留学とワーホリは同じじゃない!?気づいて欲しい3つのこと
「留学に行きたい!」と思われた時に、思い浮かぶ手段として皆さんの中では何が思いつきますでしょうか?
ココア留学ではよく「ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)しか知らなかった!」というように、「留学するならワーホリで行くものだ!」とお考えになられている方からお問い合わせを頂くことがあります。
しかし、これからお伝えする『3つのこと』に気付かずワーホリで渡航してしまうと、「帰国した後に行かなきゃよかった!」なんてことになってしまうことも珍しくありません。
そこで今回は『ワーホリに行くまでに知っておいてほしい3つのこと』についてお伝えしていきたいと思います!
ワーホリはホリデーなの!?
海外渡航のためには、パスポートやビザ(査証)が必要になりますが、観光ビザには観光目的、学生ビザには学習目的、就労ビザには仕事目的というようにそれぞれのビザにはそれぞれの使用目的があります。
さて、突然ですがここで問題です。
ワーキングホリデーの目的は『なに目的』と政府により定められているでしょう?
ワーキングホリデーの目的とは?
ワーホリは簡単に説明すると『1年間(延長が可能な場合もあり)働きながら海外に移住できるビザ(または方法)』として認知されていることが多いですが、実は、ワーホリは『ホリデー(休暇)目的』として政府機関により目的が定められています。
そのため、ワーホリを受け入れている国からすると、ワーホリビザでやってくる外国人はバカンスを楽しむ旅行者や日銭を稼ぐ日雇い労働者として認知されています。
- ワーキングホリデーは休暇目的のビザ!
ワーホリはイメージとのギャップがある?
続いて、多くの皆様が想像していらっしゃる『ワーホリに対するイメージと現実のギャップ』について紹介させて頂きたいと思います。
ワーホリを希望されるかたの多くは、渡航先の国のレストランやカフェ(ローカルカフェやレストランと言われる)で働いているキラキラした海外生活をイメージしていらっしゃるかたが多いですが、実際は、そうした現地レストランやカフェなどでアルバイトとして採用されるのは一部のかたのみです。
現実は、英語力やスキル不足により、日本食レストラン・居酒屋系レストラン・清掃員・農場・工場の流れ作業員として、留学先の国民がやりたがらない仕事に就いているケースがほとんどなので注意が必要です。
そのため、コロナ以降はワーホリの実態である雇用状況について「低賃金での奴隷雇用!」や「若い労働力の搾取!」という強い指摘も増えており、人権団体や労働基準監督署が企業に賠償金を請求するケースも増えています。
- ワーホリは日本食レストラン・農場・工場でのアルバイトが多い!
ワーホリってフリーター?
また、ワーホリ参加者の中には、海外でのキャリアアップやスキルアップを考えている人も多いですが、実際にはキャリアダウンへと繋がってしまっているケースも珍しくありません。
というのも、先に紹介したように、ワーホリはビザの特性からしても『休暇や余暇を楽しむこと』が主軸となるため、ワーホリ期間中のステータスは『フリーター・日雇い労働者』または『ニート』という扱いになります。
特に、社会人の場合には、自身の培ってきたキャリアが退職によりストップしてしまうことにもなるため、再就職の際には、就職希望先の企業より「キャリアブランクがある!」と見られてしまうケースも少なくありません。
また、最近では、『半年以上の無職期間やブランク期間=精神的な問題を抱えている人が多い』として、ワーホリ期間中の活動内容によっては書類選考の段階で精神病を疑われてしまうこともあるのでご注意ください。
- 半年以上の無職期間やブランクは再就職が不利になる!
無職期間が半年以上になると採用が厳しくなるので、留学を『いいわけ』にすることもあると聞きました・・。
人材紹介やキャリア系のアドバイスの中には、無職期間が長い人に対して『留学』と記載することを勧めているものもあるので、同じにされてしまうのは厳しいですよね・・・。
英語力はマイナスになる!?
次に、ワーホリでも何でも、「海外に行くのだから、英語が使えるようになるだろう・・」とお考えの方がいらっしゃれば要注意です。
実は、皆様が想像していらっしゃる以上に、ワーホリ参加者がおかれることになる環境は様々で、本当に注意して頂きたいようなケースも多々あります。
周りはすべてが日本人?
