海外でツアーガイド?英語を覚えて転職キャリア留学?
日本でツアーコンダクター(添乗員)・ツアーガイドとして活躍していらっしゃる皆さんや、これから海外でツアーガイドとして働きたい方からの留学・ワーキングホリデーのご相談はとても多いです。
やはり『留学=海外』ですので、海外旅行や観光に興味を持っていらっしゃる方々がもともと多いのも、ご相談が多くなっている要因だといえます。
そこでここでは、ツアーコンダクターの皆さんや、これから海外でツアーガイドとして働こうと考えていらっしゃる皆様のために、『ツアーコンダクターのための転職キャリア留学』と『海外でツアーガイドとして働く方法』について詳しく案内させていただきたいと思います。
少し長い内容となっていますが、もしよければ最後までお付き合いいただければ幸いです。
旅行関係の離職率がかなりヤバイ!
まず初めに、これからツアーガイドを海外で目指される皆様のために、既に日本でツアーコンダクターとして勤務されていらっしゃる方はご存知かと思いますが、日本での旅行関係のお仕事についてのお話をさせていただきたいと思います。
実は、ツアーコンダクター(旅行添乗員)やツアーガイドとして勤務される人の離職率はとても高く、厚生労働省の発表によると、新卒で入社後3年以内に辞める割合は約46%、つまり新卒同期入社の内、『約2人に1人は3年以内に退職している』と言うデータが出ています。
また実際に旅行代理店等で働く方から話を聞くと、「新卒で10人入社して3年後に残るのは1人ぐらいで、ウチの離職率は90%だよ!」と言うケースさえあるのが日本の旅行関係のお仕事となります。
添乗員の理想と現実のギャップとは?
周りから見ていると、添乗員として海外を毎日のように飛び回る生活に憧れる方もきっと多いと思いますが、実際にツアーコンダクターとして勤務している人にインタビューをしてみると、「できることなら添乗員としてお客さんと旅行には行きたくない」と言う驚きの回答が出揃います。
正直言って、「添乗員に憧れて就職したのにもかかわらず、どうして添乗員として海外を旅行し廻るのは嫌なのか?」そう思われる方も少なくないと思います。
そこで詳しく聞いてみると、添乗員としての仕事は以下のようなマイナスポイントがあるとのことなんです!
- 拘束時間が長すぎる(旅行者より早く目覚め旅行者より遅く寝る)
- 心配事が多すぎる(飛行機や電車に乗り遅れるなど)
- クレーマーが多い(真摯に対応していてもクレーマーになるお客さんもいる)
- 相性の悪い客への長時間の対応(旅行期間中は逃げ場がなくなる)
- 責任が重大(ツアーの良し悪しなど、プレッシャーがかかる)
つまりは、上記のような非常に大きなストレスが添乗員の皆様にかかっているため、離職する人が後を絶たない業種となっているようです。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
産業分類 | 就職者数 | 3年以内の離職者 | 離職率 |
---|---|---|---|
調査産業計 | 448,309 | 143,360 | 31.9% |
鉱業・採石業・砂利採取業 | 193 | 29 | 15.0% |
建設業 | 19,171 | 5,323 | 27.7% |
製造業 | 68,480 | 13,442 | 19.6% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 1,942 | 179 | 9.2% |
情報通信業 | 40,198 | 11,564 | 28.7% |
運輸業・郵便業 | 14,143 | 3,498 | 24.7% |
卸売業 | 36,006 | 10,499 | 29.1% |
小売業 | 46,095 | 17,256 | 37.4% |
金融・保険業 | 37,198 | 8,556 | 23.0% |
不動産業・物品賃貸業 | 13,118 | 4,480 | 34.1% |
学術研究・専門・技術サービス業 | 28,261 | 9,261 | 32.7% |
宿泊業・飲食サービス業 | 9,565 | 4,816 | 50.3% |
生活関連サービス業・娯楽業 | 7,839 | 3,652 | 46.5% |
教育・学習支援業 | 21,650 | 9,943 | 45.9% |
医療・福祉 | 63,093 | 24,582 | 38.9% |
複合サービス事業 | 5,726 | 1,559 | 27.2% |
サービス業(他に分類されないもの) | 28,621 | 10,188 | 35.5% |
その他 | 7,010 | 4,533 | 64.6% |
※ 2015年に就職した人が2018年までに離職したデータ。
(厚生労働省:2019年度調べ)
世界のツアーガイドのお給料とは?
そもそもここにいらっしゃる皆様は、ツアーコンダクター(添乗員)とツアーガイドの違いについて、ご存知でしょうか?
ツアーコンダクター(添乗員)とは?
