大学生が留学目的を英語にしないための3つの留学目標!
「あなたの留学目的はなんですか?」
大学生の多くは、ビザ申請の途中にある『留学目的』に関する質問を受けて、「To Study English!(英語の学習のため!)」と記載される訳ですが、大学生の皆様の留学目的って「英語学習のため!」で良かったのでしょうか?
そこでここでは、大学生の皆様に留学のクオリティが大幅に上がる『3つの留学目的』について紹介させて頂きたいと思います。
留学目的と留学目標の違いってなに?
皆様は、『留学目的』と『留学目標』は言葉として似ていますが意味は全く異なってくることについてご存じでしょうか?
国語の授業ではありませんが、最初にこの似通った言葉の意味を明確にすることから紹介させて頂きたいと思います。
目的と目標ってなにが違う?
さて、留学の目的について説明させて頂く前に、まずは『目的』『目標』という言葉が辞書でどのように定義されているのか?確認してみたいと思います。
目的とは?
- 実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。
- 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。
辞書を引くと上記のような結果になっていますが、目的を単純に解説しますと『実現させようとする物事や方向性』という意味だと分かります。
次に、目標についてはどのような意味になっているか見てみたいと思います。
目標とは?
- そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。
- 射撃・攻撃などの対象。まと。
- 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。
目標についても簡単に解説しますと、『どこかを目指すための目印や評価水準』という意味だと分かります。
つまり、目的が達成したいゴールのようなものであるならば、目標というのはゴールを目指す過程においてクリアしなければいけないハードルのようなものになるとお考え下さい。
- 目的:実現させようとする物事や方向性
- 目標:どこかを目指すための目印や評価水準
留学目的と留学目標の意味とは?
目的と目標の意味について明確に理解して頂けたところで、『留学目的』と『留学目標』の違いについても皆様の中でクリアになっているのではないでしょうか?
つまり、留学目的というのは留学の目指すゴールとなる物事のことで、一般的に「なぜ留学に行くのですか?」と聞かれた際に、「○○するためです!」という言葉(動詞)に置き換えられます。
一方で、留学の目標というのは留学の目的を達成する際に必要な指標・基準のことで、こちらは「目的達成には何が必要ですか?」と聞かれた時に、「××が必要です!」という答えられるもの(名詞)になりやすいです。
例えば、留学目的が『外資系企業に就職するため』とするのであれば、目標は『TOEIC850点以上』や『学位・資格の取得』または『コミュニケーション能力の強化』といったものになるとお考えいただければと思います。
- 留学目的を達成するための評価や方向性を確認するために目標がある!
留学目標だけの人は目的を追加する!
留学相談者の中には、「TOEIC850点以上を取得することが留学目的です!」という人がいらっしゃいますが、TOEIC850点以上の取得を留学目的とする場合、例えば、留学後1ヵ月でのスコア目標は700点、6ヵ月後には800点という風に目標を設定することになります。
ただし、多くの場合において英語力はツールであって『英語力を使って何かをすること』が目的なので、TOEICや英検というものは英語力を示す1つの評価基準となり、つまり英語力判定テストは留学目標となることが多いとお考え下さい。
そのため、もし「留学に対して目標しか設定していない!」という方がいらっしゃいましたら、是非、留学目的についても一緒に設定しておいて頂ければと思います。
私の場合は、留学の目的は「世界を旅しながら自由に働けるようになるため!」が目的なので、目標は『海外で働ける英語力の取得』になる訳ですね!
その通りです!
また目的を達成するまでのルート確認として『外国人の友人が10人以上』や『IELTS 6.5以上』という風に目標が数字になっていると分かりやすくて良いです!
大学生のための留学目的・留学目標とは?
留学目的・留学目標の違いについて紹介しましたが、それでも皆様の中には「いやいや私の留学目的は英語力を向上させることです!」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで続いては、大学生の皆様に、是非、知っておいて頂きたい『日本の英語教育改革』と『小学生・中学生の英語教育と英語力の状況』について紹介させて頂きたいと思います。
低学年化している英語教育!?
