留学全般

留学が意味ないという人は『意味のある留学』を知らない?

留学が意味ないという人は『意味のある留学』を知らない?のイメージ

コロナのパンデミック以降は留学が大きく変わり、『留学は意味がない』という人が増えていることについてご存知でしょうか?

中には「留学に出ること自体が無駄」と言い切る人も増え始め、留学の価値や存在が脅かされてきています

しかしながら、留学が意味ないと言う人の多くは「意味のある留学が何かを知らない」もしくは「留学に価値を持たせる方法を知らない」と言う方が多い様にも感じられます。

そこでここでは、留学の価値についてご紹介すると共に、『意味のある留学の作り方』も併せてご紹介させていただきたいと思います。

留学は意味がないと言われる時代

嬉しそうな留学生男性

しかしながら、そもそも「なぜ留学は意味がない」と言われているようになったのでしょう?

その根本的なお話からまずは始めさせていただきたいと思います。

日本でも英語の勉強ができる

最近ではオンライン英会話やYouTubeなどで公開されている英会話教材の広がりにより、日本でも質の高い英語教育を受けられるようになったため「英語学習のためにわざわざ海外留学をするのは馬鹿だ!」と言い切る人まで登場し始めています。

特に「留学経験者のほとんどが英語を使えるようにはならない」と言うのが日本人の留学事情という中で、「ワザワザ海外に出る意味があるのか?」とSNSなどで語っている英会話教師も一定数いらっしゃいます。

オンラインで大学の論文も読める

また、コロナにより海外大学やカレッジは次々とオンラインレッスンを導入したため、世界中の希望する大学の授業を日本で受ける事が可能になりました。

特に、当時は海外の大学にまで行かなければ読むことができなかった資料や論文も、今では、Web上に堂々と公開されているものも少なくありません。

海外の学位も日本で取れる時代

さらに、大学の授業が日本で受けられることにより、海外大学やカレッジを修業したときに得られる『学位』まで日本で取得できる時代になりました。

特に、学生によっては『日本の大学に進学しながら、中国の大学の授業をオンラインで受けている』と言う方もいるなど、複数の大学の学位を日本にいながら同時に取得できるため、益々、留学に出る価値がなくなってきています。

費用対効果が悪すぎる

そして何より、留学費用は決して安いものでは無いですし、当然、学校に通うことになるため時間も浪費してしまいます。

そのため、日本で学ぶことと比較して、学費の他に家賃や生活費、さらには渡航費に保険代などの必要も必要になるため、費用対効果もかなり悪いのも、『留学に出る意味はない』と呼ばれる理由になっています。

意味のない留学ってどんなの?

海外の本棚

それでは『留学に出る意味がない』と言う方々は、具体的にはどのような留学について「意味がないよ?」と言っているのでしょう?

続いては留学反対派の皆様が「意味のない」としている留学についてご覧になっていただければと思います。

短期で目的のない留学

まず一番初めに『意味がない』と言われる留学として、最も代表的なものは『短期で目的がない留学』です。

大学生の夏休みや冬休みの短期留学、または社会人の転職期間を利用した留学などがこれに当たり、「英語も伸びないし、長期旅行との違いがわからない」として、『留学が意味ない』と主張する方々から最も否定的な意見が多い留学になります。

特に「短期留学に出て性格が悪くなった」や「調子に乗って帰ってくる人が多い」などとの意見も数多くあり、最も留学決断時には注意が必要になりそうです。

帰国後に活かせない留学

次に多くの批判が集まっているものとして、『帰国後に全く活かすことができない留学』に関してです。

中高生の留学であれば、海外での語学留学に出ることにより、「その後の人生において英語学習に割く時間や英語のテスト対策費用を節約することができる」とするならば、非常に大きな価値があると言えます。

しかし、ほとんどの留学では、海外で英語を少し勉強してくる程度となるため、大学生の場合は就職活動に活かすこともできませんし、社会人にとっては仕事で使えるようになるのは至難の業となります。

そのため、帰国後に生かすことができない留学は、留学が意味ないと主張する方々からすると、『格好のダメ出しのターゲット』になっています。

キャリアダウンする留学

そして、最後に『自分探しの留学』や『価値を広げたい』という、ただ海外を経験したいという留学に関してです。

特に、こうした留学を社会人の方が経験すると、そのほとんどの場合において、帰国後は新卒で採用された会社よりお給料または待遇が悪化します。

また、一般的な語学留学もまた留学に出ると、ことごとくキャリアダウンしてしまうため、大手企業に就職した方であればあるほど注意が必要になります。

留学生
留学生

ワーホリって、キャリア的にはどうなるんですか?

COCOA
COCOA

海外での資格取得や企業就職のご経験が無ければ、履歴書上では『ブランク期間』扱いになってしまいます。ワーキングホリデー制度も『主として休暇を過ごす意図を有すること』との記載があります・・。ただ目に見えるキャリアがなければ、自己アピールが重要になりますね!

