教職課程の大学生が留学・ワーホリに出るのは大変?
教職課程の皆様は、『将来教師になるという夢』を追いかけ毎日のように必死で勉強に打ち込んでいらっしゃるかと思います。
しかしながら近年の多様化により、教職課程の学生の中には企業採用を目指したり、海外留学を志す人たちも増えてきました。
そこでここでは、将来の先生を目指している皆様のために、『先生の留学における問題』と『海外留学を目指すことができるスケジューリング』について詳しく案内させていただきたいと思います。
是非、先生の卵の皆さんはもちろんですが、そのご家族の皆様にも参考のためにご覧いただければと思います。
教育改革による教職課程も変わっている!
教育改革がドンドンと行われている中、2019年度より、先生を目指すための教職課程の変更が行われています。
それもそのはず、過去20年以上も変更が加えられていなかった教職課程では、現在の教育レベルにはマッチしておらず、苦労して勉強して先生になったにもかかわらず、1年も経たずに離職してしまう先生や精神的な病気になって辞めてしまう先生が増え続けているためです。
また教育現場では長期労働を指摘される中、新任教員の負担は激増しており、近年ではモンスターペアレント問題などもあり先生たちのストレスは右肩上がりで上昇しています。
加えて、小学3年生からの英語教育の導入が行われるなど 、早期英語教育を行っている子供たちも年々増えてきており、先生に求められるスキルも年々上昇している中、ストレスやしがらみの無い学生のうちに海外留学を考えようとする大学生も増え始めています。
教職課程に変更がありました!
2019年より教職課程が20年ぶりに変更されることになりましたが、文部科学省は以下のように発表を行っています。
文部科学省による発表内容
2019年より教職課程に加わった内容
- 小学校の外国語(英語)教育
- ICTを用いた指導法
- 特別支援教育の充実・学校安全への対応
- 道徳教育の充実
- アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善
- 学校と地域との連携
- チーム学校運営への対応
- 学校体験活動等
教職課程に入ると留学に出られない!
しかしながら、いざ教職課程に入って勉強している大学生たちが海外留学をしようと思っても、実は、全くと言っていいほどそのチャンスがありません。
と言うのも、例えば短期留学に出ようと考えた場合、春休みや夏休みを利用することになるのですが、教職課程には『教育実習』があるため、なかなか時間が作れないと言うのが本音です。
特に、サークル活動や部活動を行っている学生にとっては、長期休み期間中のイベントや活動に参加しない事については、サークル仲間や先輩たちの顔色を伺う必要もあるため大変です。
また、就職活動も考えている学生にとっては、大学3年時の夏に行われる企業インターンシップへの参加は必須になりますので、少し考えただけでも留学に出るチャンスはないといえます。
そのため、教職課程の皆様は、『大学2年生終了時から大学を休学し留学に出るパターン』か『大学3年生の後期から留学に出るパターン』しか無いとお考え下さい。
教員免許と留学、それに就職活動もしたいのですが可能ですか?
もし、教員免許に加えて一般企業への就職活動や留学を考えた場合には、上記のスケジュールよりも日程が複雑になりますが、大学を計画的に休学することでスムーズにすることができます。
また、教育実習のタイミングが県や学校によっても違うので、遅くとも2年時の夏ごろには留学カウンセラーへのご相談を始めておいてください!
学年 | 月 | 内容 |
---|---|---|
1年 | 3~4月 | 教職課程仮登録説明会 |
2年 | 3~4月 | 教職課程登録説明会 |
2年終了時 | 長期留学(休学留学)が可能なタイミング | |
3年 | 3~4月 | 教職課程説明会 |
8~9月 | 教育実習 | |
3年後期 | 半年 or 1年半留学(休学留学)が可能なタイミング | |
4年 | 3~4月 | 教育実習合否判定 |
4~5月 | 教育実習開始 | |
7~8月 | 公立学校教員採用試験 | |
3月 | 教育職員免許状交付(卒業式) |
教師の採用者と離職者を比較してみよう!
※ グラフをクリックすると詳細の人数も分かります
グラフの操作方法
上のグラフでは離職者(ピンク)をクリックすると、2017年度の離職者(退職者を含む)のデータも加えることができます。
教師の採用者数と離職者数を見て頂けると、幼稚園・小学校・中学校・高校と、どの教員を積極的に採用しているかも分かります。なお、近年では子供たちの英語力向上により、小学校と高校の先生からの留学相談が著しく増えています。
採用者数 | 離職者数 | |
---|---|---|
公立幼稚園 | 1,475人 | 1,218人 |
私立幼稚園 | 9,191人 | 8,999人 |
公立小学校 | 18,231人 | 17,649人 |
公立中学校 | 10,544人 | 8,280人 |
公立高等学校 | 5,970人 | 5,340人 |
私立高等学校 | 3,802人 | 4,134人 |
※ 3年ごとに実施される学校教員統計調査の確報値。
(文部科学省:2017年度調べ)
これからの先生に求められるものとは?
