オーストラリア移民・永住権

オーストラリアの永住権に関わるTSSビザの変更について!

オーストラリアの永住権に関わるTSSビザについて、2019年12月13日にオーストラリア政府関係により大幅な見直し改変が行われることが発表されました。

そこでここでは、オーストラリアの永住権に関する情報とともにTSSビザの変更点について案内させていただきたいと思います。

TSSビザは2018年3月より実施されている!

TSSビザとはテンポラリー・スキルド・ショーテッジ(Temporary Skill Shortage:サブクラス482ビザ)を短くしたビザの呼び方で、多くの日本人がオーストラリアの滞在に利用されているビザです。

TSSビザは『オーストラリア人の就職を守るため』導入されたビザで、2017年3月18日からビザ制度が実施され、2018年3月18日からは、それまでの長期就労ビザ(サブクラス457ビザ)は完全に廃止され移行が完了しています。

TSSビザは従来の就労ビザと異なり、オーストラリアに2年滞在することが可能な短期熟練職業リスト(STSOL)と、4年間滞在が可能な中期戦略技能リスト(MLTSSL)に分かれています。

しかしながらオーストラリアで永住権取得を目指す皆様にとってこの変更は、非常にハードルが高くなったことを意味しております。

それは、上記のように2つに分かれる就労ビザのうち、2年間滞在が可能な短期熟練職業リストに記載されている職業は永住権申請へと入ることができなくなってしまったからです。

TSSビザ導入で必要な英語力・職が異常なことに!

「TSSビザ導入によりどのように変わったのか?」についてですが、単純に言うと、オーストラリアの永住権申請が相当難しくなったことを意味しています。

例えば、以前はオーストラリアドルで約800万円以上の給与支払いのある方の場合、英語力の証明(IELTSスコアの提出)は免除されていたのですが、こちらの優遇制度は完全に廃止されてしまいました。

そのため職業によって必要な英語力には上下がありますが、少なくともIELTSスコア7.0(TOEIC満点・英検1級レベル)が必要になり、そして、そのほとんどの仕事でIELTSスコアで7.5~8.0クラスが必要になるまで跳ね上がって来ています。

こうした状況にはなっているのは、日本人の英語力は世界的に見て極めて低いのですが、世界中のオーストラリア永住権希望者の英語力は非常に高いため(特に欧州各国の英語力)で、英語力だけでみても日本人のほとんどが申請できないような状況になっています。

調理師もオーストラリア永住権申請が不可に!?

またTSS導入時に議論になったのが、調理師として勤務している人たちの永住権申請についてですが、変更により調理師の皆様の永住権申請についてもかなり厳しくなってしまいました。

と言うのは永住権プロセスに入ることができる、4年間滞在が可能な中期戦略技能リスト(MLTSSL)から調理師は漏れてしまい、申請可能な職業としてシェフ(調理場のTOPや調理長クラスの人)のみが残ったためです。

つまり、調理師の皆様は、英語力とオーストラリアで調理師の平均年収以上の給与が得られることができれば、2年間の就労申請をオーストラリア出すことが可能ですが、永住権プロセスに進むことができません

TSSビザの変更予定のポイントとは?

続いて2019年12月13日に発表されている、TSSビザの変更議論が行われる職業についてですが、全て変更点についてリストにまとめてみたのでご覧ください。

今回の変更での大きなポイントとしては、これまで2年の就労まだ許可されていたSTOSOLビザの対象とされていた、美容師・マッサージセラピストが対象から外れました。

一方で、介護士や介護関係のサポート職については、オーストラリアで資格を持っていれば、新たに2年のSTOSOLビザの対象となっています。

しかしながら再度注意していただきたいのは、4年間の就労が許可されているMLTSSLビザでのみ永住権申請が可能になりますので、介護職では無理だとお考え下さい。

TSSビザの職業リストから削除される予定の仕事
ANZSCO番号 職業 現在ステータス 変更予定
272111 キャリアカウンセラー STSOL(2年) リスト削除
324212 車両整備 STSOL(2年) リスト削除
342311 ビジネス機械エンジニア STSOL(2年) リスト削除
361199 動物アテンダント職・アニマルトレーナー STSOL(2年) リスト削除
362211 庭師 STSOL(2年) リスト削除
391111 美容師 STSOL(2年) リスト削除
394213 木材加工業 STSOL(2年) リスト削除
411611 マッサージセラピスト STSOL(2年) リスト削除
411711 コミュニティワーカー STSOL(2年) リスト削除
452311 ダイビングインストラクター STSOL(2年) リスト削除
452312 体操コーチ・インストラクター STSOL(2年) リスト削除
321111 自動車電気技師 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
321213 オートバイ整備士 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
323313 鍵師 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
332211 塗装業 MLTSSL(4年) STSOL
333111 ガラス工 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
333411 壁・床の職人 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
394111 家具職人 MLTSSL(4年) STSOL(2年)
142115 郵便局マネージャー MLTSSL(4年) STSOL(2年)
312511 機械工学業 ROL STSOL(2年)
612115 不動産業 ROL STSOL(2年)
234411 地質学者 STSOL(2年) ROL
131112 セールス&マーケティングマネージャー STSOL(2年) MLTSSL(4年)
135112 ICTプロジェクトマネージャー
(ブロックチェーンプランナー/マネージャーを含む)
STSOL(2年) MLTSSL(4年)
年収1000万円以上
224999 情報および組織の専門家
(データサイエンティストを含む)
STSOL(2年) MLTSSL(4年)
年収800万円以上
599612 保険損害査定人 STSOL(2年) MLTSSL
年収700万円以上
133612 物資調達責任者 ROL MLTSSL(4年)
231213 船長 ROL MLTSSL(4年)
221212 法人会計 - STSOL(2年)
423111 高齢者・障害者の介護者 - STSOL(2年)
[資格必須]
423312 介護サポートワーカー - STSOL(2年)
[資格必須]
423313 パーソナルケアアシスタント - STSOL(2年)
[資格必須]

