カナダへ永住・移民しやすい年齢があるって本当?
カナダで永住権を取得したり移民を考えていらっしゃる方にとって、海外での生活は容易なことでは無いため、意欲的な意味では年齢が大きく関係することもあるかと思います。
しかしながら、あまり知られていませんが、実は、永住権取得と申請者の年齢は、意志や意欲だけでなくカナダの法律においても関連性が定められています。そこでここでは、そうしたカナダの永住権と年齢の関係について詳しく解説をしていきたいと思います。
カナダの永住権申請と年齢ポイント?
カナダの永住権申請について知っていらっしゃる方もいると思いますが、実は、「ポイント制度」が設けられており、永住権申請の可能性についてはExpress Entry Systemのポイントによって左右されるため、「Express Entryにて何点取れるか?」が大きなキーポイントになります。
そんなカナダのExpress Entryのポイントについてですが、カナダでの雇用(ジョブオファー)無しで得られるポイントは『最大ポイントが600点』と定められており、その600点の内訳として年齢ポイントが入っています。
つまりは、カナダへの移民は年齢によって永住権取得しやすい・取得しにくがあると言うことを意味します。
私の年齢でカナダ移民はしやすい?
そこでまずは、皆様の年齢ではExpress Entry Systemに加算される点数が何点になるか?以下の「Express Entry Systemの年齢ポイント表」にて確認して頂ければと思います。
年齢 | 配偶者・コモンロー有り (最大100 points) |
配偶者・コモンロー無し (最大110 points) |
---|---|---|
17歳以下 | 0 | 0 |
18歳以下 | 90 | 99 |
19歳以下 | 95 | 105 |
20~29歳以下 | 100 | 110 |
30歳以下 | 95 | 105 |
31歳以下 | 90 | 99 |
32歳以下 | 85 | 94 |
33歳以下 | 80 | 88 |
34歳以下 | 75 | 83 |
35歳以下 | 70 | 77 |
36歳以下 | 65 | 72 |
37歳以下 | 60 | 66 |
38歳以下 | 55 | 61 |
39歳以下 | 50 | 55 |
40歳以下 | 45 | 50 |
41歳以下 | 35 | 39 |
42歳以下 | 25 | 28 |
43歳以下 | 15 | 17 |
44歳以下 | 5 | 6 |
45歳以上 | 0 | 0 |
上記のようにExpress Entry Systemの年齢ポイントは、20代を過ぎると1年ごとにポイントが下降していき45歳以降は0となってしまいます。
Express Entry Systemによる申請可能となる合格ポイントは移民局の行う抽選会の度に変わりますが、平均して合格ポイントが400点台を推移していることを考えますと、年齢ポイントが占める割合が非常に大きいことを示しております。
経済クラスにおける年齢によるポイントとは?
さて、上記のExpress Entry Systemでの年齢ポイントについて実際にチェックされて、いろいろな思いを思われた方がいらっしゃるかと思いますが、永住権取得に向けての年齢との関連性はこれだけに留まりません。
実は、Express Entry Systemは永住権申請の通過点でしかなく、Express Entryにて合格点を満たした上で「申請するプログラム」があり、そのプログラムの1つである「Federal Skilled Worker(熟練労働者)」の場合、Express Entry Systemのポイント制とは異なってくるため注意が必要になります。
いろいろと複雑な話をしても分かりづらくなりますので、まずは、実際に以下の「経済クラスでの年齢ポイント表」をご覧ください。
Federal Skilled Worker(熟練労働者)とは?
年齢 | ポイント |
---|---|
18歳未満 | 0 |
18~35歳 | 12 |
36歳 | 11 |
37歳 | 10 |
38歳 | 9 |
39歳 | 8 |
40歳 | 7 |
41歳 | 6 |
42歳 | 5 |
43歳 | 4 |
44歳 | 3 |
45歳 | 2 |
46歳 | 1 |
47歳以上 | 0 |
経済クラスプログラムにて申請する場合100点満点中67点以上であれば申請可能になりますが、こちらのプログラムは仕事に従事することによりカナダ経済等への貢献することが求められているので、年齢についてはより厳しく制限が加えられています。
そのため、年齢に関しては最大12ポイントが割り振られている中で、18歳~35歳までは年齢の項目で最大ポイントの12ポイントがもらえ、36歳以降年齢が上がるごとにポイントは下降していきます。
移民局機関(Centralized Intake Office)がアプリケーション申請を受理した時点での年齢に応じてポイントが与えられるようになっております。
起業家クラスにおける年齢によるポイントとは?