ツアーコンダクターは、例えば海外旅行の場合、旅行者とともに日本の空港から一緒に飛行機に乗り、現地の観光やホテルの案内を行い再び帰国するまでのサポートを担当します。
イメージとしては、旅行者の全ての旅行日程について添乗員として随行している人になります。
ツアーガイドとは?
一方でツアーガイドとは、例えば海外旅行でオーストラリアのシドニーに到着した時、現地でピックアップなどを担当し、その街についての詳しい案内や観光地に関する解説を担当します。
イメージとしては旅行者の滞在中の日程の中でも、ピンポイントのイベントやアクティビティーに詳しい案内やガイドをする人になります。
世界のツアーガイドの時給はいくら?
そこでここでは、世界中でツアーガイドとして活躍している方々の平均給料をグラフにまとめてみましたのでご覧ください。
以下のグラフをご覧いただければ直ぐにわかるかと思いますが、日本のツアーガイドとしての時給は世界を見てもかなり安いことがわかります。
しかしながら、こちらのデータは各国で働いている現地の方の平均給料になっており、例えば、ワーキングホリデービザでオーストラリアで働いてる日本人の給料などは安く設定されており、『ここまで支払われている事はまずない』ので注意が必要です。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
国名 | 給与(時給) | |
---|---|---|
日本 | アルバイト | 998円 |
派遣社員 | 1,242円 | |
アメリカ | 1,581円($14.19/hour) | |
カナダ | 1,495円(C$17.22/hour) | |
イギリス | 1,645円(£10.86/hour) | |
オーストラリア | 2,472円(A$29.23/hour) | |
ニュージーランド | 1,317円(NZ$16.78/hour) |
※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。
(indeed:2019年度調べ)
海外でツアーガイドになる方法と転職キャリア留学
さて、それでは本題となる『海外でツアーコンダクターやツアーガイドになる方法』と『旅行添乗員から転職するキャリア留学』について、お話しさせていただきたいと思います。
海外でツアーコンダクターやツアーガイドになる方法とは?
実は、皆様が思っていらっしゃる以上に海外のツアーコンダクターやツアーガイドの競争率が激しく、求人倍率0.1倍、つまりガイド1人の募集枠に対して約10人が応募してくることも珍しくない状況になっています。
そのため本気で海外でツアーガイドを目指す場合、留学計画を本気になって作っておかなければ、なかなか海外ツアーガイドの夢を叶えるのは簡単なこととは言えません。
そこで海外ツアーガイドになるために必要なスキルとしては、以下のようにまとめてみましたのでご覧ください。
- 英語力
- 就労ビザ
- 現地の知識
- 現地の車の免許
英語力
まず単純なことですが英語力は、現地の宿泊施設やアミューズメントパークとの間に入って通訳・案内をする必要がありますので、少なくともTOEIC 800点以上のビジネスレベルの英語力が必要になります。
就労ビザ
次に就労ビザについては、ワーキングホリデー等で代用が可能ですが、ビザの残り期間が非常に重要で、残り期間が6~9ヵ月となってしまっている方は、かなり絶望的です。
現地の知識
これは働きながらも身に付けることができるのですが、やはり現地での滞在期間が長ければ長いほどツアーガイドとしての就職活動は有利に進みます。
現地の車の免許
現地の車の免許は、最近ではオプションになりつつあるのですが、車の免許さえあれば現地でツアーガイドとしてオリジナルのツアーも手配できるようになりますので、車の免許を持っていらっしゃる方は面接を有利に進めることができます。
ツアーガイドを目指す留学ルートとは?
海外でツアーガイドを目指す場合最も良いのは、海外でツーリズム関連のカレッジを卒業することです。
ツーリズム関連のカレッジは、例えば看護師や心理学などのコースと比較して英語力もかなり低めに設定されているため、ツーリズムコースを受講しながら知識と英語力を引き上げていくことで、ツアーガイドとしての道が一気に開けます。
ただし、ツアーガイドは現地永住者の方々と競争しながら就職活動を行うことになるため、学生期間中にインターンシップを体験しておくことをオススメさせていただきます。
ツアーコンダクターからの転職キャリア留学とは?
ツアーコンダクター(添乗員)として活躍していらっしゃる皆様の多くは、既に英語力としてはビジネスレベル以上のものを身に付けていらっしゃる方々が多いです。
さらに旅行者に対してのカスタマー営業経験(BtoC)を持っていらっしゃる方も少なくないため、「営業スキルを伸ばして転職を目指すか?」もしくは「全く違うキャリアへと進んでいくのか?」によっても留学の作り方は無限に広がっていきます。
そのため、ビジネス関連のディプロマを取得して、現地企業のインターンシップ経験を積んだり、IT留学などを視野に入れて将来のITエンジニアを目指される方も少なくありません。
ただし転職キャリア留学は、作り上げることがかなり難しい繊細なものになるので、留学先で少しずつ作っていくものではなく、最初にレールを一気に引いてしまい、そのカリキュラムに沿って1つずつ目標に向かっていくものになるとお考えください。
ツアーガイドのための理想の留学とは?