※ 円換算には三菱UFJリサーチ&コンサルティング2018年年間平均TTS為替レート採用。

上記のリストの用語解説

  • STSOL:
    短期熟練職業リスト ⇒ 永住権申請不可な短期就労許可(2年間)
  • MLTSSL:
    中期戦略技能リスト ⇒ 永住権申請可能な短期就労許可(2年間)
  • ANZSCO:
    オーストラリア・ニュージーランドの一般職業分類
TSSビザの対象となる職業について

なお、今回の変更が予定されている項目以外のお仕事については、オーストラリア政府サイトで『TSSビザの対象となっている職業』についてご覧いただけます。

Australian Government Federal Register of Legislation

オーストラリアのTSSビザプロセスまでの費用は?

次に、オーストラリアのTSSビザを取得するまでの流れとして、どれぐらいの費用が必要になるか?を簡易計算してみてください。

上記のグラフで、グラフ上にある項目を選択して自分に合わせた留学費用を作り上げてみてください。

TSSビザ費用の選択項目の選び方

語学学校期間の選び方

語学学校の期間の選び方としては3段階ありますので、以下を参照してください。

  • 英語力(低):
    TOEIC 550点・IELTS5.5・英検2級以下 ⇒ 語学学校期間12ヵ月
  • 英語力(中):
    TOEIC 550点・IELTS5.5・英検2級程度 ⇒ 語学学校期間6ヵ月
  • 英語力(高):
    TOEIC 850点・IELTS6.0・英検準1級 ⇒ 語学学校期間無し

カレッジ期間の選び方

カレッジ期間はオーストラリアで有効なスキルの有る・無しで選びます。日本国内でのみ有効な教員免許や看護師資格は対象外になります。

  • スキル無し: カレッジ期間2年
  • スキル有り: カレッジ期間1年

TSSビザまでの費用と期間を計算

上記の全てを選択し終わりましたら、今度は棒グラフを選択していただけるとグラフ上に費用の概算と内訳が表示されますので、必要に応じてスクリーンショットなどを撮るなどしてご家族やご友人へとシェアするなどしてお使いください。

オーストラリア永住権留学の理想の留学ステップ!

  1. Step.1 留学相談をスタートさせる【留学6~8ヵ月前】
    留学相談のスタートさせて、留学に関してある程度のプランニングを考えていきます
    (※ キャリアアップ・転職・永住・TSSビザに向けての動きなど細かく考えて動いていきます)
  2. Step.2 英語力を測定して学校の申し込み【留学3~5ヵ月前】
    学校のオンラインテスト(民間の英語試験)などを受講して英語力を診断します
    (※ 英語力を明確化することで語学学校期間やカレッジ期間、さらにTSSビザまでの期間も分かります)
  3. Step.3 ビザ手配をスタートさせる【留学3~5ヵ月前】
    カウンセリングのプランに合わせて必要なビザを手配し完了させる
    (※ ワーキングホリデーのビザ取得は必ずカウンセリングの後に行ってください)
  4. Step.4 留学期間スタート!
    学校期間中に『英語力の向上・長期滞在先の手配・職業(正社員)の内定』を行う
  5. Step.5 TSSビザの申請を行う!
    事前に作り上げたカリキュラム通りの行動をして、永住権に繋がるMLTSSL申請を行う
  6. Step.6 永住権申請を行う
    MLTSSLの4年間を全て就労を満了する前(就労2~3年目)で永住権申請のプロセスに入ることができます
  7. Step.7 オーストラリアで永住権取得!!
    留学プロセス期間については、早い方で約4~5年程度で申請へと入ることができます!
海外永住権を希望される方の留学記事

永住権を希望される方の多くは目標が海外移住になってケースが目立ちますが、ココア留学の永住権留学はキャリアを育成した上で永住権の取得を目指しますので、永住権取得後の生活の豊かさが全く違ってきます!なお、お仕事やキャリア形成については以下の記事を参考にしてください

社会人留学・転職キャリア留学についての記事一覧

オーストラリアの永住権に関わるTSSビザの変更について!まとめ

ここではオーストラリアのTSSビザの更新内容についてご案内をさせていただきましたが、実際オーストラリアは年々永住権プロセスについて厳しくなってきております。

オーストラリアでの永住を本気でお考えの方は、慎重に留学カリキュラムを組み込むことを強く推奨させていただきます。

また、オーストラリア以外の永住権申請を考える場合、現在、英語圏で先進国の国としてはカナダしか永住権プロセスが開いている国はありません。

カナダの永住権取得留学の留学のご予算としては、オーストラリアよりも少し安くなる程度ですが、それほど大きな違いはないとお考え下さい。

情報の更新は2020年3月頃が予定されておりますので、更新情報があり次第に随時ご案内して参りますので、ご希望の方はココア留学へとご連絡・ご相談いただければと思います。