お金がないのに留学!それって逆に損してない?
「私は留学のために十分なお金がないのですが、海外でアルバイトをしながら留学できますでしょうか?」
実は、このようなご相談を毎日いただいているのですが、こうしたご相談をされる方の多くが「膨大にあふれる留学情報に完全に騙されてしまっている!」というケースだったりいたします。
そこでここでは、お金がない方々にも本当の留学を経験していただけるよう、『リアルな留学と将来に不安だけが残るハリボテ留学の違い』についてご紹介させていただくとともに、留学情報に踊らされないための本当の留学とお金についてのお話をさせていただきたいと思います。
お金が無い人への留学案内が酷い!
まず初めにこちらにいらっしゃる皆様の大部分が「留学への十分なお金がない!」と考えていらっしゃる方々だと思いますが、正直言って留学のプロの立場からすると、皆様のための留学案内ほど酷いものはありません。
特に、WEBやSNSの情報の中には本当に酷いものが混ざっており、例えば「私は数十万円程度の留学費用で〇〇国での留学を1年間しました!」と言った、留学の結果では無く、お金にのみにフォーカスが当たってしまっているものも少なくありません。
また、そういった情報を提供していらっしゃる方の大部分は「こんな自分でもできたから、あなたでもできる!」と言うニュアンスで書かれていることが多いのですが、正直言ってしまえば、「それができるのなら誰も苦労しない!」というのが本音だったり致します。
まずは、そんな世の中に溢れている留学案内と現実とのギャップについてのお話からさせてください。
1%に賭ける留学が良いのか?
海外留学は海外旅行とは違ってあくまでも『教育や学習』分野であって『休暇やギャンブル』ではありませんので、100人に1人が成功者となって99%が失敗する留学では無く、できれば100%の方が、少なくとも90%以上の方々にとって将来の生活を豊かになるものである必要があります。
それもそのはず、先駆者やほんの一部の人たちだけがお金を独占するような一発逆転の授業を受講するくらいならば、勉強時間も努力も必要ない、競馬や競艇などのギャンブルに学費として用意したお金を賭けてしまう方が圧倒的に効率的だからです。
しかしながら、YouTuberやインフルエンサーさんが多くなってしまったことで、クオリティの高い情報が世の中に出るようになった反面、ほんの一握りの成功事例に注目が集まってしまったり、難易度的に東大合格を目指すよりもハードな留学についても「簡単にできる!」と勘違いしてしまう方々が増えてきてしまいました。
- 低い可能性に賭ける留学よりギャンブルの方が効率的な可能性
- 留学の難易度がだんだん分かりづらくなってきている
インフルエンサーは特別な成功者?
留学系のインフルエンサーの方々は「こんな自分でもできた!」と、自己評価が低く他者を高評価する傾向があり、その人格者としての性格がより多くのフォロワーを集めたり、周りからの高い評価を得ることに繋がっているケースがよく見られます。
ただ、ここで注意をしておいて頂きたいのは、インフルエンサーの多くは特別な存在であることについてです。
こちらはインフルエンサー本人も気づいていないことが多いのですが、実際に、インフルエンサーの多くは特別なルートで留学されていたり、他の人が真似できないような憧れのポジションにいらっしゃるからこそフォロワーが集まってきています。
もし私たちがインフルエンサーの方々の領域まで簡単に到達できるとするのであれば、正直、「その人みたいになりたい!」ってなりませんよね?それもそのはず、実際に簡単になれてしまう訳ですから。
そこで、ここにいらっしゃる皆様には、是非、以下のことを知っておいて頂ければと思います。
もしあなたが目指しているインフルエンサーの方が留学生全体の1%のような希少な存在だったとしたら、その陰には埋もれて見えなくなってしまっている99%の他の留学生がいらっしゃる現実を。
- インフルエンサーの多くは特別な存在である
- 成功者の陰には必ず失敗者がいる
「あの人でも出来るなら私にでも出来るのでは?」って思ってしまったことあります・・。
実際には、『隠れた場所で行われた膨大な量の努力と、他の人には無い才能が有ったかも知れないこと』忘れないでくださいね!
節約のために動機は完全に放置?
次に、よくある例として『海外留学の節約術』として、学費を削るために、学校期間を極限まで短くする留学についてアドバイスをしている人を見かけることがあります。
そうしたアドバイスを鵜呑みにしてしまいそうになっていた方は本当にご注意ください。それこそが失敗留学のスタート地点になっていたりすることがあります。
忘れてはいけない留学での学び!
