留学やワーホリで保険に入らないのはアリ?
ときどき「これから留学に行こうと思うんですが、保険に入らないまま行くのはアリですか?」と、おっしゃられる留学生がいらっしゃいます。
結論から言いますと、皆様おそらくお気づきの通り「もちろんダメ!」というのがご回答になるのですが、ここでは留学保険に関する詳細と「なぜ加入する必要があるのか?」という点について、詳しくご紹介させて頂きます。
そもそも保険に入らない方法はある?
はじめに、留学保険というのものは皆様の安心・安全はもちろんのこと、留学中の万が一のトラブル時に「ご家族に迷惑を掛けないために渡航前の加入は必須である!」とお考え下さい。
ただし、留学期間によっては裏技として『留学保険に入らずに保険を適用させる方法』がありますので、まずは皆様が最も興味を持っていらっしゃるであろう留学保険の節約方法から解説させて頂きます。
クレジットカードの海外旅行保険
まず留学保険を節約だけでなく無料にする方法からになるのですが、それは『クレジットカードの海外旅行付帯保険』を利用した留学(正確には旅行)を行う方法が挙げられます。
実は、皆様が利用されているクレジットカードによっては、『海外旅行付帯保険』といってクレジットカードを海外に持参するだけで保険適用が行われ、短期間の海外旅行期間中の保険が無料で適用されてしまうものがあります。
しかしながら、無料で加入できる便利な海外旅行付帯保険ですが、カードを持参するだけで自動付与される『自動付帯保険付きカード』だけでなく、基本的には、ある一定の条件を満たした際に保険が適用されるものが主流となっているので注意が必要です。
- クレジットカードには『海外旅行付帯保険』と呼ばれる保険がある
- 保険が適用されるには条件がある!
3ヵ月以上の留学はダメ?
クレジットカードを利用した保険を考える場合、絶対に覚えておかなくてはいけないのは保険の補償期間が3ヵ月(90日間)以下となっている点についてです。
各カード会社で保険適用ルールは違っているのですが、一般的に『渡航から90日間や60日間』または『クレジットカードの利用時から60日間』という形で期間に制限が加えられているため、基本的に3ヵ月以上の留学を考えているかたは適用外となります。
また、海外旅行付帯保険の規約には海外渡航の目的が『海外旅行を目的に』として記載されているケースが多いため、1~2ヵ月の留学であっても観光ビザではなく学生ビザを取得して渡航される際には、必ず利用予定のクレジットカード会社に「保険適用が可能か?」について問い合わせることを忘れないでください。
- カードを持参するだけで自動的に保険が適用されるものもある!
保険期間を3ヵ月以上へと適用させる裏技も?
3ヵ月以上の留学に対してクレジットカードの海外旅行付帯保険を利用しようとする場合に、保険が適用されるタイミングをずらすことで30日以上保険を適用させるという方法もあります。
クレジットカードの海外旅行付帯保険の多くは、日本滞在時に渡航先への航空券等を保険付帯が可能なクレジットカードで購入することによって、日本出国から帰国(もしくは90日以下)までの期間で適用されます。
しかしカードの中には、海外渡航時であったとしても『交通費の支払い』などの利用規約を満たせば、そこから一定期間(90日間など)、旅行付帯保険が適用されるものもあります。
そうした利用を期日にして保険が適用されるクレジットカードは『利用付帯保険を持ったクレジットカード』と呼ばれており、先にご案内している渡航前に付与されるクレジットカードの保険が切れそうな際に利用規約を満たし保険を乗り換えることで、長期間の保険をカバーすることが可能です。
- 利用付帯保険を持ったクレジットカードへと保険を切り替えると長期補償も可能!
注意すべきは保険の補償範囲!?
