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海外大学を卒業後のビザ(ポスグラ)を比較してみた!

海外大学を卒業後のビザ(ポスグラ)を比較してみた!のイメージ

海外の大学を卒業すると、その後、大学卒業先の国で一定期間、滞在・学習・就労が可能になるビザが出る事はご存知でしょうか?

しかしながら、このビザは国ごとに全く違っていたり毎年コロコロ変わるので、正直、自分で調べると膨大な時間が掛かってしまいます。

そこでここでは、国ごとの特徴について簡潔にまとめてみましたので、『卒業ビザ2021年最新情報』としてご覧になっていただければと思います。

そもそも卒業ビザ(ポスグラ)とは?

絶壁で将来を考える女性

そもそも卒業ビザ(通称:ポスグラ)とは、一体どのようなビザなのか?皆様に知っていただきたいと思います。

ポスグラの呼び名について

ボスグラとは卒業ビザのことで、正式名称は国によって異なるのですが、Post Graduate Work PermitTemporary Graduate Visaなどと呼ばれたりします。

いろいろな呼び方があるので、ここではポスグラとカタカナで呼ばせていただきたいと思います。

特に、オーストラリアの皆様にとっては「それってサブクラス485のことでしょ?」と困惑される方もいらっしゃると思いますが(同じものです)、ご理解のほどどうぞよろしくお願いいたします。

ポスグラってどんなビザ

ポスグラは、主にカレッジ・大学・大学院などで学位を修めたり専門的な資格を習得することで申請可能なビザのことで、その利用範囲や有効期限は非常に広く、多くの留学生が目指しているビザです。

例えば、ポスグラを取得すると、数年間の長期滞在も可能ですし、学校に通ったりアルバイトや正社員での勤務と言った就労さえも許可されます。

言うならば、海外滞在ビザの中でもトップクラスに自由度が高い人だとお考え下さい。

なぜポスグラが必要なの?

永住権を目指すアメリカ

多くの方は「わざわざ大学や大学院を卒業してまでポスグラなんてビザを取らなくても良いんじゃない?」「学生ビザとか観光ビザで良いじゃん?」とお考えになっていらっしゃるかと思います。

しかし、このポスグラを取得するため、留学生たちが必死に勉強するには訳があります。

ビザの自由度は将来への道

ビザは国によって全くその制限が違うのですが、例えば観光ビザで海外滞在を行う場合、当然のことながらアルバイト等はできません

「ちょっとアメリカ旅行に行ってくる!」と言って軽い気持ちで出かけて、そこでアルバイトなどで働いて給料をもらってしまうと、違法だということは何となくイメージできますよね?

例えば、誤ってアルバイトの様子をSNSなどでアップしようものなら、将来にわたり『不法労働者』としてのレッテルを背負って生きていくことにもなりかねません。怖いですね・・。

そうした中で、『海外での就労をポスグラは可能にする』とお考えになっていただければと思います。急に魅力的に見えてきたと思います!

ポスグラが開く永住権

しかしながら、海外で働きたいからというだけで、留学生の多くが血眼になって勉強をしている訳ではありません。

多くの留学生が目指しているのは、海外での就労の先にある『永住権資格(アメリカではグリーンカードとも呼ばれます)』だったり致します。

「そこまでして永住権が欲しいの?」と留学経験がない方の中にはびっくりされるかたもいらっしゃるかと思いますが、永住権資格を目指される日本人は物凄い勢いで増えてきています。

永住権は日本人のまま

余談ですが、近年、永住権資格を求める日本人が増えている最大の要因として挙げられるのは、永住権資格は日本国籍のまま取得することが可能という点です。

この『日本国籍のまま』というところをよく勘違いされていらっしゃる方がいらっしゃるので、もう少しだけ簡単に永住権についてもご説明させてください。

永住権資格とは?

永住権資格は市民権では無いため、例えば、アメリカであればアメリカの永住権(PR:Permanent Residence Visa)を取得したからと言って、日本人を辞めてアメリカ人になるわけではありません。

そのため、選挙権は持てませんが、滞在・修学・就労許可が得られ、国や州が提供している行政サービスを受けることが可能になります。

そりゃ、誰でも持てるのであれば「日本と第2の故郷に自由に行き来できるようになる永住権資格欲しい」ので、永住権を目指される方も多い訳です。

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ポスグラの国ごとのまとめ

街を忙しく行きかう人々

ポスグラの魅力について知っていただけたところで、いよいよ各国のボスグラについてご紹介させていただきたいと思います。

特に、2021年は大幅な変更が見られた年になりますので、変更予定のものを加えながらまとめてみました。

アメリカ

アメリカのポスグラは、OPT(Optional Practical Training)と呼ばれ、アメリカの大学・大学院へ卒業目的で進学する方に出る『F-1ビザ』を利用した方が大学を卒業後に申請が可能になります。