ワーホリの仕事と帰国後の就活を攻略!
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こちらでご紹介する内容は、ワーキングホリデーに夢や希望を抱いている方にとっては、非常に辛い物となっておりますので、『打たれ弱い方』には決してお読みすることをオススメいたしません!

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意味のある留学は凄い?

ヨガのポーズの留学生

そうした中で『意味のある留学』と言うものは、そもそもあるのでしょうか?

そこで続いては、本当に意味のある留学についてご紹介させていただきたいと思います。

遣唐使の時代から留学?

そもそも日本の留学史は古く、西暦587年に善信尼が日本から百済へ『仏教の戒律を学ぶために約2年間の留学を経験したこと』が最初だと言われています。

その後、遣唐使の時代にも留学は行われて還学生(げんがくしょう)と呼ばれる留学期間1~2年の短期留学生や20年間帰国を許されない留学生(るがくしょう)と呼ばれる人たちがいます。

歴史に残る有名な人たちとしては、最澄空海が還学生と留学生に当たります。

また、近代では明治政府の富国強兵政策のもと281人がアメリカやイギリスに渡り、司法や教育それに行政制度に土木建築技術を学び日本へと輸入することに成功しています。

つまりは、今の日本があるのは過去の留学生たちが日本に様々な文化や教育を伝えてくれたことが非常に大きく影響しています。

現代にも過去の留学を活かす

そうした中で、「過去の留学がどうしてそれほどまでに有益なものとなったのか?」を考えれば、『意味のある留学』に近づくことができるはずです。

例えば、最近の短期留学と言えば1~3ヵ月程度の期間になりますが、当時、今より寿命が圧倒的に短いにも時代にもかかわらず、1~2年もの留学を短期留学としています。

また、語学を学ぶと言う留学よりも、語学を使って何かを学ぶ留学が圧倒的に多いことも分かります。

つまりは、単純に意味のある留学を歴史的に見るのであれば、語学以上の留学を最低1~2年経験することが重要であることがわかります。

出遅れた日本のIT教育

さらに過去の留学生たちは、日本には無い世界の最先端となるものを学び帰国することで、意味のある留学へと繋げています。

現在の日本と世界で比較するのであれば、日本のIT教育やIT人材の育成は、先進国だけではなく世界中でも遅れを取っています。

そのため、もし海外で最先端の技術を学び輸入することができるならば、その留学が意味のないものになることは、とても難しいはずです。

社会人のIT転職留学?
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日本のITレベルって、どのくらいでしょう?世界のITランキングで日本は、人材部門のデジタル・テクノロジースキル部門に至っては、63ヵ国中でなんと62位なんです!モンゴルやインドネシア、フィリピンと言った発展途上とされる国々よりも下位にランク付けされているんですよ。

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留学を有意義なものにする手順とは?

海外の卒業式

それでは最後に一体どうすれば意味のある留学を、皆様も経験することができるようになるのでしょうか?

以下に留学のプロも利用してる、有意義な留学を作るためのフローチャートをご用意してみたので良かったらご覧ください。

有意義な留学を作る手順

  1. Step.1 留学の目的を明確にする
    そもそも留学先で何をするか迷っているようでは手遅れだと覚えておく
  2. Step.2 どの国で学ぶべきか考える
    雪の降らない砂漠の国でスキーやスノーボードを学ぶようなことはない様にする
  3. Step.3 日本との差を考える
    その国の教育は日本と比べどの程度進んでいるか?考える
  4. Step.4 留学期間を考える
    実際どのぐらいの期間があれば、知識や技術を習得できるか?考える
  5. Step.5 将来にも有益なスキルか?
    数年留学した後では、海外で学んだ知識は日本で無駄にならないか?考える
  6. Step.6 留学が給料や人物評価に影響するか?
    どんなに優秀な留学生活を送っても、その成果が評価されなくては『意味がない』と言われます
  7. Step.7 思い入れが本当にあるか?
    留学は今でも人生を大きく左右することになります

留学が意味ないという人は『意味のある留学』を知らない?まとめ

両手を上げるポーズをとる留学生

今回は意味のない留学や意味がある留学について、様々な角度から「留学とは?」という留学の本質に迫るお話をさせていただきました。

留学は「渡航した本人が満足すればそれで良い」と言ってしまえば、その通りなのですが、実際には様々なしがらみがあって、帰国後「留学は意味がないもの」と言う人たちからの圧力と戦うことになります。

せっかく、お金も時間も使って留学に出る訳ですから、無駄にするようなことだけは誰もしたくないはずです。

そしてもし、こちらにいらっしゃる人たちの中から1人でも良いので『意味のある留学』を経験して頂けたら、ここまでお話しさせていただいた私自身の留学経験にも、意味が生まれることになります。