとってだけではなく、社会人にとっても留学が給料や就職活動にとってプラスになることはなくなってきました。よかったら動画もご覧ください!
留学が就職活動に有利は旧石器時代の話!?
数年前までは「海外留学に行ってた!」と言うだけで、就職活動が“かなり”有利になる時代がありました。
しかしそれは、ドラえもんの声が変わる前、Windows 95が世界中の噂になり、一家に1台のパーソナルPCが広まる前の子供たちの話だったりします。
留学は就職活動に不利になる?
そんな懐かしい時代もありましたが、現在は「人材不足だよ!」と叫び続けている日本ではあるのですが、実は、人手不足となっている人材は、建設業や飲食・ホテル業などで体を動かして働く低賃金人材であって、英語を使ってオフィスワークしたり世界を舞台にバリバリ高給を稼ぐような人材ではなかったりします。
そのため、多くの留学生が考えている帰国後の英語を使った商社やオフィス系の仕事への就職や、外資系企業での就職枠は引き続き少ない状況が続いており、競争率もまた非常に高いものになっているので注意が必要です。
●AI時代の到来!
しかしながら、「なぜ留学が就職活動に有利!」と言うような恐竜時代のような昔の話が、AI時代になっても多くの日本人の間でささやかれ続けるのでしょう?
そこで続いては、『留学が就職活動に有利と言われた時代が終わりを告げた理由』について紹介させていただきます。
- 留学生の就きたい仕事の競争率は想像以上に高い!
英語を使った貿易事務や外資系への就職を考えていました・・。
多くの場合において10~300倍ほどの競争率になっているのは間違いないので注意したいです!
1ヵ月も100年留学も帰国したら留学経験者!
『留学経験者』と聞くと、皆様はどれくらいの期間留学された方を想像されるでしょう?
中には、夏休みの1ヵ月間のような超短期留学体験者をイメージされた方もいらっしゃると思いますし、高校から海外の大学卒業までの7年間に渡るような長期留学経験者をイメージされた方もいらっしゃるはずです。
留学経験者はピンキリ!?
実は、日本では留学期間や質・内容など関係なく、少しでも留学を経験した人は『留学経験者』と呼ばれています。
そのため、本来は評価されるべき『留学経験者』というブランドも、気が付けば、遊びの留学者も本気の留学者もごちゃまぜになってしまっていて、現在では、評価すべき対象から完全に外れています。
- 日本では留学期間が関係なく全員が『留学経験者』
- 留学というブランドは傷ついている
英語資格を持たない長期留学生!
そのような留学に対する評価が急落している中で、留学生たちは少しでも「自分の留学は有益なものだ!」と示そうとして、何かしらの資格取得を目指すようになってきています。
しかしながら、ここで面白いのが、短期留学体験者は英語の資格試験にこだわる傾向が強いのに対して、長期海外滞在者になればなるほど英語の資格試験を受けなくなるという傾向があることについてです。
●長期留学経験者は英語に自信がない?
海外に長期間滞在していると、周りにいる人々もまた海外に長期間滞在している方々ばかりになるため、「英語ができる!」ということが普通の環境になってきます(TOEIC900点レベルでは全く歯が立たないことを痛感するようになります)。
そのため、長期海外滞在者や海外永住権取得者の日本人に対して、「英語は得意ですか?」と質問すると、多くの場合において「苦手だと思います。正直、もっと勉強しておけばよかったと思っています・・。」という回答を貰います。
●短期留学体験者は英語に自信がある?
一方、短期留学生やTOEICなどのペーパー試験を、実際の英語力ではなく、試験対策などのテクニックによって高得点を取得した人に対して、「英語は得意ですか?」と同様の質問すると、「私は英語が得意だと思います!」という風に回答されます。
それは、周りにいる人たちが英語初心者ばかりなので、その中にいると「自分は英語が得意だ!」と感じるようになってしまうためです。
こちらは、実際の英語力ではなく、環境によって英語力に関する回答が大きく変化してしまうという、非常に興味深い例になっていると思います。
- 長期の海外経験者になればなるほど英語力に自信がない人が多い!
留学経験者は評価されない?
※ グラフをクリックすると細かなデータも見えます
企業意識 | 割合 |
---|---|
留学者を積極採用したい | 7.1% |
留学経験の有無を考慮しない | 82.7% |
分からない | 10.2% |
※ 日本企業の90%以上が採用時に留学経験を評価することはない
(文部科学省(就職・採用活動に関する調査):2023年10月31日調べ)
留学生を積極的に採用する企業って少ないのですね・・。
『留学経験の有無』は既に採用基準からは外されていることが分かりますね・・。
最近の就職現場の最前線とは!?
外資系企業や一流企業の人事担当者は、先ほど案内した留学経験者の状況をよく理解しており、既に、留学経験者というだけで評価しないことが就職のトレンドとなっていたりします。
英語力は日常会話レベル?
