社会人留学

医療事務員の留学が急増中!その大きなメリットとは?

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一般的にはあまり知られていませんが、医療事務として勤務していらっしゃる方が海外留学へと出られる機会が急増しています。

主な要因としては、『海外と日本の距離が近くなった』『外国人観光客の数が増えてきた』『日本で生活していても英語を使う機会が増えてきた』といったものが挙げられています。

そこでここでは、医療事務の皆様が海外留学に出る場合「どういったハードルがあって、どんなメリット・デメリットがあるか?」というお話を、実際に医療事務員として働いている方の体験談を交えながらお話しさせていただきたいと思います。

日本の医療事務員の現状は?

オシャレなクリニック

まず始めに、日本の医療事務員では無い人もいらっしゃるかと思いますので、簡単に日本における医療事務員の状況についてお話させて頂きたいと思います。

医療事務員になるための資格は国家資格ではないため『医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)』『診療報酬請求事務能力認定試験』など、全ての民間試験は、そもそも医療事務員として日本で働く際には資格そのものが必要ありません

医療事務員としてのお仕事は無資格なため、逆に医療事務員として勤務している方とそうで無い方の線引きが難しくなっており、正確な医療事務員の人数までは不明なのですが、『独立行政法人労働政策研究・研修機構』のデータによると約25万人の正規医療事務員が日本国内で働いているとされております。

看護師として正規職員で働いている看護師さんが約150万人となっているため、医療事務員は看護師さんの約6分の1の人数しか働いている人がいないとお考え下さい。

人気な医療事務員のお仕事

しかしながら、医療事務員のお仕事はとても人気で、例えば、結婚して出産や子育てが落ち着いた後に、医療事務技能審査試験などを受験して医療事務員として働かれる方も多いです。

また、テレビCMやウェブ広告などで、オンラインや自宅学習で資格習得を目指す新しいスタイルが更に受け入れられていることから、職業としての人気度はますます上がってきています。

医療事務員が海外留学をする理由とは?

海外のドクター

そこで気になるのは、人気を集め始めているお仕事であるはずの医療事務員なのに、「なぜこのタイミングで海外留学に出ているんだろう?」と言う点ですよね?

続いては、医療事務員の最近の傾向と仕事内容を踏まえて、医療事務員の海外留学が増えている理由についてお話させて頂きます。

医療事務員の外国人対応が増えている!?

ここ数年で日本滞在の外国人が大幅に増加しており、今では約250万人を超える外国人が日本に住んでいるのですが、この250万人という数は日本全国にいる大学生の総数とほぼ同じになります。

例えば、電車に乗ると必ず大学生らしき人は1人は乗っていると思いますが、その割合で外国人が日本に住んでいると考えて頂けると、「どれほど沢山の外国人が日本に住んでいるのか?」実感して頂けるかと思います。

そして、その外国人は当然のことながら日本の公共施設や病院等も利用しますので、医療関係者が外国人の対応する件数が激増しています。

医療事務員が外国人対応の窓口に!

病院で外国人患者に対して1番最初に応対するのは、医師でも看護師でもなく、医療事務として勤務している方々で、逆に診断終了後、1番最後に応対するのも医療事務員になります。

そのため、医療事務員が外国人患者と密接に関わるケースが増えてきており、外国人の多く住む地域では、英語を代表とするコミュニケーション能力が仕事上で必要スキルとなってきています。

医療事務員が英語ができる・できないかによって、外国人患者に対してのファーストコンタクトとアフターケアもまた、できる・できないが決まってしまいます。

そのため、診断後のお薬の説明や次回の予約、または手術日程までの調整などのアフターフォローなどを毎日のように行っているなかで、『自分たち医療事務員には英語が必要だ!』と感じることが多いそうです。

医療事務員の仕事はキャリア(経験)で採用が決まる!

