大学生が留学するときに意識したいTOEICスコア

大学生の皆様なら必ずと言っていいほど、受験経験のあるTOEICテストについて、ここでは就職活動と留学を交えながら真剣にご紹介させていただきたいと思います。
もし将来の夢が英語や海外と関わっていらっしゃるような学生やそのご家族の皆様がこちらにいらっしゃいましたら必見です。
そもそも留学にTOEICは必要?

まず初めに「そもそも留学にTOEICスコアが必要なのかどうか?」と言う、根本的なお話をさせていただきたいと思います。
結論から申しますと、留学にTOEICスコアは必要ありません。
TOEICと言うのはそもそもアジア圏でのみ有効な英語力判定試験で、欧米圏の多くでは全く英語力の証明として利用されていません。
それどころかイギリスでは、過去にTOEICの運営によるスコアの不正が発覚したことから、数万人の学生に対し『入学資格の取り消しや強制送還』それに『永住権申請の不許可』など、多大なマイナス影響与えた過去があります。
そのため、日本のTOEICとは運営する企業が全く違うのですが、TOEICと言う名前を聞くだけで「酷いテストだ・・」と言う反応をされる方までいらっしゃいます。
海外で有名な英語資格試験は?
現在、海外でよく利用されている英語資格試験として、IELTS(アイエルツ)は欧米諸国に加えてオーストラリアとカナダ、TOEFL(トーフル)はアメリカと言うふうになっています。
日本ではTOEICの他にも、最近ではベネッセが行っている英語資格試験であるGTECなども徐々に有名になってきていますが、世界では全く知られていません。
大学生のTOEICスコアの平均は?

TOEICについての簡単な基礎知識について知っていただいたところで、ついては日本の大学生のTOEICスコアについてお話をさせていただきたいと思います。
そこでまずは気になる日本人の大学生のTOEIC平均スコアをご覧ください。
大学生のTOEIC平均スコア
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
1年生 | 475点 | 425点 |
2年生 | 472点 | 446点 |
3年生 | 492点 | 493点 |
4年生 | 526点 | 518点 |
(2018年度の大学生のTOEIC平均スコア:2018年度調べ)
大学生の学年別TOEIC平均スコア
上記の大学生の平均スコアは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が発表した2018年度の大学生のTOEIC平均スコアになります。
データによると大学生全体のTOEICスコアの平均は約500点ほどとなっており、ほとんどの大学生のTOEICスコアは400~600点になることが考えられます。
また、余談ですが、現在発表されている2021年の過去2回の分のTOEICスコアの平均が617点(日本人の平均TOEICスコア)であることを考えますと、大学生のTOEICの低さに驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、逆を考えると英語が得意不得意にかかわらず多くの大学生がTOEICスコアを受験していることを意味しますので、TOEICが日本の就職活動のために強く意識されていることが分かります。
TOEICスコア400~600点の大学生
実際に留学に出られる大学生のほとんどはTOEICスコアが400~600点で、TOEIC800点以上や900点以上と言う方は、ココア留学への留学相談者のうちの約5%程度になります。
ただし、TOEICスコアが400点であったとしても、留学期間中にTOEICスコアで測れないコミュニケーション能力や英語力が驚くほどの勢いで伸びる方も少なくないので、恥ずかしがらずカウンセラーにご相談していただければと思います。
留学が人を伸ばす面というのは英語だけじゃなく、例えば、音楽やダンスなどのスキルを通じて伸びる技能もありますので!
ただし、そうした特殊な留学の場合、どうしても留学の作り方に工夫が必要になることは忘れないようにして頂けたらと思います。

英語は得意じゃないのですが、わたしでも留学できるでしょうか?

