大学生が留学するメリット・デメリットを就職を忘れて解説!
大学生にとって「海外留学を経験することは有益なのか?それとも無益なのか?」その中身について、敢えて大学生にとって重要な就職活動について考えない方向から迫ってみたいと思います!
大学生は就職活動を忘れる必要がある!
大学生活の4年間は長いようで短いもの。実は、勉強や部活ばかりの高校生活までと違い、大学生という社会的地位は自由な時間が永遠にあるようで余裕はありません。
そのため少し難しい言い方になりますが、社会人までの間に自分が得られるかけがえのない経験値を積むチャンスは多くはないため、戦略的に計画を立てねばならなかったり致します。
これまで経団連が推し進めてきた大学生の就職活動に関する指標では、おおよそ大学3年生の冬から説明会などの広報活動を企業が行い、大学4年生になった段階で面接などの具体的な選考活動が行われていました。
しかし2018年に、「2021年春の入社を予定している新卒者を対象とする就職・採用活動のルールを廃止する」ということが正式に決定されました。この背景には、就職活動のルールがあることによって、大学生の本来の目的である学業に支障があると懸念されていたからです(その後、学生の混乱を防ぐため政府が就職ルールを管理することになりました)。
確かに、「大学生活の本来の目的であるはずの学業が、就職活動によって阻害されることはあまり良いこととはいえませんよね!?」そこで経団連は「これまでの就活ルールを廃止しましょう!」と提唱したのですが、これが意味するものは「将来的には企業がどのタイミングで採用活動を行っても構いませんよ!」というものになると思って頂ければと思います。
と言うのは、IT関連の事業などでは、企業は海外大学などの優秀な学生を早い段階で採用してしまっているので、実質、採用活動のルールは崩壊してしまっているところがあるためです。
- 将来的には大学生の就職活動のタイミングが自由になる見通し
- 採用活動のルールは海外大学の学生向けには既に崩壊してしまっている
将来の就職活動について
就活ルールの廃止に伴い、今後は就職活動のスケジュールは大きく変わります。それは、ざっくりと言えば『就職活動の時期は人それぞれになる!』ということを意味しています。
つまり、早くに就職活動を終えてしまう人もいれば、卒業間際まで就職活動をしない人、ずっと就職活動をしている人けど採用が得られない人なども出てくることが予想されていますが、そうなると、楽しい大学生活もずっと就職活動のことばかり考えてしまうようになるかも知れません。
留学するかどうかを検討されている方の中には、きっと「自分の人生をより充実した良いものにしたい」と考えている人も多くいらっしゃることと思いますが、留学に出ることで就職活動が大幅に遅れること心配されていらっしゃる方も多いのでは無いでしょうか?
そこでここにいらっしゃる方には「1度、就職活動のことは忘れてみませんか?」ということを提唱させて頂きたいと思います。
就職活動を忘れることで留学を選択するメリットも増えますし、人生に大きな幅を持たせることも可能になります。
前置きがかなり長くなってしまいましたが、将来の就職や自分のことを大切にされたい人にとっても有益な考え方になると思いますので、良かったら最後までお付き合いください。
- 大学生は良くも悪くも就職活動に縛られてしまっている!?
ココア留学さんは大学生の就職活動とかキャリアに凄い詳しいと思うのですが、敢えて「就職活動を考えない!」ということも考えていらっしゃるんですね!
最も行動の妨げになっているものを敢えて取り除いて考えてみることで、物事の本質が見えてくることがあります。
『心が向いている方向の確認』や『考えを整理する方法』として、凄い有益なので良かったら覚えておいてください!
大学生が留学する最大のメリットは経験
まず、大学生が留学をするに当たっての最大のメリットとは何だと思いますか?
それは、一言で言ってしまえば「他では得ることができない圧倒的な経験を得ること」に尽きます。
日本は島国という特徴もあり、比較的、異人種や異文化が入りにくいという傾向があるため、東京などの都市部以外では「外国の人を見ることはほとんどない」という場所も少なくありません。
そこで先ずは島国日本を飛び出して、「留学で得られる具体的な『経験』とは何なのか?」と言うことについてご紹介させて頂きたいと思います。
- 留学で得られる経験とは何か?
大学生が留学する最大のメリット
真っ先に留学するメリットとして挙げなくていけないのは『世界中の人々と出会うことができる』という点です。
先に述べたように、日本には外国人が増えてきたと言っても世界の人々と出会うチャンスはどうしても限定的と言わざるを得ません。
たまたま日本で外国人と友達になったとしても、日本の文化に慣れ親しんでいる外国人は海外にいる外国人と違って、少なからずとも日本文化や日本人に対してリスペクトの精神を持っている人が圧倒的に多いです。
しかし、海外に住んで、その国の文化や空気のみで生きている人々は、日本にいる外国人たちとは全く違います(日本にも「俺は海外になんか絶対にいかないぞ!」って言っているお父さんとかいますよね!!)。
そうした日本に対して興味も無ければリスペクトも無い人に出会うことが出来るのは、必ず海外に行くしかない訳です。
日本に興味が無い外国人との出会い
こうした自分のバックグラウンドとは全く違う外国人との出会いが一体何を生みだすと言うのでしょう?
