永住権を目指す留学に出る前に知っておきたいTOP3
世界には移民の受け入れを積極的に行い、日本人に対しても永住権資格を提供してくれる国があります。
そうした中、海外永住権を目指すために留学へと出る人が増えているのですが、ここではそんな永住権の取得を志す留学生の皆様に、ぜひ知っておいていただきたいことを紹介させて頂きたいと思います。
永住権留学の相談者が急増中?
コロナのパンデミック以降、ココア留学への留学相談者の約80%が、海外永住権を志す留学生となりました。
それもそのはず。
永住権の取得を目的とした留学を作る難易度は非常に高く、1国だけならまだしも、世界中の英語圏の国々についての経済や職業状況についての知識をカバーして、将来を想定した留学をサポートすることができる留学会社が他にはなかなかないためです。
日本の将来性が心配になった!?
次に、海外移住を希望している留学生が急増している最大の理由として、「日本の将来が不安になったから・・」とおっしゃる方も増えてきていて、コロナやオリンピックまたは税に対する日本政府の対応についての不満を口にされるケースも少なくありません。
ただし、ここで注意していただきたいのは、海外で永住権資格取得の留学を考えていらっしゃる方の中には、永住権を生涯の不安から解放される黄金のチケットのように思っていらっしゃることもあるのですが、時に、理想と全く逆の状況になることも珍しくないことについてです。
- 永住権はゴールデンチケットではない!?
永住権を取得したら生活や将来に関しての悩みが解決すると思っていました・・。
実は、理想通りにいかないケースも少なくないので注意したいところです!
永住権がゴールになる留学生
永住権取得を目指す留学生のほとんどは「私の夢は海外で永住権を取得することです!」とおっしゃられます。
そうした方は、是非一度、自分に対して「たとえ海外生活が貧乏生活と隣り合わせだったとしても永住権を目指すのか?」と問いかけて頂ければと思います。
永住権取得者の生活は厳しい?
海外で永住権資格を取得されていらっしゃる方のお話を聞けば直ぐに分かると思うのですが、永住権取得者の多くは永住権資格を持っていても選挙権などは持っておらず、海外で長期滞在を許可された外国人として生活しています。
そのため、日本でコンビニやUber Eatsの配達員として時間給や歩合制で働いている外国人と同じように、海外で『外国人』として安定した生活を送れている日本人は少なく、「生活は厳しいです・・」とおっしゃるかたも少なくありません。
また、中にはアジア人差別を受けなかなか就職ができない方もいらっしゃったり、海外でゆっくりした生活を想定して移民したのに、「日本で働いていたとき以上に休みが無い!」という方も少なくないなど、理想とは異なっているケースもあります。
- 海外で貧困生活を送る永住権を持った日本人も少なくない!
永住権がゴールの危険性?
そうした中、「夢は永住権の取得です!」とおっしゃる方の多くは、どうしても永住権を取得することだけが目的となってしまい、永住権を取得した後の生活まで、しっかり意識されているかたは非常に少ないです。
例えば、永住権を取得するためだけに「永住権取得に有利だから!」といって介護士を目指すかたも少なくないのですが、日本人よりも大きな体をしている外国の要介護者となっている老人たちに対して、「はたして何年間に渡り重労働となる介護を提供できるか?」についても視野にいれておく必要があります。
というのも、海外では日本とは違って簡単にキャリアチェンジすることはできないため、1度、介護士としてキャリアをスタートしてしまうと、たとえ永住権を取得したとしても、その後の転職は困難になるためです。
また、生活苦やキャリアチェンジの難しさを理由にして日本へと帰国することになってしまった場合にも、新しいキャリアをスタートさせようとしたときには、給料や収入面での安定を期待することはできないので注意が必要です。
- 海外はキャリアチェンジが難しいことも忘れない!
日本では一流企業でバリバリ働いていた人も海外で貧困層になってしまっているケースがあると聞きました!
アメリカ・カナダ・オーストラリアなど、皆様が希望される永住先では、必ず、世界中から優秀なライバルが集まってきていることも忘れないでください!
永住権留学に必要なTOP3
さて続いては、いよいよ『永住権を目指す留学に出る前に知っておきたいTOP3』についてのお話をさせていただきたいと思います。
これからお話しさせていただくTOP3は永住権取得に最も関わってくる3つの要素であり、永住権取得後の生活にも大きく影響するものになります。
是非、留学前にご覧になっておいていただければと思います。
3位:時間(年齢)
まず「自分の年齢が何歳なのか?」そして「永住権取得までにどれぐらいの猶予があるか?」または、万が一永住権を取得できなかった場合、もしくは権利を放棄した場合、「日本に帰ってきた時の年齢は何歳になるのか?」について考えておいてください。
一般的に海外永住権の取得は留学開始から4~5年は必要になるため、例えば、30歳の方が海外永住権の取得を目指す場合、万が一途中で挫折したり、海外の生活に合わないなどの状況になったとすると、帰国時の年齢は34~35歳になっています。
当然、30代中盤になってくると中堅社員からベテラン社員の領域へと入ってくるため、海外生活中にキャリア育成ができていない場合、帰国後は生活や金銭面で思わぬ苦労が待っている可能性は非常に高いです。
特に、30代中盤以降は表向きには求人募集されていても、裏の採用規定にある『年齢』という部分で引っかかってしまい書類選考落ちが多発するなど、実質、募集される仕事数は激減しているので注意が必要です。
- 永住権を目指すと『時間』との戦いになる!