留学における学校期間は、走り幅跳びで言う『助走の長さ』と同じで、その長さが短すぎては大きく跳び出せませんし、長すぎてはジャンプするまでにバテてしまいます。
走り幅跳びは、最初は大きくゆっくりとした動きで足場を固めていき、いざ跳び出すタイミング時に最大の速度が出るように調整することで、大きなジャンプを生み出すことが可能になります。
これは海外留学も全く同じで、渡航後はゆっくりと自分の生活リズムを作っていきながら学校で英語を中心としたコミュニケーション能力を磨き、海外の人脈を作っていくところから始まります。
そして海外で働くことができる(帰国して就職することができる)ようになるために、海外企業のインターンシップや学位の取得、英語を使ったスキルアップを行い、自分の将来に向かって一気に加速し大きく飛び出していくことになります。
- 留学後の学校期間こそが大きく飛び立つための助走期間となる!
節約するために留学に来ている訳ではない!
おそらくここにいらっしゃる皆様が留学に出ようと考えているのは、少なくとも海外で節約するためでは無く、自分自身を伸ばしたり理想の将来や生活を手にするためだったりするのでは無いでしょうか?
しかしながら、理想の将来を手にするためには助走は必須です。
是非、留学前には「何のために留学に行く必要があり、なぜ節約しようと考えいるのか?」という点について考えておいて頂けたらと思います。
- 海外で節約をするために留学に行くわけでは無い!
気づいたら切り詰めるところを間違っていたかも知れません・・。
『安全』と『自分を伸ばす時間』この2つの最優先確保だけは絶対に忘れないでくださいね!
実は大損している可能性が高い!?
さてそれではいよいよ本題となる、「お金がないけど留学がしたい!」という皆様が、実は大損している可能性がある?と言うお話をさせていただきたいと思います。
技能実習生と日本人の関係
最近、技能実習生と言われるビザで、日本へと出稼ぎに来ている東南アジアを中心とした方々が沢山いらっしゃることについてご存知でしょうか?
そうした技能実習生の中には、自国で親戚中に借金をしてまで日本に来たものの、その後、あまりにも厳しい就労条件や酷い生活環境を強いられ、職務放棄や失踪してしまう人が出てきていることが、ニュース番組などでもたびたび報道されるようになっています。
しかしながら、こうしたニュースを見ても「外国人の話でしょ?日本人の私には関係無いよね?」と思ってしまっている方も、きっと沢山いらっしゃるはずです。
ただ、ここで気を付けて頂きたいのは、留学に出ると「気づけば劣悪な環境や相場よりも低い賃金で働いてしまっている・・」という現実は普通にあるという点です。
日本人留学生の現実は?
海外では、日本にいる技能実習生のように、3K(きつい、汚い、危険)の仕事をしている日本人留学生を沢山みかけます。
そうした日本人のほとんどは「日本では絶対にこんな仕事はしない!」と思いながらも、留学先では仕事が見つからないため、泣く泣くそうした仕事に就いています。
つまり、日本にいる技能実習生のニュースを見て「関係ない!」では無く、留学に出ると同じような環境が自分の目の前に広がることを留学前に少しで良いので知っておいてください。
- 海外で日本人留学生の多くは『きつい、汚い、危険』な仕事に就いている
留学中は「絶対に皿洗いのバイトはしない!」って決めてました・・。
日本に来ている外国人労働者の多くも、全く同じような思いで日本に来ていることを留学先で痛感されることになると思います。
実はしっかり学べばこんなに違う!
これまで数多くのマイナスのお話ばかりすることになってしまいましたが、実際に、そうした厳しい環境を抜け出す方法というのはあるのでしょうか?
海外での環境を変えることは非常に難しいのですが、「お金が無い!」と思っている方だからこそ、逆に知っておいて頂きたいのが自己投資という考え方についてです。
お金が無いからこそスキルを伸ばす!
世の中と言うのは、『お金持ちであればあるほど、お金を稼ぎやすい環境』が整っている一方、『お金が無い人であればあるほど、お金が稼ぎにくい環境』が出来ています。
それは富裕層の子供が富裕層になっていたり、発展途上国の貧困層として生まれた子供が幼少期から仕事をしていても貧困層を抜け出せない現実を見ていると、何となく想像が出来ると思います。
つまりこれは、「お金が無いから!」と言って自身への教育投資をしなければ、「いつまで経ってもお金が無い苦しみから解き放たれることは無い!」ということを指します。
そこで以下に、海外でしっかりとしたカリキュラムで学習し、その後、インターンシップを経て1年間の就労をした人と、何も考えずに海外に行ってそのまま適当に働いて帰国した人の5年間の収入を比較したグラフを作ってみたので良かったらご覧になってみてください。
留学期間を含めた5年間の収支は?
※ グラフをクリックすると詳細が絞り込めます
グラフの操作方法
上のグラフで計画的な留学(ピンク)をクリックしてください。一般的な留学と計画的に作った留学とで収支がどれほど違ってくるか?比較できるようになっています!
5年間の収支差は大きい!
