どうなるイギリス留学?政府発表の白書から見る未来!

「移民者は確実に減らす。管理は、かつてないほど厳しくする。」
2025年5月。イギリスのスターマー首相が移民白書を発表した際の、衝撃的な言葉です。ただの警告ではありません。これは、「これからの未来に、誰が残れるのか」という線引きでした。
動画で見たい人はこちらから!
イギリスの留学・永住権について発表された白書についてまとめた動画です!一緒にご覧いただけたら理解が深まります!
イギリスが選んだ「線引き」の未来とは?

5月12日、イギリス政府は全80ページ以上にわたる移民白書を公表しました。
タイトルは《移民制度に対する統制の回復》(Restoring Control over the Immigration System 2025)
その中で示されたのは、移民に対する方針転換だけではなく、移民とはどうあるべきかという考え方そのものでした。
イギリスのスターマー首相が「移民者は確実に減らす。管理は、かつてないほど厳しくする。」と発言したように、今回の方針は「数を減らす」「管理を強める」という明確な姿勢を取っています。
- 2025年5月12日イギリス政府は今後の留学や移民(永住権)の方針を『移民白書』として発表した!
白書が示す未来とは?
しかし、これはただの「数を減らす」ということではありません。
むしろ、イギリスという国家がこれから望むのは、「残るに値する人」「貢献できる人」「育成する価値のある人」だけを迎え入れるという、イギリスに残る人を選ぶ方向へと舵を切りました。
では、「実際にどのような内容だったのか?」その核心となる7つの変更ポイントを見ていきましょう。
- イギリスは留学生や移民者を選ぶ方針へ!

イギリスは留学も永住権も厳しくなりそうなんですね?

そう!だから、しっかりと準備していきましょう!
学生・就職・永住へ進む人へ

まず、学生ビザ・就職ビザ・永住権に関わる4つの変更点。どれも留学生やイギリスで働きたい人を直撃するものです。
①学生ビザの監視強化
今後は、半年~11か月の短期留学の学生ビザに関しても監視強化。
学校の出席状況、在留延長、就労履歴など、細かくチェックされます。
そのため、「とりあえずイギリスに行ってから何をするか決める!」というのは、ビザの変更などが厳しくチェックされることになり難しくなる可能性があります。
- ビザの監視が強化され留学計画がより重要に!
- 目的のない留学はチェックが厳しくなる可能性が拡大!
②グラデュエートルートの短縮
大学などを卒業後に2年間滞在しながら働くことができた卒業ビザ(就労ルート)は18か月に短縮予定。
「卒業後に働いて、キャリア積んで、永住権を目指す!」は難易度が上がる可能性が高い。
- 卒業後のルートが期間短縮で狭く
- 就職計画がないままの進学は注意!
③技能ビザの条件引き上げ
スキル水準は大学卒以上(RQF6レベル)に引き上げ。
給与基準も上昇し、専門学校や短大卒では、原則として就労ビザが通らない方向に。
つまり、特に大卒レベルなどのスキルを必要としない「低技能職向けの就労ビザ」は閉じられつつある。
- 仕事を選ばずに済むYMS(ワーキングホリデービザ)の価値が一気に高くなる可能性!
④永住権の要件強化
AI専門家や医師・看護師を除き、永住権の取得条件が「5年→10年」に延長される見込み。
「長く住めば永住できる」は過去の話になりそうです。
これらすべてが意味するのは、学生・卒業生・就職・永住、全ての段階において、国家が「残る価値のある人」を明確に選別し始めたということです。
- 10年に延長された場合、永住権の取得難易度は一気に跳ね上がる可能性があります

