高校生留学

高校生の冬の短期留学は注意して!

高校生の冬の短期留学ってどんなもの?

高校生の冬期留学のイメージ

実は最近、高校生の「冬の短期留学」が注目を集めていることを皆様ご存知でしょうか?

夏の留学と比較するとあまりメジャーではありませんが、大学入試において、民間の英語試験(英検・TEAP・IELTS)が導入されるようになったことが要因とされています。

つまり「大学の英語入試にはスピーキングテストがあり、高校の英語の授業だけでは点数が取れなくなった」ということを意味します。

そのため、「冬の短期間だけでも高校生は海外留学をしよう!」という動きが加速しているわけです。

しかし、冬の短期留学とは高校生にどれほど意味があるものなのでしょうか?

そこで、高校生の冬の短期留学での傾向や英語力を伸ばすためのポイント、そして一般的には公開されることのない留学のプロだからこそ知っている『絶対に避けたい冬の高校生の短期留学』についてのお話などを交えながら案内させていただきます。

留学には年齢に応じた適正期間がある?

気づけば留学適齢年齢が過ぎてしまった大人

まず何よりも先に皆様に理解しておいていただきたいのは、「留学と年齢には非常に大きな関係がある」という事実です。

教育専門家の中に語学を吸収する速度について『スポンジ』を例に挙げる方々が多いですが、そのスポンジの吸収率が年齢によって大幅に違うという事実について言及する方は非常に少ないです。

こうして留学の専門家としてたくさんの留学生を見ている私達でも、やはり語学の吸収には個人差が大きく、努力の量や質にも違いがあると感じています。

しかし、個人差や努力だけではどうしようもない、年齢による『スポンジの吸収率』があるのです。

実際にスポンジの吸収率の壁となるのが、思春期と呼ばれる16歳ごろです。

この16歳という年齢は中学生から高校生に変わる年齢ですが、中学3年生と高校1年生を比べてみると全く違いますよね?

これが「留学」ということに関しては「留学の効果を短期間で吸収できる期間を過ぎた!」ということを意味します。

例えば中学生が短期留学を行い、帰国後の彼らに劇的な英語の効果を与えるために必要とされる留学期間は以下の通りです。

  1. 中学1年生: 1週間
  2. 中学2年生: 2週間
  3. 中学3年生: 3週間

では、高校1年生(16歳)だったらどうでしょう?

そうなんです。少なくとも4週間、つまりは1ヵ月以上の留学が必要とされるになります。

「それでは高校2年生(17歳)だと、1ヵ月半くらい必要ですか?」と思われますよね?

残念な事に16歳の壁を過ぎてしまった彼らに留学の効果を与えたいなら最低でも3ヵ月以上の海外留学が必要になります。

高校3年生(18歳)であれば更に期間は延び、少なくとも10ヵ月程度の留学をお薦めいたします。

留学を考えているお子様を持つお父様お母様には、人間の語学における吸収率がこれほど年齢によって大幅に違うのだと知っておいてください。

高校生3ヵ月以上の留学者数[高校斡旋](人)
  高校が斡旋した
留学者数
2015 1,888
2013 1,879
2011 1,657
2008 1,643
2006 2,031

※ 2008年不景気により大幅に減少。高校斡旋の3ヵ月以上の留学経験者は全体の1%もいない。
(文部科学省:2015年度調べ)

渡航先の選択肢としては南半球が主軸

南半球オーストラリアの海

次に、高校生の冬の短期留学の渡航先についてですが、最もご相談が多くなるのは南半球のオーストラリアです。

南半球といえばやはり気になるのは英語のなまりですが、1ヵ月以内の短期留学で英語のなまりを気にする必要は全くありません

1ヵ月程度の留学で英語のなまりまでマスターできる高校生は、その後3ヵ月程度、イギリスやアメリカなどに留学すれば、英語をほぼ完璧にマスターしてしまいます。

ですから、冬の留学を検討される場合「イギリスやアメリカだとちょっと高いから・・・」と考える方でも、比較的安価で行けるオーストラリア留学はお薦めです。

日本が冬の時期、オーストラリアは夏なので、留学した彼らにとって勉強はもちろん一生忘れられない思い出にもなることでしょう。

高校生からは短期留学の相談は無い!

自分の将来を探す高校生

次に、「短期留学をする高校生本人から相談を受ける事は本当に少ない!」という事についてお話しさせていただきます。

面白いことに冬の短期留学の相談をされる方はほとんどが渡航する本人ではなくそのご家族です。

「高校生で未成年なんだから当然でしょう!」
と思われる方も多いかもしれませんが、最近では15~16歳の子たちでも1年間留学するのが当たり前になってきています。

これは『子供の成長の加速化』とも関係しているかもしれませんが、近年では10歳から思春期とも呼ばれており、海外に出る年齢も若年齢化してきているのです。

そうした中で高校生本人から海外留学相談を受ける場合は、そのほとんどがハイクオリティーな計画を立てることになっています。

例えば、「海外の大学に進学してAIやIT技術を学び、世界のコンピュータ技術者たちと一緒に戦いたいです。ぜひ留学を一緒に作っていただきたいです」「たとえ日本国籍でなくなっても良いので、フライトアテンダントとして海外で働きたいです」という相談です。

彼らの場合は4~5年の留学計画を作ることになります。

また、中には「両親に何年も迷惑をかけられないので、海外で自分で生計を立てられるような留学を作って欲しいです」と相談する子たちや「もう高校中退してしまいますが海外のカレッジ進学ができる留学を作って下さい!」という、少し前までは大学生から多かった相談も増えてきています。

お子様の冬の短期留学をお考えのご家族の方がこちらの記事を読まれていらっしゃいましたら、お子様にもぜひ読むようにお伝えいただければ幸いです。

高校生の冬の短期留学は注意して!まとめ

海外留学を経験しているイメージ

さて、ここまでいろいろなお話をさせていただきましたが、高校生で冬の短期留学は意味がないのでしょうか?

いいえ、それは全く違います。

確かに高校生になってしまうと短期留学での英語の効果に劇的な伸びは期待できません。

しかし、海外の職場体験やボランティア活動を留学に盛り込むことで、短期留学でも非常に大きな意味を持たせることができるのです。

例えば、「海外のホームレスに対して、現地ボランティアグループと一緒になって、食事や滞在先のサポート活動をやってきました!」という高校生が日本国内に何人いるでしょう?

他にも「自分がサッカーが好きです。自分の可能性を広げるために少しでも早く海外のサッカー教育を勉強したかったので、冬の短期留学をしました」と言える子など、何万人といるサッカー少年の中でも、ほんとに2~3人しかいないのです。

高校生には、是非、こうした密度の濃い短期留学を経験していただきたいと考えています。

そして、もしココア留学の力が必要だと思った場合にはお気軽にご相談していただければ幸いです。

全ての高校生が、希望するだけで海外留学を経験できる時がやってくることを願っています。