海外就職を目指した留学は甘くない?海外就職の真実!
ここ最近、「海外就職やインターンシップを目指した留学がしたい!」や「海外永住権を取得に有利な職業で留学を作って欲しい!」というご相談が殺到しております。
しかしながら、留学希望者の多くは海外における就職状況をあまり知らないまま相談されることが多いため、日本と海外のギャップに苦しまれる方もたくさんいらっしゃいます。
そこでここでは、そんな日本と海外の就職事情の違いについて紹介するとともに、実際に皆様が「海外就職を実現するためにどのような行動をとれば良いか?」や「どんな心構えで留学コンサルティングに望めば良いのか?」など、案内させていただきたいと思います。
海外と日本の就職事情の違いとは?
はじめに、「皆様には日本と海外によって就職状況がどれほど違うのか?」というお話をさせていただきたいと思います。
一般的な留学会社では、こういうお話になると必ずと言っていいほど「面接の方法が違います!」や「履歴書の書き方が違います!」という風な解説をされることが多いのですが、今回は面接や履歴書などの小手先のお話ではなく、世界経済を交えた形で紹介させていただきたいと思います。
世界の失業率と日本の差?
失業率は、「労働力として働くことができる年齢やステータスの人たちのうち何%の人が仕事をしていないのか?」ということを示す労働力指標になりますが、調査対象として子供や学生、それに高齢者や専業主婦などは含まれていません。
また、この失業率には仕事の安定性などは無関係で、正社員やアルバイト、それにパートなどの区分はなく、例えば、勤務先のシフトが半分に減らされたり、退職してアルバイトとして勤務していたりする場合も、働いてさえいれば失業者としてカウントされません。
そのため、日本や世界の各政府により発表される失業率よりも、実際に生活して見ると高い割合で雇用の不安定となっている可能性があるので注意してみる必要があります。
- 実際の体感は失業率よりも高く感じる!
日本と世界の失業率ってどっちが高い?
そこで皆様は「日本の失業率と世界各国の失業率を比較して、一体どちらが高いのか?」についてご存知でしょうか?
なんとなく「海外の方が高いんじゃないかな?」とお考えになっていらっしゃる方も多いかと思いますが、答えは『海外の方が失業率は高く日本の方が低い』が正解です。
しかしながら「日本と比べてどれくらい失業者は多いと思いますか?」というと、ほとんどの方は想像もできないかと思いますので、2023年1月5日発表となる最新の失業率データをご覧ください。
世界の完全失業率
国名 | 失業率 | 更新日 |
---|---|---|
日本 | 2.5% | 22年11月 |
アメリカ | 3.7% | 22年11月 |
イギリス | 3.7% | 22年9月 |
ドイツ | 3.0% | 22年10月 |
フランス | 7.1% | 22年10月 |
イタリア | 7.8% | 22年10月 |
韓国 | 2.9% | 22年11月 |
こうしてご覧になっていただければお分かりになられるかと思いますが、日本の失業率は他の国々と比較してかなり低いことがわかります。
そうした中で、アメリカやイギリスといった国々は日本の1.5倍の失業率となっていますが、こちらは歴史上で過去最高に失業率が低い状況となっているにもかかわらず、日本の失業率よりも高くなっていることを頭の片隅に置いておいていただければと思います。
- 海外は過去最高に雇用が良い状況でも日本の雇用よりも悪い!
実際には更に厳しい就職状況
こういう風に世界の失業率についてお話しすると「日本は就職では困らないよね?人材難だけど失業率が2.5%もあるんだ!」や「アメリカとか失業率1.5倍だって言うけどそんなに大したことないんじゃない?」とおっしゃる方が必ずいらっしゃいます。
ただし、ここで重要なのは世界政府が発表している失業率には、留学や短期就労ビザとなるワーキングホリデーなどの『外国人労働者のデータが含まれていない』と言う点です。
そのため、外国人の労働者について正確なデータはありませんが、日本の場合、日本在住歴が5年以上の場合であったとしても日本人の失業率と比較して3~5倍ほどになるといわれています。
もちろん、日本人留学生やワーホリ者は海外在住歴が5年以上もないため、当然ですが、雇用状況は不安定でさらに酷い状況になっていることだけは覚えておいてください。
- 留学生やワーキングホリデーの人は失業率としてカウントされていない!
- 留学生の失業率は政府発表よりも何倍も高いと考えておく!
日本とは違って海外の失業率はそんなに高いんですね?
そうなんです。
もし留学生の失業率が20%ほどだとすると、『5人1人はアルバイト先が見つかっていないこと』を意味するので注意したいですよね!
海外は即戦力のみ採用される現実?
続いては海外の就職に関するお話になるのですが、実は、コロナ以降、海外でキャリアチェンジを考えられる方からのご相談が殺到しております。
ただし、海外でのキャリアチェンジを考えていらっしゃる方々に注意していただきたいのは、海外では即戦力のみの採用が行われていると言う点です。
海外で未経験採用はない?
日本では「ITエンジニアとしては未経験ですが働きながら勉強します!」と言う方が一定数いらっしゃいますが、実は、海外企業ではこうした未経験者の採用や未経験職へのキャリアチェンジに対して非常に厳しいです。
たとえ運良く入社できたとしても、当然ですが、日本企業のように仕事を手取り足取り教えてくれたり、勉強させてくれたりするような環境はなく、中には「仕事の指示さえ受けることがなかった・・」ということも普通にあります。
というのも、海外企業は教育は学校が行うもので会社は教育で得たスキルを発揮して稼ぐ場所という基本的な考えがあるため、能力不足で会社の利益にならなかった場合には問答無用で解雇されてしまうためです。
そのため、日本と同じように「未経験ですが毎日勉強しますのでよろしくお願いいたします!」という考えは通るはずもなく、気づけば出来高契約となっていて給料がゼロになっているか、急に呼び出されて首を宣告されるかなので注意が必要です。
- 教育は学校が行うもので会社は教育で得たスキルを発揮して稼ぐ場所!
日本のIT経験者は通用しない?
また、最近では日本のIT経験者が海外で通用しないと言うケースもちらほらと出てきています。
実は、先日も、日本の某大手IT企業出身のTOPエンジニアの方に日本のIT技術と将来性についてお伺いしたところ、「完全に先進国では通用しないレベルにまで落ちている・・厳しい・・」との指摘をいただいたのですが、他にも様々なカンファレンス等で日本の技術力の低下が指摘されています。
それもそのはず、コロナのパンデミック時に「日本は未だにファックスやフロッピーディスクが使用されている!」と、世界中から失笑を買ったことも記憶に新しいところではあるのですが、世界は既に『IT技術=ペーパーレス』や『AI・ロボット=未来の技術』という状況では全くないためです。
日本では理系出身者だけでなく、文系出身者でもIT系企業への就職はスムーズに行われる傾向にありますが、海外の求人情報を見ておりますと、スキル『プログラムやITスキルでディプロマ以上取得』、経歴『最低3~5年の実務経験』というのが普通なので、日本のレベルとは大きく異なることを知っておいてください。
- 日本のIT技術は既に世界から遅れ始めている!
日本のITエンジニアなら世界中で通用するかと思っていました!!
日本のITは優秀というイメージをお持ちの方が多いのですが、実は今では世界基準が高くなっています・・。だからこそスキルアップのために留学される方が多いです!
ライバルは欧米各国から来る人々!
しかしながら、海外で正社員になるような就職について考えている人ばかりではないので、「他の仕事ならばいけるのでは?」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そこで、海外のお仕事についての実態について紹介させていただきたいと思いますので、以下のクエッションに答えてみて下さい。
日本人留学生のお仕事とは?
次の職業の内、海外で日本人が働いていたら「すごい!」と周りから驚かれる職業は一体何でしょう?
- コンビニの店員
- スーパーのレジ係
- カフェの店員
さて、周りの皆さんから驚かれる職業について、お分かりになられたでしょうか?
その通りです。実は、上記の1.2.3.どの仕事に就いていても、他の留学生から「すごいね!」と驚かれます。
特に、日本では外国人の人たちがコンビニなどで働いていることをよく見かけますが、コンビニの仕事を海外で日本人がやっていたら、正直、日本ではかなり優秀な人物として評価されていたり、将来的に大きく飛躍する可能性があるエリートだったりすると思っていただければと思います。
また、ほとんどの場合が、ものすごい努力家か家族が富裕層、もしくは有名大学の卒業生ばかりなので、再度、驚かれるはずです。
- 海外のコンビニで日本人が働いているとエリート留学生の可能性が高い!
コンビニのアルバイトが凄いの?
