大学生が留学でアルバイトが絶対NGな3つの理由とは?
大学生から「留学の期間中にアルバイトはできますか?」という質問が、当たりまえのように聞かれるようになってしまいました。
以前の大学生から良く聞かれた質問としては「滞在先はホームステイとシェアハウスだと、どちらが節約できますか?」や「帰国の際に他の国を経由して帰ることも視野に入れたいのですが航空券はどうやって手配したら安くなりますか?」と言った、『留学費用を節約する!』といった内容が主軸となっておりました。
「だって節約するよりもアルバイトした方が稼げるし効率が良いじゃん!」このように考えるのは当然ですよね?
そこでここでは、「大学生が留学中になぜアルバイトしたいと思うようになったのか?」と言うお話と「大学生ならば絶対にアルバイトをしない方が良い理由」について詳しく解説してみたいと思います。
他ではなかなか聞くことのできない、「留学や教育のプロが何を考えているのか?」その考え方をご覧ください!!
大学生から留学時のバイトに関する相談が増えた理由!
最近では、大学生の皆様からは「留学期間中にアルバイトができるかどうか?」という、ご相談を100%お受けするようになっているのですが、このような状況になり始めたのは、ほんの5~6年以内のことだったりします。
そこでまずは、「大学生からなぜアルバイトに関する質問が増えたのか?」3つの理由についてお話させて頂きたいとおもいます。
大学生が貧乏になった?
日本では大学無償化やが導入されたり授業料の減免により、「少しは大学生も金銭的な余裕が出てきているのでは?」と思っている保護者の方もいらっしゃると思いますが、実際は、支援対象となる世帯年収が460万円以下だったり、資産基準が設けられていたりして、ほとんどの家庭においては減免対象となっていないのが実態です。
その一方で、独立行政法人日本学生支援機構が2022年3月25日に発表した『令和2年度学生生活調査』によると、約半数となる49.6%の学生が奨学金と言う名の返済が必要な教育ローンを借りている状況にあることが分かります。
また、10年前の学生と比べて実家からの仕送りが30万円減っていると言うことがある一方で、コロナ以降は生活費もドンドン上がってきていて、留学を希望している大学生たちから「お金が無い!」という切実な声を聞くことが増えました。
- 大学無償化の対象基準は厳しく家族からの仕送りは減っている
- お金のない大学生が増えている
海外の物価が想像以上に上がっている?
しかしながら、仕送りが減っている事実は間違いない訳ですが、実は、留学を考えた時に大学生が苦しむことになる最大の理由が他にもあります。
その最大の理由というのは、「留学先の物価が大幅に上がった!」と言う点になります。
例えば、これまで『安い』と言われていたフィリピン留学を考える大学生から「意外にフィリピン留学って安く無いんですね?」と言う言葉を聞くようになったのですが、それもそのはずフィリピンの物価はアジアで最速レベルの上昇を見せており、2018年度はたった1年でフィリピンの食費が1.6倍にも値上りしています。
これがどういうことか分かりますでしょうか?
もう少し分かりやすくすると、大学1年生の時に学食で650円で食べていた豚丼が、大学2年生の春には1,040円で売られている・・という状況となっています。
日本とフィリピンの物価の差は?
物価も以前は『日本の4分の1や5分の1』だと言われた時がありましたが、2022年7月調べのビッグマック指数と呼ばれる世界の物価を知ることができる公開データによると、フィリピンの物価は日本の5分の4となっていることが発表されています。
The Big Mac index
つまりは、十数年前であれば1ヵ月10~20万円前後で留学が可能であったところから、単純に40~60万円に跳ね上がっているわけですから、大学生の皆様から「お金が無い!」と言う言葉が出ても不思議ではない訳です。
- 海外の物価が凄まじいほどの速度で上がっている
- フィリピンの首都マニラの家賃は京都府の平均家賃と同等か物件によってはそれ以上という状況
海外の給与が日本よりも増えた!