次に、医療事務員の採用についてですが、医療事務員の採用では『人気職であるにもかかわらず資格保持者では無く経験者が優遇』されています。

その理由として、病院側としては、どうしても医療事務員としての人材育成にかける時間と費用がなく即戦力を欲しがっているためです。

そのため、医療事務員の方々にとっては、一般的な事務のお仕事とは違って『資格を持っている・持っていないに関わらず、経験さえあれば再雇用先を見つけるのも簡単』で、離職に対するハードルも低かったりします。

一般的には、離職によるブランクが大きなハードルになる社会人の『海外留学』や『ワーキングホリデー』ではありますが、1~3年程度の離職期間であれば、そのブランクが再就職に影響しないのは、医療事務員の方々が留学に出やすい大きなポイントとなっています。

もう何となく医療事務員の方々が留学に出ていく理由は分かってきましたよね?

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医療事務員が留学をするマイナスな理由とは?

海外の豪華なクリニックのエントランス

次に、医療事務員の方が海外留学に出る理由の中でも、ネガティブな面についてもお話しさせていただきたいと思います。

実は、医療事務員の離職率は非常に高く、その理由として以下のようなものがあります。

  • 病院での人間関係
  • 就労時間の長さ
  • 安い給与

上記について順番にご説明していきたいと思います。

病院での人間関係

実は、病院には『病院カースト制度』と呼ばれるような闇の職業ランキングがあり、そのランキングは以下のようになっています。

  1. 医師
  2. 正看護師
  3. 准看護師
  4. 薬剤師
  5. 理学療法士等
  6. 医療事務

医療事務員は無資格でも働けますので、病院内で勤務する他の職業の方々と違い、『○○師』や『○○士』では無く『事務員』となります。

この時点で病院内の資格ランキングがあるとするのであれば、医療事務で働く人たちはダントツの最下位となってしまいます。

また、人気職であるために『代わりの事務員がいくらでもいる』と言うスタンスをとっている病院もあるため『人間関係が難しい』と感じている事務員さんもたくさんいらっしゃいます。

そのため、人間関係に関して抱えているストレスは非常に大きく、長期間勤務されている事務員の方でも「仕事を一刻も早く辞めたい」と思っている人も少なくありません。

就労時間の長さ

次に就労時間の長さについてですが、医療事務員の仕事は、患者さんの精算を全て完了させてからでなければ、その日のお仕事を終えることができません。

そのため、女性の多い職業でもありながらも体力勝負な職場でもあるため、離職率が高くなっている背景もあります。

安い賃金

そして最後に、医療事務は人気職であるがために、病院側からすると『低賃金であったとしても採用に困ることがあまりない職業』と言う認識だったりします。

そのため、同じ病院内で勤務している看護師さんや他の技士さんたちと比較しても、かなり低賃金に設定されていることが多く、同じ病院内で働く人たちは、バンバン海外旅行や短期留学に出ていく中で、医療事務員だけ取り残されている傾向があります。

これだけ見て頂けたら既にお分かりだと思いますが、このようなネガティブな理由によって、医療事務員の皆様は離職率が高いと言うのが本音なんですね・・。

世界の医療事務員の評価とは?

以下に、世界中で発表されている医療事務として勤務していらっしゃる方の平均時給を計算してグラフにしてみました。日本の医療事務員さんたちに対しての評価の低さを感じられるはずです。

※ グラフをクリックすると詳細が表示されます。

世界の医療事務員の時給
国名 給与(時給)
日本 北海道 911円
東京都 1,146円
愛知県 998円
大阪府 1,019円
福岡県 928円
アメリカ 1,546円($14.13/hour)
カナダ 1,464円(C$/hour)
イギリス 1,289円(£8.99/hour)
オーストラリア 2,068円(A$25.66/hour)
ニュージーランド 1,754円(NZ$23.55/hour)

※ 三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。
(indeed:2019年度調べ)

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医療事務員のキャリアアップ・ステップアップ!