- 25歳までに留学しているのがベスト!
2位:スキル(英語力だけじゃない)
次に、先程のキャリアに通ずる話になるのですが、例えば、永住権申請のために海外で英語のみに注力をした留学を行った場合、現地での仕事はもちろんですが、万が一の帰国時の就職先についてもかなり絞られてくることになってしまいます。
というのも、海外での就職では、日本以上に学位・専攻(コース)・資格・人脈が重要視されていて、「英語はネイティブレベルに話せて当然!」という環境において、英語力は評価対象には入らないためです。
また、永住権を諦めて日本に帰国するようになった場合には、日本国内において英語を使った仕事や英語を活かすことができる仕事と言うのは数が限られているため、こちらもまた職探しが困難になる可能性が高いです。
年齢を重ねてくると職業選択の自由が無くなってくるのは万国共通なので、英語力は当然のこととして何かしらのスキルを磨いておかなければ、30代中盤からのチャンスは大幅に減ってくることも頭の片隅に置いておいていただければと思います。
- 英語だけにフォーカスを当てているとチャンスが縮小することも!
1位:費用
そして、もっとも大切なものは言うまでもなく費用つまり『お金』についてです。
永住権取得を目指される方のほとんどは、永住権を目指すことのみに注力してしまうため、費用は永住権が取得できた段階で底をつきてしまいます。
そのため、例えば、それなりの生活ができる給料の良い仕事に就くことができずに、毎月、少しずつ貯金を取り崩した生活をしていると、当然のことながら海外生活は困窮していってしまいます。
永住権取得後も安定した収入が得られるように、留学に出る前から自身のスキルに投資できるような状況を作ることを忘れないようにしてください。
- 永住権の取得を人生のピークにしない!
完全に永住権しか見えていませんでした・・。
ほとんどのかたが同様の状況なので注意してくださいね!
永住権取得留学の流れ
それでは最後に永住権取得留学の流れについて、1つのモデルケースを案内させていただきたいと思います。
永住権取得留学の流れ
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- Step.1 永住権留学を個別に作りあげる
- 永住権留学はどうしても個別にオリジナルの留学を作らなければ不可能です
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- Step.2 留学先で英語力を上げる
- 少なくとも海外で勤務できるほどの英語力を身に付けます。
(目安TOEIC 850点以上、IELTS6.0以上)
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- Step.3 資格や学位を取得する
- 永住権取得先の国での資格や学位は就職や将来の生活にとって非常に有益なものになります。
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- Step.4 海外で勤務経験を稼ぐ
- 留学で取得した資格や学位を使い海外で就労経験を稼ぎます
(ワーキングホリデービザは、万が一、永住権取得が厳しくなった場合の最後の切り札として置いておきます)
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- Step.5 永住権取得後は?
- 永住権を取得した職業でのキャリアを伸ばすような留学計画にします
(取得した資格と伸ばしたキャリアと別の仕事に就職した場合、今度は金銭的に生活困窮者になる可能性を避けるため)
- 留学や永住権はゴールではない!
たしかに最低限の暮らしができないなら、海外の生活は楽しくないですもんね・・
キャリア育成やプランニングは慎重に行う必要があるので、海外就職に詳しい専門家のアドバイスを受けることも忘れないでください!
永住権を目指す留学に出る前に知っておきたいTOP3まとめ
今回は永住権取得を目指している皆様に、実際に永住権の取得を目指した留学に出る前の心構えについてお話しさせていただきました。
留学される国によっては、当然のように職業差別や人種差別といったものに巻き込まれる可能性があります。
例えば、「日本人はビザのために安い賃金でも働く!」という弱い立場を利用されて、法律で定められた最低賃金以下で雇われながら永住権を目指していたり、劣悪な環境や危険な現場で働かされたりしている日本人は、皆様が想像している以上に沢山います。
しかしながら、「ビザのため!」とはいえ、当然ですが、こうした状況に対して納得しながら働いている方は1人もおらず、皆、「耐えている・・」というのが現実です。
こうした状況を避けるため、もしくは少なくとも日本と同等の生活水準を移民後の生活でも実現するためにも、留学計画に関しては必ず慎重に作っていただくことを強く推奨させていただきます。
そしてもし、将来のキャリアに悩んでいたり留学計画作成に困ることがありましたら、ココア留学へとお気軽にご相談いただければと思います。