次に、大学生が留学中にバイトをしたい理由として、大きなポイントとして海外で働く方が日本のアルバイトよりも給与が良くなった!という理由が挙げられます。
正直、日本のアルバイトは上がったと言っても時給にして1,000円程度ですが、カナダのローカル環境の飲食店でアルバイトをするとチップが貰えますので、時給が1,000円程度であったとしてもレストランによっては時給の1.5~2倍程度のチップが給与にプラスされます。
そのため、大学生の中には海外での出稼ぎ労働者という意味も含めて、海外でアルバイトをしようと考えている方も増えてきています。
それこそ十年数前であれば、日本でアルバイトをする方が労働環境はもちろんのこと給与も断然良かったので、「わざわざ海外でアルバイト?」と言う空気がありましたが、現在では日本と世界の力関係は大きく変わってしまっており、大学生の海外アルバイト需要が伸びてきている要因となっています。
- 海外でアルバイトをした方が日本より普通に稼げてしまうようになった
- 日本が弱くなり海外が強くなった
YouTubeでアルバイトをしている話が増えた!
ここから少し注意なのですが、近年、YouTubeやtwitterなどのSNSや動画配信ツールなどを使って、ワーキングホリデーで渡航している人たちが広告収入を得るために海外から情報発信をする機会が増えました。
その影響によって「海外留学中にアルバイトをするのが普通なんだ!」と思われる方々が凄い勢いで増えているのですが、なかには大きな悪影響を受けてしまっている人もいます。
例ば「私はワーホリビザを取得して、オーストラリアに30万円だけ持ってやってきて、今はジャパレスで時給28ドル(2400円)で働いています!」と言う動画があったとすると、現地からの動画なので、ほとんどの方が信用してしまいますよね?
でも実際は、この『ワーキングホリデーは実現不可能』だったり致します!
それは、英語力や持っているスキル能力と言う問題では無くてオーストラリア政府がワーキングホリデー参加者に対して5,000ドル(約40万円)の残高証明の提出を義務化しているためです。
一握りが稼ぐのが現実
また、海外でYouTuberとしての活動で稼ぐことで生計を立てることを考えていらっしゃる方も水面下では増えてきているのですが、YouTuberの皆様が「どれだけ頭が良くて行動力があるのか?」という点についても、是非、頭に入れておいてください!!
広告収入で自身の生計を立てることができるのは、ほんの一握りで、「月間200万回の再生で20万円の収入となる世界で戦い続けて、生き残っている方々がどれだけ優秀なのか!?」ということも忘れないでください!
特にウェブ系や広告収入の世界は流行り廃れが凄い勢いで進みますので、良い時期が有っても何かの切っ掛けで急に悪くなってしまうことも多々あるので注意しておくと良いです。
- YouTuberの留学案内は注意して見極める
- YouTubeで成功している人と同じことをやっても成功できるとは限らない(YouTuberはかなり優秀な人たち)
YouTuberとして活躍している人がいるから、私も同じように海外でフィットネス系のYouTuberを目指そうと思ってました・・。
目指す人がいるということは、その方が先駆者であり、将来的には「自分のライバルになる人だ」と考えておいてください!
つまり、ビジネス的に考えると2人も同じYouTuberは必要ないので、最低でも先駆者と並ぶか超える必要があることだけは忘れないでください。
留学中のアルバイトは大学生の留学期間だとNG!
さて、大学生の皆様に、留学中のアルバイトに関するご相談が増えていることについて知って頂けたところで、早速、「大学生の留学中のアルバイトがなぜNGなのか?」という本題についてお話させて頂きたいと思います。
大学生の留学は1ヵ月以下の短期留学が主流!
大学生が留学先でのアルバイトがNGな理由として最も先に挙げないといけないのが、そもそも大学生の留学の主軸となっているものが『短期留学』だからです。
そこで「大学生留学の全体から考えて渡航期間1ヵ月以内の短期留学の割合がどれくらいになっているか?」と言うと、大学生の年間留学者数の62.3%を占め、その数は年間10万人の留学者の中の6万人にもなっています。
もう皆様お気づきかと思いますが、留学して1ヵ月以内に良いアルバイトが見つかるはずは無いですし、生活に慣れ始めた頃には帰国になってしまうのが短期留学の特徴ですので、面接を受ける機会すら無いのが本音です。
そんな状況で、さすがにアルバイトを考えるのは難しいですよね?
