社会人留学で休職はアリ?退職して賭ける?

コロナの影響を受けた社会人の留学は、今、世界中で大幅に変わろうとしています。
そこでここでは、社会人の最新留学に関する情報を交えながら、社会人留学に関する本音に迫ってみたいと思います。良かったら最後までお付き合いください。
社会人留学は人生を賭けたら絶対ダメ!

「社会人留学を考えられる方の99%が見ていらっしゃる情報は留学会社が作った情報である!」ということを、皆様はご存知でしょうか?
おそらくここにいらっしゃる方のほとんどはご存知無いため、留学先では「ワーキングホリデーで海外生活をして自由を感じてみたい!」「社会人留学でスキルアップして帰国したい!!」と思っておられるのではないでしょうか?
しかし、残念ながら皆様が描いていらっしゃる『理想の留学』の大部分は、「留学会社が自社の留学生を増やしたい!」と言う思惑で作り出られた、一部の留学生にのみを対象にした超ハイレベルな留学となってしまっていて、全ての人が『理想の留学』に人生を掛けたら将来大変なことになってしまうことについてはあまり知られておりません。
本当に人生を賭けても良い?
そこでここでは、社会人留学にとって非常に重要な「休職しての短期留学が良いのか?」「退職しての本格留学が良いのか?」と言う大きな決断について、留学会社・留学コンサルタントとしてではなく、1人の社会人として詳しくご説明させていただこうと思います。
『理想の留学』と言う1%に賭けるような留学は全て捨てて、「全ての社会人の皆様が休職留学か退職留学か?」を選ぶ参考にして頂けたら幸いです。
そして、是非、20~30代の社会人の皆様、またそのご家族の方々にお読み頂き、ご友人・ご家族に現実と留学時の参考材料としてお伝え頂けたら嬉しいです。
- 社会人留学は夢ばかり追っていると危険!
- 1%に賭ける留学では無くて確率の高い留学を考える!

1度しか無い人生だから遊ぶ気持ちでした・・。

全然、それはそれで否定するものでは無いのでご安心ください!
大切なことは1度しか無いからこそ、『賭け』にはならないように立ち回ることを少しだけ知っておいてくださいね!
休職・退職はアルバイトで差がある?

社会人留学における休職・退職の選択をされる際に、「留学中のアルバイトが大きく関わっているよ!」というお話をさせて頂けたらと思います。
面白いことに「休職して社会人留学に出よう!」と考えていらっしゃる方々は、そのほんとんどが「留学期間中にアルバイトでキャリアに繋げよう!」とは考えていらっしゃいません。
その一方で、「退職してから留学に出よう!」と考えていらっしゃる方の大部分は、海外でのアルバイトを将来に繋げることを視野に入れていらっしゃることがほとんどです。
これは単に「そもそも社会人の休職留学と退職留学では留学期間に差が出るからでは無いですか?」と思われる方も多いと思いますが、実は、よくよく留学生たちのお話を聞いてみると、留学期間による違いでは無いことが分かってきます。
- 休職して留学する人と退職して留学する人ではアルバイトに対する考え方が違う!
休職しての社会人留学の傾向
まず、休職して留学に出られる方はどのような方々が多いかと言いますと、その代表格は大企業や病院などに勤めていらっしゃる方で、一般的に責任の重いポジションや代理が効かないポジションに就いていらっしゃる方々が大多数を占めています。
それは少し考えてみると分かるのですが、休職して留学に出る権利を持つ方と言うのは「会社側からしても半年~1年間の休職期間を与えたとしても再雇用したい人材」ということになりますので、責任ある仕事をしている人が休職留学に出ていることについて当然と言えば当然になるかと思います。
特に、海外留学中には人生の中で受けたことも無いような大きな刺激を受けることになるため、「最初は日本に戻って休職させてくれた同じ会社で働こう!」と考えている方でも、「やはり帰国後は別の会社で働きたい・・」と考え方が変わってしまうことも珍しくないため、会社にとっては休職して社会人留学をすることを認めるのは非常に大きなリスクにもなり得ます。
つまり、そんなリスクを背負ってでも休職を提案して貰える彼ら休職組の社会人留学は、当然ですが1年未満の本格短期留学になるケースがほとんどですので、レストランなどでアルバイトをするくらいなら、たとえ無償であったとしても企業でのインターンシップを経験することを選ぶ方が大多数を占めます。
休職留学にもデメリットがある?
しかしながら、休職しての社会人留学にもデメリットがあり、それは留学期間が最長で1年と縛られてしまうため、留学内容が詰め込み過ぎになってしまうことも多く、留学者に掛かる精神的なプレッシャーが大きくなる点にあります。
ディズニーランドに行った帰りの電車に乗った瞬間、明日から強制的に現実社会に戻されてしまうような気がして『恐怖』を感じたことはありませんでしょうか?
休職留学は、ディズニーと同じように、どうしても帰る場所がリアルに想像できてしまうことになりますので、会社や同僚、それに後輩からのプレッシャーを感じながらの留学になる点も合わせて注意しておく必要があります。
- 休職留学を考える方は留学を詰め込み過ぎないように注意!
- 帰国する時のプレッシャーや現実に戻る感覚があることは覚えておく