実は、ほとんどの留学生の履歴書には「日常会話レベルの英語は可能です!」と記載されているのですが、それは、もしかすると皆様のお父様やお母様の時代から続いている不思議な現象かも知れません。
というのも、短期留学経験者や長期留学経験者、それに海外大学や大学院を卒業した人など関係なく、ほぼ全ての留学経験者が『日常英会話は可能』と記載しているためです。
●人により異なる日常英会話レベル!?
日常会話レベルというのは、ある人にとっては『天気や朝の挨拶』などが日常会話レベルという判断になっていますし、別のある人にとっては『政治・経済・科学・天体・数学・法律』といったトピックでの会話が日常会話レベルになっています。
これもまた、周りの環境や友人たちによって大きく評価が異なることになるのは言うまでもないと思います。
そのため、『日常会話レベルの英語力』と記載されている履歴書について、人事担当者が評価することは、今や「全く!」と言って良いほど無くなっていることを覚えておいて頂ければと思います。
- 留学者によって日常英会話のレベルはバラバラ!
留学経験者を優遇する企業も少ない!
※ グラフをクリックすると細かなデータも見えます
取り組み内容 | 割合 |
---|---|
特に行っていない | 84.0% |
オンラインで説明会や面接を行っている | 14.4% |
日本人留学生向けの採用選考活動日程を設けた | 1.7% |
日本人留学生向けの入社時期を設けている | 1.7% |
海外(現地)で採用活動を行っている | 0.8% |
来年度別日程を設けることを検討している | 0.6% |
その他 | 1.5% |
※ ほとんどの企業は留学生の就職に積極的ではない
(文部科学省(就職・採用活動に関する調査):2023年10月31日調べ)
- 留学生の採用に積極的なのは企業25社中で1社のみ!
最新の採用は留学生に厳しいですね・・。。
留学経験者を採用しようとしている企業は、実は、コロナ前と比較して減ってきていることも重要なポイントです!
企業はどのように優秀な人材か見抜くか?
上で述べさせて頂いた通り、現在のトレンドでは「海外留学が就職に有利!」ということは、ほとんどの場合において無いことについて、皆様にも実感して頂けたのではないでしょうか?
それもそのはず、企業は長い間、留学経験者の履歴書に記載されている高得点のTOEICスコアや英語資格、それに、面接での「英会話なら任せてください!」という発言に対して、正しい評価を下せていなかったためです。
変わっていく留学の評価基準とは?
そうした中、最近は『海外インターンシップ経験者』や『海外カレッジ卒業者』それに『海外大学卒業者』といった、海外でしっかりと学位や経験を積んできた留学生のみを評価するようになってきています。
特に、海外高学歴者の採用は人気が急上昇しており、最近では外資系企業や大企業は就職斡旋会社を通じて留学生専用の就職説明会を開催したり、コロナ以降は、海外滞在中の留学生に対してのオンライン面接も広まっています。
●留学生経験者の給料は高い!
もちろん、こうした海外留学生を高評価する動きは『高いお給料』という形でデータとしても出ていて、海外大学卒業生は国内大学の卒業生と比較して生涯年収が1億円ほど高くなるということも報告されています。
会社が「どのような留学生が優秀だと判断しているのか?」、そして「どのような留学生を積極的に雇用しようとしているか?」少しでも伝わっていたら嬉しいです。
- 企業は海外高学歴人材に対して高評価するようになってきている!
留学に行きさえすれば就職活動が有利になると思ってました・・。
先に紹介した文部科学省のデータを見ても日本の90%以上の企業は留学を評価しないので、注意しないといけないですね!
留学は就活に有利は本当!でも実は100%不利!?まとめ
就職の最前線のリアルはいかがでしたでしょうか?
「このように留学に出さえすれば就活が有利になる!!」と言うのは、何十年も前の迷信で、現在では残念ながら全く通用しません。
特に、海外を志す学生の多くは『英語を使った職場環境や国際色豊かな仕事』を好んで面接へと進むため、採用担当者も留学経験者に慣れていて、優秀な人材かどうか、確実に見抜かれてしまいます。
もし、留学を通じて就職活動を有利に進めようと思っていらっしゃる方がこちらにいらっしゃいましたら、中途半端なものではなく『人生を掛けた本気の留学をすること』について本気で検討していただければと思います。
というのも、短期留学では評価されませんし、社会人になってから留学に行こうと思っても、そのリスクは大学生の留学の何十倍、何百倍にも膨れ上がり、留学が遅くれれば遅れるほど費用もリスクを大きくなってしまうためです。
そこで、こちらにいらっしゃる皆様には、是非、「今、どれだけ質の高い留学を経験するか?」によって将来の収入や安定性が大きく左右されてしまうこと、少しだけで良いので覚えておいて頂ければと思います。