大丈夫ですよ!今の英語力や将来の目標に合わせて留学のプランを考えてみましょう♪
企業が求めるTOEICスコア

さて、世界ではほとんど利用されることないTOEICですが、ここにいらっしゃる大学生の皆様にとっては日本企業に就職するために、大きな後ろ盾になるのもまたTOEICです。
そして日本企業の多くが新卒採用の大学生に求めるTOEICスコアとして、『600点以上』と言うものがあります。
先ほどご紹介させていただいた日本人のTOEICスコアの平均が約600点ほどであることを考えますと、「これがどれほど低い水準であるか?」は言うまでもありません。
と言いますのも、TOEICスコアの分布によると、TOEIC受験者の50%以上がTOEIC600点以上となっているためです。
つまり、TOEIC受験者の2人に1人は企業が求められる英語のスコアをパスしているわけですから、他の資格試験と比較するとこの低いハードルは言うまでもありませんよね?
新卒に厳しいジョブ型雇用
しかし、大学生の就職活動にとって、コロナにより加速した『新たな採用方式』が大きなハードルとなりつつあります。
その新たな採用方式と言うのは、これまでの新卒採用や第二新卒採用などの総合職採用ではなく、仕事の内容に応じたスキルを持った人材を採用する『ジョブ型雇用』と呼ばれる採用方針を考えている企業が増えていることです。
特に、従業員数5000人以上の大企業では、「コロナによりジョブ型雇用が進んだ」と回答した割合が36.4%にもなることが分かり、既に導入済みの企業は19.8%にもなるという驚きの結果が出ています。
また、ジョブ型雇用を検討した企業と言うのは、一年半以内に約70%が導入をスタートさせているなど、その変化の速さは著しいものとなっています。
そのため今後は、ジョブ型採用を行っている企業においてTOEIC600点で採用のプラスになる事は考えづらいので、TOEICはさらなる高得点が必要な時代がやってくることも視野に入れておく必要があります。
理想の留学とTOEICスコア

さて、これまでTOEIC・就職活動・留学など様々な分野から大学生の皆様と英語の関係についてお話をさせて頂きましたが、実は、TOEICスコアがある程度あると留学のルートが変わることがあります。
そうしたTOEICスコアによる違いについて、以下に簡単にまとめてみましたのでご覧ください。
TOEIC 400~600点の留学
大学生のTOEICスコアが400~600点の皆様の場合、海外留学に出てまず初めに必要になるのは英語力を伸ばす事になります。
学生の中には海外インターン経験を積みたい方やボランティア経験を積みたい方など様々な理由で留学に出たい方がいらっしゃいますが、実際、海外で役に立とうと考えた場合TOEIC600点以上は最低必要なスコアになるとお考え下さい。
TOEICスコア600~750点の留学
TOEICスコアが600~700点の方々になってきますと、留学期間が1年ほどあれば十分に海外ボランティアや海外インターンを行い、就職活動にプラスとなるような経験を得て帰国することが可能になります。
中には、カレッジ等に進学し専門的な知識を学ぶ方も出てくるスコアだとお考え下さい。
TOEICスコア750~850点の留学
TOEICスコアが750点を超えてくる方になりますと、ボランティアや海外インターンシップのクオリティが大幅に上がってきます。
特に専門的な知識を学んだり海外有給インターンシップなども十分に視野に入ってきます。
一般的な大学生が行う日本のインターンシップとはまた違った経験を持ち帰ることができるとお考え下さい。
TOEICスコア850点以上の留学
TOEICスコア850点以上の留学になりますと、例えば、語学留学等の期間を敢えて1~3ヵ月作り、『その間に世界中の友人を作る』という語学学校の利用をする方も出始めます。
当然その後は、実際に留学先の方々と競い合いながら就職活動に励んだり、現地のカレッジなどに進学して真剣に専門分野を学ぶなど将来の幅は大幅に広がるとお考え下さい。
逆に言うならば現地企業での採用を考える場合、少なくともTOEIC 850点以上がなければかなり厳しいことになるとお考え下さい。
海外で働くためのTOEICスコアの目安としても850点と言う数字がわかりやすいかと思います。
大学生が留学するときに意識したいTOEICスコアまとめ

さて今回はTOEICスコアについて詳しくご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
留学経験のない方にとってTOEICと言うのは難しい英語試験のように考えられがちですが、留学に出て海外にあるその他の英語の試験を受験したことが1度でもあれば、TOEICの良心的な設計に気づかられる方も少なくありません。
特にその他の試験は、1~3ヵ月ほど真剣に勉強したところで全く変化がないというのが本音で、どれほど英語学習を継続するかが勝負となってきます。
そのため、就職活動を有利に運びたい大学生の皆様にとっては、TOEICスコアのアップはぜひ意識しておきたいものの1つであるとお考えいただければと思います。
コロナで日本の企業や就職状況、海外の状況など大きな変化が生まれましたが、この変化に負けないよう、1つずつ積み上げていただければと思います。
今回も最後までご覧いただきまして、本当にありがとうございます。