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日本語教師として留学する人のための知識!【完全版】

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近年、外国人観光客や外国人留学生の増加に伴い、東京や名古屋・大阪・福岡といった大都市で外国人と出会う機会が増えました。

そうした中、実は、日本では外国人労働者は毎年数万人単位で増えており、例えば、日本にいる『技能実習生』と呼ばれる労働者見習いの外国人だけでも既に25万人を軽く超えています。

もちろんですが、日本語教師の需要も伸びてきており、海外留学からの帰国後のお仕事として、『日本語教師をしたい』と言うケースも増えています。

そこでここでは、海外留学する皆様のために『日本語教師の実情』を踏まえて、「本当に日本語教師になるために海外留学をすべきか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。

日本語教師を志される方やお子様を海外に送り出すにあたり心配していらっしゃるご家族の方に、是非、読んでいただけましたら幸いです。

日本語を学びたい需要は毎年増えてきている!?

TEACHの文字を刻んだサイコロ

日本国内にいる外国人は約260万人を突破してきており、この数は『日本全国にいる大学生の人数』とほぼ同じで、『大阪市の総人口』より少し少ないくらいになります。

それほどの外国人が日本にいるわけですから当然のことながら、『日本語を学習したい』と言う在日外国人も増えているのは間違いないですよね?

そうなんです。その数が間違いなく増えていて、現在、日本語学習者は、日本国内において約25万人がおり、2010年より毎年2万人以上のペースで増えて続けています。

そして、そのうちの約60%は海外からの『留学生』や『技能実習生(主に企業などで勤務しながら日本の技術やノウハウを学ぶ外国人)』となっており、大学や地方公共団体、それに法務省により告示された日本語学習機関で学んでいます。

海外での日本語学習者も増えている!!

海外で先生として働く女性

次に、海外の日本語の学習者の増減についてご案内させていただきたいと思います。

世界的に見て、日本の経済状況についての評価はあまり高くないのですが、その一方で日本の『医療技術』や『治安』は世界の中でも優れており、『日本に永住したい』と考えている外国人は年々増えてきております。

また、皆様のご存知の通り、最近の日本では当然のように『人手不足と言う会社』も目立っていることから、日本政府としてもどうしても海外人材に頼らなくてはいけないようになってきています。

そのため外国人労働者への日本の『永住権付与を容易にする動き』も行われており、そうしたあおりを受けて、中国やベトナム、それに東南アジアを中心に日本語学習者が増えてきています。

具体的には、2015年に初めて減少した日本語学習者数は、2018年には385万人となり、3年で20万人近く増えております。

※ グラフをクリックすると詳細を表示できます。

日本語学習者のエリア別の割合(単位: %)
エリア 割合
東アジア 45.3
東南アジア 31.5
南アジア 1.5
オセアニア 11.5
北米 4.8
中南米 1.5
西欧 2.3
東欧 1.0

※ 日本語の学習者はアジアに集中している。
(国際交流基金:2019年度調べ)

日本語教師の人数と仕事の求人はどうなってるの?

レッスンのために勉強している女性

外国人の日本語学習者が増えている中で、日本語教師の需要についても年々増加してきています。

そうした中で「日本人講師の人数はどれくらいいるの?」といいますと、日本国内において約4万人ほどにまで増えてきております。

また、海外にもまた日本語教師が約4万人ほどおり、日本と海外の合計で約8万人ほどの先生たちが日本語教育に携わっております。

日本語教師の構成とは?

しかしながら、日本語教師といっても、中身を見てみますと、日本国内で活躍している日本語教師の約半数である約2万人以上がボランティアで、非常勤や常勤の講師は、1万7000人ほどしかいません。

また、日本語教師うちの64%が40歳以上で、70歳以上の日本語教師が全体の約10%もいることを考えますと、日本語教師のボランティア化と高齢化はかなり進んでいるといえます。

世界各国を見渡してみても、言語講師がボランティアでまかなわれている国はなかなか無いので、日本の言葉や文化を海外に伝えたいと言うシニア層が多い事は世界に自慢できる本当に素晴らしいことだと言えます。

