ショップ店員が英語で海外勤務?キャリア留学で転職?
日本の飲食業界やホテル業界と並び離職率が高い業界として有名なアパレル業界ですが、最近ではその離職率も2人に1人約50%となってきています。
そうした中で、当然のことながら海外留学やワーキングホリデーで海外を志されるショップ店員の方々も少なくなく、その多くは転職も考えていらっしゃいます。
そこでここでは、現在ショップ店員として働いていらっしゃる皆様と、これから海外でショップ店員として働いてみたい皆様のために、『ショップ店員として海外で働く方法』と『英語力を伸ばして転職をするキャリア留学』について、詳しく案内させていただきたいと思います。
アパレル店員の転職は何が人気?
アパレル関係のショップ店員に対して転職に関するアンケートを行ったところ、なんと全体の80%以上が「離職を考えている」と言う回答を出しています。
それもそのはず、ショップ店員として働く人の約半数近くが離職をする訳ですから、離職を希望する方が大多数であったとしても全く不思議ではありませんよね?
そこでまずは、『ショップ店員として働く皆様が転職して一体どのような仕事につきたいと考えていらっしゃるのか?』と言うお話をさせていただきたいと思います。
事務員として働きたいショップ店員!
転職先として最も人気なのは、以下のグラフをご覧いただければわかるように『事務員』です。
しかしながら、もしかするとご存知の方もいらっしゃると思いますが、人材不足と言われている日本でありながらも、事務員として働くことは決して簡単なことではなく、正社員の求人倍率は0.5倍となっています。
つまりどんなに最低な事務員の仕事であったとしても、2人で1つの座席を争っているような状況で、名前の通った企業から事務員の募集が出ると数十人で1つの採用枠を争うことも珍しくありません。
また事務員の募集枠は、ほとんどの場合において『事務員としての就労経験』が求められるため、ショップ店員として働く方々にとって、応募すらできないことも珍しくありません。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
転職希望先 | 割合 |
---|---|
一般職・事務職 | 52% |
アパレル以外の接客業 | 22% |
アパレル業界の他店舗や他職種 | 6% |
営業職 | 4% |
転職希望なし | 2% |
その他 | 14% |
※ アパレル業界から転職を希望しているのは全体の84%。
(stalgie Inc:2019年度調べ)
ショップ店員の給与と海外との差!?
続いて、世界のショップ店員のお金つまりお給料についてのお話をさせていただきたいと思います。
実は、退職を希望した日本のショップ店員の皆様に『退職理由』を尋ねたところ、そのほとんどの方が「給料が安すぎるため」と答えられています。
それもそのはず日本のアパレル店員の平均時給は997円となっており、変則的で長時間にもなりやすい勤務形態と立ち仕事で体力勝負となるアパレル業界であることを考えると決して良いとは言えそうにもありません。
以下に世界のショップ店員の時給を比較したグラフを作成してみたのでご覧ください。
世界のショップ店員の時給は良い?
世界の中でもオーストラリアのショップ店員の平均時給が1991円とかなり高い設定になっていますが、実は、この水準はカジュアル(指定された時間ではなく日雇い感覚の仕事)で仕事をする方々の最低時給となっています。
しかしながら、例えば日本人がオーストラリアでショップ店員として勤務しようとすると、この最低時給が守られていないケースも横行しているので注意が必要です。
また、そうした最低時給を下回る給与で働いている日本人ショップ店員は、オーストラリアだけではなく世界中にいたりします。
そして、実は、その原因として『日本人が海外のショップ店員で働くのは非常に難しい』と言うバックグラウンド的な要因が挙げられるのですが・・、続いてはいよいよ海外で働くショップ店員のお話へと入らせていただきます。
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
国名 | 給与(時給) | |
---|---|---|
日本 | 全国 | 997円 |
北海道 | 922円 | |
東京都 | 1,101円 | |
愛知県 | 1,054円 | |
大阪府 | 1,041円 | |
福岡県 | 930円 | |
アメリカ | 1,253円($11.25/hour) | |
カナダ | 1,228円(C$14.14/hour) | |
イギリス | 1,520円(£10.04/hour) | |
オーストラリア | 1,991円(A$$23.54/hour) | |
ニュージーランド | 1,788円(NZ$22.78/hour) |
※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。
(indeed:2019年度調べ)
海外ショップ店員として働く方法とは?