まず、先に紹介した日本食レストランや居酒屋などでアルバイトをされることになった場合ですが、当然、雇われているのは自分と同じ条件の日本人だったりいたします。
そのため、当然、スタッフ間での会話は日本語ですし、職場環境もまた『日本の飲食店が海外で展開しているもの』という風な状況ですので、人間関係についても日本そのものです。
ただ、お客さんとしてやってくるのは現地の人が多いということで、例えば、「枝豆を1つ!」や「焼うどんを1つ!」「ビールを3つ!」という風に、オーダーを取るときだけ簡単な英語を利用するという状況が一般的です。
- 英語を使うのはオーダーを取るときだけ
- 周りのすべてが日本人ということになることもある
ワーホリのスタッフとは話さない?
また、飲食店ではワーホリのスタッフが辞めては入ってと、次々と入れ替わるため、いちいち感情移入をしていては出会いと別れに心が持たなくなってきてしまうため、長期間雇用されている人になればなるほど、新規で採用されたスタッフとは仲良くなりたがりません。
そのため、どうしても新しく採用されたスタッフ同士で仲良くなる環境が作られやすく、『新しいスタッフ=英語に自信が無いスタッフ』ということが多いため、語学力アップを目指した環境にはなりにくいという性質もあります。
更に、日本食レストランや居酒屋または日系企業など、日本人としてのアイデンティティや日本語が話せることを活かせる職場では、お客さんとなる人もまた日本人になることが多いため、必然的に英語に触れる機会は少なくなってしまいます。
- 日系の職場では英語力をアップさせる環境はない!
仕事のストレス発散は?
他にも、アルバイトや正社員として働いた経験があるかたなら分かって頂けると思いますが、働くということは肉体だけでなく精神的にも負荷が掛かります。
そのため、継続してアルバイトを行うためには、どうしても仕事でたまったストレスを発散する必要があるのですが、その際、英語を使ってストレス発散される人はほとんどいらっしゃいません。
それもそのはず、そもそも第二言語である英語を使って人とコミュニケーションをとることがストレスになるからです。
もちろん、日本食レストランで働くほとんどの方は日本食レストランをステップアップと考えて、日本食レストランの就労だけで終わらず「ローカルで働きたい!」という志を持っていらっしゃるのですが、職場環境と休暇の過ごし方から考えても英語力を引き上げるには至難の業となります。
また、英語力がないかたには英語を使うような職場での採用されることは確実にないため、日本語環境から抜け出せないジレンマを経験することになる人も少なくありません。
- ワーホリでは英語力が伸びない悪循環ができあがっている!
たしかにアルバイトでストレスためて、週末には勉強でストレスとか厳し過ぎます!
この悪循環から逃れられる人は、よほど強い意志を持っているかただけなので、本当に注意していただければと思います!
帰国後のキャリアが崩壊!?
「日本食レストランではなく、ローカル(現地企業)で働きたいし、日本語環境で働くことは絶対にしません!」と思われている方もこちらにいらっしゃるのでは無いでしょうか?
ローカルで働くためには、ネイティブとしっかりと意思疎通ができるだけの英語力が必要になりますし、それ以下の英語力では働くことはもちろんですが、やはり採用はかなり厳しいというのが現実です。
そんな理想と現実のギャップを経験し、日本に帰国してしまった人たちを待ち受けるのが『再就職』という壁です。
サービス業からの転職は難しい?
レストランやホテルなどホスピタリティ系の仕事のことを、日本ではサービス業という風に呼ぶのですが、サービス業というものは肉体労働となっていることが多いため、一般的に30歳前後をピークにして体力が落ちると共に給料が下がっていく業界になります。
そのため、将来に不安を抱えた人から転職を希望するため、世界的にみても離職率が高い業種になるのですが、実は、サービス業系のキャリアからの他業種への転職は難しいとされています。
というのも、飲食店やホテルといった接客対応でのスキルは、いわゆる最終顧客といわれる現場レベルへのサービスを提供する際には役立つスキルだと考えられているのですが、ITやコンサルティング業といったサービス業以外の分野では活かしにくいといわれているためです。
- サービス業は長く続けても年収が上がりにくい
- キャリアがサービス業になると転職が難しくなりやすい
サービス業に就きたいかどうか?