期間

・最長12ヵ月(STEM分野:36ヵ月)
 ※ STEM分野とは科学・技術・工学・数学の分野を指す

状況

2021年度一部変更が行われ、デュアル・インテントの廃止が行われることになりました。これにより、以前はF1ビザの場合に就学後帰国する意志を示す必要があった(示さない場合は申請却下対象)が、今後は永住権取得を目指す意思を示してもOKになります。

加えて、STEM分野にて大学院より上の『博士号』を取得された方は、そのまま永住権申請に入ることができるようになります。

イギリス

2021年より大学卒業者に対して卒業後の就労ビザ(post-study work visa)が許可され、これまで難関と言われていた卒業後のイギリスでの就職がとても容易になりました。

期間

・学士:2年

・博士:3年

状況

これまでは、留学生は大学卒業後に企業就職が実現しなければ、実質、帰国もしくは他国へ移住していましたが、2021年の変更により大幅にイギリス永住権取得のチャンスが拡大しました。

また、STEM 科学・技術・工学・数学)分野の卒業生には更なる優遇措置も出されているため、イギリスで永住権取得が夢ではなくなる形となっています。

カナダ

カナダのポスグラ(PGWP)は、ワーキングホリデービザを利用することができない31歳以上の方に大人気のビザで、ビザは一生に1度だけ取得が可能です。

期間

・8ヵ月~2年のプログラム:就学期間と同期間

・2年以上のプログラム:3年間

状況

コロナにより状況は大幅に緩和されており、日本でのオンライン就学での申請が認められたり、申請期限が延期されるなど変更点は多数あります。

現在のカナダは最短で1年間の就労経験があれば永住権に十分届く状況となっておりますので、実質、ポスグラを取得さえできれば永住権を手にしたと言っても過言ではありません。

オーストラリア

オーストラリアのポスグラは、正式にはテンポラリー・グラジュエート・ビザ(サブクラスクラス485)と呼び、『①グラジュエート・ワーク・ストリーム』『②ポスト・スタディ・ワークストリーム』の2種類があります。

それぞれ、大学・大学院を卒業すると申請可能ですが、グラジュエート・ワーク・ストリームは指定の学んだ学問とオーストラリアで必要とされる職業と結びついていればビザ取得が可能になります。

期間

①グラジュエート・ワーク・ストリーム:1年半

②ポスト・スタディ・ワークストリーム:2~4年

状況

オーストラリアのポスグラもまた緩和方向になっており、これまでは1度しか取得できなかったビザが、メルボルン、シドニー、ブリスベン以外の地方都市であれば、2度目の申請が可能になりました。

オーストラリアは永住権取得難易度が非常に高く、長期滞在者の学生がとても多い国なので、2021年のビザ緩和は大きな進歩と言えます。

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ポスグラ取得までの流れ

テーブルに置かれたコーヒー

さて、それでは最後に歩子蔵を取得するまでの流れについて、案内させていただきたいと思います。

人によっては大幅にショートカットできる方もいらっしゃいますが、一般例としてご覧になっていただければと思います。

ポスグラの取得ルート

  1. Step.1 語学力を上げる
    いきなり1番時間がかかる所ですが、英検で言うなら『準1級』があればOKです
  2. Step.2 語学力が足りない場合
    語学留学などを挟むことにより効果的に英語力を上げられると同時に、カレッジへテスト無しでエスカレーター式で進学できるパスウェイを利用も視野に入れます
  3. Step.3 カレッジや大学で学ぶ
    留学生として学生生活を満喫します
  4. Step.4 大学卒業
    大学卒業後にポスグラを申請します。国によって卒業後の申請期限が設けられているので注意です
  5. Step.5 ポスグラ取得
    就労許可も同時に出るので就職活動を行います。永住権を目指したり、海外でキャリアを積みます
  6. Step.6 永住権取得or帰国
    海外で永住しても構いませんし、帰国して新しいことを始めるなど様々な選択肢が得られます

海外大学を卒業後のビザ(ポスグラ)を比較してみた!まとめ

将来について本を読みながら考える女性

さて、今回はポスグラについて詳しくご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

正直、国によって制度が大幅に異なるため、『どの国が良くてどの国が悪い』と言ったことがあります。

例えば、オーストラリアの場合はポスグラを取得後に働いても、永住権資格がかなり高度なものになっていたり、カナダの場合は、ポスグラを取る前に永住権資格が出てしまう場合もあります。

こう言った制度は、毎年見直しや更新が行われておりますので、その都度、政府サイトにて調べたり、ビザコンサルタントに相談する必要があります。

ただ、こうしたコンサル費用は年々高騰しており、どの国でも1時間で2~3万円ほどになるのでご注意ください。

また、留学方面からのポストグラジュエーションワークパーミット取得を目指したり、永住権を目指される場合には、ココア留学が日本でトップクラスのエージェントとなりますので、ご希望に応じてご相談いただければと思います。

本日も最後までご覧になっていただき、本当にありがとうございます。