- 短期留学ではアルバイト先を見つけることが困難
短期留学のビザではそもそもアルバイトができない
また、根本的なお話に戻りますと、『アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・フィリピン』それに日本や世界中の国々で観光ビザによる就労は禁止されています。
そのため、1ヵ月程度の短期留学の場合、そのほとんどが観光ビザでの滞在になるため(期間が短すぎて学生ビザが取れない国が多い)、そもそもアルバイトなどの就労により収入を得ること自体が違法になるので注意が必要です。
最近、アメリカのビザ強化によって、ビザ却下を受けてしまった方が「カナダのビザ取得やワーキングホリデービザ取得をしたい!」とご相談があり、挑戦はしておりますが、現実は、やはりかなり厳しい結果に終わっています。
- そもそも短期留学では就労が可能なビザを得ることも難しい
※ 名目をクリックすると残りの収入に対する割合も確認できます
仕送り | 奨学金 | アルバイト | 合計 | |
---|---|---|---|---|
2008年 | 144.9 | 33.7 | 35.8 | 219.9 |
2010年 | 122.8 | 40.3 | 30.7 | 198.9 |
2012年 | 121.5 | 40.9 | 32.3 | 199.7 |
2014年 | 119.4 | 40.0 | 32.2 | 197.1 |
2016年 | 118.1 | 38.5 | 35.6 | 196.6 |
2018年 | 119.7 | 36.0 | 40.2 | 200.1 |
2020年 | 114.5 | 37.3 | 36.7 | 192.8 |
※ 全体的に大学生に対する実家からの仕送りが減ってきている。
(学生生活調査結果: 2022年度調べ)
- リーマンショック以降、大学生への仕送りは大幅に減っている
- アルバイト代と奨学金が無ければ学費も生活費も支えられない
短期留学だとアルバイトができないんですね・・。
中には「ワーキングホリデービザで1ヵ月だけのアルバイトをしよう!」と考える方もいらっしゃいますが、日本国内への引っ越しでも、引っ越し後、直ぐに仕事を見つけることができる人って本当に少ないです!
学習に集中できる時間が無くなるからNG!
次に、言うまでも無いですが『留学中のアルバイトは学習に集中できる時間が無くなるからNG!』と言うポイントについても触れさせて頂きたいと思います。
大学生の中には「日本でもアルバイトしているんだから、海外でもアルバイトするのって当然じゃない?」と言う風に考える方がいらっしゃるのですが、実は、大学生がアルバイトを安易に始めてしまうと、学校の授業が本当に大変になってしまうケースが多々あります。
「その最大の理由は何か?」
実は、海外の生活は「朝起きてバスに乗って学校に行く」「授業を受ける」「お店でお昼ご飯を注文をする」「カフェで海外の友人と談笑する」「スーパーで肉の量り売りを買う」など、話すことが全て英語になるのは当然ですが、聞かなくてはいけないバスや電車の交通機関のアナウンス、それに注文するメニューや看板なども全てが英語になります。
そのため、常に頭では『英語⇒日本語』を翻訳して『日本語で考えて⇒英語でアウトプットする』という作業が行われるため、「日本と同じような生活をしよう!」とするだけでも、物凄い労力を使ってしまいます。
- 留学生は海外で普通に生活するだけでもかなり疲れる
- 英語の翻訳や慣れない文化によるストレスも忘れてはいけない
海外でのアルバイトは肉体的にもキツイ!
上記のように普通に生活をするだけでも厳しい海外なのですが、大学生がアルバイトをしようとすると、実は、アルバイトの内容がかなり肉体的にハードになるということも皆様には覚えておいて頂きたいです。
大学生で留学する方々の大部分がTOEICスコア800点以下となるのですが、現地企業でのアルバイトは、だいたいTOEIC800点以上から海外で英語を使って仕事に就けるようになります。
つまりは、それ以下の大学生は『清掃業・雑用・日本食レストラン』などが中心で、コミュニケーションが日本語となってたり、もしくはそもそも日本語や言葉さえも必要としないような肉体労働になってしまっているのが現状です。
当然ですが、清掃のアルバイトなどは日本と同様に『オフィスが消灯した深夜から早朝にかけて行われる』ことが多いので、こうしたアルバイトが留学本来の目的である勉強に差支えが出てしまうことも珍しくありません。
- 日本人大学生が理想としてるようなアルバイトをするのは留学先では非常に難しい
コンビニで仕事するのも難しいと聞きました・・。
正直、コンビニでアルバイトをしている日本人留学生を見かけたら、その方は、かなり優秀な方である可能性が極めて高いです!