それは価値観の変化です。
価値観とはその人が生きてきた背景や文化、受けてきた影響が反映されるもので、他との比較をすることによって感じられるものです。
「あなたは何ラーメンが好きですか?」
と言う質問に対して、「私は塩ラーメンが好きです!」や「いやいや豚骨ラーメンが!」と言った意見を持つことができるのも、過去に他のラーメンを食べたことがあるため、比較することにより得られた回答だったりします。
「あなたは日本の文化が好きですか?」
自分が育ってきた日本文化について『良い』『悪い』と言えるのも、異文化体験により他国の文化を経験して初めて答えられるようになります。
海外には、日本人やアジア人のことが大嫌いな外国人も沢山いますが、そうした人たちの出会いもまた、将来、あなたの価値観を大きく変化させたり、物事を正しく評価するための材料になることをお約束いたします。
- 日本人を嫌いな外国人に会うには海外に行くしかない
- 価値観の違う人たちとの出会いが物事をより正しく評価させることになる
異文化交流による将来の武器
異文化交流を行えば行うほど、自分の中で当たり前だと思っていたことが覆されることが出てくるのですが、それは「あなたの視野が広がった!」ということを意味しています。
視野を広げるということは物事を見る視点が増えたということでもありますが、物事を多角的に見ることができるということは、実は、社会に出てからも大きな武器になったりします。
それは例えば、ビジネスシーンにおいて相手に対して交渉が必要な場合、「自分は○○と考えているから××して欲しい!」という自分の条件を伝える時、相手の立場を無視して一方的に自分の意思だけを発信してしまっていては、相手からは少しの理解も得られませんよね?
少なくとも相手の立場に寄り添う形を見せ、「あなたの立場的に□□という状況にあるのは重々承知の上です。ただ、私は○○が弊社だけでなく御社の未来にも必要だと考えております。だから××を視野に入れて頂けませんでしょうか?」という風に話した方が確実に効果的です。
社会の大部分は自分と相手との相互のコミュニケーションにより成り立っています。
そして、海外留学中に行う異文化交流は、相手が自分と同じ価値観やバックグラウンドを持って無いため、どんなことにおいても相手から理解を得ることは基本的に難しく、そのコミュニケーションに関する難易度は日本のビジネスシーンの何倍も難しいケースばかりです。
そのため、学生の間にこうしたレベルの高いコミュニケーションを経験することは、皆様の人生において、誰かとのコミュニケーションだけでなく、アイデアの発案、交渉など、ビジネスでもプライベートでも大いに役に立つことは言うまでもありません。
- 外国人とのコミュニケーションは文化が違う分、ビジネスコミュニケーションよりも難しいことが多々ある
- 学生の間に異文化交流を経験することは大学生にとって人生の大きな糧となる
2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | |
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就職予定 | 81.8 | 81.4 | 83.6 | 85.4 | 85.1 | 86.4 | 86.0 | 86.6 | 85.3 | 87.2 |
就職に不安を感じている | 90.6 | 89.9 | 89.1 | 90.0 | 90.2 | 90.4 | 89.7 | 90.2 | 88.6 | 89.9 |
※ 文系大学4年生の就職に関する意識調査ですが、ほとんどの大学生が就職について不安を感じてます。
(全国大学生活協同組合連合会:2018年度調べ)
就職に関しての不安もありますが、「このままで良いのか?」という漠然とした不安も大きいです・・。
間違ってはいけないのは、「留学は攻めの一手であって、逃げの一手では無い!」ということです。
不安だから留学に逃げるのでは無く「不安を払しょくするために留学に行く!」という風に考えるようにしてください!
異文化交流は旅行でもできるのでは?
次に、そうは言っても「異文化交流などの経験は旅行でもできるんじゃないの?」「わざわざ高い留学費用を払う価値なんてあるの?」と思っていらっしゃる方もきっと少なくはないはずです。
そこで、続いては『海外旅行と留学における異文化交流の違い』についてご紹介させて頂きたいと思います。
海外旅行と留学における異文化交流の違い
旅行やバックパッカーそれに旅と言ったものと海外留学における異文交流の最大の違いは、相手と「歴史的に神経質になりやすい話題に対して真剣に議論するチャンスがあるか?」という点が挙げられます。
海外旅行やバックパッカーでの異文化交流と言うのは、海外の人との一期一会の出会いを楽しむことが主軸になり、短い期間の中で外国の非日常的な楽しい部分に触れる、エンターテイメントや娯楽と言う位置づけになることが多いです。
当然ですが、相手とのコミュニケーションの過程において話す内容としては、楽しい話題がメインとなり、戦争や考え方、宗教や政治と言った意見の対立が起こるような話は避けることになります。
一方で、留学中に行われる異文化交流は、クラスメイトや友人など相手の素性や性格などを知った上で行われる交流になるため、正直、普段はタブーとされているような話までがテーマとして話されることになります。
そのため、短期の海外旅行などで行われる異文化交流とは全く次元の違うレベルでの交流が、海外留学では行われているとお考え下さい。
- 旅行やバックパッカーの異文化交流は楽しい部分のみになりやすい
- 戦争や考え方、宗教や政治などセンシティブな内容まで議論できるのは留学ならではの魅力
社会に出てからの異文化交流
よく聞かれる言葉に「一旦社会に出てからでもできるのでは?」というものがありますが、それと同じくらい聞かれるのが「学生のうちに留学や異文化体験をやっておけばよかった」という言葉です。
「大学生と社会人では時間について何が違うと思いますか?」
その答えは、「社会人は大学生と違ってとにかく忙しく自分と向き合う時間が本当に取りにくい」と言う点が挙げられます。
一度社会に出て経済的に自立してしまうと、安定した収入を断ち、自分と向き合うためだけの時間を作ることは簡単そうに見えて、とても難しいことだったりします。
特に日本人の内、約40%以上の人が転職を経験することさえなく、ずっと同じ仕事を継続することを考えると仕事を辞めることさえ難しいということが分かります。
社会に出てみたら「大学生という立場を利用し、やりたいことを突き詰め挑戦できることはとても貴重で贅沢な時間」と言うことを本当に感じるようになること、是非、今の内に知っておいて頂ければと思います。
- 社会人になってしまうと時間そのものが無くなってしまう
- やりたいことがあるならば大学生の間にやっておくのが良い
社会人ってそんなに時間が無くなるんですね・・。
そうですね・・。
「時間が無い」というよりも、大学生の頃のように「自分の判断で自由にできる時間が極端に短くなる」と思っていただけると分かりやすいかもです。
大学生が留学するデメリットは質が求められる
最後に「大学生が留学する上でのデメリットは何?」と言われたら何を思い浮かべますか?
それは小中学生が行う留学のように単純に海外を体験して帰ってきたり、軽い異文化交流をしたり、英語を勉強して帰ってくるような留学では無く、留学そのものの質についても求められてしまうと言う点になります。
「私は海外留学に行ってきます!」と言うのは完全に高校生までで、大学生の留学になると「私は〇〇をするために〇〇と言うコースを経て、〇〇を行って帰ってきます!」と言うところまで留学を作り込んでおく必要があります。
「そこまでやらないといけないのか・・・」と意気消沈される方も多いと思いますが、逆に言うと、それほど「大学生が留学に出る!」となると周りが期待してしまう傾向にあるとお考え頂けたらと思います。
そこで皆様も「私は留学して英語を勉強してきました!」と大学生が胸を張って言える時代では無くなってきたのだと、心の片隅においておいて頂けたら幸いです。
- 大学生の留学で語学学習だけでは物足りない時代がやってきた
- 語学留学以上の経験が必要になってきている
確かに海外インターンシップを経験して帰ってきている同級生が増えました・・。
そうなんです!
海外インターンシップと言っても「何の職業で経験を積んできたのか?」まで求められるようになってきています!
大学生が留学するメリット・デメリットを就職を忘れて解説!まとめ
学生生活の最終地点は社会に出ることです。
しかし現代では、とりあえず進学し就職活動を経て社会に出たけれど、本当に自分のやりたいことは何だったのか、生きる人生とは何なのか改めて考えてしまう人が少なくありません。
留学をするメリットは「英語力を上げる」「就職活動のアピールになる」などと言う表向きに見えやすいものから、「社会に出て自分のやりたいことが見つかった!」や「自分に自信がついた!」など、内面的な人間力を養うこともできることも大きなメリットだったりします。
「私は留学に出ても良いのかな?」
もし、答えが出ないような時は、留学をするメリットやデメリットを書き出してみて、「あなたにとってメリットがデメリットを上回る場合は、今すぐにでも留学に行くべき」だと考えてみてください。
それは、皆様が「留学に出ようかな?」と考えていることは、「いつでも誰にでもできることではない特別に恵まれたことなんだよ!」と言うことだからです。
色々と留学の準備をしていると、どうしても帰国してからの就職活動のことを考えてしまうことがあると思いますが、「留学そのものに集中して、良い留学生活にすることで、就職活動などを超えた留学の本質にたどり着けることになる」と言うことを、是非、皆様にも感じて頂けたら幸いです。