クレジットカードの海外旅行付帯保険は短期留学には大変便利なのですが、残念ながら保険のカバー範囲が狭かったり補償額が低かったりするため、3ヵ月以上の留学での利用は避けることを強く推奨させていただきます。
特に、留学時に事故に遭い、怪我や骨折などで緊急手術や入院となった場合にクレジットカードの保険が適用される範囲は200~500万円程度なのですが、過去に『アメリカで暴走車にはねられ7,000万円も請求された』などを筆頭に数千万円の請求ケースがカナダやオーストラリアでもあり、保険各社発表の保険適用事例をみると全く補償額が足りていないことが分かります。
他にも、最近では慣れない海外留学とコロナによる制限などによる精神的な負担が大きくなったことにより、メンタルヘルスなどの問題を発症されたかたが増えていますが、そうしたケースに日本語での相談窓口がない場合もあるので注意が必要です。
- クレジットカードの付帯保険では医療費が払えない可能性がある!
- メンタルヘルスに関する問題が増えていることにも注意!
1ヵ月以下なら複数のカードを使う?
クレジットカードの保険は、補償範囲が狭く補償額も低いため「留学に適した保険とは言えない」というのが本音ですが、例えば、超短期となる1~2週間程度の留学であれば、利用を視野にいれても良かったりします。
と言うのも、1~2週間の留学であれば、ビザは学生ビザではなく観光ビザでの渡航になることが濃厚なことや、留学期間中の事故に遭遇する確率が低くなることが考えられるためです。
ただし、カードの補償額は限られてくるため、例えば、少なくとも3枚以上の違う会社のクレジットカード保険を組み合わせるなどして、補償額を引き上げることは必須となります。
また、その場合では、同じ会社のクレジットカードについては何枚持っていても補償額が上乗せされることは無いので、ご注意ください。
- 超短期留学ならばクレジットカードの保険利用も視野に入る!
- 複数の違う会社のクレジットカードを持参することも忘れない!
中長期の留学になってくるとクレジットカードの保険は現実的では無さそうですね・・。
万が一の時に利用するのが保険なので、万が一に役に立つようにしておいてくださいね!
留学の保険加入は最低条件!?
次に、「どうして保険に入らなくてはいけないのか?」と言う、そもそものお話をさせていただきたいと思います。
コロナ禍では、例えばカナダなどではビザ取得・入国の条件として『日本国内の保険加入証明書』などが必須条件とされることがありましたが、最近ではコロナに関する規制は多くの国で既に撤廃されました。
しかしながら、コロナ以降は、治療期間が長くなり医療費の負担が大きくなったり、学生が精神的に弱くなってしまいメンタルヘルス問題を発症するケースが増えていることから、留学先の政府による規定は無くとも、学校が主体となり留学保険への加入状況の提出を義務付けることも増えてきました。
そのため、そもそも『無保険での留学が許されるケース』というのは、数年前と比較して国や学校などに規制されることが増えたため、徐々に無くなってきています。
- 留学生の安全のため無保険での留学はできなくなってきている!
海外の医療費は高すぎる?
保険加入が必須になってきていることについて何となく理解して頂けたところで、実際に、海外留学中に風邪やケガをしてしまった時に「保険がどれくらいの費用をカバーしてくれるのか?」というお話をさせて頂きます。
医療費の請求額は国によって違いますが、例えば、過去にココア留学生が医療費の請求を受けた事例ですと以下のようなケースがあります。
- カナダ留学中にスポーツで捻挫しレントゲン検査を受ける(異常なし):約8万円
- オーストラリアで風邪のため診察を受ける(薬別):約2万円
- カナダで酔って転び救急車を呼ばれて運ばれた(治療せず):約4万円
- オーストラリアにて友人と町を散策中にオブジェクトに衝突し骨折(手術なし):約120万円
- カナダで盲腸になり痛みに耐えられずに手術:約100万円
他にも沢山の医療費請求が報告されているのですが、日本で骨折した場合の治療費は4~5万円(医療費3割負担)ほどとなっていることを考えると、海外での治療費の高さについて驚かれるかたも少なくないはずです。
- 保険に加入していないと風邪もひけない状況に・・
保険は留学中に加入できる?