それほどコンビニの仕事をゲットすることも海外では難しいのが現実です。
大学生の留学経験者の留学期間と割合について
大学生の留学者の割合と問題点について、少し難しい内容になっていますが以下の記事で詳しくご紹介しています。是非、大学生の皆様に読んで頂きたい内容ですので、お時間が許される方は、後でご一読いただけたら嬉しいです。
スキルアップできるアルバイトができないからNG!
続いて、先ほどのお話の延長線上にはなるのですが、「日本でのアルバイトと海外でのアルバイトの最大の違いは何か?」というと、それは自分のスキルアップにつなげて貰えるような役割を会社が与えてくれやすいかどうか?という点になります。
もう少し分かりやすく言うと「会社がアルバイトで働いている自分を育てようとしてくれるか?」と言う点になります。
例えば、「芸術大学に通っていて、将来、カメラマンとして活躍したい!」という学生であれば、アルバイト先としてフィルムに関するものやカメラや撮影・映像関連のものを選ぶと、アルバイト先の社長や店長は、学生としてのアルバイトの立場を理解してくれたり、将来を考えて、いろいろと仕事を任せてくれることも珍しくありません。
しかし、残念なことに海外でのアルバイトは、給料を貰いながらスキルアップさせて頂けるチャンスはほとんど無い!」と言っても過言では無い状況になります。
海外でのアルバイトの実情
海外ではステータスが『外国人』になってしまいまうのですが、この外国人というステータスは、会社や雇用者側の目から見ると『近い将来に仕事を辞めて帰国してしまう人』という風に映ります。
それもそのはず、外国人はいずれ自分の国へと帰国しなければいけないためです。
そこで会社としての立場から考えてみると、『長く働いてくれる人』と『直ぐにいなくなってしまう可能性がある人』と比較して、「どちらの人材を育てたいと思うのか?」を考えてみれば一目瞭然だと思いますが、当然、『長く働いてくれる人』を育てる傾向にある訳です。
だから大学生が海外でアルバイトを行うことは、日本での企業インターンやアルバイトでの立ち位置や経験と比較したらどうしてもNGとなってしまう訳です。
- 海外でのアルバイトは日本企業のインターンやアルバイトと比較して将来のスキルアップには繋がりにくい
「海外でアルバイトした!」ってことは就職時に有利になりますか?
日本企業の多くは海外でのアルバイト経験よりも、「何のアルバイトをしたのか?」や「インターンでどのような成果を収めたのか?」の方を評価する傾向にあります。
アルバイトをした場所や地域では無く、アルバイトの内容を評価する企業が多いので注意です!
大学生が留学でアルバイトが絶対NGな3つの理由とは?まとめ
さて、これまで「あーだ、こーだ」と大学生の留学中のアルバイトについて語らせて頂きましたが、正直、本気になって留学を考えていらっしゃる皆様にだからこそ海外のアルバイトについての危険性を伝えたかったところがあります。
しかしながら、これが海外の大学や高校、それにカレッジなどに通っている学生ならば、絶対にアルバイトは避けては通れませんし、逆に、家計を助けるため・社会見学のためにも絶対にやっておいた方が良いものになります。
1年以内の留学でアルバイトを考えるときだけで構いませんので、是非、注意してくださいね!!
また、最近は「半年の留学でワーキングホリデービザを利用させて大学生にアルバイトをさせよう!」とする留学会社も増えてきていますが、「学生の皆様にはアルバイトするくらいなら日本で!」と言う気持ちを持って頂けたらと思います。
例外としては「カレッジなどに付与されていたり、海外の職業訓練専門学校プログラムによる有給インターンシップは、アルバイトとは違って別格になる」ので、こちらだけご注意ください。
就ける仕事の内容も質も、留学先の政府がバックについて行っているプログラムは内容が全く違ってきます。
『Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
まるで明日死ぬかのように生きなさい。まるで永遠に生きるかのように学びなさい。
マハトマ・ガンジー』
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