先にご紹介した職業は全て人手不足となっているホスピタリティ系の仕事で、日本ではサービス業や接客業と呼ばれる分野になりますが、正直、日本での採用や就職の難易度を考えると、最も簡単な職業に分類されます。
しかしながら、留学生やワーキングホリデー参加者のほとんどは、ジャパニーズレストランと呼ばれる日本食レストランや、英語やコミュニケーション力を必要としない清掃業や工場の作業員、またはファーム・農場や建設作業員としての勤務になっているため、周りの日本人留学生から尊敬のまなざしと共に驚かれる訳です。
また、ここで注意しなくてはいけないのは、日本では大手企業で勤務されてきたかたや、いわゆる成功者としてキャリアを積んでこられた人材がホスピタリティ系で働くことになっている実態で、ほとんどの留学生が希望して働いている訳ではないという点です。
それほど、「将来に繋がる仕事や自身のキャリアの延長線上での就職やアルバイト採用を勝ち取っている人は少ない!」とお考え頂けたらと思います。
- 海外で将来のキャリアに繋がる仕事に就くことは難しい!
就職時のライバルは欧米の人々
次に、日本人として就職時にどうしても損をする部分があるのですが、それは、容姿によるものです。
これは差別的なものを意味するわけではなく、例えばスーツやオシャレであればイタリア人、精密機械であればドイツ人、執事といえばイギリス人や北欧など、それぞれイメージが職業と重なる国の人たちは就職活動が有利に進みます。
と言うのも、実際ショップの店員になってみると分かるのですが、やはり、洋服を購入する際には『おしゃれな人』に相談に乗ってもらいたいし、「紅茶を運んできてくれるのは紳士的であって欲しい!」と言う願望や需要がお客様のほうにあるためです。
そのため、海外での就職活動を行う時は、日本人を全面的に売りにできる職種に就くと有利にことが運びやすいという現実があり、ジャパニーズレストランでの勤務者が多いというバックグラウンドもあります。
- 日本人は日本食レストランからの需要が高い!
- アジア人は仕事に対して真面目なため清掃業や工場の単純作業員としての需要も高い
外国で仕事を得るって本当に難しいことなんですね・・。
厳しいかも知れませんが、少なくとも日本でできないことは、海外でやろうしても『できない』と思っておいたほうが無難です!
理想的な留学ルートとは?
さて、ここまで海外の就職についての難易度の高さについて、様々な角度からお話をいたしましたがいかがでしたでしょうか?
そこで続いては、「皆様の海外就職がうまくいくようにするには一体どのようなルートを辿れば良いのか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。
流れをダラダラとお話しするとかなりの量になってしまいますので、要点だけフローチャートにまとめてみましたので以下をご覧ください。
海外就職を有利にする留学の作り方
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- Step.1 現在の自分の立場を確認する
- 自分に何ができて何ができないかを明確にしておきます
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- Step.2 海外での仕事をイメージする
- 海外で理想となる仕事をイメージしておいてください
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- Step.3 現在と未来のギャップを考える
- 1.で考えた自分と、2.で想像した自分とのギャップを意識してください。何が足りていて何が足りていないか明確にします。
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- Step.4 足りない部分を留学で補う
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 実際に留学を作る
- 必要に応じてココア留学とご相談ください
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- Step.6 半年は世界の情報を読み込む
- 国によって就職状況が全く違います。最新のビザ情報や就職状況、ニュースを調べます。
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- Step.7 実際に留学準備に入る
- 学校や滞在先の手配入国の準備などをします
- 留学は将来の理想と現在の自分とのギャップを埋めるように作る!
留学でキャリアを落とさないことって本当に難しそうですね・・。
将来の収入やキャリアを考えられるなら、プロの留学コンサルタントに相談されることを強くオススメいたします!
海外就職を目指した留学は甘くない?海外就職の真実!まとめ
海外の就職について甘く考えていらっしゃる方が非常に多いので、今回はあえて厳しめの内容を皆様に紹介させていただくことにいたしました。
といいますのも、よくある留学情報のように甘いお話はいくらでもすることが可能なのですが、実際に苦労されるのは留学先に着いて現実とのギャップを知ることになる留学生、皆様自身になるためです。
「今の自分に何ができて、将来の自分は何ができていれば良いか?」、AI・ロボット時代が2~3年後にやってきて現在の人材不足が終焉を迎えることが予想されている中、「留学先で何をやらなければいけないのか?」社会人の皆様には考えておいて頂けたら嬉しいです。
そして、将来やキャリアを考えた一歩上の将来を目指すことをお考えならば、他社ではなくココア留学へと相談されることも併せてオススメさせて頂きます。