次に、皆様に覚えておいて頂きたいのは「日本の保険に留学中に加入できるのか?」という点についてです。
残念ながら、日本の保険会社が提供している留学保険(旅行保険)は日本国内で加入する必要があり、海外留学中の途中加入や留学期間中に保険が切れてしまったかたは保険加入が不可となっています。
そのため、海外留学中のかたは留学先の政府や会社が提供している保険に加入する必要があります。
しかしながら、一般的に留学先の保険は、日本の保険と比較して補償範囲が狭くなっている一方で安価になっているケースも少なくなく、長期留学される際の保険料を節約する意味では加入を検討するのもアリです。
海外保険加入者の注意点!
ただし、長期留学者の場合には日本の住民票を抜いて渡航するケースがほとんどのため、国民健康保険から脱退し支払い義務が免除される一方で保険証を失うため、日本での医療費が高額になります。
そのため、留学先で保険加入される場合には、病気やケガの治療は留学先で受けることになるため、留学先の医療技術が低かったり日本との治療方針が違ったりといった中でのトラブルに関しては覚悟する必要があります。
特に、海外で『指の即時切断』という診断を受けた方が、日本に帰国し診察を受けたところ、日本では文化の違いから『指はギリギリまで残す』という治療方針となったり、海外で『子宮の全摘出』という診断を受けた方が日本では『保存療法で経過観察』という診断を受けたりしたケースも報告されています。
日本企業による海外留学保険(旅行保険)の場合は、日本帰国時の治療費についても補償が含まれていることが多いので、万が一の場合に「日本で治療ができる!(セカンドオピニオンが聞ける)」という選択肢が選べるようになります。
- 日本の留学保険は海外での加入は不可
- 留学先の医療技術と治療方針には注意が必要!
海外では緊急のとき以外で手術を受けるのは怖いです!
日本の保険は、カナダ留学中にアメリカ旅行でおきたトラブルにも対応してくれるなど、保険のカバー範囲はかなり広くなっています。
留学保険料はどれくらい?
さて、そこで気になる海外留学保険の保険料に関してですが、保険会社各社は1年間で約17~45万円と設定しており、残念ながら日本の海外留学保険はかなり高額になっています。
また、保険料は毎年のように引き上げられているのが現状で、保険会社によっては取り扱う最も安い海外旅行保険で年間50万円を超えるケースも珍しくなくなってきています。
正直、留学生にとっては非常に痛い出費となりますが、留学費用には保険料を入れる事について覚えておいていただければと思います。
- 保険料は約17~45万円/年
- 保険料は毎年上がっている!
各社の保険料目安について!
各社の保険料については、補償範囲や補償金額がプランやオプションを付ける付けないによって異なってきますが、目安となる保険料を表にまとめてみたので参考までご覧ください。
東京海上日動 | AIG損保 | HS損保 | 三井住友海上 | |
---|---|---|---|---|
保険料 | 約18万円 | 約25万円 | 約23万円 | 約45万円 |
治療・救援費用 | 1,000万円 | 無制限 | 1,000万円 | 1,000万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品補償 | - | 30万円 | 100万円 | 30万円 |
HP | 公式サイトへ | 公式サイトへ | 公式サイトへ | 公式サイトへ |
※ 留学生が気になる補償部分だけをピックアップしました。
(ココア留学調べ: 2022年度調べ)
- 保険料は会社によって大きく異なっている!
- スマホやパソコンなどの故障に備えて携行品補償はあった方が良い
保険料ってこんなに高いんですね・・。
皆様がお支払いになっている国民健康保険料は、年収300万円の場合は約21万円/年となっているので、金額としては同じくらいになっています。
保険料が高い本当の理由は?
先ほど「3ヵ月までの短期留学であればクレジットカードの海外旅行付帯保険でカバーできるよ!」とお伝えさせて頂きましたが、「どうして長期間になると急に保険料が上がるの?」と思ってしまったかたも少なくないと思います。
それでは最後に、「どうして留学保険がこんなに高いのか?」という保険の真実についてお話しさせていただきたいと思います。
旅行と留学は保険利用頻度が違う?
こちらにいらっしゃる皆様のほとんどは海外旅行に行ったことがあると思うのですが、旅行期間中に病院で診療を受けたり保険を利用するような治療を受けたかたはいらっしゃいますでしょうか?