日本語教師の現実と給料について

スマートフォンでレッスンを受ける外国の女性

しかしながら、日本語教師を職業としようと考えた場合、その実態はかなりずさんなものとなっております。

その最大の要因として挙げられるのは、どうしても『日本語教師と言う職業の需要に対して、成りたい人が多過ぎる』と言う点にあります。

例えば、日本から海外に留学にいく学生の多くが経験したい体験型のボランティアで、最も人気があるものの1つとして『日本語を教えたい』と言うものが必ずランクインしてきます。

そのため、欧米の日本語教室に行くと、『外国人学生1人に対して1人の日本人ボランティア』と行った教室を見かけることも珍しくなく、ボランティアとして参加している学生も、『かなり優秀な大学の子たちが揃っている印象』があります。

このようにボランティアが先行してる状況は、何も海外だけの特別なことではなく、先にお伝えしたように、日本においても同じような状況となっています。

日本にも、リタイアされた方々を中心に『日本語をボランティアで教えたい』と言う人たちがかなりたくさんいて、日本語学習者は【学費を払って学校に通わなくても、無料で日本語レッスンを受ける機会は山のようにある』と言う状況になっています。

そのため、当然のことながら日本人講師の給与は著しく低く、例えば『1コマ(90分に)つき5000円から6000円』と言う日本人教師の募集広告があったとしても、実際にはそのレッスンの準備に2時間、授業が終わった後のフィードバックに1時間となり、時給にすると1000円を軽く切ってくるところがほとんどだったりいたします。

また、都心部を離れると、給与が安い状況が加速しており、資格を持った日本語教師の給与は『1コマ(45分に)つき1700円~2000円程度』で、それに授業の準備時間(2時間ほどを含む)とされているところがほとんどで、時給に換算すると数百円程度になっています。

実際に日本語教師に聞いてみました!

実際に日本で日本語教師にお話を聞いてみると、状況はさらに過酷になっており、正直言って『実家暮らしでなければやっていけない・・』というのが本音だそうです。

特に、日本語教師の間では、常勤講師の限られた枠を非常勤講師の間で奪い合っている状況となっておりますが、講師と言う職業柄を早期(若くして)で引退する人はほとんどいないため、常勤講師の枠が空かないまま生活ができずに泣く泣く辞めてしまう先生も多いとのことです。

また、日本語学校のスタンスとしては、「先生が辞めたとしても、新しい先生希望者が次から次へとやってきているような状況」なので、安い給与でも人材不足になる事はなく、『この過酷な日本語教師の環境はなかなか改善しないのではないか?』とのことです。

日本語教師が日本で働く状況とは?

日本語教師について資格制限は無いケースもありますが、実際には教師として勤務するには以下の内どれかの能力や全ての能力が求められています。

  1. 大学で主専攻あるいは副専攻の日本語教育科目を履修し卒業していること
  2. 日本語教師養成講座において420時間以上の教育を受けていること
  3. 日本語教育能力検定試験に合格していること(合格率25%)

実は、思っている以上に厳しい壁があることに気づいてしまいますよね・・。

インターネットで働く日本語オンライン教師とは?

最近では、オンライン登録されている日本語教師が増えていますが、オンライン日本語学校を経営していて、インドやミャンマーなどで日本語教師として教鞭を振るっている企業や代表者にインタビューを行ったところ、登録者は『基本的に大学で日本語学を専攻していた方々ばかり』になっているとのことです。

また、登録制のアルバイトとなるオンラインの日本語教師の場合にも、同時に上記にご案内しているような条件をクリアすることが必須となっています。

海外で日本語教師資格の取得は?

実は、『海外で日本語教師資格を取得する』と『日本で日本語教師資格を取得する』のは、全く中身が違ってくるので注意が必要になります。

そもそも日本語の教え方として直接法・間接法と2種類があり、『日本語で日本語を教える直接法』と『英語やフランス語などの海外の言葉を使って教える間接法』とで、全く教え方や需要が変わってきます。

海外でも『欧米圏では間接法が主流』になっており、英語で日本を教えることができる先生にお仕事の需要が生まれてきますが、日本では直接法で日本語を使って日本語を教えることになるので、日本で日本語を教えたい方の場合、海外での資格取得やキャリアは『日本での就職には一切関係が無い』ので注意が必要です。

そのため、日本で日本語教師として勤務することを目指す場合には、海外留学の必要性はかなり小さくなってしまい、語学留学では無くて『現地でのボランティア経験』を優先させることをおすすめ致します。

海外で日本語教師として小学校や中学校で教える!