ワーホリ参加者のほとんどは、渡航中に仕事を選ぶことができないため、どうしてもキャリアがサービス業や農業といったものになってしまいます。
そのため、将来的に接客業やサービス業で働いていこうと考えていらっしゃる方であれば、将来の方向性とワーホリにより伸ばせるキャリアが一致するため、帰国後にはキャリアアップが見込めるのですが、それ以外のかたは注意が必要になります。
特に、30代を前にして体力的なことを考えてオフィスワークへと転職を考える、看護師やエステなど専門職系のキャリアを持った人も少なくないですが、事務職として資格やスキル、またはキャリアのない方の場合、オフィスワーカーへの就職は派遣社員としての就職窓口しかありません。
派遣社員は30歳後半になってくると求人募集が一気に減るだけでなく、不採用となるケースが頻発することになるため、結果的に低賃金でありながらも体力的にキツイ仕事を続けなくてはいけなくなってしまっている方も多いです。
- サービス業系でキャリア育成したい方はワーホリがオススメ!
語学学校で英語を伸ばせばよいのでは?
また、「ワーホリの最初の3~4ヵ月は語学学校に行って英語力をあげてから働くつもりだ!」とおっしゃる方はとても多いですが、このルートのワーホリも注意して頂きたいルートの1つになります。
3ヵ月で伸びる英語力は皆様が思っていらっしゃるよりも大きくはないことがほとんどで、むしろ自分の英語力のなさを痛感させられる期間といっても良いほどです。
それは、小中学生の時代から英語を勉強してきたのに、英語を自由に使えていない現実を考えてみれば想像も難しくないはずです。
最低でもTOEIC850点以上の英語力がなければ、英語を使った仕事やサービス業以外の仕事を希望するどころか、「仕事を選ぶ権利すらない」というような状況になってしまうことも珍しくありません。
「帰国後の再就職時に活かせるほど英語力を上げよう!」と考えていらっしゃる方も多いと思いますが、海外で英語を伸ばせる環境にいられなかった場合には、ほとんどの場合においてワーホリはキャリアダウンに繋がることを覚えておいてください。
- ワーホリがキャリアダウンに繋がることは珍しくない!
私の友達も新卒で入った会社よりも「給料が下がった・・」って言ってました。
給料が下がるどころか、半分になってしまったり、休日や待遇が悪くなるケースなどはかなり多いです。
期待した結果を出すには?
海外に行こうと志すからには、何かしらの皆様にも目的や目標があるかと思います。
そこで、最後に、その目的や目標を目指していくために、ワーホリではなく留学を検討したほうが良い人の特徴についてお伝えさせて頂きます!
留学を検討すべき人の特徴
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- Step.1 今後のキャリアが不安な人
- 帰国後のキャリアや渡航後のキャリアに少しでも不安がある場合は、プランの再検討が必要かもしれません。
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- Step.2 費用を抑えたいと思っている人
- ワーホリは費用が掛からないと思われている方がほとんどですが、帰国後の収入を考えると、リターン率が低いのもワーホリです。
しっかり帰国後の収入も視野にいれることが出来れば、留学費用を十分稼ぎ直せるキャリアを作ることも可能です。
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- Step.3 永住権を目指したい人
- ワーホリをとってしまったことによって、永住権が遠のく方が大勢います。
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- Step.4 日本の働き方に疑問を持っている人
- 日本での働き方に疑問を持っているにもかかわらず、結局、アルバイト生活で終わるというのはだけは避けたいところです。
- 日本の働き方に疑問を持っている人は留学がオススメ!
厳しいお話が多かったですが真実ですもんね・・。
10%のエリートではなくて、ココア留学は「残りの90%の方々を絶対に失敗させたくない!」という思いで活動しています。
留学とワーホリは同じじゃない!?気づいて欲しい3つのことまとめ
こうした日本食レストランやホスピタリティ系のキャリアについてのお話をすると、必ず「サービス業を馬鹿にしている!」ということをおっしゃるかたが一定数いらっしゃいます。
ただ、私自身が懐石料理人として6年修行し、2年間のホールスタッフを経験した元サービス業経験者として立場ですので、馬鹿にするどころから、そこからの転職に本当に苦労した経験があるからこそお伝えさせて頂いていたりします。
右も左も分からないまま、何となく海外に行って、何となくアルバイトして、何となく帰ってきて就活して、何となく仕事して楽しくない・・。
「そんな思いは誰にもさせたくない!」と思っている人間が書いているものですので、軽い気持ちで書いている訳ではないこと、1人でも多くのかたに伝わったら嬉しいです。