大学入試を終えると、もう受験が終わってしまいますので、英語のテストや中学校・高校の授業や教育状況について興味を持っていらっしゃらない方が多いと思いますが、実は、大学生の皆様が卒業されたことろ比べて現在の日本の英語教育は大幅に変更されています。
そこで、「何が変わったのか?」についてですが、まず大学生の皆様が小学生のころに受けた『小学5・6年生からの外国語教育』は、年齢が小学3年生へと授業対象が引き下げられ『外国語活動』となり、5・6年生からは『外国語』として必修教科になりました。
さらに中学生で覚える単語は1200語から1600~1800語程度へ増加すると共に、英語の授業は英語で行われるようになり、これまでのように日本語で英語を学ぶ環境はどんどんと無くなっていくことが決定しています。
つまり、これまで高校生に対して求められていた英語力を中学生に対して求めることを意味しており、教育の専門家によると次の改定では中学生から小学生へと年齢が引き下げられることが予想されています。
- 現役大学生が高校生のときに受けていた授業を今では中学生が受けている!
高校生レベルの英語力を持つ小学生?
英語教育は年齢が幼い頃に始めれば始めるほど伸びると言われているのですが、英語教育の開始時期が低年化する中で、これからの子供たちの英語力は4~6年もすると大幅にアップすることが予想されます。
それもそのはず、最近の小学生たち、いわゆるα(アルファ)世代と呼ばれる子供たちは、物心がつく前からiPadやタブレットを遊び道具として与えられており、2022年9月発表された株式会社やる気スイッチグループの調査結果によると、小学3年生の77.9%がプログラミングを経験しているなど状況が大幅に変化しているためです。
また、インターネットゲームばかりして家から全く外に出ないような子でも、オンライン上で海外の友人たちと一緒にゲームを楽しみながら大きくなったため、「英語での意思疎通について困ることはないです!」というケースもあるほどです。
つまり「今の小中学生の英語力は著しくレベルアップしてきている!」と考えておいて頂ければと思います。
- 現在の小学生は『プログラミング+英語教育』を受けている!
- 小学3年生の77.9%が既にプログラミングを経験している!
大学生の留学目的は英語を排除して考える?
そこで、ここにいらっしゃる大学生の皆様には、是非、「留学目的を英語にはしない!」ということを視野にいれておいて頂ければと思います。
というのも、現在の中高生のほとんどは留学目的として『英語力を伸ばす』『視野を広げる』『異文化交流をする』というものを掲げて留学に出ているため、彼らに差をつける意味も込めて大学生の皆様にはより具体的・計画的な留学目的や留学目標の設定を強く推奨させて頂きます。
- 大学生は留学目的として『英語力を伸ばす』『視野を広げる』『異文化交流をする』は避けるとよい!
2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | |
---|---|---|---|---|---|---|
中学生(A1) | 25.5 | 31.2 | 32.2 | 34.6 | 36.6 | 36.1 |
高校生(A2) | 30.4 | 31.0 | 31.0 | 31.9 | 34.3 | 36.4 |
2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | ||
中学生(A1) | 40.7 | 42.6 | 44.0 | - | 47.0 | |
高校生(A2) | 39.3 | 40.2 | 43.6 | - | 46.1 |
※ CEFR A1レベル(英検3級)相当以上、CEFR A2レベル(英検準2級)。
(文部科学省:2022年度調べ)
小中高生の英語力はそんなにレベルアップしてきているんですね!
皆様が入社されて4~6年ほど経ったとき、後輩で入ってくる人の多くは『高い英語力』と『高いプログラミングスキル』を持っていることが想定されています!
大学生の留学目的として頂きたいTOP3
それでは、いよいよ本題に入らせて頂きたいと思うのですが、目的のTOP3を発表させて頂く前に皆様に注意して頂きたいのは、『短期留学と長期留学とでは目標にセットできる量と質が違う』と言う点です。
そこでここでは、短期留学(半年以下)と長期留学(1年超)に分けて、大学生の皆様にセットして頂きたい留学目的と留学目標について、留学のプロの目線で紹介させてさせて頂きたいと思います。
3位:留学中に海外での面接体験をする!
留学先のビザ規定によって、長期留学であってもアルバイトや仕事を禁止している場合がありますが、「就労ビザがないから面接を受けてはいけない!」というルールはありません。
特に、短期留学の皆様にとっては海外で就労経験を積むことは困難なため、その一歩手前となる海外で面接を受けることを留学目的として掲げることをオススメさせて頂きます。
●短期留学の留学目的・目標の設定は?