先にも少しお伝えさせていただきましたが、海外でショップ店員として働くことができる人と言うのは、留学生全体のトップ1%ほどしかいらっしゃいません。
実は、日本人留学生にとって海外のショップ店員は、それほど難しいお仕事になっています。
そのため日本人ワーキングホリデー参加者の間で「私はオーストラリアのルイ・ヴィトンで働いているよ!」と言うと、間違いなく周りから「どうやってなったの?」や「何ビザで働いてるの?」「すごいよね!?」と質問攻めに合うことになります。
それではどうすれば留学生の中でトップ1%に入り、海外のショップ店員としてのお仕事をゲットすることができるのでしょう?
海外でショップ店員として働くには?
海外のショップ店員として働くために絶対必要なスキルとして『英語力(コミュニケーション能力)』が挙げられますが、一体どれぐらいの英語力が必要なのか想像できますでしょうか?
正直言うと、仕事の募集には英語力の規定は全く載っていないのですが、それは『英語力はあって当たり前』と言う意味で、日本のショップ店員の求人に『日本語検定2級以上の者』などと記載されていないのと同じだと考えてください。
そこで、ショップ店員として働くために必要な英語力をざっくりとした形でご説明すると以下のようになります。
- 英検準1級以上
- TOEIC 850点以上
- IELTS 6.5以上
この水準は海外の大学入試に使える最低限の英語力スコアとほぼ同じで、実際にショップ店員として勤務してみると「これぐらいの英語力では全く足りない」と日々痛感することになります。
仕事探しのライバルがヤバイ!
アパレル関係のものをイメージする時、ここにいらっしゃるほとんどの方がヨーロッパを代表とする欧米の文化やファッションを想像されると思いますが、これは何も日本だけのことではなく世界の人々が同じように考えています。
例えば、イタリアのブランドであるヴェルサーチのショップがカナダにあったとして、その店にお客さんとして入ってることを想像してみて下さい。
店に入るとビシッとしたヴェルサーチのスーツや靴に身を包んだショップ店員が、完璧なエスコートをしてくれ、買い物をする様子はイメージできますが、まさか英語のぎこちない日本人が出てくる事は誰も想像できないはずです。
そのため、英語がぎこちなかったとしてもイタリア人であれば雇われる可能性はありますが、さすがにアジア人である我々日本人が雇用されるチャンスと言うものは恐ろしく低いものになっているのです。
また、当然のことですが、ショップ店員として勤務をしたい外国人はヨーロッパ各所から来たルックスもスタイルも抜群の人たちですので、そこで働く日本人がいかに凄いか何となく想像していただけたのではないでしょうか?
海外のショップ店員の夢をあきらめない!
それでも海外のショップ店員として働く夢をあきらめない皆様のために、「どうすれば海外でショップ店員として働くことができるのか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。
単刀直入に海外のショップ店員として働くために必要なものは以下の3つです。
- 英語力(コミュニケーション能力)
- キャリア(海外の学校卒業資格や職歴)
- 就労できるビザ(ワーキングホリデー含む)
残念ながら日本人としてのバックグラウンドは変えることができませんので、上記の3つの能力を研ぎすませていくことこそが、ショップ店員として働くためには欠かせません。
特に、ワーキングホリデービザの期間中に語学学校に通わなければいけないような留学プランを立ててしまっていると、その時点で海外のショップ店員として働く道はほぼ絶望的になるとお考え下さい。
海外のショップ店員に聞いてみた!
海外でショップ店員として働いている人たちに「どうやってそこで働けるようになったの?」と聞くと、そのほとんどの人が「私はあきらめが悪かったから働けるようになった」と答えられます。
日本人の多くが海外で就職活動をする際、気がつけば『お店にレジュメ(履歴書)を配ることが目的』になってしまっている人も少なくありません。
しかし、海外のショップ店員さんに聞いてみると「私は何度も断られたけど何度も何度も履歴書を持ってお店を訪れました。そしてそのうち店長が根負けして私を雇ってくれました。」と言う人も少なくありません。
海外で働くためのポイントとして、『レジュメを配り歩くことが目的ではなく採用されること、そしてそこで働くことが最大の目的なんだ』と、再認識していただければと思います。
海外ショップ店員or転職留学の理想プランとは?