言われてみると休職して留学って周りからの期待が大きくなりますよね・・。

そうなんです!
だからターゲットを絞って会社や同僚に対しても提示しやすい資格や学位などを持って帰ってくることを意識しておくと良いです!
社会人の退職留学は2種類ある?

次に、『退職して社会人留学に出るケース』についてですが、実は、退職組の社会人留学は大きく2つのグループに分かれます。
退職組の社会人留学(長期計画者)
1つ目のグループは、本格的な留学を考え、3~4年先の近い将来までライフプランの設計を行い、10~20年先までの利益になる留学を考えていらっしゃる方々のグループです。
こちらのグループは「自分の価値を客観的に捉え、何が必要で何が必要でないか?」をきちんと理解されている方がほとんどで、更に『目標を達成するために必要になる時間を計算すること』に長けていらっしゃる方が多いというのも特徴的です。
つまり、自分自身の立場や「将来どのようなことをやって生活をしているのか?」と真剣に向き合っていらっしゃる方と言えます。
一般的に『良いお仕事』だと言われるような、銀行員や店長職、大企業での役職などのキャリアであったとしても「ズバッ」と切り捨ててしまって新しい道を模索される方が多いのが1つ目のグループの特徴と言えます。
- 3~4年の留学計画・10~20年先までの将来設計をされる退職留学の人は成功率が高い!
退職組の社会人留学(楽しみ計画者)
2つ目のグループは、「とりあえず退職して留学をしたい!」というタイプの方が多いグループで、退職留学の中でも、1つ目のグループと比較してどちらかと言うと目線は低めで、将来のプラン構築よりも留学期間のプラン構築に興味を持っていらっしゃる方々が所属しているグループになります。
こちらのグループでは、「留学は今しかできないんだからやるしかない!」と思う一方で、1つ目のグループの方々のように将来設計をしていないため、自分の将来に対して大きな決断を行うことが難しい場合が多いのですが、海外への憧れだけはどうしても強いため、「退職して留学に出よう!」としている方々になります。
皆様もお気づきかと思いますが、両者はどちらも同じ退職組の社会人留学になり、どうしても2つ目のグループの方々のほうが『全体的な留学の質や将来的に高い位置までの到達が難しい』と言う特徴がありますので、注意して頂ければと思います。
- 社会人は留学の成功率について考える必要がある!
- 『気持ち先行型の退職留学』の方は留学の質を疎かにする傾向があるので注意!
社会人留学には長い目線を!
しかしながら、グループ1・2どちらの場合においても、自分が一度留学に出てしまえば元の生活に戻ることはできないということを覚悟し、『今』という瞬間に自分を賭けられる方々が、退職留学を選択されていることが多いです。
こうした2つの退職組の社会人留学の傾向を見て頂けると、『直感と計画のバランス』が留学にとって如何に重要なものになっているか分かって頂けると思います。
もし、この中に「自分は2つ目のグループに属しているかも?」と思われた方がいらっしゃいましたら、是非、2~3年先のビジョンも考えて頂いて、さらには万が一に備えた『プランB』までをご準備頂けたら幸いです。
そして、どうしても退職留学の中で2つ目のグループとなっている方は、休職・退職など様々ある社会人留学の中でも、『最もバランスが悪い留学(英語力やスキルが中途半端にしか伸びない留学)』となってしまっていることが多いので注意して頂けたらと思います。
- 退職留学は計画次第で結果が大きく異なってしまうことに注意!
- 社会人留学は失敗したときのBプランまで考えておく!
No | 国名 | 教育期間 |
---|---|---|
1位 | 忙しい | 59.3 |
2位 | 費用が高い | 29.7 |
3位 | 家事・育児 | 21.8 |
4位 | 目指すキャリアが分からない | 17.7 |
5位 | 社内で教育が評価されない | 16.9 |
6位 | 教育機関が見つからない | 16.5 |
7位 | 休暇が会社都合になっている | 12.8 |
8位 | 学習の効果が予想できない | 11.7 |
9位 | 情報が無い | 11.3 |
※ 日本の会社のシステムが社会人の教育環境を妨げている。
(厚生労働省: 2017年度調べ)

言われてみると『遊びの留学』ばかり考えてしまってました!