さて、上のグラフを見ていただけると、データはたった5年のものだけとなりますが、留学中に自己投資を大きくして自身のキャリアを伸ばした方が、最初は学費等でマイナスが大きくなっても将来的にプラスの幅が大きくなることが分かります。
「お金や準備計画がないまま無理に留学へ出ることが、どれほど勿体ないことになるか?」少し気づいていただけたのではないでしょうか?
もちろん、この後、10年や20年経ったあとのことを考えたら、どれだけ大きな差になって返ってきてしまうのかは言うまでもありません。
留学期間を含めた5年間の内訳
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国 | 外国 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 | |
ステータス | 学生+フリーター | フリーター | 正社員 | 正社員 | 正社員 | |
収入 | 150万円 | 200万円 | 300万円 | 300万円 | 300万円 | |
支出 | 学費 | -30万円 | - | - | - | - |
生活費 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | |
航空券 | -15万円 | - | - | - | - | |
保険料 | -20万円 | - | - | - | - | |
雑費 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | |
小計 | -65万円 | +50万円 | +150万円 | +150万円 | +150万円 | |
合計 | -65万円 | -15万円 | +135万円 | +285万円 | +435万円 |
※ 3ヵ月の語学学校の後に海外でアルバイトをした場合
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国 | 外国 | 外国 | 日本 | 日本 | 日本 | |
ステータス | 学生 | 正社員 | 正社員 | 正社員 | 正社員 | |
収入 | 0万円 | 340万円 | 360万円 | 360万円 | 360万円 | |
支出 | 学費 | -120万円 | - | - | - | - |
生活費 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | |
航空券 | -10万円 | -10万円 | - | - | - | |
保険料 | -20万円 | -20万円 | - | - | - | |
雑費 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | |
小計 | -300万円 | +160万円 | +210万円 | +210万円 | +210万円 | |
合計 | -300万円 | -140万円 | +70万円 | +280万円 | +490万円 |
※ 留学経験者は正社員で約1.2倍の給与になるとのデータがあります。
(朝日新聞: AERA調べ)
- 留学中に自己投資を行った人の方が長い目で見ると収支が大きくプラスになる!
わざわざ留学に行くわけですから、中途半端なものにはしない方が良いってことですね!
そうなんです!
特に自己投資は早ければ早いほど将来的に差がついてくることも忘れないでください!
少なくとも最低限の費用と計画を!
続いて、お金がない人たちでも計画的に留学へと出られるスケジューリングについても併せてご紹介させて頂きます。
ここまで読んでいただけた方々は「とりあえず留学に行ったら何とかなるよ!」というのが、あまりにも大きな賭けになっているということにお気づきになっていただいているかと思います。
そこで、是非、以下のスケジュールを参考にしながら『助走が取れる留学』を作って頂ければと思います。
お金がない人のための留学準備ステップ!
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- Step.1 留学相談をスタートさせる【留学8~9ヵ月前】
- 理想に一番近い留学が現実的にできるか?カウンセリングします
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- Step.2 留学計画を立てる【留学8~9ヵ月前】
- 『具体的な計画』や『奨学金や教育ローンの設計』『融資の相談』をします
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- Step.3 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学8ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.4 学校の申し込みを行う【留学8ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
(※ 奨学金や教育ローンが必要な方は、学校の入学証明を持って申請します)
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- Step.5 金融機関から融資を得る!【留学7ヵ月前】
- 融資を受けた直ぐに学費の納付を行います
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- Step.6 ビザ手配をスタートさせる【留学6ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
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- Step.7 航空券・荷物の準備をする【留学6ヵ月前】
- このタイミングで手配することで大きな費用の節約が可能です
留学・ワーキングホリデーで得する安い航空券の活用術
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- Step.8 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 会社や学校によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.9 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
- 必ず理想の留学の形を作ってから予算を出していく
- 予算によって留学を絞っていくと可能性が小さくなる
自分の将来に賭けてみたくなりました!
投資して一番裏切られないのは「株や不動産では無く自分自身への投資だ!」ということ、覚えておいてくださいね!
お金がないのに留学!それって逆に損してない?まとめ
今回お話しさせていただいたお話は、万人受けするお話ではなく、1%の天才を除いた残りの99%の人のためのものになります。
そのため必ずと言っていいほど、1%の人たちからはクレームが入る内容となってしまっているのは言うまでもありません。
しかしながら、留学をサポートすることで評価されるのは100人中たった1人の飛び抜けた200点の成功者を育成することでなく、100人中99人に対して90点レベル以上となる人材を育成することです。
立場が違うと物の見方が大きく異なることを、知って頂けたらと思います。
ただ、そうした1%の成功者に対して思う事は、「こんなに天才な人がしっかりと準備をして留学していたとしたら・・、どれほど大きな成果をもたらしたのだろう?」という純粋に「どれほど凄かったのか見てみたかった・・」と言う気持ちであることは間違いありません。