海外のショップ店員として働くことがどれほど難しいか?ここにいらっしゃる全ての皆様に感じていただけたのではないでしょうか?
そこで続いては「海外のショップ店員として働くためにどのような留学をすれば良いか?」または「ショップ店員から転職するにはどんなキャリア留学をすればいいか?」以下にモデルプランを作ってみましたのでご覧ください。
ショップ店員の理想の留学ステップ
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
(※ 英語のアップ・キャリアアップ・転職・海外永住希望などによって中身が全く変わります)
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- Step.2 留学計画を立てる【留学3~5ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
(※ ショップ店員を続ける場合にはファッション留学を視野に、転職の場合には希望する職業に合わせて留学を作り込む)
ファッション・ビューティー留学~カナダ・美容留学~
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ ワーキングホリデービザを先に手配すると全くカリキュラムが作れなくなるので、絶対にこのタイミングで行います!!)
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 会社の調整と航空券や保険の手配
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.8 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
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- Step.9 留学生活スタート!
- 英語なのか?転職なのか?事前に描いたルートで留学が進んでいきます!
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- Step.10 インターンシップorボランティア【就労体験期間】
- 転職希望・キャリアアップの場合にもこの海外での職歴を積むことができるのがとても大きいです
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- Step.11 滞在延長or帰国!【帰国予定3ヵ月前】
- 就労資格を使って更に滞在期間を延長させて英語力やスキルに磨きをかける!
(※ ここで帰国ルートに入る場合にはStep.12をスキップしてください)
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- Step.12 海外での就労経験+収入!【就労期間】
- ショップ店員or転職予定の職業で海外勤務
(※ 海外のショップ店員として勤務できる日本人は留学生全体のTOP1%以上になります。アパレルショップで勤務できただけでも周りからは驚かれます!)
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- Step.13 帰国前に就職カウンセリングを受ける!【帰国予定2ヵ月前】
- 帰国をしてしまう前に必ず就職カウンセリングを受け、帰国と同時に面接を手配する
(※ 転職の場合には先にキャリアコンサルを入れることで自分に足りないスキルを確認。場合によってはStep.11で留学期間の延長へ)
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- Step.14 帰国!
- 帰国前に留学先での銀行や賃貸契約などを全て切ってから帰ります
(※ 帰国後には面倒ですが役所の手続きなども済ませます)
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- Step.15 企業面接!【帰国2週間以内】
- 帰国前に手配しておいた企業との面接を受けます
(※ 転職の場合も現地就労経験+英語力になるので、面接もキャリア設計がしっかりしているので順調に進んでいきます)
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- Step.16 就職していよいよ日本での新生活スタート!【帰国1ヵ月以内】
- 滞在先の相談もココアで合わせて手配しているので新生活がスムーズにスタートします!
ショップ店員が英語で海外勤務?キャリア留学で転職?まとめ
『海外のショップ店員について』そして『ショップ店員からの華麗なる転職について』様々な角度からお話しさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
実は、海外のショップ店員を目指す留学プランで留学を作り込むと、その副産物として『英語力+ビジネス関連の知識+営業経験』がついてくることになります。
そのため、実は海外でショップ店員になることを諦めて帰国したとしても、日本にある外資系企業への再就職は驚くほど簡単に話が進んでいくことになります。
当然そうしたケースでは、お給料についても留学前の何倍にも跳ね上げることも可能ですし、留学がキャリアブランクとして評価されることは一切なくなりますので、ぜひアパレル関係で働く皆様には注目していただければと思います。
なかなかショップ店員関連の留学は、作り込む事は難しい留学にはなりますので、万が一プロの手助けが必要な場合はココア留学とご相談いただければ幸いです。
そしていつの日か、世界中の空港のブランド店では、『必ずと言っていいほど日本人のショップ店員が働いている』と言うようになることを祈っております。
長文になっておりますが、最後までご覧いただきまして本当にありがとうございます。