短期留学の場合は就労が許可されていないビザにて渡航される方が多いですが、留学の目的として海外で面接を受けることを視野にいれることで、将来的に大きな財産になることをお約束いたします。
ボストンキャリアフォーラムなどのバイリンガル者向けの世界最大級就職イベントで就職活動に挑戦するのも良いですし、留学先で気に入った企業に対して自分を売り込むことを考えても良いです。
- 留学目的:就職活動を海外で行う
- 留学目標:TOEIC800点以上・完璧な英語履歴書の作成・面接3回以上
●長期留学の留学目的・目標の設定は?
次に長期留学の場合ですが、長期留学となると就労可能なビザを取得できる可能性があるため、「もしかしたら働かせて貰えるかも?」という面接に受かってしまう可能性まで視野にいれることができます。
万が一にでも採用されるようなことがあれば、本当に大きな経験になることは間違いありません。
ただし、実際に就労するところまでを目的としてしまいますと、例えば、自分自身のスキルや将来のビジョンとは全く違う業界で働くことになってしまったり、外国人労働者として厳しい環境で働かされたりする可能性があるので注意が必要です。
- 留学目的:就職活動を海外で行う(あわよくば就労経験も)
- 留学目標:TOEIC800点以上・完璧な英語履歴書の作成・面接3回以上・10社以上の採用担当と直接話す
- 競争の激しい海外で就職活動・面接を体験することを目指す!
2位:ボランティア活動に参加する!
第2位は、これまでボランティア活動に参加したことが無い人はきっと多いかと思いますが、「日本ではなく海外でボランティア活動をやってしまおう!」という留学目標になります。
ボランティアといっても国によってビザ規定が厳しかったりするケースもありますが、基本的に報酬が発生しないため、世界の多くの国や地域で幅広い活動が許可されています(子供・病院・動物などに関わるボランティアは厳しい条件があるので事前に確認する)。
また、ボランティア団体によっては『ボランティア活動証明書』を発行して貰えることもあるので、そうしたものが貰えた時には就職活動の履歴書に、是非、記載してしまいましょう!
●短期留学の留学目的・目標の設定は?
短期留学で海外ボランティア活動を目的として掲げる場合、注意しておきたいのはお金を払ってボランティア体験をする「有料のボランティアかどうか?」についてです。
大学生のボランティア体験は就職時の武器(ガクチカ:学生時代に力をいれてきた活動)としても使えるため希望する学生も多いため、例えば、ウミガメの保全や発展途上国などでの先生体験や、海外保育園などでの保育士体験などを有料のボランティア体験として公開・募集しているケースがあります。
ボランティアには変わりありませんが、実際は、ボランティアとしての労働力よりもボランティア参加費用が目的となっているケースもあるので、将来に活かすことを考えるのであれば旅行の延長線上にならないようにすることが大切です。
- 留学目的:海外ボランティア体験を積む
- 留学目標:迷惑にならない英語力の取得・ボランティア面接の体験・感謝の言葉を受けた回数
●長期留学の留学目的・目標の設定は?
長期留学でボランティア活動を視野にいれる場合、長期間に渡るボランティア活動が可能になるため、ボランティア団体や教会等によっては重要なポジションや役割を担当させて頂けることが視野に入ってきます。
そのため、アルバイトや金銭の受け取りができるインターンシップとは違ったレベルでの労働経験を積み、そうした経験を将来の就職活動や職業選択に活かすことを考えることを強くオススメいたします。
- 留学目的:海外ボランティア経験を積む
- 留学目標:戦力として働ける英語力の取得・重要な役割を担う・団体から高い評価を受ける
- ボランティア活動は「どのような役割を担ったか?」が重要!
- 「ボランティア団体が何を求めているのか?」も考えておく!
1位:海外インターンシップ経験
そして堂々の1位。やはり大学生に目的として頂きたいのは『海外でのインターンシップを経験する』ことです。
大学生の皆様には、日本での専攻外で「カレッジに進学して欲しい!」や「専門分野や資格を深めて欲しい!」といった思いもあるのですが、留学という限定された期間内で将来に大きな影響を与えるものとして断トツの1位となるのは海外インターンシップ経験です。
●短期留学の留学目的・目標の設定は?