医療ミーティング

次に、医療事務員の方々の皆様が、掲げている『留学の目標』についてお話しさせていただきたいと思います。

医療事務員の皆さんが海外旅行に出る大きな目標として挙げられるのは、『ストレス発散のため』というよりも『キャリアアップ・ステップアップのため』と言う方が非常に多いです。

医療事務の方は、先にご紹介したように病院内で勤務していらっしゃる他の職種の方々と比較して、どうしても給与的に安い仕事とされてしまっています。

しかしながら、外国人の患者さんの増加によって、病院では医療事務員の立場を見直す動きが広がっています。

その立場を見直されている対象となっている医療事務員というのが『英語を話すことができる医療事務員』です。

医療事務員のお仕事と言うのは、病院にとっての看板が医師だとするのであれば、縁の下の力持ちのような役割として、常に面倒な役割を一手に引き受け、医療スタッフと患者さんの間に入り、雑務から会計分野までをこなしています。

そうした中で外国人患者と医療スタッフの間に入ることができる、英語が堪能な医療事務員は病院にとってなくてはならない存在になってきています。

そのため、医療事務員として働いている方からの留学相談の特徴として、一般的な社会人の留学と比較すると『カレッジ等の進学までを意識するような意識レベルが高いものを設定することが多い』というポイントがあります。

賃金の安い医療事務員の留学

医療事務員の方の中には、国が行っている教育奨学金(低金利ですが返済が必要)などを利用して、医療通訳・翻訳者を目指すルートで留学を作ることもしばしばあります。

医療通訳・翻訳者の給与は、単純に医療事務の給与の約2倍近くになりますので、医療事務員として長年働いて留学費用を貯めるよりも、奨学金を利用することで給与がかなり良くなります。

当然のことですが『給与が上がれば、返済にかかる時間もお金を貯める時間も大幅に節約できる』ので、奨学金の利用相談がかなり増えています。

教育奨学金については、日本政府が運営している『日本政策金融公庫』があり、社会人の方に対しても融資が行われていますが、奨学金といっても返済が必要になりますので、『計画性のない留学・ワーキングホリデーでは絶対に利用しない』ようにしてください。

医療事務員の田淵さんからのアドバイス!

医療事務員の田渕さん

日本の医療事務として勤務している時に、『外国人の患者さんが勘違いしてお金を払わないで帰ってしまったりするトラブル』があったりして、外国との文化の差や英語でのコミュニケーションに困るな・・と思うことが何度かありました。

ただ、英語ができるようになることで「外国の患者さんのサポートは当然できるし、手術とかの前で不安にしている時に声を掛けてあげられるのは、私にとって本当に大きい」と思っています。

「日本の保険法が海外で通じないので、海外で医療事務業務を見たり覚えたりしても意味が無い」と思っていらっしゃる医療事務の方も多いと思いますが、もしチャンスがあれば、是非、留学にチャレンジしてみてください!!

きっとストレスの発散にも、人生にも大きな変化があると思います!!

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医療事務員の留学が急増中!その大きなメリットとは?まとめ

医療事務員が世界へと飛び立つ様子

「いかがでしたでしょうか?」ここにいらっしゃる医療事務員として勤務していらっしゃる皆様にとって、少しでも有益な情報になっていたらうれしいです。

ココア留学では、看護師や医療関係者、または医療事務員さんのために、医療英語をオンラインで学ぶプログラムのご提供も行っております。

オンライン医療英語プログラムでは、『患者さんとの会話』『病気の症状』『医療単語』の3つのコースで、それぞれ1ヵ月ずつ3ヵ月(各コース8万円~)で医療英語スペシャリストを育成することを目指しています。

プログラム参加が可能な英語レベルとしては、『IELTSスコア5.5・TOEIC630点・英検2級以上』と、少しレベルが高いものとなっていますが、現役医師や看護師も受講しているプログラムになりますので、もしご興味がありましたらココア留学へとお気軽にご相談ください。

また、オンラインプログラムはあくまでも英語を伸ばすための付録のようなものになりますので、本格的な英語力のアップやキャリアアップを目指すような場合には、どうしても留学が近道になります。

もし何かお手伝いできるようなことがありましたら、お気軽にココア留学へとご相談いただけましたら幸いです。