結構、厳しい内容ばかりです・・。

これからは留学生も本気で準備する時代に入ってきたことを想定しています。
大学、家族、エージェントへの大転換

学生本人だけではありません。今回の白書では、大学や家族、留学業界全体にまで、厳格な改革が示されています。
⑤大学評価制度の変更
留学生を受け入れる大学は、以下の基準を満たす必要があります:
- コース登録率:95%以上
- 修了率:90%以上
この数値を満たさない大学は「赤」ランクに分類され、留学生の受け入れが不可能になります。
「赤・黄・緑」のランク制度によって、教育機関にも『選ぶ』『選ばれる』の波が訪れそうです。
- 「どこの学校に進学するのか?」も重要に
- 学校やエージェントは留学生の出席状況のチェックも必要に
⑥扶養家族の英語要件
これまで留学生の家族はノーチェックでしたが、今後は、英語力が審査対象に。
- 入国時:A1(IELTS約3.0/TOEIC約120)
- 滞在延長時:A2(IELTS約3.5~4.0/TOEIC約225)
- 永住権申請時:B2(IELTS約5.5~6.0/TOEIC約785)
つまり、「家族の語学力」も移民の条件になるという新基準が登場しました。
- 家族もイギリスのコミュニティに溶け込むことができる英語力があるかチェックされます
⑦エージェント規制の強化
今後、すべての大学が「AQF(エージェント品質枠組み:Agent Quality Framework)」によってエージェントを管理。
悪質・虚偽申請の多い業者は提携停止。留学生の案内も不可能に。
これにより、質の低い語学学校や“裏ルート”的な留学斡旋は一掃されることになります。
- 「本当に留学生のためになる留学を斡旋しているか?」留学エージェントも選別されます

学校や留学エージェント選びも慎重にしないといけなくなりそうなんですね。

これは今に始まったことではないですが、これまでも、これからも大切ですよ!
私たちは「選ばれる人」になれるか?

もしかしたら、この白書を読んで気持ちが沈んでしまった人もいるかもしれません。
「もうイギリスには行けないのでは?」
「留学で人生を変えたかったのに」
でも、今は、ここで一度立ち止まって、違う視点で考えてみてください。
イギリスは留学生や移民をゼロにしたいわけではありません。
むしろ、「どんな人なら迎えたいのか?」という理想像を段階的に示してくれたと考えたら一気に目の前が開けるのではないでしょうか?
- イギリスに残すべき人を白書が示してくれている!
イギリスが求める人物モデル!
イギリスが求めていると考えられる人物モデルを以下にまとめました。
- 学生なら、しっかり学ぶ意思のある人
- 卒業生なら、社会に貢献できるスキルのある人
- 永住を希望するなら、社会の一部として共に生きられる人
これは、ある意味でチャンスを示してくれたという風にも見てとれます。
というのも、これまでは「誰にでも開かれていた」というのがイギリスのスタイルでしたが、これからは、「留学の段階からちゃんとした人だけが来れる国」へとシフトしていこうとしているからです。
つまり、中途半端な気持ちで留学に来る人は激減するので、やる気の維持もしやすくなりますし、やはり何と言っても、一緒の目標を目指して頑張る友達が増えるというのは最高によいです。
- イギリス留学がブランド化する可能性!
- イギリス留学経験者の価値が上がる可能性!
イギリス留学の準備ステップ!
これからのイギリス留学のための留学準備スケジュールを作ってみたので、よかったら参考にしてみてください!
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- Step.1 留学相談をスタート【留学6~8ヵ月前】
- 留学相談をスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
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- Step.2 留学計画を立てる【留学3~6ヵ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
特に社会人は帰国後のルートが狭くなる可能性もあるので注意。
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学3~5ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.5 ビザ手配をスタートさせる【留学1~5ヵ月前】
- 留学プランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
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- Step.6 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
- 会社の退職時期の調整と航空券や保険の手配
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- Step.7 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 会社の退職・留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Last Step 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
どうなるイギリス留学?政府発表の白書から見る未来!まとめ

今回の白書は、まだ“方向性”を示した段階で、法律の施行はこれからですし、議会での議論も残っています。
でも、方向性は見えました。
それは、「覚悟と実力のある人を求める未来」です。
あなたが今、悔しさや不安を抱えているなら、それは「動こうとした証拠」です。
ならば、ここからです。
何をすればいいか? 何から始めればいいか?
移民白書は、今回、政府が動かなかったとしても、長い目で見ると政府が動く方向を高い確率で示したものになります。
ですので、これに沿った留学を作っておけば、それ相応のことがない限り、将来的に不安定になる可能性を軽減できることにも繋がります。
今回の政府の発表白書の内容は変わりません。変わるのは「あなたがどんな気持ちでこの白書を受け取るか?」だけです。
もし準備が必要ならば、一緒に準備もさせて頂きますので、ゆっくり確実に歩んでいきましょうね!