大学生留学

ガクチカで留学経験がアピールにならない理由とは?

「ガクチカで留学経験がアピールポイントにならないんですか?」と言うご相談を、大学生の皆様から受ける機会が増えてきました。

そこでここでは、そもそも『ガクチカ』って何?と言うお話から、留学経験がアピールにならない理由と対策について詳しく紹介させていただきたいと思います。

そもそもガクチカとは?

大学生の皆様の多くは既にご存知だと思いますが、「ガクチカって何?」と聞けない方のために、まずはガクチカの意味について説明させていただきますね!

ガクチカとは?

ガクチカとは、就職活動の面接時に聞かれる『学生時代に取り組んできたこと』や『大学生の時に頑張ってきたこと』と言う意味で、学生時代に力を入れてきたことの略称になります。

就職面接では、面接官は学生時の活動や取り組んだこと、力を入れてきた事を知ることで、「就職希望者がどのような事に興味があって、どのくらい努力してきたのか?」を判断しようとします。

やはり、毎日遊んできた学生よりも、スポーツや研究などに没頭していた学生の方が、ストレス耐性が高かったり、仕事に対する姿勢も真面目な傾向にあるため、『ガクチカ』が企業面接において非常に大きな評価ポイントになっています。

  • ガクチカとは学生時代に力をいれて取り組んできたことの略
  • ガクチカは就活において大きな評価ポイント

ガクチカで留学がアピールにならない?

そうした中で、面接時にガクチカについて答える際、留学について語ることは、あまり好印象とはならないケースが多いということを、皆様はご存じでしょうか?

そこで続いては、「なぜ留学が就職面接でアピールポイントにならないのか?」と言うポイントについてお話しさせていただきたいと思います。

●ガクチカで留学は加点にならない?

大学生の多くは、企業面接の際「ガクチカで留学について語れば加点してもらえるはず!」という風に考えているのですが、実際は、企業によって留学経験はマイナス評価にもなります。

と言うのも、留学経験者の多くは『海外の働き方事情』について学んで帰国しているため、日本の労働時間の長さや給料について疑問を感じている人も少なくないためです。

そのため、「長期間働いてくれる人材を雇用したい」と考えている企業にとっては、海外経験のある優秀な人材であったとしても、『離職しやすい人』と判断されるケースもあり、留学経験が就職活動でまさかのマイナス材料になってしまうこともあります。

  • 留学経験が就職時にマイナス評価になることもある
  • 海外の文化に慣れすぎると日本の就職基準に合わなくなることもある
卒業後3年以内離職率上位5産業
  高校生   大学生
宿泊業,飲食サービス業 62.6% 宿泊業,飲食サービス業 51.4%
生活関連サービス業,娯楽業 57.0% 生活関連サービス業,娯楽業 48.0%
小売業 48.3% 教育,学習支援業 46.0%
教育,学習支援業 48.1% 医療,福祉 38.8%
医療,福祉 46.4% 小売業 38.5%

※ 就職後3年以内の離職率は新規大卒就職者32.3%
(新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者):2023年度発表)

留学生

留学に行ったら日本で働くのって辛くなるんですね・・。

COCOA

海外の『労働者の強さ』や『時間になったら即退社!』などの文化を知ってしまうと、長時間労働に対して疑問を感じてしまう人も多いようです。

短期留学が企業面接のマイナスに繋がる?

次に、ガクチカで留学がマイナス評価につながる最大の理由として、『留学経験者の大多数が短期留学経験者である』というポイントについてご紹介させていただきます。

短期留学経験者も留学経験者?

もしかすると、こちらにいらっしゃる大学生の皆様もご存知だと思いますが、短期留学は1週間~3ヵ月ほどの留学のことで、その中身は語学留学と言う名の海外旅行や海外滞在体験となっているケースがほとんどです。

どうしても短期の海外滞在では語学力に関する伸びを期待することは難しく、生活に慣れるだけで留学期間が終わってしまい、将来に活かすことができるスキルや技能を得られずに帰国される方が大部分となっています。

そのため、国際部門を持っている企業の採用担当者の中には、過去に、『留学経験者=語学ができる』という風に考えて採用をした人材なのに、「一緒に働いてみると語学が全くできなかった・・」と、期待を裏切られてしまった経験を持っているケースも珍しくありません。

そうした採用担当者の過去の経験から、短期留学にマイナスイメージを持っている人も少なくないのでちゅいが必要です。

  • 短期留学では語学力の伸びを期待することは難しい
  • 短期留学はスキルや技能を得られずに帰国される方が大部分

短期留学では異文化交流も厳しい!?