最近では日本語教師の需要が伸びてきていることから、海外の小学校や中学校、または高校などの教育機関に『先生側がお金を支払って授業を行いに行く』と言うインターンシッププログラムが多数あります。

しかしながら、日本の大学機関によるルートなどの募集で無い限りは、給与はあくまでインターンシップとなるため『6万円/月』程度と非常に安価に設定されているだけで無く、斡旋料などを支払うことになるので、そもそも給与については無いものと考える必要があります。

また、大学等のルートになる場合、ワーキングホリデーや学生ビザなどの手配では無くて、特別な『就労ビザ』や『活動ビザ』が手配されることがほとんどですので、違いはビザで直ぐに分かります。

シニア層向けの日本語教師の資格

最近では、リタイアしたシニア層向けの日本語教師の育成を行う教育関係者も増えてきており、シニア層にとってリタイア後の職種として日本語教師を選択する人たちが増えています。

日本語教師の資格は3~4ヵ月で取得が可能で、教材費等込みで約50~60万円ほどになるので資格としては比較的に手が届きやすいものになっていますが、どうしても資格が有っても『仕事が無い』と言うのが現実ですので、30人のクラスメイトの内でも卒業するのは5人程度で、実際に講師を目指すのではなく『習い事』として資格取得のために通われる方が多いです。

日本語教師では無い仕事を目指す人々

日本語教師の現実を知って、目標を『スクールカウンセラー』や『栄養教諭』または『社会福祉士(ケースワーカー)』それに『幼児教育』や『介護士』としての資格を海外で取得される方々も最近は増えてきています。

例えば、学校のカウンセラーとして日本人留学生に対して的確なアドバイスができるように、カレッジや大学などに進学してカウンセリング資格の取得までを目指すことによって、時間は掛かってしまいますが、その分、英語力に加えて海外での勤務ができる正当な資格まで習得できるルートです。

また、比較的に近いルートとしては、TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)などの英語講師になるルートですが、最近は子供のたちの英語力が大幅に上昇しているので、資格は取れても将来的に資格が使えない可能性が大きすぎるのが大きな問題となっています。

日本語教師として留学する人のための知識!【完全版】

海で将来を考える外国の女性

ここでは日本語教師について詳しくご案内させていただきましたが、実際に欧米などの海外で勤務されている日本語教師の多くは、日本語教師の資格を持っていなかったりします。

カナダで日本語教師を務めていた先生にインタビューをさせていただいたところ、必要なのは日本語教師の資格ではなく、海外で教員部門に就くことができる『永住権』や『就労許可証(ワークパーミット)』の取得の方が圧倒的に大切だということです。

最近では、海外の日本語教師を目指して海外留学を志される方が増えてはいますが、実際に海外派遣される先としては、ベトナムやミャンマーとなるケースがほとんどです。

理想と現実の差のギャップに驚かれる留学生も多いので、是非、日本語教師の『境遇』や『給与』についてしっかり調べた上で留学に出ていただければと思います。

また、よくある質問としては「ワーキングホリデーで渡航すると、海外で日本語教師として働きますか?」と言うものもありますが、当然ですが、たとえ日本で日本語講師の資格を持っていたとしても、海外で日本語教師の仕事はありません

ワーキングホリデービザを発給する国には、必ず日本語教師をボランティアにする方がいらっしゃいますので・・。

最後に、日本語教師の方々に『なぜ日本語教師をやるのですか?』とインタビューさせていただいた回答をご紹介させていただきたいと思います。その回答に皆さま一同。

やりがいがあるから』とお答えになられました。

将来、日本ではこれまで以上にたくさんの外国人が日本で日本語を学習しようとしてやってくるはずです。そんな「外国の方々を助けたい!」と考え、日本語教師を目指す皆様のために、少しでも有益な情報を提供できておりましたら幸いです。