社会人の留学では帰国までのしっかりとした計画を持つことを意識すると良いです!
特に、「永住権希望者も法改正などでダメだった時のことまで考えているか?」チェックしておいてくださいね!
適切なアドバイザーによる診断を受ける!

次に、簡単にですが「社会人留学の相談をどこにすべきか?」ということについてお話をしておきたいと思います。
実は、「社会人留学は相談先によって全く回答や内容が変わってしまう!」と言うことを、こちらにいらっしゃる皆様には覚えておいて頂けたらと思います。
社会人留学は相談先が命!
社会人留学の相談が可能な場所としては大きく2つあり、それは『就職・転職斡旋会社(転職エージェント)』と『留学会社(留学エージェント)』となりますが、当然、前者は日本での就職を斡旋する会社なので留学に否定的で、後者は留学を斡旋する会社なので留学に肯定的な機関になります。
そのため、社会人留学に出る際には、「誰に何を相談するか?」ということが非常に重要であると考えておいていただければと思います。
転職エージェントに相談すると?
特に、良くあるケースとして「自分にあまり自信が無いけど留学に行ってみたい!」と言う方が転職斡旋会社や人材会社のキャリアカウンセリングに相談したところ、「あなたのような考え方で留学に出たら、一生を棒に振るのでやめた方が良い!」と厳しく指摘されてしまい、「幼い頃から夢にまで見ていた留学について計画を立てることも無く断念してしまった・・」と言うお話を良く聞きます。
留学エージェントに相談すると?
一方、留学会社の留学カウンセリングの場合は、留学希望者の人生にとって留学がいかに無意味なものであったり、マイナスなものであったとしても、「人生は1度しか無いから!」と留学に感情論を結び付けて案内する傾向があるので注意が必要です。
例えば、「TOEIC850点ほど既に取得している社会人に対して、なんとなく6ヵ月(半年)以上の語学学校への留学のみを組み込むような留学会社」や「20代後半の社会人に留学先では飲食店でのアルバイトを薦めるエージェント」だったとしたら、本当に危険なので注意してください。
- キャリアを相談する時は相談先に注意!
- 海外でのキャリア育成は簡単では無いことも覚えておく!

転職エージェントに相談したら留学なんて意味無いとボロボロに言われてしまいました・・。

転職エージェントさんの言うことは間違っている訳ではありません!
そもそも社会人留学でキャリアを育成することは難易度がかなり高いことだと、事前に知っておいてくださいね!
社会人留学で休職アリ?退職に賭ける?まとめ

さて、これまで社会人の休職留学と退職留学について、いろいろとお話しさせていただきましたが、少しは「休職留学にするか退職留学にするか?」考えの参考になりましたでしょうか?
休職留学の要点!
もし休職留学を認めてくれるような会社であれば、会社の待遇は最高ですが、留学の先に無限に広がる将来の可能性へと賭けることはできませんので、10ヵ月ほどで完成する留学を作ることになります。
しかし、その一方で、会社からのプレッシャーもあるため、1年を切るような短期での留学であるにもかかわらず、内容もしっかりと詰め込み、会社側から目に見えた違いがはっきり分かる資格取得などの成果までも見込む留学へと持って行かなくてはいけません。
- 資格や学位の取得など会社に対して成果を示せる留学がオススメ!
退職留学の要点!
退職しての社会人留学については、将来の可能性としては目の前がかなり広がってきますので、同じ資格取得でもレベルの高い、他の国や日本の外資系企業でも生かせるようなディプロマ資格や海外永住資格を取得できるプランを意識的に盛り込んだ留学作りが可能になります。
しかし、退職して留学に出られる方が必ず気をつけなくてはいけないのは、海外での時間は日本とは違いゆっくりと流れ、自由が効きすぎてしまうため、留学に挫折した時の『プランB』に対する準備を行っておくことです。
- 「〇〇したい!」などの気持ち先行の留学になっていたら注意!
- 「将来を見据えて何をして生計を立てていくのか?」も考えることがオススメ!
アルバイトも将来に繋がる!
特に、安易にジャパニーズレストランなどのアルバイトで生計を立てようと考えていらっしゃる方は、ご自身の積み上げた社会人としてのキャリアが崩壊する可能性が十分に秘められていると考えておいて頂けたらと思います。
また、社会人が退職して留学に出る場合、その多くの方々がキャリアダウンとなってしまっており、帰国後の再就職をされた時に後悔されていらっしゃるケースが多いと言うことも心の片隅において頂けましたら幸いです。
最後に、なかなか難しい社会人留学ではありますが、この記事を参考にして頂いて、少しでも多くの皆様に最高の留学を経験していただければと切に願っております。