さて、先ほどまでは経済クラスにおける移民点数への年齢加点についてお話してきましたが、続いては経済クラスとは違い、起業家クラス(経営者)の場合についての年齢加点について言及していきたいと思います。
例えば、カナダのブリティッシュコロンビア州にて起業家クラスの申請する場合、ビジネスオーナーとして経験が長い40歳~60歳の点数が他の年代に比べて加点が高く設定されています。こちらもまずは、以下の年齢ポイント表をご覧ください。
年齢 | ポイント |
---|---|
20歳以下 | 0 |
21~39歳 | 3 |
40~60歳 | 4 |
61~64歳 | 2 |
65歳以上 | 0 |
起業家クラスでの申請は(ブリティッシュコロンビア州の場合)、他の項目も合わせて200点満点で、130~145点あたりが合格点となっております(合格点は経済クラス同様に毎回推移します)。
カナダの永住権申請と年齢別のまとめ
上記の内容を踏まえて、年齢別にカナダへの移民に対する難易度を評価してみたいと思います。
20代~30代
20代~30代は経済クラスの永住権申請をめざす上で有利な年代と言えるますが、もちろん年齢だけでなく、こちらの年齢の方はスキル面、例えば、語学力・学歴・職歴等が基準点に到達しないケースが考えられます。
そのため、合格点を満たさない方は、カナダからのジョブオファーによるポイント加算が必須になりますが、年齢によるアドバンテージが寄与している間に申請を行っておくのが良いです。
また、20代~30代は、国際結婚で家族呼び寄せクラスで申請をする場合も多いですが、国際結婚の場合には年齢は関係無いため何歳であっても申請可能です。
40代
40代前半と40代後半では加算されるポイントが大きく変わってきますが、こちらの年齢になりますと比較的に高いスキルレベルが必要になるため、ご自身がどのくらいの点数があるかをまずは計算をしてみることが大切です。
また、40代も20代~30代同様に点数が合格点に満たない場合は、カナダの雇用主からのフルタイムのジョブオファーが必要になりますので、申請を考えていらっしゃる方はカナダで仕事が得られるようにしっかりと準備して頂ければと思います。
他に、40代の方の傾向として起業家として永住権を申請する方もいらっしゃいますが、こちらの起業家クラスでの申請の場合、ビジネスオーナーとしての経験が長くなってくる40歳~60歳は年齢の項目だけでなく、ビジネス経験の長さの項目でも加算がありますので永住権のチャンスが大幅に広がります。
シニア層(リタイア後)
シニア世代の方がカナダ移民を考えられる場合、既にお子さんやお孫さんがカナダの永住権もしくはカナダの国籍を持っていれば、家族呼び寄せクラスでご両親と祖父母までのビザサポートをすることができます。
また、ご両親・祖父母のためのスーパービザというプログラムでは、2年ずつ更新して最大10年間カナダに滞在することができ、スーパービザは永住権取得より容易で申請時間が短いので、こちらの申請を考えるのも良いです。
しかしながらこの場合、カナダの健康保険は入ることができないため、健康保険はご自身での負担となりますので、まずは健康にご留意頂くことが必須と言えます。
シニア世代の特徴としては、日本に近くカナダ国内で比較的暖かい場所で生活をされたい方が多く、リタイアした方に人気の都市としては、ブリティッシュコロンビア州のビクトリア市やネルソン市などが挙げられます(カナダにいる日本人は約6万人でそのほとんどがブリティッシュコロンビア州・オンタリオ州・アルバータ州に住んでいます)。
カナダ移民後の老後の生活はどんなの?
カナダでの老後の生活は人によっても違いますが、一般的に大切なことは日本同様に「健康であるか?」「親しい知り合いがいるか?」「経済的に安定しているか?」です。 カナダで永住権を取得すると医療費は無料になり、住む市によって違いますが、バンクーバーでは日本へ直行便で行ける一番近いカナダの都市であることから、春には桜が咲き、カラオケ大会、県人会があったり、日本のお祭り、和食のお店もたくさんあり、日本の文化を感じることができ、日系の老人ホームまであります。
日本と比較してどう?と言うわけではありませんが、もしかするとカナダに住んでいる日本人のお年寄りは、好きなことをしたり、恋愛もしたりして、のびのびと自分らしく暮らしていらっしゃる方が多いという印象を受ける方が多いと思います。