そもそも短期留学の場合、海外インターンシップは受け入れ企業にとって仕事を教える時間を浪費するだけで無益なものになりやすいため、募集企業を探すことでさえハードルが非常に高いものとなっています。
しかしながら、地域の日系企業等によるイベントや催し物などが行われる場合、短期的にインターン生を募集していることなどもあるため、情報が豊富な留学エージェントに相談されてみても良いかも知れません。
- 留学目的:海外企業でインターンシップ経験を積む
- 留学目標:ビジネスレベルの英語力の取得・実務経験の取得・企業利益への貢献
●長期留学の留学目的・目標の設定は?
長期留学の場合、大学生の能力によってはインターンシップを歓迎している企業が一気に増えるため、実際、バリバリの海外有名企業でのインターンシップを視野にいれることも可能になります。
ただし、一般的に海外のインターンシップは本気でインターンシップ先の企業にて就職を勝ち取るために参加するケースが多いため、中途半端な気持ちで参加していると他の参加者との意識レベルの差に驚くことになるかも知れません。
しかしながら、逆に海外での長期インターンシップ経験者は、日本企業にとっては即戦力になる可能性が高い人材という風になりますので、将来を大きく飛躍させるチャンスにもなります。
- 留学目的:海外企業でインターンシップ経験を積む
- 留学目標:ビジネスレベルの英語力の取得・企業メンバーとして実務経験の取得・具体的な企業利益(売上)を出す
- 大学生にとって海外企業でのインターンシップ経験は大きな糧となる可能性が高い!
こんなところまで考えて留学するのですね!
しっかりとした留学目的を設定することで、留学の目標も固まってくることを感じて頂けたら嬉しいです!
留学目的がそれでも英語になってしまう人へ
ここまでお話させて頂いた内容をご覧になられてみても、「やっぱり私は英語力が無いし、留学の目的は英語にしかできないかな・・」と思ってしまう大学生もきっと多いはずです。
そうした方の場合、ちょっとしたことで大きな変化をもたらす方法がありますので、最後に紹介させて頂きたいと思います。
どうしても英語が目的になってしまう?
留学の目的がどうしても『英語力のアップ』となってしまうかたの場合、是非、留学中の自分の体験したことや驚いたことなどを日記やblog、それに動画としてまとめて発表することを視野にいれてみてください。
特に、題材は英語に関するものに絞って、英語で記載したり、英語で話したりして、全ては英語を使った失敗談や成功談などを発表することを目的として設定します。
そうすることによって、『英語+○○』という英語にプラスして何かを使うことを目的とした留学を設計することが可能になりますので、例えば、留学目的として「英語でYoutubeへの投稿をする!」ということを想定できるようになります。
目的が『英語+○○』なら目標は?
そして、ほとんどのかたが既にお気づきかと思いますが、留学目的が決まってきたら『目的を達成するために必要な留学目標』も自ずと見えてくるようになります。
例えば、先ほどの留学目的のように「留学期間中は英語でのYoutube動画を続ける!」というものを設定した場合、留学目標は『英語力の成長を見せるだけの学習時間』や『動画投稿数:100本以上』それに『いいね数:50以上』といったものをセットできるようになります。
意外なことかも知れませんが、英語以外の目的を持って留学に出ることって皆様が思っていらっしゃる以上に簡単なことですので、是非、素敵な留学目的をセットして頂ければと思います。
- 英語力アップ以外を留学目的にすることは意外に簡単!
ありがとうございます!
私も留学目的についてしっかり考えてみたいと思います!
本当に100人いたら100人ともが違う留学目的を掲げても良いと思いますので、是非、素敵な留学目的と目標を考えてみてください!
大学生が留学目的を英語にしないための3つの留学目標!まとめ
帰国したあとで「私の留学目的はこれだったのかも知れない?」となるケースもあるのですが、正直、帰国してから留学目的が分かってしまうというのは、とても勿体ないことだったりいたします。
というのは、留学目的や目標がハッキリしているかどうかで、限りある留学期間の中で『行動に移すまでに必要な時間』や『得られる成果の大きさ』が目に見えて違ってくるためです。
『Find purpose, the means will follow.
目的を見つけよ。手段は後からついてくる。
マハトマ・ガンジー』
ココア留学は、海外教育を通じたキャリア育成を得意としている留学エージェントになりますが、もし本格的な将来のビジョンを考えたかったり、キャリアデザインが必要になったりした時にはご相談頂ければと思います。
他社とは大きく違う留学コンサルティングを体験することになるはずです。