横浜市教育委員会が行った教育意識調査によると、保護者たちが教師に求めているものとして最も多かったのは『教育への責任感や使命感』となっており、次に多いのが『いじめ対策』でした。
そうした中で興味深いデータとして、なんと第3位に入ったのは『社会人としての一般常識』でした。
つまり保護者の皆さんの多くは、先生に対して「社会人としての一般常識を身に付けて欲しい!」と言うふうに思っており、なんとその割合はアンケート回答者のうちの50%以上にもなります。
そのため、これから先の先生たちは『ただただ大学の教職課程を卒業して先生になる』と言うのではなく、『たくさんの経験を持った先生』が求められていることがわかります。
しかし、残念なことに1度教師になってしまうとなかなか社会経験をする機会はなく、特に海外留学と言った長期での海外経験に出る機会などありえません。
そこで、もし少しでも海外留学に興味を持っていらっしゃる先生の卵の皆様がこちらにいらっしゃいましたら、迷わず今の間に海外留学に出る事を強く推奨させていただきます。
1度でも先生になってしまうと、次に留学へと出るチャンスがやってくるのは、圧倒的な教師の離職率0.4%という低さを考えますと定年退職後になってしまいますので。
保護者が教員に望むこと
- 教育への責任感や使命感: 68.7%
- 非行やいじめなどの問題行動への適切な対応: 58.0%
- 社会人としての一般常識: 50.8%
- 公正・適正な評価・評定: 49.7%
- 授業力や教科などの専門知識: 45.7%
教職課程の理想の留学スケジュールとは?
さて、海外留学に興味を持っていらっしゃる教職課程の皆様のために、大学3年時を休学する理想的な留学スケジュールをフローチャート形式で作ってみました。
少なくとも、以下のような流れに沿って留学計画を作っていただければ、まず失敗した留学にはなりませんので、参考にしていただければと思います。
教育課程者の留学相談スケジュール
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- Step.1 留学に関して真剣に考える【大学2年生の夏まで】
- 教員免許・留学・企業の就職活動についてどれを行うか?をしっかりと考える
大学生のための留学情報 - Webシラバス【2024年度版】
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- Step.2 留学相談をスタートさせる【大学2年生の夏】
- プロへの留学相談をスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングしていく
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- Step.3 大学やゼミの調整をする【大学2年生の夏】
- 留学の日程を絞り込めたところで、大学の休学日程や教育実習の日程についてゼミの先生等と相談する
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- Step.4 渡航日程の決定と休学申請【大学2年生の夏~秋】
- 留学プログラムによっては大学3年時の休学申請を行います
大学生の1年間の休学留学がトレンドになる格差社会とは?
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- Step.5 具体的な留学計画を立てる【大学2年生の秋】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
留学で英語力を伸ばして就職活動を完全攻略せよ!!
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- Step.6 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学5~6ヵ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに現地でのアルバイトについてもイメージできるようになります)
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- Step.7 学校の申し込みを行う【留学4~5ヵ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.8ビザ手配をスタートさせる【留学4~5ヵ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
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- Step.9 航空券・荷物の準備をする【留学4~5ヵ月前】
- 値上がりが起きる前に航空券や保険の手配を行います
留学・ワーキングホリデーで得する安い航空券の活用術
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- Step.10 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1ヵ月前】
- 留学内容によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.11 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
教職課程の大学生が留学・ワーホリに出るのは大変?まとめ
ここでは教職課程に入っている大学生の皆様のための留学について詳しく案内させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
正直言って『教職課程に入っている学生が海外留学に出る』と言う事を想定している大学はほとんど無く、そもそも休学を想定している学校すら少ないのが現実です。
しかしながら、子供たちの教育に直接携わる先生たちの人生経験は、間違いなく多いに越した事はありません。
そのため、1人でも多くの教職課程の大学生の皆様に海外留学を経験していただきたいと言う思いを持って、詳しく海外留学についてご案内をさせて頂きました。
また、将来先生の皆様には留学パッケージプログラムのようなものでは無く、完全に個別のオリジナル留学で留学されることで、例えば海外の教育制度を勉強したり、ボランティアに参加する、または、海外の企業インターンだって経験できてしまいます。
なかなか時間的な問題で厳しいことも多いかと思いますが、もし我々ココア留学が皆様の留学についてお手伝いさせていただけるような機会があれば、お気軽にご相談いただければと思います。
また、こちらの記事は日本の未来の教育のため、教職課程の大学生全員に、是非、読んでいただきたい内容となっておりますので、もしご友人や親族などで将来先生を目指す方がいらっしゃいましたら、是非、転送していただけましたら幸いです。
いつも最後までご覧いただきまして、本当にありがとうございます。