おそらく、そうした経験をされたかたというのは本当に少ないはずですが、風邪や体調不良それに肌のトラブルや婦人科などで、1年間の間にどのくらいの頻度で病院を利用していらっしゃるでしょう?
厚生労働省が発表している病院利用に関するデータによると、以下のようになっています。
- 20~30代の多くが年間4~5回ほど病院を利用している
20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 3.3回 | 3.8回 | 4.4回 | 5.0回 |
女性 | 5.5回 | 6.9回 | 7.7回 | 8.0回 |
※ 上記の病院利用回数には歯科の利用は含まず。
(厚生労働省: 2020年度調べ)
旅行と留学は保険利用頻度が違う?
さて、ほとんどのかたが病院を1年間に4~5回程度は利用されることが分かって頂けたと思うのですが、先にご紹介させて頂いた通り、海外の病院代は風邪の診察でも薬代は別で2~10万円ほど掛かってしまうケースも珍しくありません。
つまり、留学保険料は20万円ほどなので病院を2~3回利用すれば元が取れてしまうので、ほとんどのかたは1年間留学すると保険料の元がとれてしまうということになります。
特に最近の留学先では、日本人看護師や通訳がいる病院も少なくないのですが、加入する保険によっては医療通訳者を無料でつけてくれるサービスを提供している会社もあるので、保険を利用する機会は本当に増えています。
- 保険は病院を2~3回通院すると元が取れてしまう
スマホやiPadの盗難も増えている!
また、留学保険の補償で忘れてはいけないのが、医療だけではなくて携行品の賠償や個人賠償に関してです。
以前は、携行品の損害賠償と言えばデジタルカメラや財布が主流だったのですが、最近は、ほぼ全ての留学生が10万円以上のスマートフォンやiPadそれにパソコンなどを持ち歩いているため、損害賠償の金額が膨れ上がっています。
日本でもスマートフォンを壊してしまったり失くしてしまった経験がある人は少なくないと思うのですが、留学保険に加入しているとスマホの修理代や購入費用が補償(上限有)されます。
他にも、滞在先の家具や施設にダメージを与えてしまった際にも、加入する保険によっては3000万円~1億円ほどの補償金が出るため、保険料が高くなる理由も理解できると思います。
- スマートフォンが壊れたり盗まれた際にも補償される!
保険のお手続きはこんな感じ!
保険加入に関しての注意点としては、渡航までに日本国内で何かの病気に発病する可能性があるため、渡航まで1ヵ月を切ったころまで加入できないことが多く、留学の何ヵ月も前から加入することは難しいです。
ただし、資料請求や問い合わせなどは1ヵ月以上前でも可能なので、以下の流れを参考にしてください。
留学保険の相談ステップ
-
- Step.1 留学の最大期間を決定する
- 保険の利用は長い留学であればあるほど高くなるので、最長期間で設定します。
-
- Step.2 実際に保険の問い合わせをする
- 気になる保険会社に問い合わせてみてください
-
- Step.3 担当者より連絡
- 一般的に問い合わせれば直ぐ連絡きます
-
- Step.4 保険の資料が届く
- 保険の資料を受け取って自分の留学に合わせた保険に申し込みます
また、必要であればココア留学のほうでも保険のご案内サービスを行っておりますので、必要に応じてココア留学の留学保険相談・お問い合わせより、ご連絡いただけましたら、即日で保険のご案内をお手配させて頂きます。
- 保険加入は渡航の1ヵ月前以内に!
ありがとうございます!
留学前の保険加入を忘れないようにします!
変なトラブルに巻き込まれて留学を途中で中断されてしまうなんて悔しいですもんね!
留学やワーホリで保険に入らないのはアリ?まとめ
ここでは保険加入の大切さについてお話しさせていただきましたが、皆様にわかりやすくお伝えすることができましたでしょうか?
他にも、留学保険では航空機の遅延やホテル代のカバー、それに車の運転中の事故やオプションによっては歯科治療費など、海外生活における様々な出来事に対して補償してくれるようになっています。
保険料ってほんとに高いですが、万が一の損害賠償の際には、留学生だけではなくご家族まで守ることができますので、ご加入は忘れないようにしてください。