また、大学生の多くは留学目的として『異文化交流』を掲げていらっしゃるケースが多いですが、短期留学では『日本と違う文化を知る』というところまでは行けても、なかなか『異文化交流をする』という段階までは到達できないのが現実となっていたりします。

そのため、『短期留学経験者=コミュニケーション能力が高い』という風にも期待することができないことから、短期留学をガクチカとして語る学生に対して採用担当者の目は厳しくなってきています。

確かに、企業側の採用担当者の立場になって考えてみると、『仕事は直ぐ辞めてしまうし語学力も無い』さらに『コミュニケーション能力も高いとは言えない』という、留学経験者に対してマイナス評価が広がっていることについて理解ができるような気がします。

  • 大学生の留学経験者の90%以上が3ヵ月以下の短期留学
  • 短期留学体験をガクチカとして発表するのは注意!
留学生

留学に行きさえすれば就職が有利になると思ってました!

COCOA

留学生の多くが就職を希望している外資系や海外系の部門を持った企業は、面接官もまた留学経験者であることが多いため注意です!
留学経験では無く『留学内容が評価基準』になっています!

大学生の留学割合は?

大学生の留学について、どれくらいの人たちが行っているのか?ご紹介させて頂きました。なかなか、こうしたデータは無いので良かったらご覧ください!

大学生の留学経験者の割合3%!大学生がヤバイ本当の理由!

海外大学生のガクチカの凄さとは?

「ガクチカと留学の相性は非常に悪い」という現実について知って頂いたところで、今回、こちらにいらっしゃる皆様には、是非、ガクチカで留学をアピールできるようにして頂きたいと思っております。

そこで海外の大学生に目を向けてみて、例えば「イギリスのケンブリッジ大学の学生はガクチカのため何をやっているのか?」というお話をさせていただきたいと思います。

  • 世界TOPランキングの大学生はガクチカで何をしてる?

ケンブリッジ大学生のガクチカ

イギリスの超名門大学であるケンブリッジ大学の学生に対してガクチカについてのインタビューをすると、「学生の間にしか経験できないことをやる!」という返事が返ってきました。

この「学生の間にしか経験できないことをやる!」という回答は、質問をした学生が『特別優秀』と言うわけではなく、大学全体に浸透している空気がそういうものになっているのだそうです。

そのため、例えば、ケンブリッジ大学やハーバード大学と言った大学の学生たちに対して、「賃金はゼロだけど生活費は支払うので日本に来て社会貢献となるボランティア活動をしてみませんか?」というオファーを出すと、なんと無償で何十人もの優秀な候補者が直ぐに集まります。

もちろん、直ぐに候補者が集まった理由は、「アジアでボランティアする経験は学生の間にしかできない貴重な経験だ!」と多くの大学生が考えているためです。

●超名門大学生のボランティア経験とは?

また、そうして集まった学生たちへの面接で、「これまでどのようなインターンシップやボランティアを経験したか?」という質問をすると、大手テレビ局や世界的に有名な証券会社でのインターンシップを経験をしている人たちばかりだったりします。

もちろん、世界を見ても超名門レベルまでのインターンシップやボランティア経験を目指す大学生は少ないのですが、頭の片隅で構いませんので、世界には高い目標を掲げて学生生活を送っている大学生がいることを置いていただけたらと思います。

  • TOPレベルの大学生は大手テレビ局や証券会社などでインターンシップを経験している!
  • AmazonやMicrosoftなどのインターンは月収100万円を超えている!
留学生

そっか!
ケンブリッジの大学生は学生の間しかできない特別な経験を求めているんですね!

COCOA

ガクチカで困らないように『学生時代にしかできない経験を積むこと』を視野に入れてみてくださいね!

大学生の皆様へ

大学生の皆様に向けてココア留学ではメッセージを作成させて頂きました。良かったらこちらも合わせてご覧になって頂けたら嬉しいです!

留学・ワーホリしたい大学生の皆様へメッセージ!

ガクチカで留学をアピールするには?

お待たせいたしました。それでは本題となる『留学をガクチカとしてアピールする方法』についてお話しさせていただきたいと思います。

短期留学は避ける?