続いてはツアーガイドを目指す皆様のために『ツアーガイドを目指すのための理想の留学プラン』、そして『ツアーガイドからの転職キャリアアップのための理想の留学計画』について、以下に大きな流れを作ってみたので参考にしてみてください。
ツアーガイドの理想の留学ステップ!
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
(※ キャリアアップ・転職・海外永住希望、「ツアーガイドを海外で目指すか?」「帰国後も行うのか?」などイメージして頂きます)
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- Step.2 留学計画を立てる【留学3~5ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ ツアーガイドは『ツーリズム系』を選択される方も多いですが、英語力がネックの方は英語力重視で作り上げます)
社会人留学で休職はアリ?退職して賭ける?究極の選択!
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間や必要に応じてカレッジ期間、また就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ ワーホリビザの先取得は厳禁です!ツアーガイドで働くためには必ずカリキュラムやコースを作ってからビザ手配を行うことを忘れないでください)
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- Step.6 休学・退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 学校や会社調整と航空券や保険の手配
大学生の1年間の休学留学がトレンドになる格差社会とは?
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
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- Step.9 留学生活スタート!
- ツアーガイドとして働くための人脈づくりや現地知識を留学しながら得ていきます
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- Step.10 インターンシップorボランティア【就労体験期間】
- ツアーガイドへの転職希望の場合はこのステップで新しい職業体験をします
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- Step.11 滞在延長or帰国!【帰国予定3ヵ月前】
- 就労資格を使って更に滞在期間を延長させて英語力やスキルに磨きをかける!
(※ ここで帰国ルートに入る場合にはStep.12をスキップしてください)
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- Step.12 海外での就労経験+収入!【就労期間】
- ツアーガイドor転職予定の職業で海外勤務
(※ ステップを踏んでいるので転職orツアーガイド継続どちらでもキャリアを作れるように動きます)
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- Step.13 帰国前に就職カウンセリングを受ける!【帰国予定2ヵ月前】
- 帰国をしてしまう前に必ず就職カウンセリングを受け、帰国と同時に面接を手配する
(※ 転職の場合には先にキャリアコンサルを入れることで自分に足りないスキルを確認。場合によってはStep.11で留学期間の延長へ)
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- Step.14 帰国!
- 帰国前に留学先での銀行や賃貸契約などを全て切ってから帰ります
(※ 帰国後には面倒ですが役所の手続きなども済ませます)
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- Step.15 企業面接!【帰国2週間以内】
- 帰国前に手配しておいた企業との面接を受けます
(※ 転職の場合も現地就労経験+英語力になるので、面接も順調に手配できます)
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- Step.16 就職していよいよ日本での新生活スタート!【帰国1ヵ月以内】
- 滞在先の相談もココアで合わせて手配しているので新生活がスムーズにスタートします!
海外でツアーガイド?英語を覚えて転職キャリア留学?まとめ
ツアーコンダクターやツアーガイドとして働く皆様のために、『ツアーガイドを目指す留学』や『キャリアアップをして転職を目指す留学』についてお話しさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
正直なところ海外のツアーガイドの時給は、『かなり悪い』と言うのが本音で、基本給にプラスして自分でツアーを販売しなければ、例え、それがワーキングホリデーのようにカジュアルな仕事であったとしても生活はかなり苦しいです。
特に、最低賃金以下での雇用が一般的で、その多くは日雇い労働者や個人事業主契約となるため、そもそも『最低賃金が適用されない契約』になることも珍しくありません。
しかしながら海外には、ツアーガイドとして自分でツアーを作り、ツアーのオプションとして旅行者に提供しているガイドさんもたくさんいらっしゃいます。
そこまで行くことができれば生活も約束されできますので、中途半端ではなく、しっかりとした留学計画を作って渡航することで、夢が叶うことになるとお考え下さい。
しかしながら、世界広しと言えどもツアーガイドを目指したり、ツアーガイドからの転職留学をしたい方のためのご相談窓口はココア留学以外にどこにもありません。
そこで、もし我々が皆様の留学やキャリア設計のお手伝いをできるような機会が少しでもございましたら、以下よりお気軽にご相談いただければと思います。
少し長いお話になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきましてどうもありがとうございます。