社会人のカナダ留学の費用は絶対こうやって考えて!
学生とは違い、社会人の皆様が留学に出ると言う事は、正直言って『人生をかける!』と言うことに等しいことですが、それもそのはず社会人留学には、直接的に留学費用だけではなく将来の収入など、生活に関わる全てのお金が関わってきてしまうためです。
そこでここでは、カナダ留学を考える社会人の皆様のために「留学期間だけではなく将来を見据えたカナダ留学の費用が一体どのようなものになっているか?」詳しく案内させていただきたいと思います。
カナダ留学の支出は一体どれくらい?
先ずは、皆様が最も気になっているであろう「そもそも一般的なカナダ留学の費用がどれくらいなのか?」と言うお話をさせていただきたいと思います。
カナダに留学に出られる方は、ワーキングホリデーや学生ビザ(COOPビザ)などの就労が可能なビザを取得して、アルバイト等で収入を得る方もいらっしゃいますが、収入については後ほど詳しく案内させていただきたいと思います。
そこで、留学中にしっかりと学校に通い勉強をした場合、「一体どれだけの留学費用が必要になるのか?」を期間別にまとめてみましたのでご覧ください。
また、今回は支出品目についてかなり細かくご案内しておりますが、ここではイメージを掴んで頂くだけで結構ですので、全てを見ると面倒な方は表の1番下の『留学費用目安』に注目していただければと思います。
1カ月 | 3カ月 | 6カ月 | 1年 | |
---|---|---|---|---|
エージェントサポート料 | - | - | - | - |
往復の飛行機チケット (燃油サーチャージ等込み) |
10~250,000円 | 10~250,000円 | 13~250,000円 | 50,000円~(片道) |
海外旅行保険 | - | - | 100,000円~ | 180,000円~ |
パスポート申請 | 16,000円 | 16,000円 | 16,000円 | 16,000円 |
空港出迎えサービス | 100~150ドル | 100~150ドル | 100~150ドル | 100~150ドル |
学費・入学金込 | 1,200ドル | 3,500ドル | 5~8,000ドル | 10~16,000ドル |
ホームステイ料 (最大3カ月計算) |
900ドル | 2,700ドル | 2,700ドル | 2,700ドル |
ホームステイ手配料金 | 150~200ドル | 150~200ドル | 150~200ドル | 150~200ドル |
ホームステイ時の外食費 (最大3カ月計算) |
100ドル | 300ドル | 300ドル | 300ドル |
アパートシェア家賃 (ホームステイ後) |
- | - | 12~2,700ドル | 36~5,400ドル |
アパートシェア光熱費 2名シェアの半額想定 |
- | - | 180ドル | 360ドル |
アパートシェア時の食費 (ホームステイ後) |
- | - | 900ドル | 2,700ドル |
インターネット代 2名シェア想定の半額済 |
- | - | 0~150ドル | 0~450ドル |
交通費 | 70ドル(1カ月分) | 210ドル(3カ月分) | 210ドル(3カ月分) | 210ドル(3カ月分) |
旅行費 | - | - | - | 1,500ドル |
お小遣い | 500ドル | 1,000ドル | 1,200ドル | 2,400ドル |
携帯電話(SIM利用) | - | - | - | - |
携帯電話の通信料 | 50~60ドル | 120~210ドル | 240~420ドル | 480~840ドル |
留学費用目安 (円換算済み) |
最低40万円以上 | 最低85万円以上 | 最低120万円以上 | 最低240万円以上 |
※ 円換算について「1ドル(カナダドル) = 90円」で計算を行っています。
もしかして長期留学のほうが安くなりますか?
その通りですね!上記の表は、結構、生活を切り詰めた費用になっていますが、実際には毎月の予算で『+5万円/月』と考えておいて頂けますと、日本の生活と同様水準の生活が可能になります!
カナダ留学中の収入はどれくらい?
カナダ留学でどれほどの支出になるのか?ある程度の目星をつけていただきたいところで、続いてはカナダ留学中の収入についてのお話へと入らせていただきたいと思います。
実は、カナダでは日本にはない『チップ文化』と言うものがあり、飲食店やサービス業などでは、給与とは別に税金等が一切引かれない収入を得ることができますが、チップは仕事内容や働く人の能力によって大きく変わり、人によってはこのチップによる収入が基本給を超えてしまうこともあります。
そのため、カナダでの収入については簡単にお伝えする事はなかなか難しいのですが、残念ながら『留学生の収入』についてはお伝えすることができてしまいます。
と言いますのも、留学生の90%以上は各仕事における最低賃金で働いており、チップによる収入もかなり低く設定されていることがほとんどなためです。
そこで以下には、日本とカナダのアルバイトの収入について比較したグラフを作成してみましたのでご覧ください。
カナダのアルバイトでの収入は?
※ グラフをクリックすると詳細のデータも見えます
グラフの操作方法
上のグラフではカナダの給与(ピンク)をクリックすると、日本の平均給与と比較してカナダの給与データもグラフに加えることができます。
東京の給与は、日本国内では時給にして平均よりも100円近く高くなっており群を抜いていますが、カナダの給与と比較してどのようなものになっているのでしょう?是非、比較してご覧ください。
難易度 | 給与(時給) | チップ(1日) | 日当(8時間) | |
---|---|---|---|---|
平均給与(東京) | - | 980円 | - | 7,840円 |
日本食レストラン | Easy | 1,000円(12ドル)~ | 2,000円~ | 10,000円~ |
清掃員 | Easy | 1,000円(12ドル)~ | 無し | 8,000円~ |
工場の作業員 | Easy | 1,000円(12ドル)~ | 無し | 8,000円~ |
現地カフェ | Hard | 1,200円(15ドル)~ | 3,000円~ | 12,600円~ |
現地レストラン | Hard | 1,200円(15ドル)~ | 5,000円~ | 14,600円~ |
カナダ平均給与 | Very Hard | 2,500円(28.76ドル)~ | - | 20,000円~ |
※ 平均給与はLiving in Canadaを参照。
(ココア留学:2020年度調べ)
カナダ人との格差がすごい!
こうして見ていただければ一目瞭然だったと思いますが、ジャパニーズレストランや清掃員の仕事など、英語力がなくても就くことができるお仕事と言うのは給与がものすごい安いです。
特に、カナダのレストランは人材不足に悩んでおり常に求人募集が出ているような状況であるにもかかわらず、その給与が上がる気配は全くありません。
これも毎年のように次から次えとやってくる日本人ワーキングホリデーの皆様が、最低賃金で働いてくれるためなのですが、これはちょうど、日本に東南アジアや中東の人たちがやってきて、とても低い給料で深夜の工場勤務や清掃員として働いている状況と全く同じだとお考え下さい。
最近、外国の人たちが日本人がやりたくない仕事を率先してやってくれていますが、海外では日本人が逆にその立場になって働いています!
社会人は計画的にカナダ留学に出る!
さてここにいらっしゃる皆様は、おおよそのカナダ留学の支出と収入についてのイメージをつかんでいただけたかと思いますので、続いては、将来における社会人留学のリスクについてのお話へと入ってきたいと思います。
と言いますのも、社会人の皆様にとって仕事を辞めて海外留学に出ると言う事は、これまでの安定した社会人生活を捨てて、アウトローの世界へと入っていくことを意味していますが、例えば、たった1年の留学期間であったとしても、28歳で退職した人は留学を経て帰国後の再就職時の年齢は30歳になってしまいます。
そして再就職の面接時には「私は先月までカナダへと留学にいってました!そして飲食店のアルバイトをしてきました!」と言わなくてはいけないわけですから、社会人の皆様にとって留学がどれほどアウトローの世界へと入ってしまうことになるのかイメージできたのではないでしょうか?
計画的なカナダ留学をした留学費用は?
実は、カナダ留学を計画的に行うと完全に個人に合わせたオリジナルの留学計画になってくるため、費用は本当に人によってバラバラなのですが、少しでもイメージを作っていただきたいので、『300万円を元手にした2年間の留学期間を元にした予算計画』を作ってみました。
なお、こちらの計画では1年目こそ学生として英語やスキルアップに集中していただきますが、2年目からはカナダでの正社員としての勤務も視野に入れたものになっています。
また、ここではどんな人でも基本的な努力次第で達成可能な収入を表には記載させていただいておりますが、実際に海外で正社員として勤務できる人材が帰国して再就職をする場合、当然のことながら「年収360万円程度で収まるはずはない!」とお考え下さい。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国 | 外国 | 外国 | 日本 | 日本 | 日本 | |
ステータス | 学生 | 正社員 | 正社員 | 正社員 | 正社員 | |
収入 | 0万円 | 340万円 | 360万円 | 360万円 | 360万円 | |
支出 | 学費 | -120万円 | - | - | - | - |
生活費 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | -120万円 | |
航空券 | -10万円 | -10万円 | - | - | - | |
保険料 | -20万円 | -20万円 | - | - | - | |
雑費 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | -30万円 | |
小計 | -300万円 | +160万円 | +210万円 | +210万円 | +210万円 | |
合計 | -300万円 | -140万円 | +70万円 | +280万円 | +490万円 |
※ 留学経験者は正社員で約1.2倍の給与になるとのデータがあります。
(朝日新聞: AERA調べ)
もしかして普通に留学に出たら、帰国後のお給料は下がりますか?
そうなんです・・。留学に出れば収入が上がると思っていらっしゃる人も多いのですが、実際に留学に出て収入がアップしている人のほとんどは『海外の大学や大学院を卒業した留学生』なんです・・。
社会人の理想のカナダ留学スケジュール
続いて社会人の皆様がカナダ留学を計画される場合、どのようなスケジュールで動けば留学費用的にも安くなり、将来的に失敗するリスクも減らすことができるのでしょうか?
そこで以下には、社会人の皆様のために理想的なカナダ留学の渡航までのスケジュールを『フローチャート形式』でお作りしてみました。
こちらのスケジュール通りに動いていただければ、まず間違いなくアウトローの世界に入って行ったとしても、どん底まで落ちることだけは免れますので、是非、渡航計画を立てる際の参考にしていただければと思います。
カナダ留学の留学準備ステップ!
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- Step.1 留学サイトなどでカナダについて調べる【留学6~8カ月前】
- カナダに関してある程度で構わないのでイメージを作ります
初めての海外留学者のための基礎知識
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- Step.2 社会人としての留学を調べる【留学6~8カ月前】
- 社会人の留学は学生と比べてリスクがかなり高いので注意します
社会人の留学 - 転職・キャリア留学情報【2024年度版】
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- Step.3 留学相談をスタートさせる【留学6~8カ月前】
- 留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
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- Step.4 留学計画を立てる【留学5~6カ月前】
- 『語学の計画』や『将来のライフプランの設計』を行います
社会人留学で休職はアリ?退職して賭ける?究極の選択!
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- Step.5 英語力を測定して留学期間と時期を決める【留学4~5カ月前】
- 学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
(※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらに就労までの期間も分かります)
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- Step.6 学校の申し込みを行う【留学4~5カ月前】
- 学校に願書・入学申し込みを行い入学証明を受ける
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- Step.7 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5カ月前】
- カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
(※ ワーキングホリデービザなどは絶対に留学計画が全て整った後で取得します!)
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- Step.8 退職調整や航空券・荷物の準備をする【留学3~4カ月前】
- 会社の退職時期の調整と航空券や保険の手配
留学・ワーキングホリデーで得する安い航空券の活用術
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- Step.9 住民票を抜くなど役所の手続きを済ませる【留学1カ月前】
- 会社の退職・留学によって役所での手続きが幾つか発生します
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- Step.10 荷物をパッキングして出発!
- 荷物の最終チェックをして留学に出発します!
留学に必要・便利な持ち物リスト【2024年版】【印刷可】
社会人のカナダ留学の費用は絶対こうやって考えて!まとめ
社会人がカナダ留学を考える場合、その留学費用については「将来の収入についてまで考えなくてはいけない」というポイントについて、ここにいらっしゃる皆様に分かっていただけたのではないでしょうか?
特に留学エージェントは、日本人留学生をカナダに送り込むことしか考えていないケースがほとんどなため、留学の費用について検索してみても、留学期間中の費用についてフォーカスされた記事しか出てきません。
留学は旅行と違い、海外で何かのスキルを身に付けたり、既に持っているスキルにさらに磨きをかけたりするもので、渡航期間中のみフォーカスが当たるのは少しおかしい話しです。
特に、冒頭でも述べさせていただきましたが社会人の皆様にとって留学に出る事は、『人生をかける』と言うことになります。
そのため、最も大切なのは留学の期間だけを考えた留学費用ではなく、今回ご案内させていただいたような、少なくとも留学期間を含めた将来5年間の費用を考えていただければと思います。
そうするだけで皆様に降りかかる将来におけるリスクを、かなり軽減することができますので・・。
そして、今回もこんな長いお話に最後までお付き合い頂けました将来有望な社会人の皆様に、心より感謝いたします。