まず、短期留学のほとんどが夏休みや春休みといった長期休暇を利用して渡航される方がほとんどなのですが、そもそも大学の長期休みは企業インターンシップの期間と重なってしまいます。

そのため、企業目線で考えますと、どうしても先にお話した離職率の高い留学経験者よりも、国内で自社のインターンシップを経験してくれた学生のほうが魅力的に見える事は間違いありません。

そこで、大学生の皆様が留学に出られる際は、できるだけ短期留学という選択肢は避け長期での留学経験を積むことをオススメいたします。

特に、日本では1年以上の長期留学経験者は大学生全体の1%ほどしかおらず、単純に1年以上の留学経験を持っているだけでも、就職活動で大きなアドバンテージになることは言うまでもありません。

  • 短期留学をするなら企業インターンシップのほうが就職は有利に!
  • 留学を希望される場合は長期留学のほうが就職は有利に!

語学留学はもう古い!?

次に、「語学力を身に付けるために留学経験をした!」という大学生も多いのですが、実は、語学留学をしたほとんどの人の語学力はビジネスレベルに到達していないと言う現実について、企業の採用担当はよく知っています。

そこで大学生の留学では、語学留学のさらに先まで考えることを強くオススメさせていただきたいと思います。

それは例えば、日本ではなく海外企業でのインターンシップ経験や海外大手企業での就労経験、また海外NPO法人でのボランティア経験などが、大学生にとって語学留学を超えた留学となります。

●語学+○○の重要性!

少なくとも語学留学の領域でとどまるのではなく、ぜひ『語学+○○』と言う形で、留学を通じて体験レベルではなく経験レベルとして日本に何かを持ち帰ることを考えて頂ければと思います。

こうした1歩だけで良いので進んだ留学を経験していただければ、必ず皆様のガクチカが留学であったとしても企業担当者の目に留まりますので、内定発表時には歓喜の声をあげて頂けることになるはずです。

  • 大学生の留学は語学留学だけで終わらない!
  • 『語学+○○』という経験を積んでくること!

ガクチカで留学をアピールにする流れ

  1. Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~10ヵ月前】
    留学相談をスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
  2. Step.2 休学計画を立てる【留学6~10ヵ月前】
    短期留学を避けるためには休学が必要。学校の休学は提出のタイミングがあるため先に行います
  3. Step.3 留学計画を立てる【留学3~8ヵ月前】
    必ず自分の強みと経験したい内容を考え留学に取り入れる
  4. Step.4 留学カウンセラーに本格相談【留学3~8ヵ月前】
    相談に乗ることができる留学カウンセラーはかなり少ないので注意!
  5. Step.5 学校の申し込みを行う【留学3~5ヵ月前】
    学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
  6. Step.6 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
    カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
    (※ ビザ状況に遅れが出ている場合は更に6~8ヵ月前に動きます)
  7. Step.7 航空券・荷物の準備をする【留学3ヵ月前】
    航空券や保険の手配をして本格化させる
  8. Step.8 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
    留学の方法によって手続きが変わるので留学カウンセラーに相談する
  9. Step.9 荷物をパッキングして出発!
    荷物の最終チェックをして留学に出発します!
    留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
留学生

私も他の人に負けないようなガクチカが語れるような留学にします!

COCOA

コロナの影響もあってガクチカに不安のある大学生の皆様も、是非、留学のプロにご相談されてみてください!

ガクチカで留学経験がアピールにならない理由とは?まとめ

ここでは、『ガクチカ』と留学の関係について詳しくお話しさせていただきましたが、就職志望の学生の皆様に届きましたでしょうか?

実は、留学が就職活動にマイナスな影響を与えるようになってしまったのは、『短期留学』と言う言葉を作り出し、本気で海外留学をされていた人の『留学』とレジャー目的で海外に出ていく『海外旅行』の境界線をなくしてしまい『留学経験者』と1つの言葉にまとめてしまった、我々、留学エージェントに大きな責任があります。

本当に、深く反省いたしております。

また、世界にはそもそも『短期留学』という言葉が存在しない国もあり、日本人の短期留学に対して「え?それってバケーションじゃないの?違いはなに?」と言われてしまうこともあり、日本人の留学はドンドンと肩身の狭いものになってきています。

そこで、こちらにいらっしゃる皆様のうち1人でも良いので、今回のお話を通じて「留学の質を高めたい!」や「もっと留学の内容にこだわりたい!」と思っていただける大学生が出てきて頂ければと願っております。

そして、最後にこんな誰のためになるのかも分からない、留学と教育のお話に最後まで付き合っていただいた皆様に心より感謝申し上げます。